今回から1話目がスタートします!
第1巻 俺の彼女の狼谷さん
【かわいい狼谷さん】
俺の彼女はとてもかっこいい。
そしてすごく優しい上に、とてもかわいい。
「かわいいなぁ」
「な、なんだ急に」
「いや、かわいいなと思って」
いかんいかん口に出てしまってたようだ。
でも仕方ないじゃないか、可愛いんだから、今も赤くなっていてかわいい。
「じゃあ俺はあっちだから、朝練頑張って」
「ああ、鳶沢も花壇の清掃頑張って」
「「またね」」
そう言って別れるのだが、少し、いや、かなり寂しい。
狼谷は基本的に朝練があるので一緒に登校するのは、週に約1回の美化委員の朝当番の時だけだからだ。
そんな思いに耽っていると、気がついた時には5分ほど立ち尽くしていた。
(完全に不審者だな)
次お昼に会えるのを楽しみにして作業用具を漁る。
「さて、お花ちゃん達にも挨拶をしに行きますか」
【関節キス!?】
キーンコーンカーンコーン
お昼を告げるチャイムがなり、俺は教室を後にし、狼谷と中庭で集合して、一緒にお昼を食べる。
「よお」
「やあ」
そんな軽い挨拶を交わし俺たちは昼食タイムへと入る。
「狼谷、今日のご飯は何?」
「私はハンバーグカツカレー弁当とプリンだ」
「小学生の欲望を固めたようなメニューだな」
「えっ···そんなに酷いか?そういう鳶沢は何を食べるんだ?」
「俺は近所に新しくオープンしたパン屋さんのカレーパンと焼きそばパンとメロンパンだ」
「鳶沢も十分酷いな」
そんな会話を交わしてお昼を食べる俺たち。
(あぁこの時間幸せ)
「そうだ、狼谷次の土曜日空いてたりする?」
「ああ、空いてるよ」
「一緒に映画でもどう?」
「いいよ」
よし!これで次の休日は狼谷とデートだ、今から待ち遠しい。
「ご馳走様っと」
狼谷の方を見てみると彼女もデザートのプリンを食べ始めている。彼女も俺も食べるスピードが早いのだ。
「どうした、そんなに私の事を見つめて?プリン欲しいのか?」
「なら1口貰ってもいい?」
狼谷からスプーンを受け取り、1口貰う。
貰ってから気づいた。
「関節キスだコレ」
「///そ、そうだね。」
無言の空間が流れる。
なにか話題はないかと考えていると、狼谷が口を開く。
「でも、嬉しいよ。こうやって君とできる事が増えて行くのが」
「お、おう、そうだなこれからもっと色んなことに挑戦してみよう。」
「まて、まて!そんな色んな事だなんて、私たちはまだ高校生だし早いんじゃないか·····」
顔を真っ赤にしながら言う狼谷、そんな先のことじゃない!違うんだ!
「違うそんな先のことじゃなくて、その·····あのぉ·····手を繋ぐとか、ハグとかそんなことをゆっくりしていきたいなって」
「なら、いま少し手をつないで見ないか?」
「では、失礼します」
狼谷の提案で手をつなぐ俺達、付き合って数ヶ月たったこの日初めて関節キスと手を繋いだ。
周りから見ればかなり進展は遅いのだろう、でも良いのだ。
俺達は俺達のペースで楽しむんだ。
キーンコーンカーンコーン
「予鈴なったな」
「そうだね」
「「じゃあまたね」」
もう少しこのままで居たかったが仕方ない。
狼谷の手を離し教室へと足を運ぶ。
【映画館デート 1】
今日は待ちに待った土曜日!
狼谷と映画館の行く約束をしているのだ。
そしてなんとこの日は狼谷との初デート。
かなり緊張して早めに来てしまった。
待ち合わせ場所で狼谷を待つ。
(この待ってる時間も楽しいなぁ)
「おはよう鳶沢、待たせたか?」
「おはよう狼谷、大丈夫今来たとこだよ。」
「そうか、なら良かった。しかし来るの早くないか?」
「そういう狼谷もな、楽しみすぎて早く来たんだ」
「そうか、わ·····私もそんな感じかな」
現在時刻は9:30分、待ち合わせの時間は10:00だ。
お互い早く来すぎたのだ。
「少し早いけど行こうか」
「ああ」
そう言って俺たちは近くのショッピングモールへと足を運んだ。
「今日は空いているな。鳶沢は何が観たい?」
「俺はなんでもいいよ、狼谷は何か観たいものはないのか?」
「そうだね·····あ、これはどうだろう?」
狼谷が指を指したのはホラーだった。
それもツイッターで怖いと話題になっているやつだ。
「ホラーだけど大丈夫か?」
「あぁ、猫崎がすごく怖かったけどチョー面白かった、と言っていたから気になってね」
「おーけーならチケット買いに行こか」
「お会計2000円です。」
店員さんにそう告げられ、財布から2000円をだすと、
「自分の分は出すよ」
そう言って狼谷は1000円を渡してくる。
「いいよ、俺バイトしてるし、男だしかっこつけたいしね」
「男も女もバイトも関係ないないだろう。気持ちだけ頂いておくよ」
「そうか」
そう言って俺は狼谷から1000円を受け取る。
本当はちょっとかっこつけたかったが、狼谷がそう言うし、受け取る、受け取らないで喧嘩なんてしたくない。
「仲がよろしいですね〜カップルですか?」
店員さんに尋ねられて俺と狼谷は少し照れながら「「はい」」と答えた。
すると店員さんから思わぬプレゼントを貰える。
「只今カップルキャンペーンをしておりまして、カップルさんにこちらをプレゼントしております。」
店員さんからのプレゼントはポップコーンLサイズ無料券だった。
「「ありがとうございます。」」
2人でチケットを買い終え、ポップコーン売り場にて
「ポップコーン何味にしよか?」
「キャラメルと塩味のハーフでいいんじゃないか?」
「そうだな、それだと2つの味を楽しめるしな。飲み物はどうする?」
「私はコーラにするよ」
「俺はメロンソーダかな」
ポップコーンとドリンクを買い終え、俺達はスクリーンへと足を運んだ。