日仏雀恋大戦 最後にアガるのは私!   作:タピタピ

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どうも5日目のタピタピです。

今回は番外編となります。内容はお泊まり会です。空亜くんは第6話で言った通り一人暮らしで一軒家に住んでるので人を呼びたい放題です。

ちなみに明日もこの話の続きとなります。

それでは本編ごー


番外編 姫松のお泊まり会

 

「てなわけで空亜ん家に泊まることにしたわ」

 

「……はい?」

 

 

7月の朝、学校に着くと俺より先にいた洋榎に突然そんなことを言われた。

 

 

「はい?やないで。そのままの意味や」

 

「その意味が分からないから聞いてるんだが?」

 

「いやな?うちと恭子と由子でお泊まりしながら麻雀しよういうことになったんや。それでどこ泊まるかぁってなったらな?1ついい物件を見つけたんや」

 

「おい、まさか」

 

「そこはな?家主以外がおらんくて、防音が聞いてるから自動卓の音を気にせんでもよくて、尚且つ部屋がいっぱい余ってるらしいねん。まぁ、お前の家なんやけどな笑」

 

 

誰だよ、俺の家を提案したやつ。いや、ぜってぇ恭子だろ。あいつしか俺の家知らないし。

 

恭子は俺が麻雀の色々を教えているのでたまーに放課後にうちに来たりもしているのだ。

 

 

「笑じゃねぇ。なに人の家を勝手に使おうとしてるんだ」

 

「え?ダメなんか?」

 

「いや、ダメだろ。他を当たってくれ」

 

 

俺が断固として断り続けていると洋榎は何やらふっふっふと呟いてガバッと詰めてくる。

 

 

「……そういえば期末テストが近づいてくるなぁ〜」

 

「な、何が言いたい?」

 

「いや、な?ここで恭子と由子に恩売っといた方がええんちゃうかなぁってうちは思うんや?そうは思わへんか?」

 

「よし、いつ来るんだ?飯も用意してやろう」

 

「手のひらくるくるやないか……」

 

 

それはそうだ。俺は勉強は大して得意というわけではない。なにぶん麻雀しかしてきてなかったからな。いつもテスト前は1日で追い込んで赤点だけを回避していた。だが、その時間が短くなるのなら猫の手も借りよう。

 

そうして家に来る話をしていると残りの2人も教室に登校してきた。

 

 

「お、もう話しとるんか?」

 

「おはようなのよ〜」

 

 

のんきにこっちを覗き込んでくる恭子を思いっきり睨む。 

 

 

「おい、恭子お前何を提案してくれてんだ」

 

「でも許可したんやろ?どうせ勉強楽したいからって」

 

「……」

 

 

図星にもはやこちらは黙り込むしかない。いや、だって……。

 

その様子を見て由子が上品に笑っていた。

 

 

「空亜くん、既に尻に敷かれてるのよ〜」

 

「はぁ、まぁもういいけどよ。んじゃあ晩御飯出してやるから何がいいか意見出してくれ」

 

「え、ご飯まで用意してくれるんか?」

 

 

俺の発言に恭子が目を見開く。

 

 

「まぁ、勉強教えてもらえんならそれぐらいはしてやるよ」

 

「うちはオムライスがええなぁ」

 

 

洋榎はオムライス、と。

 

 

「私はシチューがいいなぁ〜」

 

 

由子はシチューか。こんな夏場にシチューなんて自分1人じゃ作らないしな。

 

きっと俺もなんだかんだ言って楽しみにしていたのだろう。心はどこかワクワクしていた。

 

 

「うちはなんだもええわ。まぁ、なんや、うちも手伝いぐらいはするで?言い出したのうちやし」

 

 

そんな中、恭子はやはり夕飯までご馳走になることに自分が提案したからか少し申し訳なく思っているのだろうか。

 

こういう時には断らないのが1番だろう。

 

 

「助かる。そんならどっちも作るかぁ。買い出しは帰りにしていくか」

 

「うちらは一旦家帰って荷物とってからいくわ。場所は恭子に教えてもらうわ」

 

「任せる」

 

 

そうして今日、いきなり家でのお泊まりが計画された。

 

 

 

        ******

 

 

 

そして放課後になると、俺はスーパーに向かい、食材を買う。

 

ちなみに女子3人は部活があるため、まだ学校に残っている。こっちに来るのは帰ってからで7時ぐらいになるらしい。

 

俺は部活には所属しているがあまり参加はしていない。

 

 

「さて、恭子が手伝ってくれるとは言ってたが、流石に疲れてるだろうしできる限りはやっておくか」

 

 

そうしてまずはシチューを作っていく。具材を切り、煮込み、味付けをする。

 

そんなこんなで数十分するととりあえず完成する。だがまだ煮込む必要があるのですこし時間ができてしまった。ならーーー

 

 

「麻雀するかぁ」

 

 

そうして俺はパソコンに向き合いネット麻雀を開く。

 

それから何時間経っただろうか。

 

 

「?あれ!?もうこんな時間?」

 

 

気がつくと時計はすでに7時を指そうとしていた。と、その時、ピーンポーンとインターホンが鳴る。

 

 

「あー、ちょっと待ってろ〜」

 

「入るで〜」

 

 

俺がドアを開けようと玄関に向かうと既に奴らはドアを開け靴を脱いで上がっていた。

 

 

「いや、俺が出るまで入ってくんなよ」

 

「いや、やって開いてたし入ってええってことなんかなぁって」

 

「いや、まぁそれは俺が悪いか……。ま、とにかく入ってくれよ」

 

「「「おじゃましまーす」」」

 

 

洋榎がそういうと、確かに開けてた俺も悪いかとここは引くことにする。ただこのまま玄関にいてもらうのは流石に可哀想だしなにより邪魔なのでここに1番詳しい人に頼む。

 

 

「おん。じゃあ恭子案内しといてくれ」

 

「任せとき〜」

 

 

そういうと恭子は2人を連れて洗面台に向かっていった。

 

そうして俺は途中になっていた料理を再開する。シチューに関しては完成しているので残るはオムライスである。

 

 

「さて、オムライス作りでもしますかね」

 

「うちも手伝うで?ってもうシチューできてるんか!?手伝うって言うたのに」

 

 

手を洗い終わり、キッチンにやってきた恭子は既に完成したシチューを見て声を上げる。よくもまぁ、部活後にそんな元気でいられんなぁ。

 

 

「いや、流石に部活後だと疲れてるだろ?」

 

「別に料理するぐらい大丈夫やって」

 

 

そういって腕をまくる恭子。

 

 

「それで?オムライスの何を手伝うんや?」

 

「あぁー、まずはーーー」

 

 

 

        ******

 

 

 

料理をしている間、うちらはリビングで待ってろと恭子に言われソファでゴロゴロしていた。

 

その間視線はキッチンにいる2人に向けられていた。

 

 

「あいつら、本当に仲良いいよなぁ」

 

「そうやね〜。恭子ちゃんがあんなに笑顔なのも珍しいのよ〜」

 

 

由子がうんうん、と頷く。恭子は初めてうちらが空亜にボコボコにされた日から教えてもらっており、それからは2人で放課後に部室に残ったりして特訓しているらしい。

 

実際上手くなっているので文句はないのだが、いかんせん2人の距離が近い。偶に混ざって一緒にやる時なんかも割と近い。

 

 

「……やっぱそういうことなんかな?」

 

「……たぶんそういうことなのよ〜」

 

 

だからこんな憶測が飛ぶのも仕方ないことだろう。

 

 

「でもあいつフランスにいたときに半同棲してた仲良いやつおったんやろ?」

 

「?知らないのよ〜?」

 

 

由子は知らないようで首をコテンとさせていた。なんやこの可愛い生物は?

 

 

 

        ******

 

 

 

「2人ともー食器を出してやー」

 

「はーい」

 

「今行くのよー」

 

 

何とか料理を終えるとうちはリビングでゴロゴロしていた2人を呼ぶ。その間、空亜は最後の仕上げである半熟卵を作っていた。

 

 

「よしっ!」

 

 

そんな声が聞こえると、美味しそうな匂いが鼻腔をくすぐった。あぁお腹空いたわぁ……。

 

 

「恭子?おーい?」

 

「はっ!?な、なんや!?」

 

「いや、なんか意識が朦朧としてたからさ。やっぱ疲れてんだろ?ほらもう座っとけって」

 

「じゃあお言葉に甘えて……」

 

 

空亜に促されて席に着くとなぜか既に座っていた2人はうちを見てニヤニヤしていた。

 

 

「なんや?」

 

「「なんでも〜(ないのよ〜)」」

 

 

なんでもないと言っている割にはずっとこっちを見てきているので何かあるとは思うが、考えるだけ無駄かと虚空を見つめる。

 

すると空亜が料理を運んでくる。

 

 

「「「おおー!!」」」

 

「それじゃ食べるか」

 

「「「「いただきます」」」」

 

 

空亜が席に着くと全員で合掌をして、全員が口に料理を含む。

 

真っ先に反応したのは洋榎だった。

 

 

「は!?美味すぎやろ!?このシチュー空亜が作ったんか!?」

 

「お前、めっちゃ失礼だな」

 

 

そんなことを言いつつもどこか嬉しそうな空亜。

 

由子も同じように夢中に食べている。だが流石はお嬢様というか食べ方はどこか上品だった。隣のやつが騒がしすぎるせいかもしれないが。

 

 

「恭子ちゃんの作ったオムライスも美味いのよ〜」

 

「うちはちょっと手伝っただけや。……こいつといると女子力が削られとる気がするわ」

 

 

実際空亜の手際が良すぎて手伝ったのなんてほんの僅かだ。こいつ、マジで女子力高すぎやろ。

 

 

「空亜、今度からうちのお弁当作らへんか?」

 

「洋榎のは妹が作ってくれとるんやなかったんか?」

 

「1日だけでええから!!頼むっ!!」

 

「……まぁ、気が向いたらな」

 

 

空亜はそういうがおそらくこいつは作るだろう。なんだかんだ言ってそういうやつなのだ。

 

そうして談笑しながらの食事を終えると風呂の順番になった。

 

 

「俺ラストでいいから先入ってこいよ」

 

 

空亜が先をうちらに譲る。だがここは空亜の家なのだ。

 

 

「お前家主なんやから先入るべきやろ」

 

 

うちが空亜に提案をすると、後ろから洋榎が近づいてくる。

 

 

「いや待つんや恭子。こいつこんな紳士ぶってるけどもしかしたらうちらが入った湯船飲みたいだけかも知れへんぞ?」

 

「……」

 

「痛っ!?いや冗談やん!待って、グーはダメやって、痛ぁ!?」

 

 

馬鹿なことを言った洋榎は空亜に頭をグリグリされ、床に潰れてしまった。それを見たうちは考えることを放棄し、由子を誘う。

 

 

「はぁ、それじゃ由子一緒に入るでー」

 

「うん、なのよ〜」

 

「ちょっ、うちも入る〜」

 

 

復活した洋榎も一緒に謎に広い脱衣所に向かう。空亜がいうには風呂ってリラックスできるよな、ということで少しお金をかけたらしい。実際空亜っていくらぐらい稼いどるんやろか?

 

だがそんな疑問も風呂に入ると速攻で溶けていった。

 

 

「あぁーあったまるわぁ」

 

「ぽかぽかやね〜」

 

「にしても空亜の家の風呂デカすぎやろ。3人入っても余裕やで?」

 

「稼いどるからなぁ。あいつ」

 

 

もちろん風呂も普通の家じゃありえないぐらい広い。なんならこの家も少し普通より広いぐらいだった。

 

そのままのんびり湯船に浸かりながら色々な話をする。こういう時に洋榎がいると話はスムーズに流れていくので。改めてこいつのコミュ力はすごいんやなと自覚させられる。

 

 

「風呂上がったらトランプでもしようや」

 

「お泊まりって楽しいのよ〜」

 

 

内容うっすいなぁ……。 

 

 

 

        ******

 

 

 

そうして風呂から上がると空亜はリビングにいなかった。

 

 

「あれ?空亜どこいった?」

 

「あー、多分ランニングやな。ならうちらは布団敷いとこうかぁ」

 

「ランニング?あいつそんなことしとったんか?」

 

「なんかオカルトの維持に体力が必要なんやってさ。部屋は二階やで」

 

 

そうして事前に言われていた部屋に向かうと

 

 

「は!?もう敷かれとるんやが!?」

 

 

既に布団が敷かれていた。あいつ、過保護すぎやろ。

 

 

「なんや至れり尽くせりやなぁ」

 

「流石にここまでやってもらうと申し訳ないのよ〜」

 

「ま、まあ今日ぐらい甘えさせてもらえばええやん。うちここなー」

 

 

そう言っと洋榎は真ん中を取った。ここで真ん中を取るあたり洋榎である。そうして窓側から由子、洋榎、うちの順番が決まると先程の話に出た通りトランプを始める。

 

 

「っ!?」

 

「恭子ちゃん、バレバレなのよ〜。こっち〜♪」

 

「あぁぁぁー!!!」

 

「誰や!ここの8止めとるやつ!!」

 

「誰やろうなぁ〜」

 

「ふふふ〜」

 

「パス無くなったやろがぁ!!!」

 

 

そんなこんな盛り上がっていると一階のドアが開く音が聞こえた。

 

 

「ん?空亜帰ってきたんとちゃうか?」

 

「多分そうやな。ちょっとお出迎えにいくか?」

 

「お出迎えなのよ〜」

 

 

そうして3人で下に降りるとーーー

 

 

「え?」

 

「「「え?」」」

 

 

なぜかそこにいたのは上裸の空亜だった。そしてその事態を判断したうちは

 

 

「いやぁぁぁぁ!!!」

 

 

思わず悲鳴をあげ急いで後ろを向く。その後ろから焦ったような声が聞こえてくる。

 

 

「いや、待てって!いや、待たなくていい!戻っててくれ!っておい!由子!大丈夫か!?洋榎は平気、なのか?」

 

「何を上裸ぐらいで。下履いとるんやし平気やろ。由子はうちが運んだるから早く風呂いってこいや」

 

「あ、あぁ……。すまん、お前らがいるの忘れてたわ」

 

「そんなことだろうと思っとったわ」

 

 

なぜかあまりに冷静な洋榎が気絶した由子を背負って階段を上がっていく。それに合わせてうちも上がっていく。だがーーー

 

 

(……めっちゃ鍛えられとったなぁ。綺麗やった……ってうちは何を考えとるんや!?)

 

 

あの姿はなかなか脳から消すことはできなかった。

 

 

 

        ******

 

 

 

色々波乱があったが何とか彼女らを退け浴室に入ると汗だくの体をシャワーで流す。俺は夏には湯船には浸からないのでいつもはお湯がたまっていないのだが、いつもと違う浴槽は新鮮なものだった。

 

……まぁ、流石にこれを飲もうとは、思えねぇなぁ。

 

そうして上がると、いつも通り麻雀の本を読むために自室に向かう。階段を登るといつもは使われていない部屋から騒ぎ声が聞こえる。

 

どうやら由子も復活したらしい。大事になってなくてよかった。

 

それから部屋で俺は本に没頭していた。時折体を伸ばしたりすることはあるものの大体2時間ぐらいだろうか、日課を終えると、水分を補給するために下に降りる。

 

既に時刻は0時を超えており先ほどのうるさかった部屋からも音はしなくなっていた。

 

 

「ん?誰かいるのか?」

 

 

だが一階に降りるとなぜか下に灯りがついていた。俺が声をかけると中から少し物音がした。

 

 

「あぁ、空亜やったんか」

 

「洋榎?どうしたんやこんな時間まで」

 

 

リビングにいたのは洋榎だった。その手元にはスマホとノートと筆記用具が置かれている。少し珍しい光景だ。

 

 

「いや、ちょっと日課をしてゴロゴロしてただけやで」

 

「へぇ〜何やってたんだ?」

 

「牌譜研究や。ほらこういうプロのうまいやつあるやろ?こういうのをまとめてるんや」

 

「お前、そんなことしてたのか」

 

「高校入ってお前に負けてから始めたんやで?こんなこと中学のうちやったら考えもせえへんかったと思うわ。だから感謝しとるんやで空亜。ありがとうな」

 

 

急な感謝の言葉に面をくらい言葉が出にくくなる。こいつ、急にこういうこと言うからなぁ……。

 

 

「なんだよ急に、お前らしくもない。……頑張れよ。体調だけは気をつけてくれな?それじゃ俺は寝るから」

 

 

少しぶっきらぼうっぽくなってしまい、それを隠すために早く上に上がろうとする。だが、電気を消し、洋榎もついてくる。

 

 

「あーうちもそろそろ上がるで」

 

「そうか、じゃ、おやすみ」

 

「うん、おやすみや」

 

 

階段の上にまでくると部屋が別なこともあり挨拶をすると互いに部屋に入る。

 

 

なんだかんだでこういうのは意外に楽しかった。

 

星は今日も輝き続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





一話で終わらせようと思ってたんだけどなぁ。でもこういう日常回って書いてて楽しいんですよねー。

それでは評価、感想お待ちしております!

ではまた明日!
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