五等分の花嫁と約束と   作:無限の槍製

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中野二乃の秘密

前に隼人から貰ったプリントが少しだけ難しくてちょっとだけ恨んでる。


第11話 結びの伝説 1日目

 

車の外は一面雪景色。都会ではこんな景色は中々見れないだろうね。これだけでも林間学校に来た甲斐があるってもんだよ。

 

「くそー!次俺な!」

 

「やけにハイテンションですね」

 

「お前たちの家を除けば外泊なんて小学生以来だ!もう誰にも俺は止められないぜ!」

 

「まあ、もう1時間も足止め食らってますけどね」

 

車の外は一面雪景色って言ったね。訂正、雪と車だらけだ。

 

◇ーーーーー◇

 

「おおっ!中々いい部屋だな!」

 

想定以上の雪でこれ以上は進めない可能性が出てきた為、完全に動けなくなる前に近くの旅館に一泊することになった。勿論先生たちには連絡済みだ。

 

「でも4人部屋ですよ?」

 

「4人部屋に7人か……」

 

「ねぇ、本当にこの旅館に泊まるの?それにコイツと同じ部屋なんて嫌!」

 

「俺がダメで隼人が良い理由を教えてくれ」

 

他の大部屋は急に団体の客が入ったとかで取れなかった。江端さんも午後から仕事があるとかで帰っちゃったし、ここに泊まるしかないんだけどまあ女の子達からしてみれば困るというか嫌というか、

 

「良い旅館だ!文句言ってないで楽しもうぜ!」

 

「ホントテンション高いね風太郎」

 

「女子集合!」

 

風太郎がテンションガン上げなのに対して中野姉妹は部屋の隅に集まって何やら話をしている。

 

「隼人!トランプやろうぜ!」

 

「2人でやっても仕方ないでしょ」

 

「それもそうだな!お前ら!トランプやろうぜ!七並べ!!」

 

これはこれで後先不安になるなぁ。

 

◇ーーーーー◇

 

この旅館に到着したのが夕方というのもあって夕飯はすぐに出てきた。いかにもザ・旅館!と言った感じの豪勢な料理。明日のカレーが見劣りしそうなレベルだ。

 

「三玖、あんたの班のカレー楽しみにしてるわ」

 

「うるさい。この前練習したから」

 

「そういえばスケジュール見てなかったかも」

 

「2日目の主なイベントは10時オリエンテーリング、16時飯盒炊飯、20時肝試し。3日目は10時から自由参加の登山、スキー、川釣り、そして夜はキャンプファイヤーだ!」

 

「何でフータロー君暗記してるの?」

 

本当は1日目である今日もイベントがまったくなかったわけじゃないが、どのみちこの雪での足止めがなくても間に合わなかった可能性が高い。まああと2日あるんだし、2日間を楽しめればいいでしょ。

 

「あとキャンプファイヤーの伝説の詳細が分かったんですけど!」

 

「またその話か」

 

「伝説?」

 

「関係ないわよ。そんな話したってどうせこの子たちにそんな相手いないんだからしょうがないでしょ」

 

最終日のキャンプファイヤーのダンスで一緒に踊った男女は生涯結ばれると、大体こんなニュアンスの伝説だ。四葉ちゃんから何回も聞かされた身ではあるけど、俺も相手がいないしアッタカーイで終わらせようと思ってたくらいだ。

 

「ま、伝説なんてくだらないことどうでもいいけど」

 

「多分二乃、誰からも誘われなかったから拗ねてる」

 

「へー、意外。二乃ちゃんなら誰かに誘われてるんだと思ったけど」

 

「幸村さんはどうですか?お友達も多そうですけど」

 

「特に誘われてないね。なんなら一緒に踊る二乃ちゃん?」

 

「えぇ?アンタはなんか嫌。上杉よりはマシだけど……なんか嫌」

 

お兄さんのガラスのハートが割れそうだよ。なんか嫌て……

 

「あ、そういえばここ温泉があるみたいだよ。えーっと……えっ、混浴…」

 

突如一花ちゃんによって投げ込まれた爆弾が爆発して二乃ちゃんと中野ちゃんが立ち上がった。

 

「はぁ?こいつらと部屋のみならずお風呂も一緒なの!?」

 

「ご、言語道断です!!」

 

「なんで一緒に入る前提?」

 

「二乃…一緒に入るのが嫌だなんて心外だぜ。俺とお前は既に経験済みだろ〜?」

 

「わざと誤解招く言い方すんな!!」

 

◇ーーーーー◇

 

「はぁ……」

 

夕食のバタバタが嘘のような静けさ。風太郎も静かになってるし温泉には人を落ち着かせる効果があるのだろう。

 

「少しは落ち着いた?」

 

「まあな。俺らしくもなくはしゃぎ過ぎた」

 

「混浴じゃなかったからってテンション下がるのも考えものだよ〜」

 

「別に混浴じゃなかったから落ち着いたわけじゃないぞ!このままだと最終日まで保ちそうにないからな」

 

「そういえば風太郎はキャンプファイヤーの時誰かと踊るのか?」

 

「ああ…ちょっと色々あって一花と踊ることになってる」

 

なんとなんとまさか風太郎が踊ることになっていて、しかもその相手が一花ちゃんときたもんだ。二乃ちゃんが聞いたらどんな反応するかな……

 

「風太郎は伝説は信じてるか?」

 

「まさか。非現実的すぎる。隼人はどう思ってるんだ」

 

「ロマンチックだとは思うけどねぇ。でもそれってある意味では呪いと一緒でしょ」

 

「呪いときたか。確かにこのキャンプファイヤーで生涯が決められてしまうなら、ある意味呪いだな」

 

勿論これは伝説だから呪いっていうのも半分冗談だ。だけど伝説だって現実になることだってある。そう考えると呪いって考えも馬鹿には出来ないと思う。

 

「やっぱり、今は彼女がいないからこんなこと考えてしまうのかね。お兄さんも心が荒んできたよ」

 

「まあ、普通は考えないかもな。俺たちが捻くれてるだけだろ」

 

「彼女欲しくなった?」

 

「ならない」

 

「やっぱ捻くれてるのお前だけだわ」

 

◇◇◇◆◆◆

 

「あの狭い部屋にギリギリお布団が7枚。なんとか布団を4、3で置くとして、誰があいつらの隣で寝るか。今はこれが問題よ」

 

私が提示した問題に他の姉妹は目を逸らした。それもそう、誰もこんな事態になるなんて予想なんてしなかったし、あの部屋に泊まることになってもみんなその事実から目を逸らしてきた。

でもいつまでも無視は出来ないわ。ここで問題を解決しないと。

 

「二乃考えすぎじゃない?私たちただの友達なんだし」

 

「そうだよ!上杉さんと幸村さんはそんな人じゃないよ!」

 

「じゃあ四葉、あんた2人の間で寝る?あいつらはそんな奴じゃないから心配ないんでしょ?」

 

「……それは…ちょっと……どうなんだろうね…」

 

四葉だって私たち姉妹と同じ顔をしているのだから可愛いに決まっている。そんな子が隣で寝ていたらあいつらだって獣になるわ………あら、これは詰みってやつかしら。

 

「それでは二乃はどうでしょうか。二乃なら殴ってでも抵抗してくれそうなので」

 

「……それなら幸村の隣は五月でいいんじゃない?あんたら仲良いじゃない」

 

「ゆ、幸村君ですか!?それは……」

 

正直な話、上杉よりは幸村を少しだけ信頼している。人当たりは良いし好かれそうな性格だし。だけど私は少し引っかかる。あいつ何か隠してるんじゃないでしょうね。

 

「一花、あんたは気にしないでしょ。ただの友達なんだから」

 

「私に来たか〜…うん、フータロー君はいい友達だよ」

 

「なら決まりね。上杉の隣に一花、幸村の隣に五月。私と三玖と四葉は3人並んで寝るわ。上杉と幸村を一花と五月で挟んで、三玖と四葉の間に私が入ればいざという時すぐに殴れるわ」

 

「殴る前提ですか…それよりわ、私の隣は幸村君で確定なのですか!?」

 

「顔真っ赤ね五月。そんなに嫌なら私が「待って!」どうしたのよ三玖」

 

「平等…みんな平等にしよう」

 

三玖が提案してきたのは『髪型を同じにすればきっと2人は誰が誰か分からない』作戦だった。まあ誰かも分からない相手に手は出さないでしょうね。

 

そして温泉から出た私たちは髪型を同じにして部屋に戻った。そこで私たちが目にしたのは、

 

「……えーっと…」

 

「普通に寝てるね…」

 

私たちの悩みも気にする様子もなくスヤスヤと寝ている2人だった。

 

◆◆◆◇◇◇

 

「んー……うおっ…なんじゃこりゃ…」

 

昨日は温泉から上がってすぐに眠くなって寝てしまった。そして目を覚ました俺は目の前の惨状に苦笑いを隠しきれなかった。

部屋が一緒だから布団を4、3で並べるのは分かるけど……女の子がしていい寝相じゃないね。服もはだけてるし。

 

「ふぁぁ……幸村君、おはようございます…」

 

「おはよう中野ちゃ……」

 

「?どうかしまし……ッ!!」

 

「ごめん…」

 

「いえ…こちらこそ……」

 

詳しく話すのも野暮ってもんだ。

 

本当なら林間学校2日目の今日。予定では朝食を食べたあと江端さんが迎えに来てくれることになっている。江端さんには迷惑かけちゃったなぁ。

 

「朝食、先にいただきましょうか」

 

「起きる気配無いしね。先に行こうか」

 

起きる気配の無い風太郎と四姉妹を部屋に残して2人で食堂に向かう。朝食は確か好きなもの食べれたんだっけ。

 

「何食べる?」

 

「悩みますね……カレーも捨てがたいですし、焼き鮭定食も食べてみたいですね…むぅ…」

 

「じゃあ俺がカレー頼むから食べれるだけ食べる?」

 

「いいんですか!?」

 

「モチのロンだよ」

 

食堂のおばちゃんにカレーと唐揚げ、そして焼き鮭定食を頼む。中野ちゃんが凄いワクワク顔になってる。可愛いなぁもう。

 

「はい、食べれそうな分だけ取ってね」

 

「すみません幸村君。やはり朝は食べないと力が出なくて…」

 

「気にしない気にしない……あ」

 

「どうかしましたか?」

 

「……そういえば林間学校でカレー作るね」

 

「あぁ……そうでしたね」

 

今更ながら今日の夕方にカレーを作って食べることを思い出し、2人で笑う。まあ気にしても仕方ないよね。好きなものは連続3回までは飽きないって言うしね。言わない?ソンナー。

 

「ん……メールだ」

 

「もう幸村君、お行儀が悪いですよ」

 

「ごめんごめん………………あの野郎…」

 

「幸村君?」

 

「ああ、なんでもないよ。それより早く食べちゃお」

 

◇ーーーーー◇

 

朝食を食べ終わった俺は1人廊下でメールと睨めっこをしていた。差出人は昔の友達……とは言えないか。

 

「真田……お前も林間学校に来てるのか」

 

これから向かう林間学校のコテージには他の学校の生徒も来ている。どうやら久しぶりの顔合わせになりそうだな……

 




林間学校1日目終了!次回から2日目になりますが、ここから大きく物語が変化していく気がします!多分変わる!多分、きっと、maybe
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