五等分の花嫁と約束と   作:無限の槍製

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中野三玖の秘密

パン屋の面接で面接官が隼人と知り吹き出してしまった


第35話 とびっきりの修学&旅行①

「全国模試も無事終わったということで、修学旅行の話について本格的に入りたいと思います。事前に配られたパンフレットに3日間の流れは書かれていますが、皆さんは明日までに班を決めておいてください」

 

修学旅行って『知識を広げる』『集団生活の決まりを守れるようにする』『社会に生きる1人として守るべきルールを身につける』目的があるらしい。学校がある地理では得られない経験を得ることも修学旅行の醍醐味……らしい。ネットに書いてた。

 

まあそんなに深く考える人はそうそういないと思う。現に勉強虫の風太郎もこういうイベントにはとても積極的だ。

 

「で、集まったのがこのメンツね」

 

「俺、隼人、前田、武田。まあ妥当だろ」

 

「おう妥当ってどういう意味だコラ」

 

「ま、たまには男4人でブラブラするのも悪くないね。誰が班長する?」

 

「この僕を差し置いているまい!」

 

「すげートントン拍子で進むねー。なんか楽でいいね」

 

「ここ最近はずっとアイツらがいたからな」

 

風太郎が横目で見る先には五つ子達の姿があった。6人班とか7人班だったらあの子達と過ごすことになってたのかな。

 

「気になるのかい?」

 

「まさか。こういう時ぐらい家庭教師のことは忘れるべきなんだよ」

 

風太郎の言ってることもわかる。先日の中野パピーのこともあるしねぇ。

 

『娘達には紳士的に接してくれると信じているよ』

 

随分とデカい釘を刺された気分だ。そう言われた以上これまでより距離感ってのは意識しないとなぁ。

 

◇◇◇◆◆◆

 

「修学旅行楽しみだね。京都って2回目だっけ?」

 

「そうだね。小学生の時にみんなで行ったよね」

 

「まさかまた5人で巡ることになるとは思いませんでした」

 

「そうね。最近はなんだかんだでユキ君と上杉がいたから」

 

修学旅行は姉妹5人で班を作ることになった。本当はフータローと一緒の班になりたかったけど、フータローはハヤト達と班を組むみたい。フータロー達の班は4人だけど流石にそこに入るほど空気が読めないわけじゃない。

 

「でもせっかくの修学旅行だし、上杉さん達と一緒に巡りたかった気持ちもあるんだよね」

 

「班は5人までだけど、二つの班が一緒に行動したらダメってのは無いんだし別にいいんじゃない?」

 

「それだったら何の為に5人って制限決めたのよ。一緒にいるところを先生に見られたら小言を言われるに決まってるわ」

 

「二乃にしては諦めが良いような気がしますが…」

 

「だから偶然を装って遊びに行くわ」

 

「二乃は二乃だね…」

 

二乃はやっぱりハヤトと一緒に巡りたいみたい。確かに、偶然同じ場所を目的地にしてたらばったり会うこともある。

 

「それならフータロー君達が何処に行くかあらかじめ聞いとく必要があるかもね」

 

「だったら私聞いてくるよ!」

 

四葉は行動力の鬼だ。こういうところがトラブルを持ってくるんだけど、同時に助かるからありがたい。

 

「聞いてきたよ!上杉さん達、神社に行くんだって!!」

 

「何処の神社?」

 

「……学問の神社…?」

 

「だからなんて名前の神社なのよ…」

 

「ごめーん!もう一回聞いてくる!!」

 

学問の神様が祀られてる…としたら行き先は絞れるだろうけど、万が一別の神社だったらって考えると……こういう消極的なところが私のダメなところ。でも最近は前向きになれてる気がする。これもフータロー達のおかげ。

 

「三玖」

 

「?どうしたの一花」

 

「頑張ってね」

 

「……一花」

 

「五月〜アンタもウカウカしてたらユキ君取られるわよ〜?」

 

「と、取られるって…!幸村君をもの扱いしたらダメですよ!!」

 

相変わらず一花は『お姉さん』に徹してる。少し我儘になったと思ったのに。一花らしいといえば一花らしい。

五月は五月で分かりやすい。多分本人は否定したいんだろうけど、誰の目から見てもそういうことだと思う。

 

「ふぅ……楽しみだな…」

 

不安もあるけど、楽しみの方が大きい。私の気持ち、ちゃんと伝えられたらいいけど。

 

◆◆◆◇◇◇

 

「うーん……やっぱこっちじゃないッスかね」

 

「お前俺で遊んでる?なんで京都でアロハシャツ着るんだよ」

 

修学旅行が目前に迫った休みの日。俺は佐助と一緒にショッピングモールに服を買いに来ていた。正直買う必要もないんだけど、

 

『京都に行くならバシッと決めないとナメられるッスよ!!』

 

なんて言うもんだから。確かに京都は俺にとっても因縁……のようなものがある。だけど京都には修学旅行で行くんだよ?そんな因縁の精算に行くわけじゃないんだから……

 

「意気揚々と選んでるところ悪いけど、京都をブラブラする時は制服だからな?」

 

「それはそうッスけど!中に着込むだけでやっぱり変わるッスよ!鎖帷子みたいな!」

 

「よくそんな言葉知ってるな」

 

「ふふん!最近は勉強も頑張ってるッスからね!」

 

佐助が勉強を頑張っているのは風の噂で聞いていた。2年になってから更に勉強を頑張っているみたい。あのおバカだった佐助が……ヨヨヨ…お兄さん嬉しいよ。

 

「まあそれとこれとは別だ。服はいいからなんかご飯食べよう。オラ腹減っちまって」

 

「そうッスか?じゃあカレーでも食べに行きます?」

 

「今はちょっと塩っ辛いもの食べたいな……お?あれは」

 

服屋を出たタイミングで見知った顔が歩いてきた。風太郎の妹らいはちゃんを連れた四葉ちゃんだ。

 

「あ!幸村さん!!それと猿渡さんも!こんにちは!」

 

「こんにちは!」

 

「こんにちはッス!」

 

「はいこんにちは。2人とも元気だね〜買い物?」

 

「はい!私は五月と一緒に来てて、らいはちゃんは上杉さんと。今は五月が試着中なので上杉さんに待ってもらってるんです」

 

風太郎1人残して大丈夫だろうか。五つ子と過ごしてきたとはいえデリカシーの無さはあまり改善されてない。

まあ四葉ちゃんが任せたし…大丈夫と信じよう。

 

「猿渡さんはお久しぶりですよね!」

 

「そうッスね!温泉旅館の時以来ッスか」

 

「その時に会ってたんだ。いやまあ佐助もバイトしてたから会うタイミングはあっただろうけど」

 

「一緒にかけっこしましたよね!」

 

「かけっこ?え?バイト中に?」

 

「いやぁ久々に本気出しましたよ!四葉さん兄貴より早いんじゃないッスか?」

 

「おいおいスルーするんじゃないよ」

 

「そういえば幸村さんも元陸上部でしたよね!今度は3人で、いや上杉さん達とも一緒に走りましょう!!」

 

「走んないよ?お兄さん今走ったら足爆発しちゃうよ」

 

「勿論らいはちゃんも一緒にね!」

 

「お兄ちゃんには勝てるよ!」

 

「おいおいスルーするんじゃないよ。てか風太郎、らいはちゃんにも負けるのか……」

 

流石にそんなことはないでしょ〜とも言い切れないのが怖い。それが運動音痴なのだ。

 

「あ!そうだ幸村さん!上杉さんと京都に深い関わりがあるって知ってました?」

 

「風太郎と京都?いや知らないな〜」

 

「なんでも初こ…オッホン!運命の出会いをした場所らしいんですよ!だからもし上杉さんがおセンチなことになってたら、助けてあげてくださいね!」

 

運命の出会いか……タイミング的なこと考えると多分中学生か小学生の時かな。風太郎にもそんなものがあったとは。

 

「分かったよ。まあ風太郎がおセンチなことになるとはあんまり思えないけど、気に留めておくよ」

 

「お願いします!それじゃあ私達はご飯を食べに行きますので!また学校で!」

 

「またね〜!」

 

「バイバ〜イ」

 

「兄貴、バイバイしたッスけど俺たち飯食いに行くならまた会うんじゃ…」

 

「…………外行くか」

 

別れた数分後にまた会った時のあの微妙な空気感、僕は嫌いじゃないよ?あの絶妙な『あ……(苦笑い)』みたいな感じ。

 

「にしてもあの人に運命の出会いがあったなんて……人は見かけによらないッスね」

 

「ホント。いやぁ普通の修学旅行で終わればいいけど」

 

日に日に期待が高まると同時に不安も高まっていく。ほんとに何も起こるなよ…?

 




次回から修学旅行になります!

といっても原作とはかなり違う展開になりますのでご了承ください!
俺は!五つ子がギスギスしてるのが!辛いんだ!!
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