どうも最終日のタピタピです。
ついに毎日投稿も最後です!インハイも終わり、ちょうどいいところで終われたような気がします!
今後も活動は続けていきますのでよろしくお願いします!
それでは本編へ、レディゴー
〜3日後〜
女子のインターハイ団体戦決勝、決勝まで勝ち上がったのは南大阪代表ー姫松高校、北大阪代表ー千里山女子、東東京代表ー臨海女子、そして初出場、西東京代表ー白糸台高校だった。
東対西、そんな風に声を上げる者もいたが、大将戦終了間際には一校の独走となっていた。
大将戦開始時、1位は副将戦で洋榎が稼ぎ、姫松だった。2位との点差は約3万点、その後を臨海、千里山、そして白糸台が追う形となっていた。
だがーーー
「ツモ 4300 8600」
『決まったぁ!!宮永照が最下位からの逆転!!千里山女子をトばし、一位を掻っ攫っていったぁ!!!今度の優勝は初出場、西東京代表白糸台高校だぁ!!!』
優勝は1人の怪物によって白糸台高校にもたらされた。
その衝撃は全国に瞬く間に広がり、同じくインハイ会場の控え室でも多くが言葉を失っていた。
臨海女子
「ホンモノのバケモノデスね。アレは」
「……あれをこれからどうやって倒したもんかしらね」
千里山女子
「嘘、やろ……」
「先輩が、トんだ?」
「……面白れぇ。個人戦が楽しみやないか!」
「よう言った、江口。うちらはあれを倒さないといけへん。あれは、止めないとまずいやつや。まだ、未熟な今のうちにや」
姫松高校
「これはすごい奴が現れたもんやなぁ」
「そんなこと言ってる場合やないやろ愛宕……。お前これから3年間あれとやるんやで?」
「何がまずいんですか?」
「いや、だってーーー」
「うちらは知ってるやないですか。もっとやばいやつをーーー」
各校が慄き、次の戦いに闘志を燃やしている中、1人の男子高校生だけは笑みを浮かべていた。
「ははははは!!これはすごいのが出てきたな!!」
(世界レベルとまではとても言えないがそれでも国内トップレベル、それこそプロともやり合えそうだな。……だからこそ、惜しいな……)
だがそんな空亜の目に留まったとのは宮永照だけではなかった。なんなら次鋒戦で出てきた彼女の方が彼に与えた影響は大きかったかもしれない。
彼はスマホの数少ない連絡先から電話をかける。するとすぐに応答がある。
「あ、姉さん?何急に優勝してるのさ。まぁ、おめでとうだけど。急に出てきた時はビビったわ」
『あ、
久しぶりに空亜を「
「まぁ、インハイ優勝だからそれでいいんじゃないかな。にしても、すごかったね、あんなに鳴きしてこなかったでしょ今までは」
『あぁ、あれね。大将の宮永さん、見たでしょ?あの人に教えてもらったんだ。そしたらここまで来れたの。本当に感謝しかないよ』
宮永という言葉が出ると、空亜は少し真剣な顔になり、質問を繰り出した。
「宮永照、あれ何者なの?」
『うーん、私たちもよくわからないけどとにかく強い、かな』
「それは見てれば分かるよ。今頃みんな怖がってんだろうなぁ」
『流石の空でも勝てないんじゃない?』
「いやいやーーー無理だよ。
『っ……』
空亜が卑下した宮永照という人物に完膚なきまでに敗北した彼女からすればその言葉はあまりにも信じ難かった。
だが、それを信じさせられるだけの空気が通話越しに感じとれると彼女は息を呑んだ。
「あれは確かに強いよ。けどまだ自分の力すらよく分かってないし、何なら俺相手になら一回も上がらないと思うよ」
『世界じゃ通用しない、と?』
世界の壁を知り、麻雀と向き合い続けてきた彼だからこそ分かる。否、分かってしまう。ーーー今の彼女は世界には通用しないと。
「うん。そうだ、なら彼女に伝えておいてよ。『麻雀は楽しいか?』って」
『??うん、分かった。今度そっち行くからね』
「あ、来る時は連絡だけはしといてな?」
質問の意図を図りかねた栞だったが、伝えろと言われたのなら伝えるしかないと考え、しっかりと頭に入れる。
そして2人で軽く言葉を交わすと、通話を終了した。
そして彼の中には宮永照に対しての思いが蠢いていた。
(麻雀で最も強い人は間違いなく世界で1番麻雀を愛して、楽しめる人だ。麻雀を心から楽しめないやつは途中で限界を知ることになるぞ、宮永)
******
「電話は終わったのか?」
空からの電話を終えると声をかけてきたのは一個上の先輩かつ、レギュラーの渡辺琉音さんだった。
「はい。弟からでした」
「栞、弟なんていたのか」
「まぁ、実際には従兄弟ですけどね。あ、そういえば宮永さんはどこに?」
「?あいつなら外の空気を吸いたいって外に出て行ったぞ?菫を伴ってったから迷子はないはずだが」
私がそう聞くと琉音さんは疑問を覚えつつも答えてくれる。しかもちゃんと私の懸念事項も解消してくれていた。
その答えを聞けた私はドアノブに手をかける。
「私、ちょっと行ってきます」
そういうと会場外に歩いて向かう。
向かうと案外見つけやすい場所に二人はいた。赤髪の方が宮永さん、そして青髪の方が1年生で宮永さんと行動を共にしている弘世菫さんだ。
私を見つけると弘世さんが声をかけてくる。
「宇野沢先輩?どうしたんですか?」
「いや、宮永さんに伝言を頼まれちゃってね?」
「伝言?私に?」
「それ、誰からなんですか?」
いきなり、そんなことを言われた為か特にピンときていなさそうな宮永さんの代わりに弘世さんが警戒心を露わにする。
「私の弟、名前聞いたことあるかな?沖野空亜って言うんだけど」
「え!?あの『支配者』ですか!?」
「……誰?」
「私たちと同い年の世界ランカーだよ。今年の日本のインターハイにも出てたぞ?」
弘世さんは空のことを知っていたようで驚きながらも説明をしていく。それにしても空は知名度が相当高いようだ。
「!そんな人が私に?」
話を聞くとあまり表情に出さない宮永さんが少し驚いたように声をあげる。
「うん。『麻雀は楽しいか?』だって」
「!……すごい、人なんですね、その人。先輩、伝言ありがとうございます」
「う、うん。そしたらある程度したら戻ってきてね?」
「はい」
自分の中で思うところがあったのか、宮永さんは伝言を聞いた途端に俯き、空のことを褒めた。
その落ち込んだような様子に私も少し面を食らう。そしてこれ以上はわたしが踏み込む問題ではないと判断し、私は2人に声をかけて先に部屋に戻っていった。
「……」
「おい、照、大丈夫か?」
(麻雀が楽しいわけがない。麻雀なんてーーー)
私が屋内に入るまで、彼女が顔を上げることはなかった。
******
1週間前、全国4位という結果を残してうちらの今年のインターハイ団体戦は終わりを告げた。今は明日の帰宅に向け、宿泊していたホテルで荷物をまとめていた。
すると、たまたまつけていたテレビに顔見知りが映る。
「あ、空亜やん」
怜が早くに反応し、私も視線を向けるとそこには全国5位という好成績を残した姫松の先鋒である空亜が映っていた。
『沖野選手、大会MVPおめでとうございます』
『ありがとうございます』
『一回戦では前半戦で他校をトばしての試合終了という大会初の偉業を成し遂げました。その時はどのように考えておいででしたか?」
『自分はただ最善を尽くしているだけなので。麻雀は運のゲームでもなければ、デジタルの数値だけで表せるゲームでもないですから』
『なるほど。昨日終了しました個人戦の方に沖野選手は参加されていませんでしたよね?なぜでしょうか?』
『そうですね。強いて言うなら出たいと思わなかったからでしょうか。なんなら団体戦も出るつもりなかったんです』
『出たいと思わなかったというのは?』
『?そのままの意味ですが?』
『え、出たいと思わなかったから出なかった、と?』
『はい。自分がこっちに帰ってきたのはあくまで日本の代表としてあいつらーーー『絶望の世代』と戦うためですので』
『な、なるほど!ということで沖野空亜選手でした!ありがとうございました!』
『ありがとうございました』
そうしてテレビはCMに入った。それを見たうちらは互いに顔を見合わせた。
「「空亜がヤバすぎる」」
彼は既に世界で活躍をしている身である。そこで私はスマホを取り出すと彼をネットで検索し始めた。
「えっと……あった!って、世界ランク34位!?トップ100どころかトップ50入っとるやん!?」
「え、世界ランカーってトップ1000までやったよな?しかもプロとかも混ぜてのやつやろ?……それ、相当賞金で稼いどるんとちゃうか?」
「怜、その話はやめーや」
「せやな」
触れてはいけないものだったと気づくとうちらは黙る。知り合いの稼ぎなど知ってしまったらもうどんな顔をして会えばいいのかわからなくなりそうだった。
「せや、そういえば気になったんやけど空亜はどこに住んどるんや?遊びに行くいう約束はしたけど」
この雰囲気はマズいと怜が話を逸らしてそんなことを聞いてくる。
「え?怜が知ってるんじゃないの?」
「うちが知ってるのは昔、空亜が住んでた家だけやで?」
「そっか……。せや!愛宕さんに聞けばええんとちゃう?」
「流石竜華や!てかなんで空亜にあの日のうちに連絡先聞いとかなかったんやろうか……」
「まぁ、もう今さらどうしようもないことやろ」
「うん、まぁせやな」
後悔しても遅いと行動に移して愛宕さんに怜が電話をかける。すると出たのはいつもの彼女とは全く違う絶望したような声の人だった。
『……どうしんたんや、怜?』
「いや、ちょっと聞きたいことがあったんやけど。あんたこそどないした?」
『……役満当てられた。最悪や……』
どうやら守りの化身という二つ名を汚されたショックでこうなっているらしい。
それに対して怜は頬を引き攣らせる。
「ご、御愁傷様やな……。それで、聞きたいんやけど、空亜の家って知っとるか?」
『知っとる、とまでは言えないなぁ。前に行った時も後ろをついてっただけやしなぁ。そうや、恭子〜この2人に空亜の家教えてやってくれへんか?』
空亜が本題を切り込むが愛宕さんからはあまりいい反応が帰ってこなかった。代わりに、通話越しに誰かを呼ぶ声が聞こえる。
『ん?誰や?』
聞こえた声は聞いたことのない女性の声だった。その声の人の疑問に愛宕さんがのほほんと答える。
『千里山の清水谷と園城寺や』
『……全中ベスト8かい。ちょっと貸しーや。ええーっと、今はどっちなんや?』
スピーカー越しのためどちらにも聞こえているので、うちが返答をする。
「あ、スピーカーなんでどっちにも聞こえてますよ。あのー、失礼ですがお名前は?」
『あぁ、すいません。うちは末原恭子いいます。一年で洋榎とはまぁ、飼い主とペットみたいな関係です』
『誰がペットや!』
末原さんが自己紹介がてらボケを入れると狙い通りか愛宕さんが思いっきり食いつく。
『自分がペット側やって自覚あるやないか。お前いっつも勝手にどこかほっつき歩いとるし。っと、話がそれたわ。それで空亜の家が知りたいんやったか?あんたら空亜とは知り合いなんか?』
「うちらの幼馴染って言うんかな。まぁ、小学校からやけど、うちらが全中ベスト8まで行けたんも、全部あいつに見つけてもらうためやったんや」
『……へぇ、あいつにそんな人がおったなんてなぁ。あいつ周りに女多すぎやあらへんか?』
うちらの返答に末原さんは少し黙ると皮肉っぽく言葉をこぼした。だが、忘れてはいけない。
「あなたもその1人ですよね。末原さん?」
『……せやったわ。まぁ、それなら教えたって別にええやろ。洋榎に地図を送らせるから見てくれや』
自身もその1人だと言うことに気がつくと、少し具合が悪そうに言葉をだすと、末原さんはいなくなっていった。
『ってことらしいわ』
「ありがとうございます末原さん。愛宕さんもありがとうな?」
『ま、この程度は全然や。それじゃ気をつけて帰るんやで〜』
愛宕さんからその忠告を受けると電話を切られる。
「よかったで。末原さんが優しい人で」
「ホンマやな。にしても空亜の周りには何人女子がいるんやろなぁ」
「「……」」
2人して空亜の周りにいるであろう女子のことを想像し、それから少しの間部屋は無音に包まれていた。
はい、と言うことで毎日投稿いかがだったでしょうか?時間がないので内容が薄かったり、誤字があったり、文字数が少なかったりしましたが終われて良かったです。
本当に死ぬかと思った……。
これからも月に2本程度のペースで進んでいきます。これからも見ていただけると嬉しいです!
それでは評価、感想お待ちしております!