マナシスリフレインー彼女たちとの冒険記-   作:ロイド・カーティス

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第二話 初めての冒険の前に

 昨日は一遍に色々なことが起こりすぎた。

 あのあと騒ぎを聞き駆けつけてきたのか学院の教員たちがやってきた。4人はまだ混乱から抜けきれていないが、学院長からの言伝てはなんとかできた。学院長は意識を失ったままのため、保健室へと教員に運ばれていった。

 残る教員は4人を仮宿舎までは案内した。引率される中改めて周囲を見ると倒木や瓦礫が散見された。船からはあっという間であったが、学院は魔王による被害が甚大である。

 

「これからどうなるんですか?」

「そうですね、まずすべきことは学院の復興です。幸い学院長が誘導したおかげで、校舎などの建物への被害は少なく済みました。さきほどから見える瓦礫などを撤去と建物の点検等すれば2,3日で授業もできるようになるでしょう」

 

 引率をしている教員はルナリカ・フォトンハイムと名乗ったヒューマンの女性である。ミルドレッドの不安そうな顔をしながらの質問にも的確に答えていく。そんなやり取りを何回か繰り返したのが昨日の出来事だ。

 

 各々割り当てられた寮の部屋に泊まり、翌日。

 クリストフたちは学院長に呼ばれ学院長室に来ていた。

 

「「「「おはようございます」」」」

「よく来たな。昨日は世話になった」

「学院長・・・ですよね?」

「それ以外の何に見える?昨日私の体が小さくなるところを見ていただろう」

「いやぁ、そうなんですけどね」

 

 

 入室して元気よく挨拶はしたが、まだ戸惑いが隠せないのか困惑した顔をする4人であった。大人の女性が目の前で瞬く間に子供へと姿が変わったので無理はない。

 

「まぁ、困惑するのも無理はない。だがこうして若返ったことで、研究に次ぐ研究で荒れた肌や髪が元通りだ!それに、これで肌や髪のツヤを気にせずまた無茶な研究ができる!魔王を倒した代償がこの程度済んだのだ。いいことじゃないか」

「ポ、ポジティブ!!ってそれよりも!!」

「魔王……?昨日のアレってやっぱり」

「昨日意識を失う前に聞いてはいましたが、聞き間違えではなく昔話に出てくる『魔王』なんですね」

「魔王だなんて、た、たたたたたた大変じゃないですか!?」

「アレが、『魔王』か」

 

 

 若返ったことをしきり喜ぶ学院長は最後にポロッと魔王を倒したと言った。昔話などでしか聞いたことがない『魔王』が実在したことに驚くセラフィーナたちと遠くを見るような表情をするクリストフであった。

 

 

「その件についてはもう終わったことだ気にするな。それより本題に入ろう。早速だが頼みごとの話をしよう」

「頼み事、ですか?我々はまだ入学したばかりですが、一体どんな事ですか?」

「安請負しないでまず内容を聞こうとするのはいい心がけだミルドレッド。まぁ、内容に関しては簡単なことだ。お使い程度と思えばいい。さて、さっきは若返っていいと言ったが、学院長という立場上流石に子供の姿のままで居続けるわけにはいかない。元に戻るための手を早急に打つ必要がある。私が元の姿に戻るために必要なものの内の一つを集めてほしい。場所はアクアレーテ平原で、この赤い花を持ってきてほしい。数は3輪だ」

 

 

 学院長は図鑑を開いて、依頼の品を4人に見せた。4人は図鑑を覗き込み、特徴を覚えたところで顔を上げ、視線を学院長に戻した。

 

 

「この学院に入学できたのだ、ある程度実力派保証されている。アクアレーテ平原にもモンスターはいるが、強力なモンスターはいないので諸君なら問題ない。とはいえ学院に来て初めての冒険で不安に思う気持ちもあるだろう。そこで、この素晴らしいアイテムをクリストフ、お前に渡そう」

「これは一体?」

 

 

 差し出されたブレスレットをクリストフは受け取り、様々な角度から観察してみるが、幾何学模様と青い鉱石が埋め込まれている事しか分からない。

 

 

「それはクリストフの力の補助になるものだ」

「補助、ですか?それにクリストフ君の力って?」

「とても稀有な力でこの学院に理由でもある。それこそかつて『魔王』を封印した勇者に勝るとも劣らない程のな」

「ええぇ!?クリストフ君ってそんなにスゴイ人だったんですか!?」

「セラフィーナ、僕がスゴイんじゃなくてこの力がすごいんだよ」

「もしかして、でんせつのゆうしゃさま?」

「いや、勇者ではない。こいつが言った通り人とは少し違った力を持っているだけだ。まぁ、勇者と違って戦闘能力は今のところ皆無だから、中々難しい立ち位置ではあるな」

「戦闘能力が皆無?そんなクラスが存在しているのですか?」

「研究職の…アルケミストでも戦えるのに」

 

 

 セオドリック学園に入学するものは戦うことに特化した学生だけではない。ジルベルタが言うように研究者もいる。様々な地に赴いて調査研究を行い、その成果を学園や冒険者等に売る者もいる。腕はピンキリではあるが研究者たちもきちんと単独で戦う能力を持っている。その中で珍しいことにクリストフ自身に戦う力がない。

 

 

「そもそも何故モンスターにダメージが与えられるかというと、各々が持つマナを対象に攻撃するという指向性を持たせているからだ。フェンサークラスのミルドレッドは剣に、プリーストやメイジのセラフィーナやジルベルタは魔法と奇跡に。生物はマナで防御膜のようなものを覆って自分の身を守っており、その膜に攻撃しているのだ。これらのことを自然と行われるため、大抵の者は知らなかったり忘れているがな。色々話したが、クリストフにはこの攻撃する指向性の代わりにあるのが強力なマナコントロール能力だ。根本の変質・変化はできないが、マナの流れを思いのまま操作できる。そして人の中に眠る潜在的なマナを操作してその可能性を広げるとこもできる。」

「すみません……。色々話して頂けましたが、彼の能力がよくわかりません。」

 

 

 学院長の講義じみた解説を聞いて、理解しようとしていたが理解が追いつかず、話の途中から顔が困惑した表情に成ってしまった。そこへクリストフが助け舟をだした。

 

 

「つまり僕は戦えない代わりに、仲間を強くすることができるってことだよ」

「すごく簡単に言っちゃった!!」

「でもわかりやすい」

「微妙に違うが、まぁ学生には難しい話になってしまったな。そこの考察や研究は私の領分だ。ともあれ論より証拠だ。ブレスレットをつけて三人にてをかざしてみろ」

「分かりました。安心してよ。体から力が湧いてくる感覚がするだけだから。」

 

 

セラフィーナたちは困惑する様子な一方で、クリストフは手首にブレスレットをつけながら三人を見て言う。

 

 

「よし、付けたな。では三人に手をかざしてみろ。そして目をつぶり、三人の姿を強くイメージしろ。あとはブレスレットが勝手にやってくれる」

 

 

 学院長の言う通りにして三人を姿を頭に思い浮かべるクリストフ。時間にして数秒経過した頃、三人からオーラが一瞬現れ、自身の身体を見回しながら驚いた表情をしていた。

 

 

「なっ、何だこれは!?」

「身体の奥からマナが溢れてくるみたい!普段使う魔法をは違う感じしたけど」

「元気百倍どころか千倍になった……!」

「どうだ?これなら今までよりも強い力が出せるだろう?」

(まぁ、それは本来の力のおまけみたいなものなんだがな…。今はまだ発揮できなくてもクリストフ、お前の真価はその先にある)

 

クリストフの力で強くなってはしゃいでいる中、学院長は独り言ちた。

 

「っとそうだ。クリストフ、そのブレスレットの宝石にマナを流し込んでみろ。そうすればーーー」

 

 

 

 学院長はクリストフに指示を出した。するとクリストフの姿がヒトから光の玉へと変化した。その姿はまるで精霊(マナシス)のようである。

 

 

「こうすることによって、精霊(マナシス)のように飛び回り、安全に立ち回ることができる。これが大人時代に私が開発した変化術式だ。どうだ、すごいだろう〜?」

「すごいです!!そして、ドヤ顔のお子さま学院長可愛いです!」

「セラフィーナ、お子さまと言うんじゃない」

「あ、すみません」

 

 

 年相応の少女になった影響か、自分の成果を自慢したくなったのだろう。学院長はセラフィーナの言う通りドヤ顔をしていた。そして可愛いものに目がないセラフィーナは喜色満面であったが、元は大人の学院長に嗜められた。

 

 

 「いいか、クリストフ。お前が上空から戦況を見極めて的確に指示をするんだ。集団戦は指揮が重要だ。仲間をしっかりサポートしてやれ。そうすればお前たちでも十分戦えるだろう」

「分かりました。これが今の僕にできることようでね」

「クリストフ、指示は頼んだぞ」

「クリストフがサポートしてくれるなら安心かな」

「よろしく、クリストフ」

「では植物の採取を頼んだぞ。今一度言うがアクアレーテ平原には強力なモンスターはおらず、クリストフの強化がなくても十分戦えるだろうが、油断して大怪我を負ったりしないようにな。これがお前達の冒険者としての第一歩だ」

「「「「分かりました」」」」

 

 こうしてクリストフたちは学院長の依頼を完遂すべく目的地に向かった。




 続きを書いているうちにマナリフがサ終してしまった。再度出しなおすらしいが、情報が何も出てこないなぁ
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