「やあこんにちはトレーナー君」
「こんにちはルドルフ、今日も業務頑張ろうね」
生徒会室の扉を開け中に入ってきたウマ娘、シンボリルドルフ。
私の担当バ……という訳ではないのだが、彼女が所属しているチームのトレーナーと仲が良いため彼女達とも私はそれなりに仲が良い。
彼女"達"と言ったように私と仲が良いウマ娘は他にもいる。
「失礼します会長、そして今日もお疲れ様だトレーナー」
「こんにちはエアグルーヴ、今日も緊褌一番張り切っていこう」
「はい会長」
「"きっこう"なことだ……ふふ」
会長は快調なようで今日も今日とて元気そうで何よりだ。
「はぁ……?あ!そうだブライアンは何処にいる!」
「あーその件だがエアグルーヴ、今日はここにくると思う。今日はトレーナー君がいる日だからね」
「そんなまさか」
笑って私は答える。
「失礼する」
え、本当にきた。
驚きルドルフの方を見ると物凄くドヤ顔している。
そりゃもう漫画だったらフンスって効果音が付くくらい。
「今日は業務作業ではないと聞いた。それで仕事やらは一体なんだ?」
「その話なんだが……またゴールドシップがな……」
苦笑いをしながらルドルフは言う。
「またアイツか……」
「チッ……面倒なことを」
頭を抱えるエアグルーヴに怒るブライアン。
「今回は2人で犯行現場を見に行って欲しい」
犯行って言われてるよゴルシ……
彼女の行動には我々生徒会もよく手を焼かれているが今日がその日だったみたいだ。
「それでは失礼します」「失礼する」
生徒会室を出る2人、必然的に私とルドルフは2人きりになる。
「ふふ、トレーナー君と2人きりになるのは久しぶりな気がするよ」
「そういえばそうだね」
「仕事の方も落ち着いているし、少々早めのお茶会にでもしないかい?」
「いいね、そうしようか」
電気ポットの方に行き、紅茶を作り始めるルドルフ。
2人きりの時にいつもやっていたこの時間。
今では好きな銘柄と砂糖の数まで把握されるくらいには回数を重ねている。
「トレーナー君、少し私との雑談に付き合ってもらえないだろうか?」
「いいよ、特に俺もやる事はないし」
「ならトレーナー君の好きな女性を教えてくれないか?」
え、ルドルフ?
顔を見るもその表情は真剣そのもの。
待て考えろ俺、選択肢によっては死ぬぞ。
ルドルフが好きって言うべきか?
『そうか!トレーナー君は私の事が好きなのか……』
生徒会室の扉の方に行き鍵を閉めるルドルフ。
『なら私が頂いてもいいんだな』
ダメだこれだと死ぬ。
他のウマ娘にするか?
『ほう……君はエアグルーヴが好きなのかい?』
持っていたティーカップを置き、制服のリボンを緩めるルドルフ。
『彼女みたいに胸がある訳ではないが私もそれなりにある。高圧的な態度をとる訳でもないし永遠に君を愛する事を誓おう』
ダメだこれも俺が死ぬ。
たづなさんの名前や桐生院さん、りこぴんの名前を出しても多分結果は同じだろう……
そうか!!これがベストアンサーか!!!
「ママ」
「え?」
「ママが好き」
「ま、ママ?」
「俺はママが好き。この世の中でママを超えれる人はいないと俺は思うな」
お母さん大好き系キャラを私は演じる。
まるで某アニメのガキ大将のツレみたいな感じになったがまあこの際それはいい。
「そ、そうか……ママが好きなのかトレーナー君は……ママ……ママかぁ……こうなるとスーパークリークに……」
何やらボソボソと呟いているルドルフ。
私は何とかその場を凌ぐ事が出来たみたいだ。
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「よっこらしょっと……」
次の日私はダンボールを運んでいた。
エアグルーヴと一緒に。
「お疲れ様だ、人には少しキツかっただろう?」
「そうだね……やっぱり定期的に運動はしなきゃって改めて感じたよ」
何とか最後の一個を運び教室を出る私たち。
ここだけの話、ダンボールに乗ったエアグルーヴのたわわがとても眼福なことだったことだけ記載しておく。
「何をぼーっとしているたわけが」
「ん、ごめん。ちょっと考え事」
「ほう、この私が目の前にいるのに考え事とは……」
「ははは……ごめんごめん」
少し面倒くさい彼女みたいになるエアグルーヴ。
最初の頃と比べたら随分丸くなったと考えればプラスだと思う……思いたい。
「そもそもだな、貴様はいつまで言っても……」
そうこうしているうちにエアグルーヴはまだ不満があるみたいでいつもの説教が始まった。
でも俺は君の尻尾が揺れてるのを見過ごしてないよ?
「だからいつまで経っても貴様はたわけなのだ。食事もそうだ!いつもコンビニ……ってきゃあ!」
一緒に並びながら歩いていたら階段で彼女が足を踏み外してしまった。
急いで彼女の腰を支え、片手で手すりをしっかり掴む。
その体勢はさながら映画のワンシーンのような姿で通行人がいたら思わず足を止めるくらいのものではあっただろう。
「随分可愛らしい悲鳴が聞こえたことですこと」
「……たわけが」
あ、やばいこれまたフラグ立った。
考えろ俺、この場で1番ベストな回答を!!
『俺にしっかり捕まっとけ』
『わ、分かった……』
『全く……しっかり前を見とけよ』
ヤダヤダヤダ!!俺絶対こんな事言わないよ!!
ああ恥ずかしい恥ずかしい……
うーん他の回答は……
『あれエアグルーヴ重くない?』
いやダメだこれは。
多分ノータイムで蹴り殺される。
はっ!これならいける!!
「おーエアグルーヴの太ももムチムチだ」
支えていた腕を少し下げ彼女の脚を触る。
「は、はぁ?」
「ハリといい、質量といい女性の理想な太ももだな」
「な、何を言っている貴様は?」
「これで膝枕でも出来たら最高なんだろうな」
「ほう、なるほど。貴様は膝枕をしてほしいのか……となると場所はあそこで……いやでも他に邪魔してくるやつが……」
何やらボソボソと呟いているエアグルーヴ。
何とか俺はフラグをへし折る事に成功したみたいだ。
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「ブライアン〜!!」
その次の日。
今日はエアグルーヴに頼まれブライアン探しに出かけていた。
教室からターフまで彼女が行きそうな場所全てに向かったが未だその姿を発見することはできていない。
「となるとあそこかな」
少し心当たりがある場所があるのでそこに向かう。
「お、やっぱりいた」
大きな木の下。
今の時刻なら丁度その下が日陰になっていてお昼寝をするには持ってこいな場所だ。
「おーいブライアンー」
「ん……誰だ?」
「俺だよ俺ーエアグルーヴが呼んでるから探してた」
私は早足で彼女の方に向かう。
すると誰が置いたのだろう、偶然にもそこにあったバナナの皮に足を取られ私は盛大にこけてしまった。
「いてて……あ!ブライアン大丈夫?」
「大丈夫だ……が少し近いな」
状況を説明すると寝っ転がっているブライアンに私が覆い被さるような状態。
見る人から見ればまるで私がブライアンを押し倒しているように見えるだろう。
「ふっ、アンタも一緒に寝るか?」
「え、何をってわぶっ……」
頭を抱きしめられ胸に俺の顔を沈めるブライアン。
その柔らかさと甘い匂いに思考が……って違う!!
いやまずい。
多分過去一まずい状況だ。
どうにかしてこの状況を乗り切らなくては……
『やっぱりブライアンの胸は大きくて柔らかいな』
ダメだ事案だ。
速攻捕まってしまう。
『なんだブライアン揉んで欲しいの?』
ダメだよ!
手を出したら俺が負けなの!
『ハリといい、大きさといい今までの中で1番いいな』
いやソムリエかよ!
いやダメだよ何言ってんだ俺!?
待て俺は悪くない……
だって目の前におっぱいがあるんだぞ!?
あ、待ってブライアンそんなに強く抱きしめると息ができない……
「ん、なんだトレーナー?寝てしまったのか?」
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はっ!知らない天井……って訳でもなくいつもの見知った生徒会室の天井。
そうか、俺はブライアンの胸の中で窒息していたのか……
どれくらい寝ていたのか確認するべく体を起こそうとする。
「ん?ダメだたわけ。貴様はもう少し横になっていろ」
「え、エアグルーヴ?」
頭に感じる柔らかい感触。
少し視線を左側に向けるとそこにある彼女のたわわ。
どうやら膝枕されているみたいだ。
「エアグルーヴ膝枕ありがとうね。でも俺もう元気だから大丈夫……」
「ダメだと言っているだろう。貴様はもう少し寝ておけ」
おでこに手を抑えられ強制的に寝かせるエアグルーヴ。
すげぇびっくりするくらい動けねー……
「ふふ、トレーナー君トレーナー君。君の好きなママがやってきたぞ」
「る、ルドルフ?」
声のした方に視線を向ける。
するとそこにはおしゃぶりとガラガラ片手にハイライトが消えているルドルフさんがそこにいた。
「ほら、これを咥えて、いい子だトレーナー君。ふふ、可愛らしいな」
またもやウマ娘パワーで押さえ付けられている私。
おしゃぶりを付けている成人男性とその横でガラガラを持った女子高生……
うーんシュールだ。
「失礼する、アンタが大好きな胸がやってきたぞ」
おお、ついに3人揃った。
ブライアンを見るとその姿はなぜかスク水。
え、あ、待ってこれ詰んだ?
「さあたわけ、この女帝の膝枕を堪能しろ」
「いい子だトレーナー君、そのままママとねんねしよう」
「ふっ、これでアンタも堪能しやすいだろう」
各々器用に役振りをし、私を甘やかす3人。
ここから抜け出す方法を考えるが……
ダメだ打開できるビジョンが思い浮かばないや。
そしてそのまま私は日の暮れるまで彼女達のおもちゃになった。