やはり俺の○ル○ナは間違っている   作:hung

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6月も7月も8月も!9月も10月も!僕は!
待ってた!!!
…何を?
お気に入り数150(本人除く)だろぉ!?

………半分冗談です

やっぱり11月までかかりました
と言うかまだ書き終わってないです
何度も書き直して、そのたびにやっぱ違うってなってました
江戸で聖杯戦争してたり、積みゲー消化に忙しかったんです許して(まだまだ積んでるけど)
P5Tが発売されるから諦めて、急いで投稿してます

あらすじ
川なんとかさんと一緒に改心したり、
期末テストと職場見学に行った
葉山隼人がなんかこじらせてそうだった

6月といえば? そうだね結衣の誕生日にともなう名前を出してはいけないあの人だね!
と言う訳で7話分くらい(書き終ればもう1,2話増)投稿します


惜しむらくは比企谷小町の策略は詰めが甘い

6月8日(金) 夕方

 

 初夏の匂いが漂い、過ごしやすかった春の終わりを実感しながら週の終わりをしみじみと思考を馳せる。

 

 中間テストも恙(つつが)なく、とは結果的には言い難いが終わり、職場見学も隼人が少し落ち込むだけで済んで万々歳。

 

 直近で憂鬱になるイベントは来月の頭に迫る期末試験位かと、学校行事を思い起こし、えっ、中間終ってすぐなのにまた直ぐに期末でござるか? と呆気に取られてしまう。

 

 特に6月なんて祝日も無いブラックマンデーならぬブラックマンスで、あまりにブラック過ぎて社畜適正強化月間なのかなと思っちゃうまである。

 

 そんな折角の週末を鬱鬱とした気持ちで一人帰宅している八幡。

 

 普段ならここに黒猫のモルガナが居るのだが、今日の彼の周囲には誰も居ない。

 

 部活と言う名のグダグダタイムが終わって、彼の黒猫はまたも猫好きの部長様にとっ捕まってしまったのだ。

 

 4月からほぼ二ヶ月の間、八幡がモルガナを(望まずとも)占有していた為か、猫中毒の禁断症状が出始めたのか、最近の雪乃はモルガナを構い倒している。

 

 そのおかげで八幡は一人の時間を満喫できているのだが、ただでさえ軽いカバンが更に軽くなったことで少し違和感を覚えている。

 

 そんなちょっとした感傷は目前に迫る梅雨の時期の所為だと納得しながら、テストも頑張ったしこれからジメジメする季節だし夏バテに負けないように自分にご褒美でもあげようかと、丸の内のOLのような言い訳をしながら、カラコロ転がしていた自転車を停めて書店に入る。

 

 何か面白そうな新刊は出ていないだろうかと、真っすぐに新刊コーナーを目指していくと、ふと「うんしょ、うんしょ」と背伸びして棚の高い位置に置いてある本に手を伸ばしている小学生くらいの女の子が視界に入った。

 

 店員なりを呼べば一瞬なのだろうが、そういう年頃なのか性格なのか。

 

 妹もほんの数年前まではあれくらいの背丈だったし、その頃はやっぱりああして自分で何もかもやろうとしてたなと感慨にふける。今は自分の事もしっかりしているし、兄の世話までしっかりしているし、成長ってのは早いもんだな。

 

 とかなんとかダメな感想を抱きながら止まっていた足を進めようとしたその時、少女の指に引っかかっていた本がバランスを崩して落下する。

 

 

→本を支える

 身体を押しのける

 抱きしめる

 

 

「う、ん…あっすみません」

 

「いえ、別に…? るみるみか?」

 

「その言い方、バカっぽい」

 

 

 それを間一髪、背後から支えた八幡。年下へのお節介は慣れてんだ、家庭の事情でな。

 

 一歩間違えれば通報間違いなしな己の事情を思い出してやっべ、と内心焦りながら「別に」ムーブをしてさっさとスタコラサッサしようとしたが、振り向き見上げるその顔に見覚えがあり中断される。

 

 それはおよそ一ヶ月前のGW、清掃ボランティアでいじめの加害者から被害者へとクラスチェンジした女子小学生、鶴見留美だった。

 

 なお、一瞬キョトンとした顔が即座にじとりとした目つきに変貌したのだが、雪乃に慣れた八幡には何の痛痒も感じなかった。

 

 

「何してんの」

 

「そりゃ、こっちのセリフなんだが…お母さんはどうした? 迷子か? あめちゃん要る?」

 

「変質者…」

 

「おいばかやめろ防犯ブザーはマジでシャレにならん。ただでさえちょっとオシャレな店に近づくだけでゾーンディフェンス敷かれるのに、本屋でも警戒対象になったら俺は今後何処で暇つぶしできるんだ」

 

 

 けど、八幡も悪いんですよ。そんな気持ち悪い事言ってノータイム防犯ブザーされない訳ないでしょう。

 

 

「そ、それより、何の本を買おうとしてたんだ」

 

「話の誤魔化し方下手くそ…これ」

 

「『黒魔術大全』? ………ははぁん、成程な。分かる、分かるぞ。そう言うの、はまっちゃう時期だもんな」

 

「気持ち悪い言い方しないでくれる。あと、その優しさとキモさと憐れみをブレンドした目つきも酷いから。なにより八幡と同類にみられるのは流石に無理なんだけど」

 

「呼び捨てかよ…っつか、おまえ雪ノ下とよく会ってるだろ」

 

「? 雪ノ下さんとはこの前お茶したけど…あと、おまえって言うの止めて」

 

「プチのん発生してんじゃねえか」

 

 

 首をかしげる留美に、雪乃の面影、というか辛辣な口調がうつり始めているのに戦慄する八幡。

 

 そう言えば、雪ノ下さんも「おまえ」って言われるの嫌いでしたね。

 

 さっと手に持っていた本を後ろに隠す留美を見る目が幾分か遠くなる。

 

 

「で、マジな話、親御さんはどうしたよ」

 

「買い物位一人で出来るから」

 

「むくれんなよ。その辺の趣味本って高いだろ、だから金出してくれる親が居るかと思っただけだ。つか、えっ、それ買えるの? お小遣いで? 小学生なのに? 俺のガキの頃の小遣いって駄菓子買ったら終わりだったんだけど。いやそのおかげで親を説得するのに口が回るようになったからプラマイゼロどころかプラスまであるけど…えぇえぇぇ」

 

「八幡うるさい」

 

 

 八幡の物言いに不機嫌になった留美が手に持った本をカウンターへ持ち込み、可愛らしいポーチからこれまた可愛らしいがま口から樋口さんと英世さんをポンと出すのに内心穏やかに居られない元貧乏男子。

 

 放任主義な親を良い事に、口八丁で差額と言う名の小遣いをせしめる小金の錬金術師が戦慄する。

 

 紙袋に入れられた大判書を抱えて、目的の物は手に入れたからとさっさと立ち去る。

 

 

「学校はどうだ」

 

「………別に、普通」

 

 

 去り際、一応という感を丸出しで訊ねてみたが、その返答はどう見ても強がりにしか見えない湿気た顔をしていた。その原因が梅雨ではないのだと気付きながら、何をするでもなく、ただ彼女の背中を見送った。

 

 まぁ、話題に困った親父のような話題だしな。なんてことを考えながら。

 

 

 鶴見留美との仲が深まった気がする

 

 

6月9日(土) 昼

 

「で、今回のプロットはダウナー系のヤレヤレ男子が全ての能力を『否定』しながら説教パンチくらわすのな…だから、もうちょいパクリの臭さを隠そうとしろよ。あと、名前を自分の名前を弄ったのにするのも止めろ、紋切り型のヒロインがマンセーするのも無味無臭感半端ない」

 

「ほむん、これでも那由他の書物に触れテンプレを踏襲する事の重要さに気付いたが故なのだが」

 

「だから、テンプレってのは王道だけどそれはあくまで話の流れであって、キャラも話の流れもヒロインも全部他の作品の切り貼りにしか見えないとパクリなだけだろうが。せめてアンチテーゼを設定しておくとか」

 

「そう言えばだな、八幡よ。声優さんだが、手始めに1000通程様々な声優の卵にファンレターを送ってみたのだが、返事が一切返ってこない件」

 

「同じ会社とか所属の人に送ってないだろうな。節操なしなのがバレてんじゃねえの? つか桁が(頭)おかしい」

 

「あがっ…痛恨の極み! これでは剣豪将軍の名が廃る!! だが室町の魂を持つ我は一度の失敗でめげはしないぞ! して八幡よ、他に案はないか」

 

「マルチタレントとか、売れる為なら何でもするような人なら声優をすることもあるじゃねえの、知らんけど」

 

 

 ずぞぞ、と二人がそれぞれ豚骨と醤油のスープにつかる麺を啜る。

 

 なんで、休みの日にこんなクソ豚の共食いを世話しなければいかんのか、疑問に思いながら材木座の戯言に陽が暮れるまで付き合わされるのであった。

 

 

 材木座との仲が深まりそうな気がする

 

 

 

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From 雪ノ下雪乃

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Title明日なのだけれど

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 明日、予定を空けておいてもらえるかし

ら

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From 比企谷八幡

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TitleRe:明日なのだけれど

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またパレスか

頻度多くない?しんどくない?お肌に悪い

わよ?無理してない?ちゃんとお野菜食べ

てる?

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From 雪ノ下雪乃

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TitleReRe:明日なのだけれど

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 何故一人暮らしを心配する母親目線なの

かしら

 非情に不愉快だから止めて

 あと、パレスと言う訳ではないわ

 付き合ってほしいのよ

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From 雪ノ下雪乃

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TitleReRe:明日なのだけれど

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 買い物に荷物持ちは必要でしょう

 出来れば由比ヶ浜さんには内緒にしてち

ょうだい他意はないのだけれど絶対よ後可

能であれば小町さんも呼んでくれるとあり

がたいのだけれど年頃の女の子がどう言っ

た物を好むかどうか意見の参考にしたいの

よだから変に勘違いしないでもらえる?

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From 比企谷八幡

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TitleReReRe:明日なのだけれど

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了解

小町は予定があるから無理だと

戸塚呼んどくか?戸塚は必要だろ、年頃の

女子よりも女子の事分かるだろうしな

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From 雪ノ下雪乃

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TitleReReReRe:明日なのだけれど

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 非情に悩ましいけれど、今回戸塚くんは

呼ばないでおきましょう

 彼、今日テニスの大会だったみたいだし

疲れてしまっているでしょうから

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From 比企谷八幡

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TitleReReReReRe:明日なのだけれど

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えっ、戸塚がテニス大会で頑張ってる時に

俺は材木座の戯言に付き合わされてたの?

何それ酷くね

つか、なんでそれを俺が知らないんだよ

虐めか

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From 雪ノ下雪乃

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TitleReReReReReRe:明日なのだけれど

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 クラスで話題になったと由比ヶ浜さんは

言っていたけれど、どうせ寝て聞いていな

かっただけでしょう

 存在感を消し過ぎて居ない物とされてた

のもあるかもしれないわね

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 夜が更けていく。

 

 一足先にベッドに潜り込んだモルガナがくぁと欠伸をしたのだった。

 

 

6月10日(日) 梅雨

 

 じめっとした空気が広がり、しとしとと雨まで降ってしまう日に出かける予定が入っていること程気分が滅入る事はない。

 

 昨日から梅雨入りした天気がどうにもうらめしい。

 

 傘をさして待ち合わせ場所である駅前へとダラダラと歩きながら、八幡は遅刻確定な時刻を示すスマホをポケットに突っ込む。

 

 カバンの中には水を嫌って顔を出そうとしないが、久しぶりに着いてきたモルガナが入っていて早くしろと急かしてくる。

 

 本日のお出かけ先は千葉高校生みんな大好き東京BAYららぽーと。

 

 あそこすごいからな、なんでもある。今はもうなくなったけど万年スキー場まであった。もう10年近く前に潰れたけど、GTOで読んだから知ってる。麗美ちゃんエロかったよね。

 

 そんな事をつらつらと考えながらようやく待ち合わせた駅前へと辿り着くが、お目当ての少女は見当たらない。

 

 5分前行動を息をするように習慣づけている彼女が遅れているとはなんとも珍しいと携帯を取り出したところで、少し小走りにこちらにむかってくる姿を見つける。

 

 

「ごめんなさい、雨で道が混んでいて。親に言って車を回してもらったのだけれど、裏目に出たわ」

 

「い、いや、俺も今来たところだ」

 

「本当に、たった今着いたところだから雪乃殿は気にしないで構わないぜ」

 

 

 腰をリボンでまとめたフェミニンなワンピースがほんの少し濡れているのに普段とは違う色気を感じてどぎまぎとしながら顔を逸らす。

 

 少し高い位置に結ばれて揺れているツインテールに、ユキノスタイル(休日Ver.)は手間暇かかってんなと内心思いながら足を動かす。

 

 二人と一匹が電車に揺られながら、ららぽにたどり着く間に今日の目的を聞き出した。

 

 

「ほら、由比ヶ浜さんは来週頃に誕生日でしょう。だから、何かプレゼントを渡したいのだけれど…私、一般的な女子の感性とはかけ離れている自覚はあるから。防弾チョッキを貰っても彼女、嬉しくないでしょう?」

 

「実用性第一で、案外使うかもしれねえけどな。『わぁありがとう、ゆきのん。これでバリバリシャドウやっつけちゃうね!』とか気を使って喜んだ振りはするだろ。つか、由比ヶ浜誕生日なんだ」

 

「アドレスに0618とついているからおそらくだけど。あと壮絶なまでに似ていない真似は止めて。折角渡すのだから、喜んでほしいのよ…彼女は私にとって初めての、その…友達だから」

 

「かぁ~! 女性のこういういじらしい気遣いってのはやっぱすげえよな。ハチマン、おめえももう少しこうした繊細さを身に付けろよ」

 

「前向きに善処する事を検討するわ」

 

「それ、絶対にしないやつじゃない」

 

 

 目的地に到着した所で「じゃ、俺はこっち見るわ」「なら私はこちらを」「この期に及んで別行動する意味がどこにあるんだよ!」なんてやり取りもあったりしたが、ひとまずそれぞれが結衣へのプレゼントの目星をつけた。

 

 雪乃は結衣に似合うようなファンシーな色合いをしたエプロンを。八幡は飼い犬につけられる首輪を。

 

 

「はぁ~~~~~、ダメだなハチマン。結衣殿への贈り物だってのに本人への物じゃなくてペットへのってが如何にも逃げに走ってるぜ。

 ここはいっちょ、ワガハイがビシッとセンスの良いプレゼント選びってやつのお手本を見せてやる」

 

「いや、そんな仲の良くない男から気合入れたプレゼント渡されても困るだろ。

 こういう時、本当にセンスがいいって言うのは消えモノ、失せモノ、失くしモノって相場が決まってるんだよなぁ」

 

「それだとただ紛失物を拾っただけじゃない。しかも消えモノでもないし。

 もしかして、それはあなたの存在感が消えている事に掛けているのかしら。

 なら、見つかる物でもないのだから、捜すだけ無駄な努力よ」

 

「俺の存在感は母ちゃんの腹の中に落としてきて、妹が代わりに受け取ってるから探す必要なんてない。

 むしろ、世界に誇れる愛らしい妹になった分だけ俺の存在感の薄さが逆に胸を張れるまである」

 

 

 そんなやり取りをしながら、黒猫の後を追って雪乃が買い物をした店よりも更に色合いがパステルカラーの雑貨屋に入る。

 

 ぬいぐるみやキャラ物、調理グッズにクラフト用品等が並ぶ、ファンシーな雑貨屋に独特な甘い香りに一瞬クラっとなりながらも続く八幡。

 

 

「あれ、ヒキオと雪ノ下さんじゃん」

 

「んー、優美子どしたの? 何か掛けられる組み合わせでも見つけたのかな」

 

「海老名と一緒にしないでくれる」

 

「ちなみに優美子ってばサッカー部の試合後の打ち上げにハブられて機嫌斜めだから要注意だよ」

 

「え~び~な~? いくらあーしでも身内ばっかのとこにお邪魔するほど厚かましくないし!」

 

「でもでもそれをこれ見よがしに伝えてきたあのマネージャーの子は?」

 

「そりゃいつか一回泣かす…って本音を言わせんな」

 

「あいたっ!」

 

 

 その店内にはふわりとウェーブを掛けた金髪と気の強さを現した目つきが特徴な三浦優美子と、半フレームの眼鏡の奥に隠しきれない鈍い光を灯してお腐れを見逃さない海老名姫菜が居た。

 

 オープンな貴腐人であり、同類を増やす事を躊躇しない海老名に反論しながら優美子が海老名の頭を叩いてツッコむ。あまり野放しにして生物(ナマモノ)で被害を出したり、無機物で駆け合わせたりし始めたら流石に着いていけないし、そこまで手遅れにさせたくないといった面倒見の良さが優美子にはあった。

 

 ただし、図星を突かれて何もなしで許すほどには優しくないのでスパーンと叩かれて痛みにうめく海老名であった。

 

 

「う~ん。綺麗めなラッピング…もしかして、ヒキタニくん達も結衣のプレゼント選びかな?」

 

「そなん?」

 

「え、ええ。そうだけど」

 

 

 気を取り直した海老名たちの問いかけに戸惑いながらも返答する。

 

 

「ふぅん、何選んだの。かぶんのは嫌なんだけど」

 

「私はエプロンと彼は犬の首輪を」

 

「へぇ。なら、あーしらはもうちょいさがそっか」

 

「そだね。最近、結衣ネイル関係とかも手だしてなかったっけ?」

 

「それよくなくない。あれ系手出し始めたらガッツリかかるし、ちょい良い目のやつにしよ」

 

 

 まるで以前のいざこざが無かったかのような、当たり障りのない会話に雪乃は戸惑いながらもやり取りをして優美子も海老名もそのまま店を後にした。

 

 普通、もう少しぎくしゃくする物ではないのかしら。そもそも彼女、私の事嫌っていたような…なんて内心首をかしげる。

 

 

「おい、ハチマン。良いのを見つけたから、金出してくれ」

 

「…あいよ。で、何買うの? 猫じゃらし? バウリンガル? それとも猫耳カチューシャ?」

 

「ふふん、バラの香りが広がるバスセットだ。この辺、ワガハイとハチマンのセンスの差ってやつだよな」

 

 

 そんなやり取りをベガ立ち後方無関係者面して空気になろう…として店員にカバディカバディと警戒態勢を敷かれそうになっていた八幡の足元にモルガナがすり寄って来たのを機にとっくに離れていた。

 

 買い物も終えてどうにも納得いっていない、というか歯にモノが挟まったような面をした雪乃を何とか誘導してフロアのベンチでいったん休憩しようと歩かせる。

 

 目的も果たして、これはもう各自解散でよくないかしらん? とか思いながら歩いているとブブっとスマホちゃんが震えて『私のこと忘れないで』と自己主張するので見ると小町からのメールで

 

 

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From まいらぶりぃえんじぇるこまち

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Titleミッション

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お兄ちゃんの分のお昼ごはんはないから!

むしろ、冷蔵庫の中身も、乾麺も缶詰も!

なんなら、かーくんのご飯も無いからね!

だから、お兄ちゃんはお外で食べてくるよ

うに!

ファストフードなんかで済ませてたり、健

康に悪いモノはダメだよ

これ、小町的にポイント高い所だからね

オシャレなお店でカップル向けのランチと

かオススメだよ

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 食材を完全に切らすなんて主夫的にポイント低い内容で何とも言えなくなる。

 

 猫と一緒にカップル向けランチとかどんだけ痛いんだよ。なんて思いながらスマホをポケットに戻し、後ろを歩いていた雪乃の様子を窺うとゲームコーナーのUFOキャッチャーをじっと見つめていた。

 

 視線の先には真っ白な体に青い帽子をかぶった雪だるまと、逆に黒い体に紫の帽子をかぶった雪だるまが並んでいて、変なぬいぐるみだなと思う。

 

 しかし、あまりにもボーっとしている雪乃の様子に少し違和感を抱き、声を掛けようとするのを遮るかのように無遠慮な声が響いた。

 

 

「あれー? 雪乃ちゃんじゃない。どうしたのこんな所で」

 

 

 なんだか聞き覚えのあるような、誰かによく似た声の主を見て八幡は絶句した。

 

 艶やかな黒髪、きめ細かく透き通るような白い肌、そして整った端正な顔立ち。輝くようなオーラを放ちながらも人懐っこい笑顔が、カリスマだけではなく付き合いやすさを現している。

 

 そんな超絶なまでの美人が、こちらに、正確に言うならば雪乃の元へと近づいてくる。

 

 その声にボーっとプライズをみつめていた雪乃は一瞬顔を歪ませて、声の発生源へと視線をやり一言溢す。

 

 

「姉さん…」

 

「へっ、姉さん? って、陽乃って人か…げっ」

 

「初対面なのにゲッ、って酷くないかな。そこのだんしー! もうお姉さんプンプンだよ?」

 

 

 八幡のボッチゆえの警戒心をまるで無いモノのようにスッと潜り抜け、至近距離まで近づかれ、以前のビジョンクエストでの事で陽乃の事を断片的に知り、少なからずの苦手意識を持っていた為にぽつりと溢してしまった声を拾われてしまう。

 

 

「ていうか、雪乃ちゃん。お姉ちゃんの事、彼氏に話してたんだね。いっがいーー!」

 

「彼氏ではないわ」

 

 

 そう、雪ノ下雪乃の姉。

 

 傍若無人のトラブルメーカー。

 

 雪ノ下陽乃が休日を過ごす彼らの元に現れたのだった。

 

 

 




 ペルソナメモ

 コミュにおいて、原作ではRank10まであるが一度コミュればすぐに上がる訳ではない。コミュや選択肢、プレゼントで好感度を稼いで一定以上の好感度を稼がないと次のランクに進めない。もしも足りていたとしても、時期によっては上がらない事もある。
 プレゼントとしてのローズバスは高巻杏の好感度アップアイテムの一つ。同じ恋愛アルカナ繋がりで考えて、杏も結衣もどちらかと言えば食い気のプレゼントの方が好感度上がる率が高いだろうけど、美顔器よりは良いかとのモルガナチョイス。


愚者……比企谷八幡(アマノジャク)
魔術師…材木座義輝(ギュウキ)Rank2
女教皇…雪ノ下雪乃(ライジン)Rank2
女帝…平塚静 Rank2
皇帝…葉山隼人(ツチグモ)Rank1
法王…川崎沙希(オニ)Rank2

恋愛…由比ヶ浜結衣(ザシキワラシ)Rank2
戦車…三浦優美子(???)
正義…鶴見留美 Rank2 Up
隠者
運命…戸塚彩加(ノヅチ)Rank2
剛毅(力)

刑死者
死神
節制
悪魔
塔
星

月
太陽…比企谷小町 Rank1
審判…佐々木三燕(今石燕) Rank2
世界…奉仕部 Rank2


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