やはり俺の○ル○ナは間違っている   作:hung

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P5T発売ですね
予約投稿なので、まだ実物を見てませんが楽しみです
初めてエビ○ンを使ったんですが、ちゃんと届いてるかなぁ(ワクワク
DXパックだから置き配されなかったら再配達が必要かもしれないので、その点は心配

あと、今まで投稿したのを読み返すと話を早く進めたくて全体的に性急になってます
その癖、要らない描写多くてとっ散らかってアバー!と悶々、悲しい
もっと上手く書きたい

そんな拙作にもわざわざ感想や評価をくれる方には感謝しかありません
ありがとうございます


案外三浦優美子はとても義理堅く強い女の子である

6月12日(火) 夕方 ビジョンクエスト 過去のパレス

 

 

「『ペルソナ』…おもっきしいくし『ムジナ』!!!」

 

「ぬぅん! 我の隠されし力よ今こそ覚醒(めざ)めし時! ゆけい、『ギュウキ』とっかーーーーーーんぬわあああああああ」

 

 

 おおっと材木座君ぶっとばされたーーーー!

 

 レッドマンに貰った鍵を使用してのビジョンクエストにてザイモクザのパレスが再現された一角。

 

 風雲義輝城の外、広場のような場所に即堕ち二コマで焼け焦げた材木座が転がる。

 

 

「っし、楽勝楽勝。やっぱあーしって、何でもできるじゃん。才能って奴?」

 

「わ、我の弱点(物理)ばかりつきおって…ひ、卑怯なり。八幡よ、我の骨は剣豪将軍の御霊の眠る某市に寄贈してくれ。がくっ」

 

「さっさと起きて。はいもう一回、もう一回。もう一回ったらもう一回」

 

 

 自信をつけて彼女の認知の武器である鞭を手にして壮絶な笑みをたたえる優美子を尻目に、八幡が熱量の感じられない手拍子で材木座を起こしつける。

 

 現在、陽乃のパレスから脱出し一日挟んで、ペルソナに慣れていない優美子の特訓としてザイモクザパレスで模擬戦をしていた。

 

 ここを選んだ理由としては、ザイモクザパレスはシャドウが弱い。

 

 他にもザイモクザが最初に設定した、こちら側から攻撃しない限り襲ってこない点もある。

 

 

「雑なコールは止めい!!! せめて、熱き想い(パトス)を曝け出すようにだな。

 というか、物理弱点の我のペルソナではスパーリングに向かんと言うておろうに。

 物理で怯んで黒炎覇(アギラオ)絶対零度(ブフーラ)でやられるのがパターンになっておるではないか! ここは物理耐性の八幡、お主がだな」

 

「オタクー、いいからさっさと次。なるはやでこの子の使い方極めて、とっとと終わらせるし。隼人と結衣、勘良いとこあっからモタモタしてっと気付かれるしね」

 

「材木座、ご指名入りまーす」

 

「ぶひぃい!!! 鞭を武器にするとか本気で女王様ではないか!!! ええい、やられてばかりと思うなよぁお!」

 

「っし、行きな『ムジナ』!!」

 

 

 物理耐性(サンドバッグ)ならともかく、戦力(スパーリング相手)としては眼中にも入れられない己のペルソナの無力さに少し悲しくなる八幡。

 

 模擬戦に奮起する二人を見送り、手持無沙汰にボーっとするしかない彼の背中、木々の合間からガサリと音が鳴り、それと同時に声が聞こえる。

 

 

「あれが終わったら彼女もシャドウ相手の実戦に移りましょうか」

 

「ん? 帰ってきたのか」

 

 

 聞こえてきた方に目を向けると、ぐだっとしたモルガナを抱いて満足げな様子でこちらにむかってくる雪乃の姿。

 

 

「猫分の補給はもういいのか」

 

「分かっていないわね。猫分は常に補給されるべきものであって、満足するものではないのよ」

 

「さよけ」

 

 

 戯言をほざく雪乃を放っておいて、ワンパターンにならないように必死の形相で『ムジナ』の物理攻撃を避ける材木座に視線を戻す。

 

 この我儘お嬢様は優美子のペルソナ特訓が始まってから幾度となく「猫分が切れた」とかのたまって、モルガナを連れてこの場から離れているのだ。

 

 あまりに何度も行くものだから訝しく思った八幡が一度だけ様子を盗み見た所、虚空に視線を飛ばして「にゃー…にゃー…」と死んだ眼をしたモルガナに話しかけていたので、ドン引きしてそれから放置している。

 

 モルガナの外見(そとみ)が、小町が猫吸いした後と酷似している事もあったので、おそらくそう言う事なのだろうと言及する事もなかった。

 

 知ってるか。モルガナに含まれる猫成分は猫一匹分よりも少ないんだぞ(沙希のアレルギー反応無しを論拠に)。だから何度も補給しないと耐えられないんですね(白目)。

 

 

「決戦は次の金曜日。幸い、三浦さんのペルソナは最初から強い魔法を使えたから力の底上げはそこまで必要ではなかったけれど、魔法主体なペルソナのせいか直接戦うのは苦手だからその点は彼女に頑張ってもらわないと」

 

「まぁ、あの様子(鞭を振り回す優美子を見ながら)だったらそんな時間もかからずに慣れるだろ。つか、俺的には懸念点がるとしたら三浦じゃなくて雪ノ下の姉ちゃんの方なんだがな」

 

「…」

 

「いくらパレス内部の事を知覚出来ないからって、悪神の欠片に寄生されたにしてはあっさりとしすぎてなかったか?」

 

「普通なら現実でもザイモクザみてえに暴走したりするもんなんだがな」

 

 

 そう、陽乃のパレスから現実に戻った時。

 

 彼らの目の前には悪神の欠片に寄生されたはずの陽乃が居た。

 

 しかし、彼女の様子は悪神の欠片に寄生される直前までと()()変わる事無く、ひたすら人好きする立ち居振る舞いで去って行ったのだ。

 

 現実に戻る前にとにかく警戒して、どのように暴走する陽乃の気を逸らして再度パレスに取り込まれないようにするかを話し合っていたのに、拍子抜けするほどだった。

 

 しかも、今度は次の金曜にまたららぽを訪れると去り際に零して。

 

 

「悪神にすら影響されない程、我が強いのか。もしくは内心がどんな状態でもあの仮面を被り続けられる程に強固に作ってるのか。どっちにしろ強烈だな」

 

「身内を貶されているのだけれど、否定する余地も無いのが言葉に困るわね」

 

「いやいや、むしろめっちゃ褒めてる。あそこまで頑固な仮面持ってたら、さぞかし生きるのが楽だろうな」

 

「むしろ、そんな物を持たざるを得ない人生なのだから逆に生き辛いのではないかしら。あなたもやってみる?

 先生と呼ばれて自意識を肥大化させた化け物たちの群れに放り込まれて、失言一つ出来ないパーティに何度も御呼ばれされるのよ」

 

「残念ながら俺の目つきはドレスコードに引っかかるから参加したくともできないんだよなぁ」

 

 

 例えどういった理由であろうとも、陽乃が悪神の欠片に侵されている点とそれをどうにかする日程が決まっているのは変わらない。

 

 先回りや、奇襲気味に突撃する事も考えた。

 

 だが陽乃は自由時間が多い大学生らしく講義もサボり気味にフラフラとしている為、行動原理を予想するのは難しく。

 

 であるなら、確定で捕まえられる日が分かっているのなら利用するしかない。

 

 そうと決まればやれる事は出来る限りやるのが雪乃のジャスティス。

 

 逃げ続けていたがバテて、またもぶっ飛ばされた材木座を介抱させるためにモルガナと八幡をけしかけて、これからの行動予定を立てる。

 

 

「それより、比企谷くん。あの刈り取るものへの対策は本当に大丈夫なのよね。あなたが、秘策があるからと一任しているのだけれど」

 

「任せろ、多分大丈夫だ。最悪、奥の手の一つを二三個切る事になるかもしれんが、なんとかなるだろ。非常にみっともない姿になったら、きっと、めいびー」

 

「多分あなたの土下座は意味が無いと思うのだけれど」

 

「甘いな。俺のみっともない姿は媚売り土下座靴舐めまでスムーズに移行するぞ。つか、俺のみっともない姿イコール土下座に繋がる雪ノ下の俺への解像度が高すぎて微妙に引く」

 

「あなたが分かりやす過ぎるのではないかしら…底知れぬ不安が残るわね」

 

 

 あまりの内容の無さに思わず手を頭にやり、頭痛をこらえる雪乃。

 

 とはいっても、前回は八幡の消耗を度外視すれば何とかなったのだから、そこまで切羽詰まっていない。

 

 しかし雪乃的には、相手の足を引っ張る事に特化している彼をあまり消耗させずに姉へと挑みたいのが実の所。

 

 …本当に最悪の場合、自分が何とかするしかない。と覚悟を決めた。

 

 こうして直前の特訓が出来ているだけ、前回よりもずっとマシな状況なのだから、やれることをやるだけだと意識を切り替える。

 

 

「由比ヶ浜さんを誤魔化すのは戸塚くんに任せっきりなのが心苦しいのだけれど。他に当ても無いのが厳しいわね」

 

 

 優美子が参戦する条件として提示したのは結衣と隼人の不参加であった。

 

 勘の鋭い結衣の、特に仲の良い友達が二人して捕まらない事への違和感をどうにかする為に奮闘している彼を思い浮かべて健闘を祈る。

 

 

6月13日(水) 奉仕部部室

 

「最近、ゆきのんの様子変じゃないかな」

 

 

 席に座ってスマホを弄っていた不意に結衣が近ごろ抱いている疑問を戸塚へと投げつける。

 

 唐突に核心に触れられそうになって一瞬言葉に詰まりそうになるも、何も知らない顔を崩さずに済んだ。

 

 

「ほら。今日もだけど、急に部活来れなくなったとか言うし、他にも何か…変」

 

「僕はあんまり雪ノ下さんと一緒に居る時間長くないから詳しくは分からないけど、そんなに変なの?」

 

「変って言うか…なんていうか。う~ん、何となく距離を感じるって言うか。上手く言えないんだけどさ。

 あ、あとヒッキーも、かなり変。いや、ヒッキーは普段から変なんだけど。もしかして二人とも隠し事…なのかな?」

 

 

 少しだけ落ち込んだ様子で、ため息をつく結衣に「ひーん、はちまんー。雪ノ下さーん。怪しまれてるよー!」と内心で叫ぶ戸塚。

 

 にっこりとポーカーフェイスを保ったまま、そんな事はないとおもうけどな、なんて慰めているが焦りまくり。

 

 

「二人ともおんなじことを隠してるって感じもするけど、違う事で悩んでそうでもあるし。

 ねえ彩ちゃん、あたしって相談する相手としてそんな頼りないかなぁ」

 

「そんな事ないよ! 由比ヶ浜さん、すっごい話しやすいから悩みを打ち明けるならきっと頼りになるよ」

 

「でもさぁ…あっ、ごめんね。折角テニスの部活より優先してもらってるのにこんな愚痴ばっかりで」

 

「ううん。この前の大会の後からちょっとスランプ気味でさ、少し気分転換したかったんだ」

 

「なら、今日はもう終わってどっか食べ行く? 最近パイが美味しいって噂の喫茶店見つけてさ」

 

「いいかも。じゃ、帰る準備してくるね」

 

「うん。あたしは部室の鍵かけて返してくるから。玄関で待ち合わせよっか」

 

 

 決まれば行動が早いのはこの二人の美点というべきか。

 

 さっと片付けて、それぞれ一旦分かれる。

 

 鍵を握ってリノリウムの廊下を歩きながら、夕暮れに染まる校舎を眺める結衣。

 

 

「ほんと、なんだろな」

 

 

 どうにも言葉に出来ない距離を感じ取って、またしてもため息をついてしまうのであった。

 

 そんな結衣に近づく一つの影。

 

 

「ちょっと時間、良いかな?」

 

「うん?」

 

 

6月13日(水) トツカ/ユミコパレス

 

「今更だが、何故(なにゆえ)三浦女史はこのような戦に参戦する気になったのであろう?」

 

「は?」

 

「俺を向いて聞くな。そう言うのは本人に向かって言え」

 

「いや! そこまで気になっておるわけではない! ただ、なんでかなぁ?

 しかもあのリア充の王略してリア王と由比ヶ浜嬢にも秘密とか我気になります! 位の好奇心だけだ!

 好奇心は猫をも殺す、故に回答は不要だぬははは! では、我は哨戒の任に着こうではないか!!」

 

 

 パレスの内部にてレベル上げの為に片っ端からシャドウをぶちのめしながらの行軍をしている最中、材木座が八幡に向かって声をかけるがシャドウを倒した後に戻ってくる優美子に聞きとがめられすごすごと場を離れる。

 

 なにあれ? と視線と言葉で同時に主張する優美子に、ドロップ品を拾いながらさぁ? ととぼけるしかない。

 

 だってあいつの事とか知らんし。

 

 けれど、材木座の疑問は八幡自身も持っている。

 

 どうして彼女は陽乃のパレスを攻略するまでの期間限定とはいえ、協力する気になったのだろうか。

 

 あんたも気になんの? と視線で聞いてくる優美子に、まあそれなりに? と態度で示すが「はっきり言えし」と理不尽な責めをくらう。えぇ、あなたも言葉にしてないのに…と嘆くが八幡の性格で逆らえるわけも無い。

 

 

「…まぁ、気になるっちゃ気になるよな。そもそも、三浦の性格からして雪ノ下とも相性悪いだろうし、その姉ちゃんとなると助ける理由なんてないだろ。

 あと、葉山が関わるべきじゃないと判断してるのに、それを隠して裏切るような形になるのも意外といえば意外だとは、まぁ思うだろ」

 

「あーし、別に隼人のイエスマンって訳じゃないんだけど」

 

「い、いや。ほら、その好…気になる人の意見には合わせたくなるもんじゃないんですかね。共感性は比較的好意に繋がりやすいってよく言うし」

 

 

 ギロリと睨まれてあたふたする八幡に、一つ舌打ちをしてどう答えようか。いや、そもそも答える必要はあるだろうかと逡巡する優美子。

 

 しかし、必要はなくとも()()はあるか、と渋々と口を開く。

 

 

「…正直、あーし的にも別にやんなくていいことしてるなって思いはそりゃあるよ。けどさ、前、雪ノ下さんにはちょっと悪いことしちゃったし。

 その辺、ずっと気になってたんだよね。言わなくていい事、言いたくなかった事。いわせちゃったじゃん。

 まぁなんてーの? その罪滅ぼしって訳じゃないけど、あんま負い目持ったまんまだとやりにくいしさ。

 だから、これ手伝って、あーしの心持ち的に貸し借りゼロにすんのが目的」

 

 

 その言にようやく八幡はこれまでの優美子の言動を理解できた。

 

 なるほど、確かに前回のトツカ/ユミコパレスの時、雪乃はユミコのせいで言いたくなかっただろう事実をパレスの特性、もしくはユミコの悪性によって開示させられた。

 

 もちろん、それが悪神の欠片に起因するものだとは言え、雪乃が対象として選ばれたのはあの時点での優美子の敵意が雪乃へと向いていた事が原因だ。

 

 しかも、その敵意を抱く原因は結衣と胸襟(きょうきん)を開いていれば回避できたものでもあった。

 

 

「もしかして、あいつに一歩譲るような感じだったのって、その辺が?」

 

「まぁ、あの件に関しちゃあーしの所為だし。こっちが引いてもしゃーなしっしょ。

 …ついでにあんたも巻き込んじゃったってのもあって話したんだから、変に話し回らないでよね。

 その辺の義理もあっけど、隼人と結衣を巻き込まないのがあーしの手伝う条件なの忘れんなし」

 

 

 若干、今も後ろめたいのか。それともこうして胸の内を打ち明けるのが恥ずかしいのか。照れ隠しに睨み付ける優美子にこくこくと頷く。

 

 成程。

 

 確かに、優美子と雪乃は性格的にはあまり相性は良くないだろう。

 

 二人とも、自分が他者よりも上の立場に立っていないと不満を覚えるタイプ。

 

 しかし、優美子からすれば雪乃が隼人の幼馴染であり家族ぐるみの付き合いがあるからと言って、現時点での雪乃の矢印は隼人へと向いていないとパレスでの暴露から断言できる以上、恋敵と言う訳でもなく。

 

 結衣との付き合いへの嫉妬も結衣本人とのぶつかり合いで解消している。

 

 更に、無理矢理内心を暴露させてしまった負い目もある。

 

 その後も戸塚には謝罪したが、ゴタゴタとしていたせいで雪乃には正式に謝っていない。

 

 であるがゆえに優美子が一歩譲り、自身の苦手意識やプライドを押し殺して『当たり障りなく上手くやっている』だけなのだ。

 

 そうしたコミュ力に関して言えば雪乃と優美子は比べるだけ失礼な程、雲泥の差がある。伊達にクラストップカーストグループの頭を張っていない。

 

 結衣と隼人を今回の件から引き離したいのも、折角の誕生日に危険から遠ざけたいのと彼の信条を(おもんばか)った結果なのだろう。

 

 簡単に言えば、三浦優美子と言う女の子はとても義理堅く強い女の子なのだと言う事だ。

 

 

「ほんと、すげーよな」

 

「は? なんか言った?」

 

 

 パレスの熱気か羞恥か。紅くした顔をパタパタと扇ぐ優美子に、何でもないと答えて離れていった材木座を連れ戻しに向かう。

 

 周囲にはシャドウも罠も無く、別行動していた雪乃達ももうすぐに優美子と合流するから場所を変えなくはいけない。

 

 彼は拾い上げたドロップ品を確認しながら、己の心の海に宿るもう一人の仮面へと意識を向けながらも足を動かすのであった。

 

 

「…まぁ、それだけが理由って訳でもないんだけどね」

 

 

 

 優美子との仲が深まった気がする。

 

 

6月14日(木)

 

 明日は陽乃パレスの攻略だ。

 

 心身を休める為にも、あと結衣のフォローを戸塚だけに任せない為にも一日休養する。

 

 数日ぶりの奉仕部だが、雪乃は先の事で気もそぞろ。

 

 そんな様子を寂し気な瞳でちらりと盗み見る結衣。

 

 モルガナも流石に大一番と言う事で気合が入っているため、そうした機微には気付けない。

 

 なお八幡は材木座と一緒にゲーセンに向かっている為、不在である。

 

 なんとも言えない状態でその日は終わるのであった。

 

 

 

 

 

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From 雪ノ下雪乃

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Title経費支出報告書

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 夜分にごめんなさい。

 少しあの人の所で買い足したものがある

から、経費として精算をお願いするわ

 あと、どうして今日ゲームセンターで使

ったお金が経費になるのか、ちゃんと説明

してもらえるのよね

―――――――――――――――――――

 

 

 八幡の背中に悪寒が走った。

 

 

6月15日(金) ららぽーとBAY

 

「それで、結局あの鎖の化け物どうすんの」

 

 

 ららぽにて人の邪魔にならない場所を見つけて異世界ナビを起動させる直前。

 

 優美子が疑問の声を上げる。

 

 刈り取るものの恐怖は八幡、雪乃、優美子、モルガナは身に染みている。

 

 新たに突入メンバーに参戦した戸塚、材木座も話に聞くだけだが、その脅威は散々に聞かされているので対策の必要性は理解しているだろう。

 

 前回は普通のシャドウはおらず刈り取るものだけだったが、今回も同じならば目的を果たす前に消耗しきるか不意に全滅する事も有り得る。

 

 もしも前回が特別で、今回は刈り取るものがいなければそのまま攻略するだけだが、警戒はしてもし足りない。

 

 

「あんたがどうにかするって言ってたんだから、ちゃんとやるんだよね」

 

 

 我に秘策ありと自信満々(本人比、普段より11%増し)にしていた八幡を雪乃が一先ず信用したので優美子も任せていたが、もとより優美子の八幡への評価はあまり高くないので信用されていない。

 

 彼女からしてみれば八幡の活躍は魔法で足を引っ張るか、知ったような口を利いて時間稼ぎをしていただけの弱者だった。

 

 もちろん、役割として必要になる場面もあるだろうが、ペルソナの特訓に付き合わせた時もナビ役ばかりで、全体的には戦力として役立つイメージが無い。

 

 八幡に比べれば、キモくて物理に弱いが材木座の方が戦力になるとすら思う、キモイけど。

 

 

「ふっふっふ。八幡よ! 我との共同戦果、見せてやれい、そして括目せよ! しかして希望せよ! これぞ我と相棒が丸一日ゲーセンで荒らし回った秘策である!!!!」

 

「いや、まぁ、お前にも大分手伝ってもらったからひけらかしてもいいけどさ。ひとまずうるせえ、声のボリューム抑えろ」

 

「あふん」

 

「気持ち悪いぞ、ザイモクザ」

 

 

 そんな八幡と材木座が手に持った袋から取り出したのは

 

 

「ゆきだるまの…ぬいぐるみ?」

 

「それだけではないわね…これはハンバーガーに、犬? 奇妙な猫…猫? 猫、ではないわね、あと羊?」

 

 

 種々多様なぬいぐるみだった。

 

 その中には雪乃が見つめていたと思われる雪だるま(フロスト)人形の姿もある。

 

 ガサゴソと取り出され続けるぬいぐるみの数々に圧倒されるメンバーたち。

 

 その様子に調子に乗る材木座。

 

 

「ゲーセンのクレーンゲームでガッツリ取ってきたのである! ふははは、褒めるがいい、称えるがいい、称賛せよ!」

 

「で、これが何の役に立つわけ」

 

「え? そ、それは知らぬが…我は八幡の言う通りにやっただけだし?」

 

「ヒキオ?」

 

 

 ジロリと睨み付ける優美子と目を合わせないようにしながらも、それらを袋に仕舞う八幡は焦る事はなかった。

 

 

「ま、仕込みは流々、あとは仕上げをってな。一応虎の子だが、二の矢も準備してるし」

 

「また、なんだか訳のわからない事になりそうね」

 

「けど、八幡ならきっと何とかしてくれるよ」

 

 

 無邪気に笑う戸塚に、正直半々ぐらいの確率の博打だとは明かせないまま異世界ナビを起動してパレスに突入するのであった。

 

 

『ターゲット…雪ノ下陽乃 悪神の欠片…パンさん人形………パレスを発見しました。ナビゲーションを開始します』

 

 

 




 ペルソナメモ
 最後に出てきたのはペルソナ5に出てくるクレーンゲームで入手できるインテリアの人形、ジャックフロスト人形筆頭に各種揃っている。雪乃が猫と勘違いしたのはレキシー人形。ジャイニャン人形は人形内で唯一クレーンゲームではなく、マコトとの水道橋デートが必須の為、未入手である。しかし、何故ペルソナシリーズでは人形のみならずカード等といった悪魔(シャドウ)関連のグッズがあるのだろうか?
 あと、沙希が不参加なのは最初の契約、やばそうな相手には参加しなくていいと言ったから誘っていない為。現時点ではあくまでフリーダンジョンかサブクエでの傭兵。コミュランクが低いままだとスポット参戦のみである。


愚者……比企谷八幡(アマノジャク)
魔術師…材木座義輝(ギュウキ)Rank2
女教皇…雪ノ下雪乃(ライジン)Rank2
女帝…平塚静 Rank2
皇帝…葉山隼人(ツチグモ)Rank1
法王…川崎沙希(オニ)Rank2

恋愛…由比ヶ浜結衣(ザシキワラシ)Rank2
戦車…三浦優美子(ムジナ)Rank2 Up
正義…鶴見留美 Rank2
隠者
運命…戸塚彩加(ノヅチ)Rank2
剛毅(力)

刑死者
死神
節制
悪魔




太陽…比企谷小町 Rank1
審判…佐々木三燕(今石燕) Rank2
世界…奉仕部 Rank2

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