五等分の花嫁と約束と   作:無限の槍製

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幸村隼人の秘密

料理は簡単なものなら作れる


第12話 結びの伝説 2日目①

 

林間学校2日目。俺たちと同じように雪で足止めされていたクラスメイトと合流しコテージに到着、そして今はみんなでカレー作りだ。

 

「じゃあ私たちでカレー作るから、男子は飯盒炊飯よろしくね」

「わっ、二乃野菜切るの速っ」

「家事やってるだけあるね」

「これくらい楽勝よ(さて、あの子たちうまくやれてるかしら)」

 

 

「これもう使った?」

「は、はい!」

「じゃあ片付けておくね」

「美人で気が利いて完璧超人かよ中野さん…」

「俺の部屋も片付けてほしいぜ…」

 

 

「よいしょー!あはは、これ楽しいですね!」

「いや、もう薪割らなくていいから!」

 

 

「そろそろ煮込めてきたかな」

「待ってください。あと3秒で15分です」

「細かすぎない五月ちゃん…?」

 

 

「三玖ちゃん何入れようとしてるの!?」

「お味噌。隠し味」

「自分のだけにしてー!!」

 

とまあ随分と賑やかで楽しそうなことで。俺と風太郎は飯盒炊飯の担当で炊けたかどうかを確認しにいくところだ。

 

「あ」

 

「どうした風太郎」

 

目元を抑える風太郎。目の前には別のクラスの男子が座っている。アイツもご飯の様子を見ているのだろう。にしてもどっかで見た顔だな。

 

「……さてご飯炊けたかなー」

 

「おいコラ。気づかないフリしてんじゃねぇぞコラ。俺を忘れたとは言わせねぇぞコラ」

 

「そんなわけないさ、名前だって覚えてる」

 

「まだ名乗ってねーよコラ」

 

「あ、思い出した。コイツ前田だ」

 

「あぁ!!って幸村!!?な、なんでお前が…まさか俺らのコメを!」

 

「そんなわけないから」

 

フルネームは知らないがコイツは色々と喧嘩をして名前が知れ渡っている。顔もコワモテの部類に入るテンプレ型ヤンキーだ。

 

「一…中野さんとは順調なんだろうな」

 

「順調…まあな」

 

「前田、お前一花ちゃんと同じクラスか」

 

「一花ちゃんってお前どういうことだコラ!!なんでちゃん付けで呼んでんだコラ!!どういう関係なんですかコラ!!」

 

「友達だけど。あと顔近いから離れて」

 

まさかの一花ちゃんガチ勢というやつか。下手に刺激すると今まさに炊き上がろうとしているご飯みたいに湯気が出るかもしれない。

 

「なんでご飯焦がしてんのよ!」

 

そんな中聞こえてきたのは女の子の怒鳴り声。声のした方を見てみると何やら言い争っている。あれは確か二乃ちゃんのクラスの子か。

 

「どーせほったらかしにして遊んでたんでしょ!」

 

「ち、ちげーよ!少し焦げたけど食えるだろ!やったことねぇんだから誰だってこーなんだよ!」

 

「こっちは最高のカレーを作ったのに!二乃、どうする」

 

「じゃあ私たちだけでやってみるから、カレーの様子見てて?」

 

 

 

「二乃ちゃん…あれ結構頭にきてるね」

 

「ああ、素直に謝れば多少はマシだったろうに」

 

「そうか?」

 

きっと二乃ちゃんがバトルキャラだったら擬似超サイヤ人みたいなオーラを纏ってるかもしれない。それだけの凄みがある。俺たちじゃなきゃ見逃しちゃうね。

 

「あ、上杉さんに幸村さん!肝試しの道具運んじゃいますね」

 

「あれ、もうそんな時間だっけ」

 

「そろそろ準備はしたほうがいいが…四葉お前、確かキャンプファイヤーの係だろ」

 

「はい!でも上杉さん1人じゃ無理だと思ってクラスの友達にも声をかけました!勉強星人の上杉さんがせっかく林間学校に来てくれたんです!私も全力でサポートします!」

 

肝試しは俺も一応手伝う予定にはしていたけど、ここで四葉ちゃんが手伝ってくれるなら結構助かる。これはこれで楽しい肝試しになりそうだ。

 

「前田、肝試しは自由参加だ。彼女が欲しいならクラスの女子でも誘ってきてみろ。ただしこっちも本気でいくからビビんじゃねーぞ」

 

◇ーーーーー◇

 

「このようになぁ!!!」

 

「「うわあああああっ!!!!」」

 

「くくく…」

 

「絶好調ですね上杉さん!」

 

「肝試しは風太郎のストレス発散方法だったか……」

 

現在20時半過ぎ。肝試しの脅かし役でスタンバイする俺と風太郎と四葉ちゃん。風太郎は金髪のピエロで四葉ちゃんはミイラ、俺はホッケーマスクを付けて驚かしている。

 

「私嬉しいです。いつも死んだ眼をしていた上杉さんの眼に生気を感じます」

 

「そうか、甦れて何よりだよ」

 

「幸村さんも一緒に、後悔のない林間学校にしましょうね!」

 

「そうだね、思い出に残そう」

 

1日目からある意味忘れられない思い出にはなってるけど、ちゃんと林間学校本番も思い出になりそうだ。

 

「あ、次の人来ましたね」

 

「や、やってやらぁ!」「食べちゃうぞー!!」

 

「フータロー」

 

「四葉にハヤト君もいるじゃん。わあビックリ予想外だー」

 

「お気遣いどうも」

 

次に来たのは一花ちゃんと三玖ちゃんだった。やっぱりネタがバレているとリアクションも薄いね。

 

「ったく、脅かし損だぜ。お前らも肝試しに参加してるから知ってると思うがこの先は崖があって危ない。看板が出てるからルート通りに進めよ」

 

「わかってる。行こう一花」

 

「え?もう行くの?」

 

三玖ちゃんは一花ちゃんを連れてその場を後にした。なんだかいつもより素っ気ないような気もするけど……内心ビックリしてて平常心を保とうとしてた…とか?

 

「上杉さんはまだ驚かし方に迷いがありますね。もっと凝った登場しないと!」

 

「よし、ここは俺が手本見せてやるよ風太郎。カツラ貸してくれ」

 

風太郎から金髪のカツラを受け取り木の上に登る。さーて次は誰かなー。

 

「ううっ…やっぱり参加するんじゃありませんでした…」

 

「ちょっと離れなさいよ。あんたも行くって言ったんだから」

 

「だって幸村君が怖くないって言ったんですよ!」

 

次のターゲットは二乃ちゃんと中野ちゃんだった。多分最初は4人で出発したんだろうけど、途中から2人ずつに分かれたんだろうな。

 

「クラスメイトが言っていたのですが、この森には出るらしいのです。森に入ったっきり行方不明になった人が何人もいるのだとか」

 

「デマに決まってるじゃない。伝説もそうだけど信憑性が無さすぎるわ」

 

「二乃は信じないのですか…?」

 

「もしそれが本当ならこんなところで肝試しなんてしないわよまったく」

 

確かに。まあ森という自然の中だから行方不明に絶対にならないなんてことはないだろうけど、ここでの行方不明なんかは聞いたことがない。そりゃ今から30年40年も昔となると知らないけどさ!

 

さて、そろそろタイミングもいいかな。

 

「二乃ぉ〜もう少しゆっくり歩いてくださいよ〜!」

 

「これでも充分ゆっくりよ!あんただってクラスに友達がいないわけじゃないんだし、向こうでゆっくりしてれb「お嬢さん」………は?」

 

「なななな何か聞こえましたよ!?」

 

「こっちこっち……」

 

「な、何よ!仕掛けよこんなの!上杉か幸村がどっかに隠れてんのよ!」

 

「ど、何処ですか!?どこにいるんですか幸村君!!」

 

「上だよぉぉぉぉ!!!!」

 

「きゃあああああああっ!!!!」

「わああああっ!!もう嫌ですぅぅ!!!」

 

木の上から飛び降りて驚かしたのだが、2人には…主に中野ちゃんにはダメージが大きすぎたのかもしれない。2人ともそのまま走り去ってしまった。

 

「驚かしすぎたかな」

 

「今のは色んな意味で驚いたと思いますよ…」

 

「あれ…あいつらどっち行った?」

 

慌てて走って行ったから、もしかしたら看板を見てない可能性もあるか。やりすぎたな。

 

「俺の責任だ。2人探してくる」

 

「私も探してきます!上杉さんは2人が戻ってくるかもしれませんからここにいてください!」

 

「実行委員でもあるしな。脅かし役がいなくなるのもそれで問題だろうし」

 

「すまん」

 

風太郎を残して四葉ちゃんと2人で探しに向かう。四葉ちゃんには肝試しエリア周辺を、俺はもう少し奥まで進んでいく。

 

「……45分か」

 

実は21時にある約束をしている。近くの川で待つという約束だ。約束を破るわけにもいかないが、まずは2人の安否が重要だ。

 

「いやっ!」

 

「…二乃ちゃんの声か…?」

 

遠くから二乃ちゃんの声が聞こえた。声の聞こえた方角に歩いていくに連れて月明かりが森を照らし始めた。そのおかげもあって二乃ちゃんはすぐに見つかった。

 

「見つけた!大丈夫!?」

 

「……嘘…キミ……写真の…?」

 

「……え?」

 




風太郎から金髪のカツラを借りる。まだ原作通り進んでいた本作が完全に分岐したタイミングです。

次回も林間学校2日目です!
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