日仏雀恋大戦 最後にアガるのは私!   作:タピタピ

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どうも4日目のタピタピです。

すみません。今回はすこし短いです。内容的にここで切らないとまずいので今回は本当に短くなっています。

それでも今回は色々主人公について掘り下げていくので結構内容は重要かなと思います。

それでは本編へいってらっしゃーい


第11話 支配者

 

「と、トばされた?俺が?」

 

 

試合は俺がトばされで試合終了となった。

 

別にあいつを甘く見ていたわけではない。だが、あいつは異常であると、体の全神経が警告を鳴らしている。

 

 

「……お前、本当に何者なんや?」

 

「全部言った通りだぞ?ただの男子高校生だ」

 

 

その男はあっけらかんとそう宣い、笑ってみせる。

 

すると、俺の肩に観戦していた洋榎から手が乗っけられる。

 

 

「セーラ、こいつのことについて深くは考えん方がええ。ましてや今回は初顔合わせや、うちだって初めてやった時はトばされかけとるし。あの2人が異常なんや」

 

 

洋榎はそう言いながら卓についていた残りの2人をジト目で見つめる。

 

だが、その2人は悲しむわけでも喜ぶわけでもなく、ただただ目をキラキラさせて空亜を見ていた。

 

 

「すごいやん空亜!!うち、なんもできへんかったわ」

 

「これ、うちらとやってた頃と比較すんのも烏滸がましい感じやな。はぁ〜うちらもまだまだやってんなぁ」

 

「2人とも割と強かったぞ?守りっていう面じゃあ洋榎の方が初めての時は点棒持ってかれてたからな」

 

 

洋榎が大量失点したという事実に俺が驚いていると、洋榎が言葉を挟む。

 

 

「怜はうちの師匠的な存在やぞ?」

 

「師匠?」

 

 

洋榎が言った師匠という言葉に当の本人である怜さえ?を浮かべていた。当然他もわかっておらず、その後の洋榎の言葉に耳を傾ける。

 

 

「いや、5月の練習試合の時に怜に人読みについて教えてもらったんや」

 

 

その話を聞くと空亜は少し頬を引き攣らせて怜を見る。

 

 

「怜が?……怜、お前なんて事を……」

 

 

なぜそんな目を向けられなければいかないのかと考えたのだろう。怜も空亜をじっと見つめかえしていた。

 

 

「なんでや?人が強くなるのはええことやろ」

 

「それはそうだが……!だからって、こいつ、強くなりすぎなんだよ!?」

 

「そろそろ実力で勝つ日も近いんちゃうか?はっはっは!!」

 

 

こいつは天狗になっているようでなっていない。おそらく本当に強い相手と認めているのだろう。だが、俺がこうも簡単にトばされた相手に勝てるというと、今の俺は洋榎に勝てるのだろうか。

 

この一戦で俺の自信は格段に下がっていた。

 

だが、そんな俺の心情を気にするでもなく彼らの話は進んでいく。

 

 

「洋榎は会った時に比べりゃ本当に強くなったよなぁ」

 

「これも師匠のおかげやで」

 

「ふふーん!うちを崇めるんやな!」

 

 

洋榎が怜を褒めると、怜も胸を張る。……まぁ、対してない胸だが。

 

 

「セーラ?今何考えてたんや?」

 

「!?い、いや怜はすごいなぁって思っとっただけやで?」

 

「ふーん」

 

 

な、なんで心読まれとるんや!?怜もふーんとか言ってまた話しに戻ってはいるけど明らかに確信しとる顔やったで!?

 

はっ!これが人読みってことなんか?(確信)

 

 

 

        ******

 

 

 

試合が終わり、雑談をしていると話は先ほどの試合のことになった。

 

 

「3人も十分うまかったぞ?江口は手の進みが異常に早いし、高いし、竜華は攻めと守りの線引きが上手くて、昔っからどっちも上手いんだよなぁ。怜に関しては見違えたな。場と人の読みがとにかく上手い」

 

「なんか、そうやって褒められるのは嬉しいなぁ」

 

「ん?そういえば一回も俺ら和了ってないのによく手の仕上がり具合なんて分かったな?」

 

 

一度も和了らせてもらえなかったセーラが当然の疑問を空亜に投げ掛ける。確かになんでやろ?

 

 

「あぁ、そりゃあ見りゃわかるだろ。例えば最後の局、江口は確か四面待ちの一向聴だったか?萬子3枚と筒子1枚ぐらいだったか。でもけっこう怜が止めてたし俺も止めながら和了ってたからなぁ。ツモるのはキツかっただろうなぁ」

 

「「「……」」」

 

「お、おい、なんでそんな目で見るんだよ!?やめろ!そんな目で見るな!」

 

 

そりゃあそんな人間業とは思えないことを言われて、へぇってなる人なんかいるわけがないのだ。しかもセーラが違うと言わないあたり本当にそうなのだろう。

 

怜も当たり牌を止めてるあたり分かってはいるとは思うのだが流石にあそこまで筒抜けにはできないのだろう。

 

そうして空亜は全員から異物を見るような目で見られていた

 

 

「いやだってそんなんほぼイカサマやん!?」

 

「ちゃんとした技術だわ!4年間これだけを磨き続けてきたんだ。それこそ四六時中な。というか今の洋榎は俺と同じようなこと少しはできるだろ!?」

 

 

全員の視線が次は洋榎に向く。急に次の標的にされた洋榎は思わず少し後ずさる。

 

 

「えぇ……。まぁ、うちは当たり牌をピタ止めはできても手牌までは完璧に読みきれへんし、それを使って場をコントロールなんて絶対に無理やけどな」

 

「は?場をコントロール?」

 

 

あまりに麻雀をやる上で聞きなれない単語に思わずセーラが聞き返すとそれに洋榎が答える。

 

 

「ん?空亜が世界でなんて呼ばれてるか知らへんのか?空亜は『支配者』って呼ばれとる『絶望の世代』の1人やで?」

 

「『絶望の世代』……」

 

 

聞いたことのない単語であるが物騒な名前から空亜が恐れられてるということだけは分かった。そんなうちらの様子を見て監督が一歩前に出て補足の説明をしてくれる。

 

 

「それはうちが説明したる。まず、今の世界の高校一年生にはで4人ヤバい奴が存在しとる。その筆頭である『龍帝』を始めとした4人を人は『絶望の世代』という畏怖の敬称で呼んどるんや。こいつらはアマチュアとして世界大会に出まくって何回も優勝などの成績を残して暴れとる」

 

「え、その1人がーーー」

 

「そう、そこにいる沖野空亜、『支配者』や。こいつの特徴はとにかく麻雀が()()()。そして、もう一つ、それが『オカルト封じ』や。全てを無にして操る。それが支配者の所以やな」

 

「……そうですけど、なんか改めて言われるとむず痒いですね」

 

 

事は世界を揺るがす問題になっているらしい。そしてこの話で先程の試合の一つの事象に理由がつけられた。

 

 

「オカルトを封じる?ってことは空亜のドラ捨てってもしかしてーーー」

 

 

先程の試合の東一局の空亜のドラ捨て。つまりあれはうちらのオカルトを消そうとしていたのだろう。だが、誰も引っ掛からなかったから次局からやらなくなったということなのだ。

 

 

「その先は答えられないなぁ。ただお前らには関係のないことっぽいけどな。全員オカルト持ちじゃあなさそうだったし」

 

 

そして先程の怜の核心を突きかけていた発言には空亜は何も答えなかった。だがそれも今となっては当然だろう。世界で争いをしているような奴がこんなところで情報を簡単に伝えたりはできないはずだ。

 

そんな中、怜の中に1つの疑問が浮かんでいたらしい。

 

 

「え?竜華の無極点ってオカルトじゃないん?」

 

「ん?その無極点ってのがなんなのかはわからないがあの超集中のことを言ってんならそれは違うぞ?あれはあくまで竜華の素質あってできるものだ。世界を探せば同じようなことができる人はいるんじゃないか?」

 

「そうやったんか……」

 

 

空亜が言った通り、この無極点と呼ばれる技は別に特段凄いわけではないのだ。ただ集中力がずば抜けているだけでオカルトではない。そのことに空亜はあの一局で気づいていたのだ。

 

全員が感じた世界の壁、世界に名を連ねているフランスの代表は伊達ではなかった。

 

 

 

        ******

 

 

 

 

そうして話もいい具合に空亜は立ち上がり、部屋を出ようとする。

 

 

「さて、今日はこれぐらいでおいとまするか。洋榎帰るぞ〜」

 

「ん、せやな。そんじゃ3人ともまたいつか打とうや」

 

 

そうして2人がうちらに背を向けると、竜華が思わずと言った感じで

 

 

「ま、待って!!」

 

 

空亜を呼び止めてしまっていた。

 

その声に立ち止まった空亜は後ろを振り向いた。そして竜華は空亜の服を少し掴み彼を見上げるように聞く。

 

 

「空亜、また遊べるよね?もういなくならないよね?」

 

「……ああ。今度そっちにいくよ。俺も今は大阪に住んでるしすぐ行ける。また遊ぼう。それとーーー江口!」

 

 

空亜がそういうと少し安心したような竜華を見ると空亜はセーラを呼んだ。その声にビクッと体を振るわせるとセーラは顔を上げる。

 

 

「明日みっともない試合すんなよ?俺との間に壁を感じてんならそれを壊す努力をしろ。俯いてる時間になんの価値がある?やる前から負ける気のやつとなんて金輪際やりたくないからな」

 

「なっ……」

 

「安心しろ、お前は強い。それだけは俺のことを信じとけ。決勝で俺と4ヶ月やり合った洋榎を倒せたらまた試合してやる」

 

 

珍しく強い口調で話す空亜、だがそれだけセーラに期待を寄せているのだろう。それを受けたセーラは

 

 

「はぁ〜。全くその通りや。こんなん俺らしくもない。待ってろや()()!俺はいつかお前を超えたる!洋榎もや!!」

 

 

心に火をつけ、やる気に満ち溢れていた。その反応に満足そうに笑う空亜。そしてもう1人叫んでいた人がいた。

 

 

「うちなんかダシにされとる!?」

 

 

 

        ******

 

 

 

「おい。またやったな?」

 

「……本当に申し訳ございませんでした。もうしません」

 

 

ホテルに戻ると部屋の前で待っていたのはクラスメイトかつ麻雀部に所属している末原恭子だった。現在俺は彼女に河の読み方について教えている。今日もその予定だったのだがあっちですっかり時間を忘れてしまい、遅刻。待っていたのは地区予選の時に続き2回目の激おこ恭子さんだった。

 

 

「なぁ、連絡しろって言っとるよな?」

 

「……電源切れてました」

 

「なぁんでお前はスマホを見ないんや……」

 

「いやだって、そんな時間があるなら麻雀の本読んでた方がためになるし、そうやって4年間生きてきたからなぁ」

 

 

その俺の言い訳に恭子は大きくため息をついた。

 

 

「はぁ、もうええわ。それで今日はどないするんや?やれるんか?」

 

「えっと、恭子は大丈夫なのか?明日はまた応援あるんだろ?」

 

 

明日は女子の3回戦がある。姫松も順当に勝ち上がっており、恭子はレギュラーではないため試合にこそ出ないが応援はするだろう。

 

 

「まぁ、そんな遅くならなかったら大丈夫やろ」

 

「分かった。なら1時間だけやろうか」

 

「わかったわ。それじゃ、よろしくお願いします、先生」

 

 

この後滅茶苦茶麻雀した。

 

 

 

 





本当に短かったですよね、マジですみません。

明日は番外編を書こうと思います。文字数は増えると思うので待っててください!

それでは評価、感想お待ちしております!ではまた明日!
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