やはり俺の○ル○ナは間違っている   作:hung

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これで材木座攻略の前準備は終わりです
またストックが貯まれば更新します
次は材木座攻略終了とその直後位までの3話分の予定
本当は今回の更新でそこまで行きたかったのですがあまりに筆の進みが遅いので断念して細切れになりました
1週間で3話分、毎日更新できる人はすごいですね


あるいは比企谷八幡は覚えている

4月15日(日)

 

 日曜朝、毎週比企谷家長男にとって恒例行事である女児向けアニメの視聴が終わろうとしている。

 

 ひと箱使い尽くす勢いで独占していたティッシュ箱をようやく定位置に戻し余韻に浸る。

 

 笑顔にもしてくれるけど感動もする。やっぱりニチアサは最高だぜ!

 

 今日は今石燕との約束がある。由比ヶ浜も着いてくると言うから早めに出ようか?

 

 そう考えていると一度聞けば耳に残ってしまう軽快な音楽が鳴り始めた。

 

 アニメ放送が終わって、次の番組に行くまでの隙間時間を使っての通販番組らしい。

 

 

「これ、つい口ずさんじゃうよね『あなたのテレビに』ってさ。一時期ぼったくりで言われてたっけ」

 

「そうだったか?」

 

 

 朝ごはんを終えてのんびりモードの受験生ちゃんに『勉強は良いのか?』なんてうざい身内ムーブをするのをこらえる。

 

 いくら中三とはいえまだまだ四月の半ば。今から口うるさくしても逆にモチベーションが下がるに違いない。

 

 ぼんやりしていると通販番組が終わりそうになっている。

 

 今日の目玉商品はエナドリ詰め合わせらしい。

 

 そう言えば、パレスで出てきた宝箱の中身がエナドリだったな、と思い出す。

 

 認知、精神が上位に位置するというのなら本当に『体力が回復する』かもしれない。

 

 小さい瓶なら試しに持って行くのも手間ではないだろうから次の攻略で持ち込んでみるか。

 

 

「いってらっしゃーい。ちゃんとしなよー」

 

 

 生あくびをこらえずに玄関から出る背中にかけられる言葉に適当に返す。

 

 なんで休みなのに、連日出かけなければいけないのか。

 

 

「は、ハチマン! なんでワガハイをつれ…にゃ、なあ、うなぁ…」

 

 

 かいぐりかいぐり、先住猫のカマクラで会得した『超魔術級』の手つきで押さえ込まれているモルガナを放置して扉をくぐる。

 

 可哀想だけど、俺とばっかり居て不自然にみられない為にも今日は小町とお留守番だね。決して少しでも一人の時間を確保する為ではない。

 

 

 

4月15日(日)昼

 

「おーい、ヒッキー」

 

 

 ピンクブラウスと白のスカートを着た結衣が駅前の柱にもたれて待っていた八幡へと声をかける。

 

 八幡はその声に気付いて周囲をびくっと見渡し、辺りに自分の知っている人がいない事に安堵してから応じた。

 

 

「………うす」

 

「えへへ、うす」

 

 

 八幡の姿を確認して駆けたせいか、少し乱れた髪を手櫛で整える。

 

 走っていた時に揺れていた箇所に目線が向いた事に気付かれていないと信じてホッとする。

 

 

「じゃあ。まぁ、いくか」

 

「あっ、うん。で、何処で待ち合わせ?」

 

「駅前のドーナツ屋」

 

「ふーん。じゃ、こっちだね」

 

 

 一瞬だけ腕をピクリと彼の方へと動かしかけて、そのまま何もせずに歩き始める。

 

 本日の目的は、手に入った収集品をオカルトマニアの今石燕に売る事。

 

 

「そういや、さ。はい、これあげる!」

 

 

 ポシェットから可愛らしくラッピングされた袋を取り出す。

 

 かさりと軽い音を立てて、八幡の手に渡す。

 

 

「なに、これ」

 

「見て分かるでしょ。クッキー」

 

「いや、これはクッキーじゃないだろ」

 

 

 鮮やかな色の包装のフィルムの隙間から見えるものは、明らかにクッキーの形をしていなかった。

 

 

「これあれだろ、らん、らん、らんらんるーとか言う何とかってお菓子で、クッキーじゃねえだろ」

 

 

 そのセロファンに入っていた物は、鮮やかなキツネ色とクリーム色でグラデーションされた、くるりと筒状にされた洋菓子の一つ。

 

 つまりはラングドシャであった。

 

 決して、ついやりたくなっちゃう呪文じゃない。

 

 

「なんでもよくない? 細かい男は嫌われるよ?」

 

「妹から雑な男は嫌われると言われているから、折角だから俺はそっちを選ぶぜ」

 

「ヒッキー、ちょくちょくよく分かんない事言うよね」

 

 

 少し引いたような顔をする結衣に、流石にネタが古すぎたか、と反省する。

 

 女子への幻想を普段から妹によってぶち壊されている八幡の戯言に呆れるしかない。

 

 

「つか、なんで? …あぁ、このなんで、には何でこんなもんがあるのか、何で俺に渡すのか、

 そもそも、これ手作りっぽいけどお前が作ってないよなって意味が込められてるから、気をつけろよ」

 

「え? えっと、この前のお礼で持ってきたの。ゆきのんにも明日同じの渡すよ? で、これはママと一緒に作ったの」

 

 

 律儀に全ての回答をする結衣に、見た目以上の真面目さを垣間見る。

 

 同時に、母親のおなかの中に料理スキルを置き忘れてきたようなムドオンクッキーを思い出して、遠い目になりそうなる。

 

 

「まぁ、と言ってもあたしが手伝ったのはクルって巻くところとラッピングだけなんだけどね」

 

「…あぁ、なんか不格好なのがあるのはそのせいか」

 

「そ、それは言わないのがデリカシーじゃない!? ヒッキー最低!」

 

「バッカ、お前! この前も言ったが、女子の手作りに不格好さと少々の不味さは必須条件だろうが、というか、そっちの方がメインまである」

 

 

 案外真理をつく発言だ。

 

 人は味を食っているのではなく、情報を食っているのだ。

 

 どこぞのラーメンハゲも言ってたしな。とか思っちゃう八幡。

 

 そんな半ばどうでも良い事を考えていたからこそ、つい口に出してしまう。

 

 相手の感情なんて考慮に入れようともせずに。

 

 

「そういや、お菓子で思い出した。事故ん時はお菓子ありがとな。

 妹が礼を言っといてくれって言ってたぞ。まぁ俺は食ってねえけど」

 

「………………え?」

 

 

 そうして続けられた言葉にフリーズする。

 

 呼吸が止まりそうだった。

 

 

「な、んで」

 

「いや、事故の見舞いで菓子折りもってきた俺と同じ学校の人が居たって言われてな。

 まぁ、退院してから見舞いありがとうとか一々言いに行くの面倒だったし、ボッチ生活極めたかったし。

 あっ、食ってないのは妹が全部喰っちまったからで」

 

「そうじゃなくて!!」

 

 

 立ち止まり、叫ぶ。

 

 俯いて肩を震わせる結衣に、えっなにこれ、と戸惑う。

 

 周囲の人がなんだ? とジロジロ見つめて来るのに焦る。

 

 

×由比ヶ浜の手を取り場所を変える(度胸が『ここぞで違う』以上必要のようだ)

→とりあえず、場所を変えようと言う

 そっとしておこう

 

 

「ひとまず、落ち着けるとこ行こうぜ。つか、待ち合わせ時間に遅れる」

 

「………」

 

 

 返事はなかったが、少し待つと僅かに頷いてからゆっくりと歩き始めた。

 

 何がいけなかったのかすら分からない八幡が嘆息しそうに先導し、それに続く結衣。

 

 目的地であるドーナツ屋に入店しても気まずい空気は消えなかった。

 

 

「キミ達はなんでこんな公共の場所で愁嘆場を繰り広げているのか、独身には厳しいね、厳し過ぎる」

 

「あっ、どうも」

 

 

 そして、その空気が改善されないまま待ち合わせ相手が到着してしまう。

 

 

「まぁ、オバサンはそういう経験ないから、アドバイスする事は出来ないし、するつもりも無い。

 要件が終わったらキミたち二人で存分にやりたまえ、何も出来ないからね!」

 

 

 分厚い眼鏡をクイッとしながら薄情なまでの宣言で、無関心を表明する。

 

 と言っても、結衣からすれば初対面の人間にしたり顔で分かられた事言われても困る。

 

 八幡的には誰でもいいから助けてほしい所だが、どうにも自分一人でどうにかしないといけない雰囲気を妹からの教育で培われた第六感が感じ取り、手助けを要求できない。

 

 

「じゃ、さっそく本題に行こうか。と言っても、昨日の今日と言う位はやくキミが何かを手に入れるとは思っていなかったから、連絡が来たときはビックリしたよ、仰天さ」

 

「まぁ、俺もこうして立て続けにあなたと会う羽目になるとは思ってませんでしたから」

 

 

 注文したコーヒーを啜りながら待つ今石燕に、ビニール袋に入れていたブツを無造作に並べて提示する。

 

 

「ほう………ほう、これは…なるほど」

 

「何かわかるんですか」

 

「いやさっぱりわからないね、お手上げさ」

 

 

 思わせぶりな仕草をしての回答にがくりとなる。

 

 

「そもそも私はオカルトの専門家であって、民俗学とかならともかく。

 物理学とか化学の方はさっぱりなんだ。文系だからね、不可知だよ」

 

「あぁ、その気持ちは良く分かります。数式とか滅べって思います」

 

 

 同じく、文系科目なら学年でも上位でありながら理系、特に数学は最下位を争う八幡がシンパシーを感じる。

 

 

「まあそんなよもやま話は置いておいて、なんだいこれは? 羽根はともかく髪と豚足? 豚の蹄?」

 

 

 ごろりと袋から出た羽根や蹄を手に取って観るが首をかしげる。

 

 ちなみに、魔石はモルガナが売らずにとっておけと言うから持ってきていない。

 

 体力、というか心の消耗を補填する力があるらしい。

 

 

「妖精の羽根。小さいオッサンの髭、豚足です」

 

「髭? 豚足は豚足そのままなのかい…で、妖精! 妖精って一言で言ってもいくつか種類があるよね、どの辺の妖精なのかな。ヴィヴィアン? エルフ? シルキー? フェアリー? 鵺? 虫っぽい色合いをしているが」

 

「いや、なんか日本人が妖精って言って思い浮かぶ感じです。ティンカーベルみたいなあっち系です」

 

「てぃん?」

 

 

 身振りでなんとなくの雰囲気を伝えるが、コミュ力が足りないせいで良く分かってもらえていない様だ。

 

 こういう時にこそ、コミュ力の鬼であるカーストトップグループの一員に何とかしてほしいのだが、どうにも調子が戻っていない。

 

 

「確かに、普通とは違う感触もするしなんとなく現実味が薄い感じもするからバッタモンではないだろうね、贋物ではないと思う」

 

 

 じろじろと検分する為に近づけていた顔を離してほう、と息を漏らす。

 

 

「前回の様に私と縁のある物が出てくるかと思いきや、それっぽいオカルト物が出て来てビックリしたよ。

 渡りをつけた本人が言うのもなんだが、全く期待していなかったから例えジョークアイテムでもこれなら買い取るさ、偽物でもね」

 

「まぁ、一度会っただけの人間から『オカルト物品買いませんか』なんてどこの詐欺師だって話ですよね」

 

 

 手に入れた張本人だからこそこれが現実では手に入らない不思議物だと確信しているが、他人から見ればただのガラクタだ。

 

 今石燕も出逢った時のような信じる切っ掛けがなければ、信用しなかったに違いない。

 

 

「今回は初回特典みたいな感じで少し色を付けて買い取ろうか、少しおまけさ。

 次回もあるなら、今回のこれを調べて適正価格を考えておくからね、これからもあるなら」

 

「すみません、助かります」

 

 

 殆ど膨らみの無い封筒に向けてお辞儀する様子が微笑ましい。

 

 学生の時分にはいつも金欠なのは世代が移ろっても変わらないのだな。

 

 

 今石燕は必要経費だからと景気よく支払いをして帰って行った。

 

 別れ際、「次はそっちの女の子もちゃんと紹介してくれたまえ、そっちの気落ちしている彼女」と言って八幡に苦笑いを残して。

 

 

「………」

 

「………」

 

 

 席に座り直した二人はコーヒーのおかわりをするが、口をつける事はない。

 

 どちらから、何を話せばいいのか、全く分からない。

 

 気まずい空気が流れる。

 

 

「…覚えてたんだ、あたしの事」

 

 

 口火を切ったのは結衣の方からだった。

 

 

「それが事故の時に道路に飛び出した犬の飼い主だって意味なら、まぁ…そうだな」

 

「なにそれ。じゃあ、他の意味とかあんの?」

 

「いや、ねえけど」

 

 

 くすりと力なく笑って、「そういう意味のない事、たまに言うね」と溢す。

 

 比企谷八幡は高校入学の日、入学式に少し早く登校している時に交通事故に遭った。

 

 リードから抜け出して道路に飛び込んだ犬を助ける為に、代わりに車にぶつかった。

 

 その時当たり所が悪く、一時期入院していたのだ。

 

 とはいっても、特に後遺症もなく本人にとって今では「そんな事もあったな」程度の事であり、弁護士を介してとはいえ示談も済んでいる。

 

 入院していた時に心臓に悪いイベントもあったのだが、それも記憶の彼方になるくらいには引きずっていない。

 

 

「本当はね、病院にも行ったんだ。だけど、面会謝絶って言われて…なんか怖くなってもう一回行く勇気が無くて。小町ちゃんにお見舞い品だけ渡して」

 

 

 だから、当事者よりもよほど気に病んでいるのは、彼女の性格であり、事故の原因となった負い目なのかもしれない。

 

 

「ヒッキー退院してから何回も話しかけよう、話しかけようって思って…いっつも出来なくて。

 お前のせいで死にかけた! って言われたらどうしようって。その時の友達に嫌われたらどうしようって。

 怖くて怖くて、何にも出来なくて」

 

 

 罪の告白よりは軽い自責の念。

 

 しかし、責任は罪よりも必ずしも楽なのだろうか。

 

 それは否である。

 

 潰れてしまう、押し殺してしまう、自らに由を許せなくなる。

 

 この一年間を罰されることなく過ごしてしまった子供の彼女には責められることこそが救いになったのかもしれなかった。

 

 

「ごめんね。あたし、ずっとあたしの都合しか喋ってない。こんなの嫌な女の子すぎるよね」

 

「…そこで肯定したら、俺めっちゃ悪者になるから、否定しか選択肢がねえんだけど」

 

「…そう、だね。ごめん、ずるかったね。だけど」

 

 

×結衣のすべて受け入れる(全てのパラメータが『???』以上必要のようだ)

→むしろ、こっちもぶちまける

 興味ないね

 

 

「つか、俺も俺の都合でお前に話しかけなかったしな。ほら、お前、今のグループじゃなくて何とかってやつのグループだったじゃん。

 俺、ああいう声とか態度が無駄にデカい女子に近づくと死んじゃうから。

 あと、前のお前、チョイ地味子だったし、無駄に話しかけて『うそーあいつあんたの事好きなんじゃない? マジ無理ー』とか言われたらボッチ生活確定直後なのにメンタルブレイク確実だから」

 

「さがみんの事? あぁ、確かにあの子はそんな感じの事いいそうかも」

 

「ワタミだかサガミだか知らんが…だろ? まぁ自衛するのはぼっちにとって必須だからな。だから、俺はお前に声をかけなかった事を後悔はしてねえぞ」

 

 

 そう言って、ぷいと横に向く。

 

 彼の様子に、不器用な優しさを感じる。

 

 別に彼は『事故の原因になった奴に近づきたくなかった』と言ってもいいのだ。

 

 むしろ、そう言った感情は当時、絶対に有った筈なのだ。

 

 それを結衣自身ではなく、周囲に原因があったのだと考える逃げ道を残してくれている。

 

 

「そういう所なんだよねぇ」

 

「どういう所が何? はっきり言ってくれないと怖いんだけど」

 

「別になんでもない!」

 

 

 知った切っ掛けはともかく、目で追って過ごした間にそういう所が見えてしまったから。

 

 

「じゃあ、ヒッキーは私の事、許してくれるって事でいい、のかな?」

 

「許す、許さんの前に事故の原因はともかく。避けられなかったのは俺の反射神経の問題だろ。

 つか、なんでそこそこ狭い道でそんなにスピードの出てない車にぶつかって意識失うかな、俺?」

 

 

 「颯爽と助けられてたら、入学式初日だけはヒーローだったかもしれんのに」とぼやく八幡に嘘が感じられずに安堵する結衣。

 

 

「それでも、あたしにとってはヒーローだったよ」

 

「は? 何か言ったか」

 

 

 ぽそっと呟いた声が伝わらずに良かったのか、良くなかったのか。

 

 今はその結論を出す事を先送りにして、首を振って何でもないと示した。

 

 

「一安心したらお腹空いてきちゃった。ちょっと早いけどご飯にしない? あたし飲茶な気分!」

 

「ドーナツ屋で中華が食えるわけが…あるし。え? なんでドーナツ屋に肉そばとか担々麺があんの? これ甘くないよ?」

 

 

 色んなメニューに挑戦し続けているミスターに乾杯。

 

 

 結衣との仲が深まった気がする。

 

 

 その後、お腹を満たした二人は今石燕から受け取った封筒の中身を使って、ホームセンターや薬局で次の攻略に使いそうな物を買いに行ったのであった。

 

 

4月15日(日)夜

 

「大体全部使えるんじゃねえか」

 

「目についたの適当に買っただけなんだが」

 

「劇的な効果は見込めないだろうが、全く意味がねえって訳でもねえだろ」

 

 

 家に帰り、置いてけぼりを食らってご機嫌斜めなモルガナの機嫌を取り(ちゅ○る)、買い込んできた物資の選別を任せる。

 

 しかし、ダメだしされると思っていたのに、返って来たのはまさかのオッケーサイン。

 

 認知、つまり心の持ちようが上位にある精神世界において『効き目があると保証されている医薬品』や『見るからに武器』と言うモノなら少なからず効果があるらしい。

 

 もちろん、曰く付きの武器や訳ありのヤク等の方が効果は高い。

 

 そこらの棒切れが如意棒と同じわけがないし、副作用を考慮に入れない薬の方が強いし、量産型よりも試作機の方が強い。

 

 最後はなんか違うかもしれないが、創作の世界では定番の展開だからこそ認知の世界ではそのお約束が適用される為、正しい。

 

 

「つまり、糖分を効率的に摂取できるマッカンを布教するチャンスと言う事だな」

 

「あのクソ甘いヤツか。効果が無いとは言わんが、それの効果が一番あるのはハチマンだろうな。

 甘い、イコール回復するって認知があるからいいが、カロリー、イコール敵って考える女子には微妙だと思うぜ。あと単純に口に合う方が効果は高い」

 

 

 その理論で行くならば、雪乃は紅茶や洋菓子、結衣はお菓子全般だろうか?

 

 気力回復用のマイフェバリットを各自で用意するのが一番効率的になるのかもしれない。

 

 体力回復のエナドリ、体調不良対策の医薬品は普遍的に効果があるらしいから、それらを戦利品売買で得た共用資産で買い、あとは独自で準備する。

 

 材木座への〆切である金曜までに、色々と備えなければいけない。

 

 流石に、口だけで二度目の延長は説得できる自信が無かった。

 

 何より、一度(八幡は二回)しか会っていないのに分かるくらい面倒くさい奴に何度も煩わされるのは嫌だった。

 

 なんとしても一回で悪神の欠片消滅まで持って行きたい。

 

 

「今回は流石に金が足りなかったから買えなかったが、シャドウの攻撃を防ぐ防具も必要になるだろうし、消耗品も使ったら買い足さないといけないし、武器も結局持ちやすい太さの棒、安物の扇子とかカッティングナイフだけだし。いくら金があっても足りねえな」

 

「事前にザイモクザのパレスでレベリングしてドロップをまた買い取ってもらえばいいじゃねえか。異世界ナビ使えば行けるぞ」

 

「一回で済ませられるなら面倒な事はしたくない。つか、働きたくないでござる」

 

「…そう言えばお前の夢は専業主夫だとか言ってたよな。どんだけ働きたくないんだよ」

 

 

 モルガナのかつてのパートナーであるジョーカーは暇があれば自分磨きをしていたし、色んな所に足を運ぶのも好きだった。

 

 怪盗団のリーダーとして人を助ける改心ならば積極的に活動していたし、集合無意識のパレス、メメントスにも望んで潜っていた。

 

 それらほとんどの記憶が無いとはいえ、僅かに残っている想い出と比べてしまいため息をつく。

 

 危機感か、目的意識か。

 

 どうにも消極的な彼を説得しようにも、響いてくれない。

 

 少しずつ言い続けて意識を変えるしかないかと今日は諦めて寝床に着く。

 

 買い出し等の準備をする程度の積極性はあるんだから、無駄にはならないと信じて。

 

 

 

 なお、翌日の奉仕部で売却の報告と準備のあれこれを報告した際に雪乃の一声でレベリングの決行が決まり、八幡もなし崩しに参加することになっていた。

 

 連日は気力体力の面から考えて厳しいと言う事で、一日おきの月曜、水曜をレベリングに当てられる。

 

 木曜を休息日にして金曜の本命に向けて万全の準備を整える。

 

 多分、雪乃はJRPGゲームとかやったら一つの町で出来る事はすべてやり切ってから次の町に向かうタイプ。

 

 周囲の雑魚をその時点での最強武器とレベルの暴力で蹂躙しながら進むプレイングになるだろう。

 

 モルガナに足りなかったのは速さではなく、押しの強さであったようだ。

 

 

 

 




 俺ガイルメモ

 比企谷八幡は原作にて結衣の飼い犬を助ける為に交通事故に遭い、足を骨折し入院して入学直後の三週間程を病院で過ごしている。ただし、原作では結衣がその飼い主、事故の原因であったことは5月末ごろの職場見学前の依頼で、ようやく妹から知らされる。結衣のやさしさ(自分を気にかけてくれるの)は事故が原因だと突き放し、6月半ばまで人間関係をこじらせる。だがもうなくなった。

 ペルソナメモ

 あなたのから始まるあのテレビショッピング。たなか社長が手をかけるぼったくり通販番組であり、P3で登場して武器やアイテム等を販売するが、3ではコミュ相手として、5では闇ネットに身をやつしている。主人公たちからしてみればお値段以上の価値があるときが多い。ただし一般人からしたらただのぼったくりである。

愚者……比企谷八幡(アマノジャク)
魔術師
女教皇…雪ノ下雪乃(ライジン)Rank1
女帝
皇帝
法王

恋愛…由比ヶ浜結衣(ザシキワラシ)Rank2 Up
戦車
正義
隠者
運命
剛毅(力)

刑死者
死神
節制
悪魔




太陽
審判
世界…奉仕部 Rank1
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