社会人として働くようになった途端に時間が取れなくなったため大幅に遅れてしまいました。すみません!!!
沈んでいる意識が浮上する感覚がする。
誰かに背中を押し上げられている。
それが誰なのかを振り返る間も無く、俺の意識が鮮明になっていく。
「……眩しい」
その鬱陶しいほどに明るい朝の陽射しにうんざりしながら俺は重い瞼を開ける。
視界に嫌というほど主張してくるのは、二か月経ってようやく見慣れてきたトレーナー寮の社宅の一室だ。
ベッドの上から仕事机を見やると、慣れては来たがそれでもキツイですと言葉にせんでも伝わる山積みの書類。
正直言って師匠から聞いていたものより圧倒的に必要な書類が多すぎるわ。泣き言の一つや二つ言いたいぞこちらは。
と戯言を吐き連ねたとて身体が満足に動けるはずもない。
何せ――――
「この筋肉痛じゃあそもそも動けないな……」
昨日の無茶な併走もとい公開処刑をしていたんだ、尚且つ、
腕に意識を向けるが、思うように動けそうにない。
どうしたものかと行き場のない悩みを考えていると、玄関から響くノック音。
「トレーナー?起きてるかしら?」
聞こえてくるのは自分の担当ウマ娘であるキングの声。
もしやと思い何とか首を横に傾けると、
「……入るわよ?」
そう言って彼女は当然の様に玄関の鍵を開けて入ってくる、なんで彼女が俺の部屋の鍵を持っているのかを聞くのは野暮というものだろうから気にしないことにしよう。
ワンルームのリビングに入ってきたキングと目が合って一瞬安堵の眼をしたかと思えば
「何よこれ!書類だらけじゃない!なんでこんなに残ってるのよ」とカンカンおかんむり、まぁ日頃の不摂生のツケだから仕方なし。
俺は何とか身体を起こそうとしたがやっぱりと言うべきか、キングに寝てなさいと布団に戻されてしまった。
どうしたものかと思案している横ではキングが呆れながら差し入れで買ったであろうミネラルウォーターをコップに入れているのが目に映る。
「……ごめんなキング、わざわざ来てくれて。学校もあっただろう?」
「ええ、先生には連絡して許可は貰っているわ。……貴方が起き上がれなくなるほど疲労を溜めさせた原因は私だもの、責任取って面倒見るに決まってるでしょ?」
そう言いながらキングは俺の身体を起こしてくれた。
「この感じだとさっき起きたばかりなんでしょう?まだ動けないみたいだし」
面目ない、と俺はキングに苦笑混じりに言うと、キングはさっき入れたコップを俺が飲みやすいように口元に持ってきて言う。
「ほら、ポカリよ。ゆっくり飲むのよ」
キングに零さないようにしてもらいながらポカリを飲むとカラカラだった喉が潤ってきた。
「ありがとうキング。目が覚めたら動けなくなるほど疲労が溜まっていたとはね、これで済んだと言うべきか…」
「全くよ。貴方丸一日以上眠っていたそうよ?」
…待て、丸一日だと?
「…待ってくれ、寝る前の記憶はあのレースして日の夜までしかないぞ。待てよ待てよ……、そして昨日は俺は出勤だったはずなのに丸一日寝腐ったと?」
俺が恐る恐るキングに問う。
「安心なさい。流石にあんなレースしてしまった以上、特例で昨日今日は指定休にしたってたづなさんからの言伝よ。それと『そろそろ
ありがとうたづなさん。おかげで無断欠勤にならずに済んだ……それはそれとして、確かあの辺に……
「ありがとうキング、それとそのあたりの書類に君のデビュー戦の紙があるから持ってきてくれないだろうか?」
「あら、遂にこの私のデビュー戦が来るのね!……どこかしら……あったわ!」
キングに取って来てもらった紙はちゃんとデビュー戦の出走表が書かれている。
「…舞台は京都レース場、芝1600m、15人で行うレースになる。日時は前にも話したと思うけど十月の始め頃。今は六月の頭だから、このまま調整すれば今のキングなら問題なくデビュー戦の勝利は間違いないよ」
「ええ、このキングヘイローが貴方に勝利を授かる権利をあげるわ!」
気合もあり髪の艶もいい、言葉通りに絶好調らしい。
関心していると少しずつ体が動かせるようになってきたし、明日からまた出勤できそうだ。
「気合十分か、これなら大丈夫そうだな」
「そうね、そして貴方は今日一日は安静にすること!続きはまた明日ね、トレーナー!」
そう言ってキングは近くの机に予備のミネラルウォーター等は冷蔵庫に入れたと言って部屋を去っていった。
今後深堀りしてほしい話は?
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勇の親父の現役時代の話
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勇の幼少期
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砥山トレーナーとミホノブルボンのお話
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勇のトレーナー養成学校時代
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サンちゃん(サンデー)の話