青葉繁れる好季節を迎え、気温も徐々に上がりつつある今の時期。
ボク、トウカイテイオーはあることに悩まされていた。
カイチョーとトレーナーがずっとイチャついてるんだ。
このワガハイ様が直々に会いに行っていr……「テイオー扉は開けたら閉めて」
「ねぇボク今喋ってるんだけど!?」
「無理に難しい言葉使わなくていいんじゃない?最初のやつ時候の挨拶でしょ?」
「そうだけど……カイチョーみたいにかっこよくなればトレーナーに見てもらえるかなって」
「そうか頑張ってな」
「ちょっとはこっちに興味を持ったらどうだいトレーナー!?」
目線すら合わせず熱心にスマホを見ている。
「ねぇーねぇーせっかくボクがきたんだから構ってよー」
「んーこれが終わったらね」
「何してるの?ゲーム?」
「いや、ルドルフのライブ総編集」
「またそうやってすぐカイチョーのことじゃん!!」
「これ見終わったら構うって言ってるじゃん」
「あとどれくらいなの?」
「今半分で残り2時間半くらい」
「またボクの事空気にするつもりなんだね!」
ボクは賢いから先に行動するんだ。
「スマホは没収!そんな泣きそうな顔しても返してあげないもんね」
「ちっ……」
「あー!今舌打ちしたな!!」
前回泣きそうになっていたトレーナーに同じことをされ見事に騙されボクは、カイチョーとトレーナーがイチャイチャしてるのを眺めることしか出来なかったのだ。
「それでテイオー様は何がお望みで?」
「随分棒読みだね。実はカイチョーにドッキリを仕掛けたいの」
「そうかい頑張ってな」
「ねぇ昼寝の体勢に入らないでよ!?トレーナーの力も必要なの!」
「嫌だよルドルフにドッキリなんて」
「まあ偶にはいいじゃん」
「内容によるけどね」
「トレーナーってカイチョーと付き合ってるわけではないんだよね」
「そうだね、まあ比翼連理、以心伝心、学生夫婦ってところだね」
「最後何やら不穏な感じだったけど!?」
ゼロ距離でイチャついてるトレーナーとカイチョーだけど二人はまだ付き合ってないらしい。
「それでドッキリって?」
「ボクとトレーナーが付き合ってるドッキリ!」
「やーだよ……」
「なんでさ!」
「俺に得ないじゃ……痛い痛いテイオー痛い、執拗に脛を蹴るな!」
「ふんだ!トレーナーにボクの魅力なんか分かりやしないもんね!」
「分かりやしないもんに((裏声」
「まーたバカにしたな!!」
普通に言ってもカイチョー大好きトレーナーなら断ることは分かっていた。
だからボクはここで勝負に出る。
「ほらトレーナー、ボクとこのドッキリをしてくれたらカイチョーの寝起きの写真あげるよ」
「いや俺のロック画面だし」
そこにはパジャマを着たカイチョーの姿が写っていた。
「なんでボクよりプライベートな写真もっているのさ!」
「だから俺とルドルフは比翼連理、以心伝……「もういいよ!」」
「な、ならこれはどうさ!」
「ツインテルドルフも俺は持ってるよ」
画面のロックを解除し、ホーム画面を見せつけてくるトレーナー。
そこにはボクが持っている写真なんかより数倍笑顔なカイチョーが写っていた。
「ならこれはどうだ!」
ボクがトレーナーに見せたのは今イベントで開催されているチアコスをしたカイチョーだった。
「テイオー、その話乗った」
「よっしゃぁ!!」
「だから早くその写真よこせ」
「カイチョーのことになるとほんとちょろいよねトレーナー……って痛!!デコピンはないでしょ!」
「つい叩きたくなる頭があったから」
ぎゃーぎゃー言いながら話を進める。
ドッキリの内容はこうだ。
いつもゼロ距離でイチャついてる感じでボクとトレーナーがくっついている。
それを見たカイチョーはどう思うのかっていうドッキリだよ!
これならカイチョーへ悪戯できるしトレーナーとイチャつけるし一石二鳥だね!
「トレーナーどこ行くの?」
「テイオーとくっつくからクリークのとこに行こうかなって」
「なんで?」
「いやおしゃぶり貰おうかなって」
「なんでボクとくっつくのにおしゃぶりが必要なのさ!」
「いやそーゆープレイをしてるって思われた方がいいから」
「随分今日はとげとげしてるねトレーナー!!」
出掛けようとするトレーナーを死ぬ気で止める。
結局なんだかんだ折れてくれたトレーナー共にカイチョーを待つことにした。
「失礼する、業務が終わったからきた……の……だが?」
「ねぇトレーナー!次のデートってどこに行く?」
「うーんテイオーの好きな所でいいんじゃないかな((棒」
「ねぇトレーナーもうちょっと演技してよ((小声」
「えー分かったよ((小声」
「トレーナーはボクの事好き?」
「ルドルフの次の次の次の次の次の次の次の次の次くらいに好き!!((クソデカボイス」
「うっるさいなトレーナー!!」
「テイオーがやれって言ったんでしょ!!((クソデカボイス」
「テイオーにトレーナー君?二人して距離が近くないか?」
「へへ、カイチョー!ボクトレーナーと付き合う事になったんだー!」
「そうなんだルドルフ!!((クソデカボイス」
「耳元で叫ぶなトレーナー!!」
「お前もだよテイオー!!」
「ほう……」
「ピェッ……カイチョー?」
一気に室内の温度が下がる感じがした。
「トレーナー君?それは本当なのかい?」
「うん、テイオーにそう言えって言われた」
「トレーナー!?」
「君はテイオーの事が好きなのかい?」
「うん、テイオーにそう言えって」
「ねぇトレーナー!?」
「そう言っているがテイオー?何か言うことかあるのではないか?」
「お、覚えてろトレーナー!!」
秒で裏切ったトレーナーにボクは捨て台詞を吐くことしか出来なかった。
「あ!テイオー逃げる前に写真寄越せや!!」
「おっと逃さないよトレーナー君。君は私と少々お話があるからね」
「ルドルフステイ!襟はダメ死んじゃう!」
「それで……君は一体何をしていたんだ?」
呆れた様子でこちらを見るルドルフ。
「テイオーが僕たち付き合いましたドッキリがしたいって」
「それはまた急だな……」
「俺たちが仲良くしてるのが羨ましいみたいだってさ」
「そうか……でもそれは譲れないな」
そう言い私の腰に抱きついて来るルドルフ。
その髪を優しく私は梳いてあげる。
「君は誰が好きなのかい?」
「俺?テイオー……痛い痛い腰砕けるから!冗談じゃん!」
「トレーナー君?」
「ルドルフが1番だよ」
「そうか……ふふ」
私の携帯からメッセージが届いた音がする。
「トレーナー君かい?」
「そうみたい……ふふ、テイオーも律儀だな」
「どうしたのかい?」
「いや俺がこのドッキリを受けたのには理由があってな」
「理由……」
「報酬があるから受けたのよ」
「それは何かい?」
「チアコスルドルフ」
「……」
「……」
「その携帯を寄越したまえトレーナー君」
「やっだねぇ」
そうして駆け出すトレーナーとルドルフ。
ものの数秒でトレーナーは捕まり写真は無事消されたようだ。