五等分の花嫁と約束と   作:無限の槍製

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中野四葉の秘密

風太郎と隼人に危うく全裸を見られそうになったことが何回かある


第37話 とびっきりの修学&旅行③

「おー駅まで見える!」

 

「うう…落ちたらどうしましょう…」

 

「柵はもっと高いと思ってた…」

 

「私たちが大きくなったってことだよ!」

 

修学旅行2日目!今日は朝から清水寺に来ています!なんだか懐かしいなぁ。またみんなで来れるなんて思わなかったな。

 

「うおっ…久々に見ると高く感じるな」

 

「こんなところで携帯でも落としたら1ヶ月はヘコむね」

 

聞き慣れた声がすると思ったら上杉さんと幸村さんでした。2日目は団体行動だけど、お友達の前田さんと武田さんはいいのでしょうか?

 

「珍しく5人じゃないんだな」

 

「一花と二乃は2人とも二年の頃のお友達と見て回るそうです」

 

「そういうわけで今は3人」

 

「まあ、たまにはこういうのもいいかもね」

 

確かに最近は5人一緒だったし、たまには3人も悪くない……けど、やっぱり一緒に来た場所は一緒に見たかった…かな。

 

「せっかくの清水寺ですし、みんなで写真を撮りませんか?」

 

「いいね、じゃあ写真は「あ!私が撮りますよ!!なんなら三玖と上杉さん、五月と幸村さんでツーショットなんかどうですか!」

 

サッと携帯を構える私!フフン、こういうことは素早くデキる私なんですよ!褒めてもらいたいです!

 

「何やってんだ。お前も写るんだよ」

 

「そそそそそそうですよ!ツッツツーショットなんて!!」

 

「五月、動揺しすぎ」

 

「写真は俺が撮りますよお嬢さんがた」

 

「そうですか?じゃあお願いし「ちょっと待ってくれます?」

 

後ろから声をかけてきた男性の方に携帯を渡そうとしたら幸村さんが止めてきました。そして珍しく幸村さんの表情がいつもの余裕たっぷりな表情ではありませんでした。

 

「なんでここにいんだよ近藤(バカゴリラ)

 

「それはお前、美しき女性の元にはいつだってナイトがいるものだろ?」

 

「何がナイトだアホらしい」

 

「あ、昨日のハヤトの友達」

 

「ああ、何処かで会ったと思ったら昨日の!」

 

声をかけてきたのは爽やかな笑顔の…確か近藤さんでしたね。対照的に幸村さんは嫌そうな顔してますけど。

 

「お前まさか、彼女たちに会うためにわざわざ」

 

「違う違う。ホントは嫌だったんだが…お前に話があってな。ちょっと借りますよ〜」

 

「あ、おい!!」

 

近藤さんは幸村さんを連れてその場を離れてしまいました。なんだか嵐のような人でしたね。

 

「と、とりあえず気を取り直して…写真撮りましょうか」

 

「ハヤトは待たなくていいの?」

 

「いつまでもここにいたら他の人の邪魔になる。仕方ねぇよ」

 

「幸村さん…」

 

◇◇◇◆◆◆

 

「なんだよいきなり」

 

近藤に連れられ人が少ない場所にやってきた。相変わらずの馬鹿力だ。真田といい勝負が出来そうだね。

 

「少しばかり真面目な話だ。お前、近江隊って知ってるか?」

 

「近江隊?お兄さんそういうのは知らないなぁ」

 

「まあ半グレ集団だ。ヤクザとも繋がりがあるなんて言われてる関西で有名な奴らで、この前お前のとこに行ったのもその下っ端だ」

 

「は?アイツらが?そんなヤバいところなの!?」

 

俺のところに来た、ということは五月ちゃんと二乃ちゃんが家出してた頃、そしてクリスマスに俺に喧嘩しかけてきた奴らだ。

 

「アイツら、俺を痛めつけた後にお前の事を聞いてきてな。俺は何も喋らなかったんだが、下の奴が喋っちまって……それでお前のとこに行っちまった。すまねぇ」

 

「なんだって俺のところに…喧嘩なら真田の方が強いでしょ…」

 

「お前の『無敗』ってのに興味を持ったんだろうな。どのみち真田のところにも行ったと思うぜ」

 

「お兄さんの無敗ってのは勝てそうな奴だけ相手した結果なんだけどね。で、その半グレ集団がどうしたって?」

 

「近頃また動き始めたみたいだ。お前狙いだ」

 

俺狙い。まさか一夜の喧嘩がここまで大ごとになるとは。俺としては五月ちゃんとの約束もあるし喧嘩はもうしたくないんだけど。

ここで俺はある事を思い出した。

 

「……もしかしてだけど…五月ちゃん、いや五つ子のことも向こうは」

 

「恐らくな。お前らが奴らの狩り場に入り込んだ以上、十中八九狙ってくるぞ」

 

「…… 五つ子達が京都駅に着いた瞬間から盗撮されてるらしい。そのタイミングから…いやそれより前から…」

 

「関西で幅きかせてる連中だが、顔は広いだろうな。もしかしたらそっちの生徒にも知り合いがいるかもしれん」

 

どうする。このまま先生に『半グレに狙われてるから修学旅行を中断してくれ』なんて言うか?言えるわけねぇてばさ。いや安全面を考えたら言うべきなんだろうけども。

 

「はぁ……とりあえず教えてくれてありがとさん。あとは俺がなんとか「そう言うと思ったぜ。俺は頭が良いからなぁ」

 

「なんだよいきなり気持ち悪いな」

 

「どうせお前のことだ。1人でなんとかしようと思ってるんだろ。安心しろ、お前達には指一本触れさせん。俺の舎弟たちがおはようからおやすみまでお前たちを守ってやる!」

 

「………は?なんで?」

 

「元はと言えば下の奴がお前の居場所を奴らにチクったせいだ。責任は俺にある」

 

ゴリラは見た目からして強そうだが、実際には繊細な一面を持っている穏やかで優しい動物なのだ。

近藤も見た目は本当にゴリラでコワモテだが、本当に優しい男だ。ホント頼りになるよ。

 

「ありがとな近藤」

 

「まあ!?俺は優しいからな!?こうして俺が活躍することであの美人姉妹たちと仲良く…ぐっふふふふ…」

 

「バカゴリラ」

 

◆◆◆◇◇◇

 

「シャワー空いたよ。先頂いてごめんね〜」

 

「では次は四葉がどうぞ」

 

「うんそうする〜。うぅ、下着までグッショリ…」

 

修学旅行2日目はいきなりの大雨でホテルに引き返すことになりました。ホテルに着いた時点で16時。晴れるまで部屋で待機とのことでしたが、これでは今日はこのままホテルで過ごすことになりそうですね。

 

「本当ラッキーだったわ。あんなに雨降るとは思わなかったもの」

 

「天気予報だと晴れだったのに…」

 

「雨男雨女がいるかもね。あれ?五月ちゃん、その下着…」

 

「こここここれは違います!身の丈に合わないので捨ててしまいます!!!」

 

なんという失態!濡れた服を片付けていたら、この前買った下着を一花に見られてしまうとは…!

 

「ちょっと〜何よこの下着〜」

 

「五月、大胆だね」

 

「ち、違うんです!これは、その〜!とにかく違うんです!!」

 

「何が違うのよー。これ着てユキ君誘惑しようとしてたんじゃなぁい?」

 

「そ、そんな破廉恥なこと…破廉恥なこと……」

 

つい想像してしまった。幸村君はこの下着を見てどんな反応をするのか。

 

「ゆ、幸村君はそんなこと言いませーーーん!!」

 

「お兄さんがどうかした?」

 

「ギャーーーーー!!!!!?」

 

「うるせぇ!!」

 

背後から声をかけられて思わず叫んでしまいました…一般のお客さんもいるのに恥ずかしい…

 

部屋にやってきたのは幸村君と上杉君。2人ともジャージ姿ですね。学級長とその付き添いでしょうか。

 

「五班全員いるな?30分後に2階の大広間に集合だ」

 

「コース別体験教室の説明だって。コースもそこで決めるらしいよ」

 

「確か5つのメニューから選んで各地に赴くんだよね。2人はどこにするの?」

 

「お兄さん達はEだよ。まあベタだけど映画村って楽しいしね」

 

うんうん、と三玖が頷いていますね。幸村君はEコースですか……

 

「私たちもEにしちゃおうか?最終日はみんなで遊ぼうよ」

 

「お前なぁ…体験学習は遊びじゃないんだぞ?」

 

「まあまあ、2日目がこんなことになったんだし。明日ぐらい遊ばなきゃ」

 

「ったく…とにかく30分後な。遅れるなよ」

 

念を押しながらお二人は部屋を出て行きました。コース別体験教室……実はあんまり考えていませんでした。というのもどれも同じぐらいの興味しかなく…『ここに行きたい!』と言った場所がありませんでした。

一花がEにしようと言ってくれたのは正直助かりましたね。あのままだと30分ずっと頭を悩ませることになってました。

 

「勢いで言っちゃったけど、Eでよかった?」

 

「別に構わないわ。元からユキ君が行く場所を聞いてそこにしようと思ってたし」

 

「私も。DかEで迷ってたから」

 

「私も大丈夫です」

 

「四葉は?大丈夫?」

 

「う、うん大丈夫だけど……2人とも行ったよね?」

 

脱衣所から恐る恐る顔を覗かせる四葉。家だとたまに全裸で出て来ますからね。そう考えると危なかったですね…

 

◇◇◇◆◆◆

 

「おや?幸村さんじゃないですか!」

 

ホテルのロビーで寛いでいると見知った顔がこっちに歩いて来た。

 

「これはこれは中野さん家の四葉ちゃん。もしかして風太郎の手伝いしてた?」

 

「前みたいに体調崩してほしくありませんから。幸村さんは……何飲んでるんですか?」

 

「センブリソーダ。体に良さそうな味してるよ」

 

「美味しいんですか!?」

 

「美味しくはないってことだよ」

 

興味本位で買ったのが不味かった。色んな意味で。ただ捨てるのはなぁ。微妙に高かったし。

 

「明日は楽しみですね映画村!」

 

「今日が途中で帰って来た分明日で取り返さないとね。四葉ちゃんは映画村初めて?」

 

「それは──」

 

その時だった。

小さくシャッター音がした。

 

「幸村さん?」

 

「……もう夜も遅いから早く部屋に戻りなよ」

 

「は、はあ、分かりました」

 

シャッター音がした方に小走りで向かう。しかし人の姿は無かっ……いや見つけた。非常階段に向かう姿がバッチリ見えたね。

こういうの見られたら後から怒られそうだなぁ……まあいいか。

 

「……さあ追いかけっこの時間だ。にしてもどこまで上がるつもりだ?」

 

非常階段に響く2人の足音。向こうも俺が追いかけてるのは分かってるはず。それでも足音は焦ってるようには感じない。

やがて盗撮犯が非常階段を出た。そこは修学旅行に来ている他の学校が泊まっているフロアだった。

非常階段を出てフロアを少し歩いてみる。今のところ人の姿は見えない。てか他校の生徒がここ歩いてるのも問題か。

 

「うーん、流石にリスクが高いか…」

 

「おい」

 

「ッ!!」

 

不意に声をかけられ今月最大級の驚きものの木。従業員か学校の先生か生徒か。いずれにしてもいい状況とは言えないな。

 

「って、幸村じゃねぇか」

 

「え…真田!?ってことはここに泊まってる学校ってお前のところだったのか!」

 

意外も意外、まさか知り合い(真田)にエンカウントするなんてね。安心というかなんというか。

 

「何やってんだお前」

 

「あー、なんというか…人探し?的な?」

 

「もしかして、こいつか?」

 

真田が後ろを指差す。そこにはノビている男子生徒がいた。

 

「…んーーと…どうした、これ?」

 

「ああ、非常階段からいきなり飛び出してきやがったから、危ねぇだろ!って少し小突いたらこのザマだ」

 

弱い。弱すぎる。凄かったのは逃げ足だけだったのだろう。

 

「非常階段から出てきたってことは、そいつが探してる奴だね。そっちの生徒?」

 

「ああ。名前は知らねぇけど顔は見たことあるぜ。コソコソしてるような奴だ」

 

「なるほどね。実は──」

 

俺はここまでの経緯を真田に説明することにした。もしかしたら助けになるかもしれない。

 

「ハッ!近藤(あのゴリラ)腕まだ治ってねぇのかよ。にしても近江隊か。面倒なのに絡まれちまったな」

 

「やっぱり面倒なのか……てか知ってるんだ」

 

「規模はデケェな。日本各地にメンバーがいるなんて話も聞くしな。コイツもその1人だろ。ウチの学校はバカと喧嘩好きの集まりだから、近江隊みてぇなのに憧れるんだろ」

 

「ホント嫌になっちゃうわ〜……よし、データ消せた。ガッツリ京都駅に着いた時から撮ってるわ」

 

「盗撮なんてカスみてえなことしやがって。あとで体にしっかり教えこまねぇとな」

 

これで盗撮案件は解決か。まあそれはそれとして、下っ端とはいえこの旅行中に俺が近江隊のメンバーと一悶着あったってなったら、何かしらの動きがあるかな。

 

「そういや近藤の奴が手貸してくれてるんだったな。俺も手伝ってやる」

 

「え?いいの?こっちが地元の近藤と違ってそっちは修学旅行中でしょ」

 

「まあセンコーも適当なところあるしな。問題起こさなきゃ大抵のことは目瞑ってくれる」

 

それでいいのか教師たちよ。コイツを自由にすると問題起こすよ?

 

「んー、まあそう言うなら、手貸してくれ真田」

 

「貸し一にしといてやるよ」

 

「はいはい、心優しい真田様にお兄さんは涙がほろほろこぼれそうだよ」

 

◆ーーーーー◆

 

修学旅行最終日

 

長いようで短かった修学旅行も今日が最後。というより人によっては人生で修学旅行ってのもこれで終わりなのか。そう思うと少し寂しいな。

 

「Eコースはこっちよ。出発するわよ」

 

「お前らいるか」

 

「いるよ」「いるぜ」「いるけど……五つ子は?」

 

「あ?そういや全員Eにするって言ってたな……あ、三玖だ」

 

出発間際、五つ子の姿が見えないことに気がついた。風太郎が見つけた三玖ちゃんも少し不安そうな顔をしていた。

 

「三玖、他の奴らは」

 

「フータロー…それが……」

 

三玖ちゃんが携帯の画面を見せてくる。姉妹達のグループトークだった。

 

二乃『ちょっと!?Aコースになってるんだけど!!

三玖『え?私はEだけど』

一花『私はなんかDコースになってた』

四葉『わたしはBになってる!!Eって書いたのに!!』

五月『私もEと書いたのにCコースになっていました。先生に聞いて用紙を確認させてもらったのですが、何故かCに書き直されていました』

 

「書き直されてた?まさか先生がやったのか?人数調整のためにか?」

 

「可能性としてはあるけど、その時は生徒に一言声かけると思うよ。勝手にやったらそれこそ問題だし……となると…」

 

近江隊。いきなり仕掛けてきた可能性があるな。

 

「はー、ほんとヤになっちゃうわ」

 

早速昨日作ったグループに連絡を入れる。

ケケケ…こっちがタダでやられると思うなよ関西の半グレ共め…!




修学旅行、別の意味で雲行きが怪しくなってきました。
原作でも修学旅行の次のイベントが文化祭なので実質クライマックス突入目前なんですよね。

なのでここからは隼人と五月の2人きりの場面なんかを増やしていきたいです。

次回は、喧嘩!バトル!
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