ウマ娘短編集   作:こーさん

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トレーナー「おっぱいのついたイケメン?」

 

 

「おっぱいのついたイケメン?」

 

「はい、そうです」

 

私の担当、サイレンススズカが入室してきた途端そんなことを言ってきた。

 

「スズカ、なにそれ?」

 

「それはですね……」

 

ほうほう。

要約すると女だけど男みたいにイケメンな人ってことか。

 

「それでなんですけどこの学校のウマ娘っておっぱいのついたイケメンが多いじゃないですか?」

 

「まあ確かに……」

 

生徒会3人を始め、ミスターシービーや女殺しのフジキセキなど確かにイケメンな娘は多い気がする。

 

「トレーナーさん、私ってどう見えますか?」

 

スズカが真面目な顔でこちらを見ていた。

 

「スズカかぁ」

 

世間ではそのクールな佇まいからかなりの人気を持っているサイレンススズカ。

でもね実際は全く違う。

 

「真っ直ぐ一途だけどたまに抜けてる所があるって感じかな」

 

やんわりそんな意味を含めて彼女に伝える。

 

「そうですか……ねぇ、トレーナーさん。」

 

「どうしたの?」

 

「私もおっぱいのついたイケメンでしょうか?」

 

あー何となく言いたいことが分かってきた気がする。

でも私はトレーナー兼教師でもある。

生徒の間違いは正さなければならないのだ。

 

「少なくともスズカは"おっぱい"のついたイケメンではないよ」

 

「……」

 

「……」

 

「トレーナーさんもう一回」

 

「"おっぱい"のついたイケメンではないよ」

 

「なんでおっぱいの部分を強調したんですか?」

 

「ふむ。君が分かっていないようなのでゆっくり説明していこうか」

 

「お願いしますトレーナーさん」

 

頑張れ私!心を鬼にして伝えるのだ!

 

「まずイケメン女子っていうのは何事にも余裕がある人のことを言うんだよ」

 

「でもそれだったら私もじゃないですか?」

 

「世間体から見たらそうだね」

 

「なら私もおっぱいのついた…「でもさスズカ」…はい」

 

「余裕のある人なら雑誌に写っているウマ娘を見て嫉妬しないのよ」

 

「だってトレーナーさんが食い入るように見てるから」

 

「見てないね?耳元でずっと"私の方が速いですよ?"って囁かれる人の気持ちになってほしいな」

 

「だって私速いですよ?」

 

「そうだね。でも速いだけが全てじゃないからね?」

 

「分かりました」

 

「あと胸が大きい娘に対して"この無駄な脂肪が……"って言うのもやめようね」

 

「だって走るのに脂肪は邪魔ですよ?」

 

「流石最速の機能美」

 

「照れますよ」

 

「褒めてないから」

 

「……」

 

「……」

 

「でもトレーナーさんは胸が大きい娘の方が好きなんですよね?」

 

「いやいや、僕はそんな見た目で判断なんかしないよ」

 

「ダウト」

 

「……」

 

「……」

 

「うん、好き」

 

「トレーナーさん嫌いです」

 

「それはやだなあ」

 

「嘘です大好きです結婚してください」

 

「怒涛のプロポーズだねー、でも君と僕は生徒と教師…「まあそれは後でいいんです」…あ、はい」

 

「結局私はおっぱいのついたイケメンではないってことですか?」

 

「今さらなんだけど年ごろの女の子がおっぱいおっぱい言うんじゃないの」

 

「それはいいんです。それで私はどうなんですか?」

 

「うーん。結論から言うと違うね」

 

「そうですか……」

 

「正しくは"おっぱいもないしイケメンでもない"ってところかな」

 

「……」

 

「……」

 

「トレーナー、覚悟を」

 

「逃げるんだよー」

 

「捕まえましたトレーナーさん」

 

「流石異次元の逃亡者」

 

「私の方が速いですよ?」

 

「身をもって体感したよ」

 

「私だって成長してるんですからね?」

 

「公式のプロフのお情けで70にして貰ってるのに?」

 

「……」

 

「……」

 

「67とか68でも可愛いと思うよ」

 

「うるさいですトレーナーさん嫌いです」

 

「それは悲しいなあ」

 

「じゃあトレーナーさん私の魅力を教えてください」

 

「うーん言うけどウマ乗りになって言うことではないと思うよ」

 

「それもそうですね。んっしょと」

 

「膝の上も違うと思うんだけどなあ」

 

「細かいことはいいんです」

 

「分かったよ、まず髪が綺麗」

 

「あなたがロングが好きって言ってましたから」

 

「言ってたね、おろしてる姿が好きって」

 

「照れますよ」

 

「よしよし」

 

「他には何がありますか?」

 

「脚が細くてスタイルがいい所かな」

 

「!!そうですか」

 

「見せつけなくていいからほらスカート脱ごうとしないの」

 

「けち」

 

「僕が捕まるのよ」

 

「他にはどこですか?」

 

「スレンダーな体型かな」

 

「ダウト」

 

「今回は本当よ。僕は確かに胸が大きい娘の方が好きだけどあくまでそれはタイプなだけ。本当に好きになる娘にはそんな所は見ないよ」

 

「トレーナーさん……!!」

 

「そういうことだスズカ」

 

「失礼する。サイレンススズカのトレーナー、後でうちのトレーナーが話があるようだ。時間があり次第トレーナー室に来てほしい」

 

「分かった、ありがとうナリタブライアンさん」

 

「失礼する」

 

そう言いナリタブライアンは出て行った

 

「トレーナーさん」

 

「どうしたの?」

 

「今おっぱい見てましたよね」

 

「見てないよ」

 

「ダウト」

 

「……」

 

「……」

 

「あれが本当のおっぱいのついたイケメンだよ」

 

「トレーナーさん覚悟を」

 

その後、無事サイレンススズカに捕まったトレーナーは巨乳から貧乳好きに矯正されたのであった。

 

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