緋凰一家のドタバタ珍道中   作:レティウス

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皆様、あけましておめでとうございます。

私は最後の最後に大風邪をひきました。いまだに咳も出れば、鼻も垂れます。ですが、熱が引いたので楽になりましたね。


謹賀新年

「あけまして……」

 

『おめでとうございます!』

 

「ああ。今年もよろしく頼む」

 

 緋凰家において、新年を迎え、家族そろった食卓にて挨拶が交わされた。

 

 紫遠が生まれてからは、基本的に緋凰家は毎年の行事にはできるだけ参加しようという暗黙の了解が交わされており、今年も無事に迎えることができた。

 

 しかし、この食卓には、緋凰家の次女である藍紗がおらず、代わりに嫁にきたすみれが参加していた。

 

「いやぁ、去年はめでたいことにノワールが結婚してすみれちゃんが嫁に来て、問題児だった藍紗が無事に嫁に出たな」

 

「そうだね。ちょっと寂しいけど、綺麗だったね」

 

 さっそく紅莉が去年のことを思い出し、妻であるフェイトが微笑みながら、紅莉に酌をしながら同意する。

 

「お義父さま。私のことはすみれでかまいませんわ」

 

「わったよ、すみれちゃん」

 

 嫁であるすみれの言ったことが分かったと言いながら、わかってない紅莉を見て、すみれは思った。

 

(お姉さまと同じ匂いがしますわ。混ぜたら危険じゃ済みませんわね)

 

 ひっそりと汗を流しながらそんなことを思ったのであった。

 

「さて、めでたいついでに、孫をプリーズ」

 

「いや、親父殿、そんなお年玉をくれという子供みたいに言わないでもらえないだろうか?こればかりは授かりものなのだから」

 

「ん?お前と白夜なんて、結婚してすぐできたぞ?」

 

 不思議そうに首をかしげる紅莉にフェイトは顔を真っ赤にしていた。

 

「そうなの!?」

 

 緋凰家の長女である白夜もその話にはびっくりしていた。

 

「ああ。散々じらしちまったせいかは知らんが、あのころのフェイトは激しくてなぁ……」

 

「こ、紅莉!」

 

 さすがにこれ以上はまずいと思ったのか、顔を真っ赤にしたフェイトが無理やり紅莉の口を塞ごうとするが、悲しいかな、相手は武人の中でも理不尽じゃ済まない武人である。結果、塞げなかった。

 

「そういえば、ノワール様のご年齢はお伺いしたのですが、他の皆様も見た目通りというわけではないのですわよね?」

 

「そうだな。白夜はノワールと双子だから同じ年齢だしな」

 

「私は永遠の18歳だもん!」

 

「どアホ。お前は、その時に不老の概念を吸収しちまったからだろうが」

 

「いいんだも~ん!女は永遠に若くありたいんだもーん」

 

 ぷくっとふくれっ面になる白夜は確かに、見た目にあう可愛いしぐさだが、実年齢で考えれば痛いでは済まない。

 

「突き殺せ!」

 

「何をやっているんだ」

 

「なんか無性に腹が立った。後悔はない」

 

 危ない危ない。

 

「んで、紫遠は普通に13だな」

 

「うん!」

 

「そうでしたわね」

 

「んで、次に産まれたのが藍紗だったが……確か、ノワールたちが手がかからなくなってしばらくしてからだったよな?」

 

 そういって、紅莉はフェイトではなく、彼の使い魔兼メイド兼子供たちの総合教育係であるリニスに問いかける。

 

「ええ。なかなか次の子が授からないとぼやいてましからね。彼女も45だったはずですよ」

 

「そうだそうだ」

 

「そうでしたのね。そうしますと、お次は翠さんですか?」

 

「いや、次はスカイだな」

 

「てか、なんで俺じゃねえんだよ」

 

 すみれの推測にふて腐れながら、好物である伊達巻を頬張る三男のアッシュ。

 

「これといって、理由があるわけじゃないのですが……」

 

「正直に言ってやるです。ガキくさいと」

 

「うるせー!だったら、スカイの兄貴のほうが十二分にガキじゃねーか!」

 

「そういうところがガキ臭いっていうんです!」

 

「ほらほら、二人とも喧嘩しないの」

 

 ぎゃあぎゃあと口げんかを始める二人を窘めるフェイトを横目に紅莉が話を続ける。

 

「まぁ、落ち着き度で見れば……翠か?俺的にはスカイだが」

 

「ええまぁ。でもほら、お兄様みたいな例外がって」

 

「ああ、なるほどね。まぁ、スカイはちっこいからなぁ」

 

「う~ん。なんでだろうね?おとーさんもおかーさんもおっきいのに」

 

「フェイトは別に大きく……でかいな」

 

「紅莉!なんでいつも私にセクハラするの!?」

 

「反応が可愛いからだ!」

 

『オロオロオロ……』

 

 突如として始まるいちゃつきに一緒にいるものは口から白い粉を吐き出していた。

 

「紅莉がフェイトをいじり始めると長いので私が説明しますね」

 

「お願いいたしますわ」

 

 そういって、説明を受け継いだリニスが説明を続け始めた。

 

「スカイですが、去年で30でしたね」

 

「そ~だよ~。りっぱなおじさんだよ~」

 

「その見た目では説得力ありませんよ。まぁ、藍紗がああいう子だったので、次の子を作る暇がなかったので、ここも年齢差がありますね」

 

「なるほど」

 

「次がアッシュですね。といっても、アッシュは先月に成人しましたからここでも年齢差が大きいですね」

 

「はぁ、ようやく私より年下になりましたのね」

 

「要さん同様に老けにくいのでいいのではないですか?話を戻して、その次が翠ですね」

 

「翠は19です」

 

「あら、こちらは離れてないのですね」

 

「アッシュが手は手がかかりませんでしたし、そのころにはノワールや白夜が扱いに慣れて、手伝ってくれておりましたからね」

 

「ちなみに、アッシュと翠は、小さいころは私と白夜のことを親と思っており、親父殿たちを祖父母と思っておったのだ」

 

「兄、あまり昔のことはいわねーでほしいです」

 

「いいではないか」

 

「実際に、それほどの年齢差がありますからね」

 

「けっ、まだ兄貴たちが両親のほうがましだったぜ」

 

『はいはい』

 

「んだよ!その反応は!」

 

 おざなりに相手されるアッシュが吠えるが、誰も相手にしなかった。

 

「おー、話は終わったか?」

 

「ええ、大体は説明し終わりましたよ」

 

「すまんね」

 

 ほくほく顔で戻ってきた紅莉と若干涙目のフェイトにリニスはこれといって表情を変えずにそのまま自分の位置に戻っていった。

 

「そんじゃまぁ、お前ら、お年玉だ」

 

 そういって、紅莉は懐からぽち袋を取り出す。その数、8つ。

 

「親父殿、私などはもう子供ではないのですが」

 

「俺からすりゃ、いつまでもガキだよ。悔しかったら孫を早く作れ」

 

「くっ」

 

 言い返したいけど、言い返せない自分が悔しいのか、ノワールは顔をしかめながら紅莉からお年玉を受け取る。

 

 すみれも例外にもれずに受けるとるが、手に取る感触に違和感を覚える。

 

 お年玉にしては、そもそものぽち袋が大きく、しかもずっしりと重い。

 

 少々はしたないと思いつつも、袋を開けると。

 

「延べ棒!?しかも、純金!?」

 

「ああ、現金のほうがよかったかい?すまんね。うちは大体これなんだよ」

 

「理由としては、時の庭園(ここ)だと自給自足できて、お金を使わないから、大体、どんな世界でも共通して価値のある金を渡しているんだ。まぁ、小さいころはどこかの世界に住まわせてその世界の現金を渡しているけどね」

 

 初参加のすみれの驚いている理由を察して紅莉とフェイトが理由を伝えると、すみれも納得する。

 

 こちらに移り住んでからいろいろと生活しているが、別段不自由することもない。

 

 洋服関係も、長い間暇していた影響で、リニスや女性陣がかなりのものを作れるのであった。

 

 男連中に至っては、同じ服を何枚も持っているような感じである。

 

 しかも極めつけは、そのうちスカイが開発して自動生成できるマシンを用意するという流れまでできている。

 

「さて、お前ら覚悟はいいか?」

 

 お年玉を渡し終えた紅莉が改めて全員を見つめる。子供たちは神妙にうなずく。

 

 唯一流れについていけないすみれがぽかんとしていると、肩をたたかれ、そちらを見てみれば、フェイトとリニスがいた。

 

「すみれは多分参加しないほうがいいかな。とりあえず、私たちとお茶でも飲もう」

 

「はぁ」

 

 とりあえず、義母に誘われるまま別のテーブルにつくと、スカイが白衣のポケットには到底入らないようなでっかい卓を取り出した。

 

「さて、今年は誰が巻き上げられるかな?」

 

「嘗めるなよ、親父殿。今年の私は一味違う」

 

 なにやら目に炎を灯すという珍しいノワールに見ほれながらすみれはフェイトに尋ねる。

 

「あの、いったい何が……」

 

「ああ、あれはね……」

 

「さあ、東一局を始めるぞ!」

 

 フェイトが説明する前に、紅莉の言葉ですべてを理解したすみれだった。

 

「最初は紅莉が悪ふざけで、勝った子には倍の金を上げると言ったのが始まりですね。そして、あの子たちはよくも悪くも紅莉とフェイトの子ですからね。相当負けず嫌いですからね、むきになってやってますよ」

 

「なるほど」

 

 そういって、すみれはこの親、ダメかもと一瞬思ったが、結局子供をかわいがっているだけとわかり、自分のところも変わらないと理解した。

 

 そしてもうひとつ、この場合は、自分がノワールを生かせる。自分の能力を使えば、運要素をもつゲームならば……

 

「ツモだ!リーチ一発ツモタンヤオ七対子ドラ2!」

 

「ほう、今年はノワールが一番に上がったか」

 

 そう、こうして上がらせることが可能だ。

 

「ああ、貴方の恩恵ですか。かまいませんよ、どんどん使っても……結果は変わらないでしょうけど」

 

「はい?」

 

 そうこうして、すべてが終わったころ。

 

「ふむ、一瞬ヒヤリとしたが、今年も俺の勝ちだな」

 

「まーけーたー!」

 

「くっ、あの時、あれを切らなければ……!」

 

 結局紅莉が一番であった。

 

「そ、そんな……」

 

「まぁ、こうなると思ったんですよね」

 

「どうしてですか?私の能力でノワール様の幸運は最大になってますのに」

 

「ああ、理由はあれですよ」

 

「あれ?」

 

 リニスが指差した先には紅莉の頭に乗っている久遠であった。

 

「彼女は世界に愛されております。それゆえに、ノワールの運が上がり、紅莉の運が最低になろうが、関係ありません。彼女の天運という言葉すら生ぬるい運の前では、すべてが大凶と変わりませんよ」

 

「そんな……」

 

 馬鹿なと言いたかったが、結局結果は出てしまったので、抗いようがなかった。

 

「さて、2位の紫遠には1.5倍となる半分を上乗せだ」

 

「わーい!」

 

「3位のノワールは1/4だな」

 

「ありがたく」

 

 そういって、2位と3位の二人には確りと上げたり、こっそりフェイトがほかの子たちにフォローに回ったりと結局誰も損はしなかったのである。

 

「では、皆の者、改めて今年もよろしく!」

 

『よろしくお願いします!』

 

 こうして、緋凰家の新年は始まったのである。




麻雀のくだりは私が学生時代に親戚同士でやっていたことですね。
勝った年はほっこりしますが、負けまくるとシャレになりませんでしたねぇw

では、皆様、今年もよろしくおねがいします。
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