やはり俺の○ル○ナは間違っている   作:hung

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P5続編というか、スピンオフが出るかも?って情報でテンション上がりました


どうあってもモルガナは改心させたい

5月14日(月) 夜

 

「問題を整理しよう」

 

 

 神妙な声でモルガナが机に向かう八幡に語り掛ける。

 

 テスト前だから勉強しながらで許してほしい。

 

 だけど、彼からすればただでさえ厄介事を抱えているのだ。

 

 そこに更に面倒事を放り投げられて気分が良い訳が無い。

 

 

「まず、あの酒井(さかい) 栄枝(さかえ)と呼ばれる男は川崎殿に迷惑行為をしている」

 

「そだな」

 

「詳しい事情はともかく、以前はそんな事はせず、酒に酔って愚痴を吐いても素面に戻れば迷惑をかけたことを謝罪するくらいには真面だった」

 

「らしいな」

 

「二週間ほど前、つまり今月頭くらいから急変し始めて、一種のストーカー行為に及ぶ。

 そうなってからはいくら言っても止めずに半ば暴走している。

 警察には川崎殿の事情から相談できていない」

 

「つまり、やれることはないってことだ。閉店ガラガラ」

 

「つまり、ワガハイ! 心の怪盗団の出番って訳だ!」

 

 

 なんでだよ、と突っ込む。

 

 だが、話しているうちに興奮して鼻息荒くなっている黒猫には通じない。

 

 

「わからねえか? わからねえだろうな! だから説明してやる!

 ワガハイたち怪盗団は悪を見逃さない正義の怪盗団!

 西に困る人が居れば駆けつけ! 東に泣く人が居ればそっと涙を拭いてやる!」

 

「具体的に言えば、原因も無く素行が急変する奴の多くは認知の歪みが原因だ。

 あの酒井って男の心の中に生まれた認知の歪みが徐々に形を取り始める。

 それこそがオタカラってもんだ!

 歪みから生まれたオタカラはそれ自体が歪みを強くして、現実を侵食し始める」

 

「つまり、元の性格から豹変しちまったり、普段ならしない問題行動を簡単にやっちまうようになる。

 だからそのオタカラを盗み出す事で、認知の歪みを正してやるのさ!

 ワガハイたちはそれを改心と呼ぶんだ」

 

「悪神は関係ないんだよな?」

 

「まぁ、今回の件は関係ねえな」

 

「じゃあ、ノータッチでFAで」

 

「ハチマン!!」

 

 

 早口で何か言っている黒猫に「でもそれ根本的な解決には…なるだろうけど俺には関係から」とスルー。

 

 その後もあまりにも五月蠅く強請ってくるものだから、横の妹の部屋から壁ドンされてようやく八幡が折れた。

 

 

「とにかく、酒井のオッサンの居所と名前は分かってるんだ。

 あとはあのアプリを使って、パレスが出来てるかどうかを確かめるだけでいい!

 もし、パレスが無かったら諦めるから、な?」

 

「金曜までになんとかならなかったら、マジで手を引くからな。

 来週の頭からテストが始まるから、テスト直前の土日はちゃんと勉強したいし」

 

「それはしかたねえ」

 

 

 認知の歪みを抱えていて悪神の欠片が関わっていない今回のケース。

 

 対象の精神世界にアクセスする方法が無いかとおもいきや、材木座の時に手に入れた異世界ナビ。

 

 あのアプリは悪神の関与が無いなら、対象の名前だけでパレスに侵入できるようになっているらしい。

 

 なんでも、怪盗団も似たようなアプリを使っていたようだが、その時は対象の名前、パレスのカタチが必要で。

 

 それを調べるのに手こずった事からモルガナの主とやらが改良したのだとか。

 

 そんな便利機能はいらなかった。

 

 もっとも、オタカラを核とするパレスが存在せず、ただの困ったちゃんには意味が無いらしい。

 

 最後のあがきにとせめてもの譲歩を引き出して、次の日の為に床に就くのであった。

 

 空回りが決まり切った憂鬱な一週間が始まる。

 

Misson Start!!!

 

 

5月15日(火) 夕方

 

「よし、ハチマン。ターゲットの店に急ぐぞ」

 

「ほんとに行くの? 別に良くない? もう帰ろうって」

 

 

 放課後になるや否や、カバンの中から小さくせかしてくる声。

 

 口だけは往生際悪く引き止めているが、身体の方は正直だぜ。

 

 足取りは重くとも、本気で帰ろうとはしていない。

 

 しかし、その行く先には一つの関門が存在していた。

 

 

「あれ、ヒッキー。部活だよ?」

 

 

 そう、忘れてはいけないのが奉仕部の活動は放課後に行われていると言う事。

 

 いくら開店休業状態だとは言え、無断欠席は後が怖い。主に女傑二人。

 

 

「すまねえ、結衣殿。こればかりは譲れねえんだ。

 悪いが、今週はハチマンを借りてくぜ」

 

「モルちゃん? ちょっとこっち…もしかして、あれ?」

 

 

 辺りを見回して、人目が多い事を確認してから廊下の隅に移動。

 

 身を出来る限り近づけてひっそりと尋ねて来る結衣。

 

 誰にも聞こえないようにと警戒しているが、距離感の警戒もできれば維持して欲しかったとは彼の内心。

 

 ふわりと香る甘い匂いに、出来る限り身体を逸らしてしまう。

 

 

「いや、悪神とは無関係だ。だが、事態はちょっとややこしくてな」

 

「なんだったら由比ヶ浜にも手伝って…「申し訳ねえが、ワガハイたちだけで何とかしないといけねえ! 今は何も言わずに見送ってくれ!」おい」

 

 

 パレスへの侵入を考慮に入れるのなら、奉仕部のメンバーも巻き込んでしまえば一人当たりの労力は少なくなる。

 

 そもそもモルガナはともかく、八幡のペルソナは戦闘に向いていないのだ。

 

 万が一を考えれば、いつも通りに結衣や雪乃に声をかけるのは良案のはずなのだが、何故かモルガナが血相を変えて拒絶する。

 

 詳しく知らないが、改心と言うのは女子には刺激の強いモノなのかもしれない。

 

 全てを把握しているこの猫がここまで強い意志を示すのだ。

 

 なにかしら理由があるのだろう、と最終的には「ほんとに大丈夫?」と不安げな結衣を振り切る。

 

 ひとまず、雪乃宛に部活を休む伝言だけはお願いしたが、随分怪しく感じていただろう。

 

 

「なんで、あいつの協力を断ったんだ?」

 

 

 彼女の姿もなくなり、周りが程よい雑音に囲まれた時を見計らって改めて確認する。

 

 しかし、その疑問への回答はひどくしょうも無い理由だった。

 

 

「怪盗っつうのは、ミステリアスで、紳士で、時にワイルド、時にキュート、なによりエレガントに決めなきゃいけねえ。

 そっちの方がカッコいいだろ。だから、雪乃殿や結衣殿の観てない所でガツンと活躍してワガハイに惚れ直してもらおうと思ってな」

 

「えっと、奉仕部のlineはと「てい!」電波が届かない、だと」

 

「広範囲には無理だが、おめえの携帯だけを不通にさせる位ちょっとした認知の応用でちょちょいのちょいだ」

 

 

 あまりの身勝手な理由にすかさずヘルプ要請をしようとしたが、意味不明な理屈で連絡手段を潰された。

 

 多分、『電波をかく乱する体質を持つという認知』を強く持つことで己の体質を一時的に変化させたのだ。

 

 認知によって存在を確立しているモルガナのちょっとした小技なのだろう。

 

 フィクションとかでよくある『強大な敵の近くで電波が乱れる的なお約束』

 

 逸話の再現ともいえるのかもしれないが、盛大なスペックの無駄遣いである。

 

 

「…無理そうなら有無を言わさず、連絡するからな」

 

「もちろん、構わねえさ。まっ、そんな心配すんなって」

 

 

 一応の釘差しもどこ吹く風。お気楽な調子で機嫌よく鼻歌を歌っている。

 

 ぶん殴りてぇと、殺意が沸いてしまう。

 

 そんなやりとりをしながら、陽が暮れる直前に目的地にたどり着く一人と一匹。

 

 モダンな木製の扉、そこには小さく『OPEN』と木札がかかっている。

 

 横にはメニュースタンドが立っており、そこには良く分からない筆記体の外国語が書かれている。

 

 もちろん八幡にも読めないが、視線を上げればここが何を扱っているかは一目でわかる。

 

 

『 BAR SaSa 』

 

 

 バーという単語を見た瞬間、ハイソなオーラが漂ってきたように錯覚してしまう。

 

 主に酒類を提供する空間だが、未成年が入ってはいけないと言う訳ではないのだろう。

 

 しかし、八幡は見るからに未成年…というか

 

 

「制服のまま入ってもいいの? いいんだ…

 つか、あいつ、援助交際の次はバーって…結局歳誤魔化さないとダメなとこじゃねえか」

 

 

 未だに彼の中では川崎が以前バイトしていたのはそっち系だと誤解したままである。

 

 彼女からしてみれば、前回がホテルの高級バーでのアルバイトだったから経験を活かしての選択だったのだが、誤解が解けていない彼からしたら「やっぱあいつ不良なんだな」と再認識してしまう。

 

 カバンの中から「確かジョーカーはダーツバーに制服で入ってたと思うから、当たって砕けろだぜ! 侵入開始だ。ちゃんと隠密しろよ」と軽く無茶ぶりしてくる猫に何度目かの拳骨をくれてやる。

 

 

「入店拒否されたら帰るからな」

 

 

 念押しだけして、へっぴり腰のまま扉に手をかけて引っ張る。

 

 入店のベルと共にスムーズに開いたその先に、おどおどとしながら入っていく八幡。

 

 しかし、忘れてはいけない。

 

 比企谷八幡と言う男子はクラスではぼっちであり、普段から挙動不審気味であった。

 

 そんな彼が、急に人様の事情に首を突っ込んできて、更にいつもより怪しい言動をしているのだ。

 

 

「あいつ、余計な真似するつもりじゃないでしょうね」

 

 

 それを要らん事をするのではないかと尾行されても、残念ながら当然だろう。

 

 薄く青に見えるポニーテールを掃って、近付く影。

 

 

 5月15日(火) 夕方 BAR SaSa

 

「おや、いらっしゃい。どうぞカウンターへ」

 

「し、しつれいいしましゅ」

 

 

 来店を告げるベルの音と共に八幡が足を踏み入れる。

 

 薄ぼんやりとした間接照明に落ち着いた雰囲気が漂う店内。

 

 木とアルコールの匂いが混ざり合い、なんとも言えない空気。

 

 定時前だからか、カウンターに人影はない。

 

 見えるのは映画なんかでは定番のように表現されるグラスを拭くバーテンの男。

 

 その空気に気圧されて、どもる。

 

 こちらを見て一瞬目を見張るが、何事も無かったかのように接客するバーテン。

 

 流石に制服そのままで来店されるとは思っていなかったのだろう。

 

 彼の姿を見てモルガナが「早速ターゲット発見。幸先良いぜ」と呟いている。

 

 前回のくたびれたスーツ姿からピシッとした黒のベストを着て、髪もがっちり固めているので分かりにくい。

 

 だが、このバーテンこそが川崎(姉なる者)に迷惑行為を繰り返す酒井 栄枝に間違いない。

 

 幸い、八幡の事を覚えている様には見えない。

 

 

「ノンアルのメニューはあまり多くないですけど、こっちにまとめてますので」

 

 

 足元にカバンを置き、カウンターに腰掛ける。

 

 するとすぐに表に出ていたメニューよりも幾分か読みやすいメニュー表を渡されて目を通す。

 

 ワンドリンクの金額じゃないでしょ、と内心冷や汗ダラダラだが、軍資金だけは十分にある。

 

 先週は何度もパレスに向かい消耗品で出費が有ったが、それよりも収入の方が多かった。

 

 そうでなければ、こんなところに入る事すら彼は拒否していただろう。

 

 それでもビビっているのは根が小心者の証左である。

 

 なお彼の感覚からのワンドリンクとはワンコイン(500円未満)を指す。

 

 

「じゃ、じゃあ、このサラトガ・クーラーってやつで」

 

「かしこまりました」

 

 

 何となく音の響きがかっこよさげに見えるカクテルを注文する。

 

 なんだよ、サラトガって、カッコいいな。

 

 普通のグラスよりも細長い物に鮮やかな緑色のグラスから少量注ぐとふわりと柑橘類の匂いが香る。

 

 とろみのあるシロップを更に少々、そこに氷を三つ、とくとくとジンジャーエールを流し込み軽くステア。

 

 仕上げにカットライムを差し込み、完成。

 

 流れるような手際に、目的すら忘れて見入ってしまう。

 

 憧れるよな、バーのマスターって。なんつーか、男の子って感じだ。

 

 

「お待たせしました」

 

「ども」

 

 

 口に入れると辛めのジンジャーにライムの爽やかさが相まってとても大人味を感じる。

 

 カクテルが八幡の脳を刺激して、知識が『そこそこ』に上昇した。

 

 

「美味い…と思います」

 

「どうも」

 

 

 通り一遍の感想に微笑んで氷を用意した時に着いた水滴を拭く。

 

 喉を潤して一息ついてみれば、落ち着いたJAZZが流れていてそれが本当に『らしい』のだ。

 

 ここでウイスキーをロックで嗜んでいればサマになっていただろう。

 

 将来は奥さんの稼いだ金でこういう店をやってみるのもいいかもしれない。心に浮かんだ世迷言であった。

 

 ふと視界の端にキラリと光る物を捉え、見てみると左薬指にはしっかりとした指輪が。

 

 こんな成功した人生送っていながら、JKに『バブみ』とやらを求める変態になるんだなぁ。

 

 だからバブみってなんだよ。

 

 

「おい、ハチマン。目的を忘れるなよ」

 

「―――へいへい」

 

 

 空間がもたらす一種の酩酊気分に浸っていた彼の足元から現実に戻す一言。

 

 と言っても一部意識が遠くなっていたので、ナイスフォローでもある。

 

 もうちょい気分よくいさせろよな、と内心で愚痴りながらスマホを取り出す。

 

 今はどんな時でも携帯、スマホを取り出しても不自然ではない社会になりつつある。

 

 ゲームに熱中している時でも、バーで酒を嗜んでいる時でも、なんならトイレでも。

 

 携帯依存症なんて言葉も言われ始めてもう随分と経っただろうか。

 

 彼にしてみれば、そんな社会に何かしら思う所が無い訳ではないが、その恩恵は存分に与るに難くない。

 

 八幡、心に棚を作るのは得意分野。

 

 

「異世界、ナビ…起動。名前はえっと「酒井 栄枝」そうそう、さかい さかえっと」

 

 

 口を殆ど動かさずにもごもごと口の中で独り語り、目当ての怪しげなアプリを操作してみるが、あまり慣れていないので手間取っているとモルガナからフォローが飛んでくる。

 

 助言通りに対象の名前を呟いてみると…

 

 

『パレスを発見しました。ナビゲーションを開始しますか?』

 

「うわっ、キャンセルキャンセル!」

 

「うん?」

 

「い、いえ、なんでも。あ、あははは」

 

 

 何の感慨もなく、パレスが見つかってしまった。

 

 慌ててアプリからの誘導に「いいえ」を押すが、思わず声にまで出てしまった。

 

 不思議に思って見つめられるが愛想笑いでやり過ごす。

 

 バーに来て独り言を漏らす人も少なくないのか、曖昧に笑って視線を外してくれる。

 

 

「よし、パレスの情報は保存できたな。ひとまずミッションクリアだ。

 あとはここまで近くに居なくても、潜入できるだろ。一旦引き上げるぞ」

 

「えっ、もうちょいゆっくりしようぜ。ほら、奥にはダーツあるし。

 陽気なパリピが居ないなら一人でやる分には面白そうじゃない?」

 

「潜入捜査に来てはまってんじゃねえよ! いや、ダーツも良いと思うが、今回は我慢しろ!!」

 

 

 見てみると、カウンターの奥。ひっそりと遊戯スペースが設けられている。

 

 しかし、そこは一般的に言われるダーツバーのような煌びやかさは少なく、申し訳程度に設備だけがあるようにも見える。

 

 彼が嫌いなのは群れて猿叫をあげる輩で、周囲が静かで一人ならこういう場所は案外ツボにはまったようだ。

 

 特にバーと言う存在の敷居の高さから同学校、同年代と出くわす危険性が少ないのがとてもいい。

 

 ファミレスやチェーンの喫茶店は入りやすいが、どうしても顔見知りとかに遭遇する可能性があるのがネックだったので、これから先は未成年でも入れるバーも緊急避難先として彼の選択肢に入るようになるだろう。

 

 もちろん、一人になれる時間を作る、という意味での避難である。

 

 しかし、今日の目的は彼の御一人様タイムの過ごし先発見が目的ではない。

 

 渋々と財布からさっきのメニュー表に書かれていた金額ぴったりを出し、退店する。

 

 店から出て、すぐ横に在る路地裏に入りカバンを開く。

 

 

「よぉし、よし! やるじゃねえか、ハチマン。前々からお前の影の薄さには目を付けてたんだ。

 一回だけとは言え、会った奴にもばれずに正面突破できるとか、将来有望だな!」

 

「影が薄くて将来有望ってなんだよ、黒子のバスケしちゃうの?」

 

 

 これ、モルガナが迷い込む態でスマホホルダーを背負わせて突撃させても良かったんじゃないだろうか。そんな疑念が沸いてしまう。

 

 しかし、終わったことに拘泥しても仕方がない。

 

 ひとまず目的は達成できたのだ、それを喜ぶべきだ。

 

 陰に潜む一人と一匹がスマホの前でうんたらしている様子はどう見ても怪しい。

 

 

「じゃ、とりあえず偵察だ。悪神の欠片無しでの認知の歪みならパレスの規模もちっちぇえだろうし、オタカラまでのルートもすぐに確保できるだろ」

 

「必要な手順としては、オタカラとやらまでの道順確認。

 オタカラを見つけたら実体化させるための予告状布告。

 潜入してオタカラを守るシャドウを撃退してオタカラ持って逃げる、だよな」

 

「間違いねえぞ」

 

「改めて確認すると、やる事多いな」

 

 

 事前の説明を確認して、認識の共有を図る。

 

 やらなければいけないロードマップの面倒さに舌を出す。

 

 やることが、やることが多い。

 

 オタカラと便宜上呼称しているが、その正体は人の思い込みが具現化したもの。

 

 人の認識なんていうあやふやな物が、いくら認知の世界でもそのまま安置されている訳ではない。

 

 何もしない状態だと、パレスの中でも不定形の霧にしか見えない。

 

 だから予告状を出して、歪みを具体化させる必要があるんですね。

 

 なお、パレスの核であるオタカラを取られて無事であるわけもなく、そのまま崩壊するので逃げるのも必須だが、悪神の関与が無ければパレスも小さいと予想しているので直ちに支障はない(大本営発表)。

 

 

「いいから、いくぞ。異世界ナビを起動しろ」

 

「へいへい、おおせのままに…『パレスを発見しました。ナビゲーションを開始しますか?』はいはいっと」

 

 

 ホームセンターで買った警棒がカバンの中に在る事を確認してから画面をタップする。

 

 途端に、現実が歪み始める。

 

 ぐにゃり、と景色が歪むと同時に極彩色に変わり、どんなに慣れてもやはり少し気分が悪くなる。

 

 こんなもん見たらそりゃ、耐性無い奴は気を失うし、耐性があっても悲鳴を上げるだろと思いながら落ち着くのを待つ。

 

 そんな彼のすぐ後ろで

 

 

「ひっ、な、なにこれっ! お、おばけ屋敷!!?」

 

「えっ」

 

「にゃっ?!」

 

 

 可愛らしい悲鳴が上がった。

 

 突然の声にバッと振り返ると、一時の空間の歪みが収まって真っ暗な空間の中にポツンと一軒だけ佇む先ほどのバー『SaSa』と

 

 

「こ、腰が―足、立て」

 

 

 いわゆる女の子座りでぺたんとへたり込み目じりに涙を滲ませた川崎(姉ちゃん)。

 

 その声は盛大に震えていたのであった。

 

 

 

 




俺ガイル&ペルソナメモ

 川崎沙希は戸塚とは違い、ホラー耐性がない。お化け屋敷に入ったら顔を青くしてダッシュで逃げる位に弱い。なお、彼女の尾行は世紀末生徒会長程の杜撰さではなかった事を明記しておきます。原作では結衣が沙希の名前を教えてくれるが、今回は結衣が関わっていないので八幡が川崎なんとかと曖昧なのはそもそも知らないから。原作からして「川崎大志の姉の川なんとかさん」とか内心ではよく弄られているので原作再現ではなかろうか? しかし、カレンと言いサキサキと言い小清水亜美さんのキャラはカッコ可愛いなぁ! あと、アサマチもだが胸部装甲が厚い。



・知識………偏りがある→そこそこ
・度胸………なくもない
・コミュ力…つっかえる
・根気………ゆとり
・器用さ……ぶきっちょ


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