ポケットモンスターSPECIAL 原作ブレイクトロフィー取得RTA 作:よくあるこった 気にすんな
熱中症で数日動けなくなりました。皆さんもこまめな水分補給を行って充分に対策をしましょう。
カントー地方オツキミ山──とある人物たちが繰り広げられたバトルの爪跡が所々残っており、このバトルの激しさを物語っていた。
そんなお月見の戦いの跡地にとある男が赴いていた。がたいがいい身体を漆黒のスーツに包み、その胸元には何かのエンブレムと'R'の文字が入れこまれているその男は、戦いの中心地となったのであろう1つの大きな穴の前で1人呟く。
「あれほどの実力を持っていたレッドでもこれか…」
そう呟きながら穴の暗い奥底を覗くと、そこには行方不明となっていた第9回ポケモンリーグのチャンピオン──レッドが全身氷漬けとなっていた。
男は目的の物を見つけたのか、氷漬けとなった彼の元へ穴を下っていく。ポケモンのワザで作られたこの雑な穴に降りるような道などはなかったが、彼は器用に危なげなく降りていく。10分ほどで穴の底まで辿り着いた彼は、氷像となっているレッドに向かって軽く叩いてみる。氷の像はかなりの硬さを誇っており、生半可の実力では溶かすことなど出来ないレベルとなっていた。
だが彼はそれに動じることなく、手元から1匹のポケモンを繰り出した。それは彼が持つポケモンの中では多彩のワザを使うことができるポケモン──ニドキングが気力充分の姿で登場した。
「私もあの時彼女の攻撃で凍らされたが…あの時に比べたらこの程度なんてことない」
この男も2年前にあったとある戦いで全身氷漬けにされた過去があるが、その時はたまたま戦闘で出していたポケモンのほのおタイプのワザによって何とか氷漬けから脱することができた。その時の氷の強度に比べたら、この目の前の氷像から彼を救うことなど容易いことだった。
「ニドキング、ほのおのパンチ!!」
そう指示を受けたニドキングは左手に高温の火を灯し、氷像の背中に向かって殴りかかった。高温の一撃を食らった氷像は、それを受けた場所から少しずつ溶けながらヒビも入り始める。それを見た男は満足気な表情を浮かべながら、ニドキングへハンドジェスチャーで指示を送る。
それを受けた彼のポケモンは、放った拳に更に力を入れて再度殴りかかる。その一撃によって氷像の背部は砕け散り、凍っていたレッドを中から救うことができた。
「…レッドを救うことは不本意だが、今のカントーを襲うヤツらを倒すにはコイツの力は必要だ」
そう言って彼はスーツの中から何個かの進化の石と、1つのスプーンを手に取り、意識が完全に覚醒しきっていない彼に何かを伝えようとしたその時、彼らの頭上に大きな鳥ポケモンの影が現れる。
それは水色の体毛に身を包み、近くにいるだけでもかなりの冷気を感じる伝説の鳥ポケモン──フリーザーの姿と、その背に乗る橙色の髪に黒い服に見を包んだ1人の少女がいた。その少女を見た彼は、驚きから目を大きく広げながらも、冷静に彼女に向かって声をかける。
「まさかここで会うとはな…久しぶりとでも声をかけておこうか?」
「まさかアナタがここに駆けつけるなんてね、サカキ…」
「フン、オレとて今のカントーで動き出しているヤツらが面白くなくてな…それにはコイツやキサマのような戦力が必要なのだ」
「ふーん…それよりもその子、返してくれ「姉さ────ーん!!」ん?」
「なんだ…!?」
救い出したレッドを彼女に託そうとした彼らの元に、彼女やレッドよりも一回り背が低く、赤い長髪の少年が、ヤミカラスの足に捕まりながら姿を現した。
彼はかなり高い位置から飛び降りて彼女の前に着地する。その彼の姿を見たサカキは驚きながら、現れた少年に声をかける。
「その姿はまさか…お前は、シルバーなのか?」
「「え?」」
……
その頃マサラタウンから無理矢理ピカを連れて旅に出ていったイエローは、トキワの森でマサキや対峙したカントー四天王の1人であるこおりタイプの使い手であるカンナを難なく撃退し、タマムシシティ郊外でレッドに扮した四天王側から送り出された刺客である理科系の男、アキヒトとの対決を終えたところであった。
カスミやオーキド博士たちからレッドの知らせなどを受けた他の正義のジムリーダーたち(カツラも加わって4人)もこの場に集まり、レッドに化けて近づいたアキヒトをイエローとともに追い詰めようとした。だが、イエローの容赦ない戦術(レッドに扮したことにキレてどくのこなをおみまいしようとしたことは止めたが)を前に、彼らの出る幕はなかったようだった。
ピカ対策としてレッドの絶縁グローブから得た電気対策によって彼はピカを完封することはできていたが、残念ながらこの時空の彼女は対人に対しては容赦することはなく、むしろ憧れであるレッドに化けたことにキレすぎたため、容赦などなかった。
「…ウフフ、痺れた状態でこうされるのはとても怖いよね?」
「や…やめろ!か、身体が痺れて」
「おっと、動いちゃ駄目だよ〜。少しでも動いたら…ラッちゃんの前歯で穴が空いちゃうかもね〜」
「ヒ、ヒィィィィィィ!?」
濁った瞳で足元に倒れる彼を見下しながら、彼女はレッドのことを知ろうと脅しにかかる。彼の頭部近くには彼女の手持ちの1匹であるラッちゃんこと、ラッタがその自慢の鋭い前歯を見せつけ、主人の命令1つですぐにでもその頭部に風穴を空けることができる状態だ。
見た目はまだ幼い少女にしか見えない彼女がなぜこれほど容赦のない実力を身に着けているのか。それをこの場に揃った正義のジムリーダーたちは、誰も想像もつかないようだった。
彼が繰り出したガラガラに対しても、彼女は申し訳ない表情で、手持ちのシードラ──シーちゃんのハイドロポンプによって一撃で落とされてしまった。そのためガラガラの骨にパラスの各種粉系のワザをかけて繰り出す連携技を使うことができなかった。しびれを切らして残りのペルシアンとパラスで挑もうとしたが、バタフリーのしびれごなでトレーナー本人がマヒ状態になってしまい、この状況になってしまったようだ。
あまりにも容赦しない彼女に警戒しているとはいえ、彼らもレッドに関しての情報を知りたいので、彼女がやり過ぎないように一步下がった位置から見守っていた。
「…わ、わかった!は、はやく言うから!」
「なら早くはいてよ。ボクも待てないんだからね?」
「うぅ…数日前にあるババァがそこのピカチュウを捕まえたら多額のお礼をくれるって言って現れたんだ!」
「おばさんがピカを?」
「あ、あぁ。そのためにお前たちの情報を置いていったりしたから俺も…うわぁ!?」
「な!?身体から煙が?」
彼が情報を吐き始めたその時、彼の体から薄暗い黒色のガスが発生し、彼の身体を包み込んでいきそのまま締め付けていく。
このままでは情報を吐く前に彼が殺されてしまう──それに対して彼女は素早く指示を出して対処しようと動き出す。
「ぴーすけ、あの煙をふきとばせ!」
手持ちのバタフリーにふきとばしを命じて、そのガスを吹き飛ばそうと試みる。だがその高威力のふきとばしをもってしてもそのガスを彼の身体からふきとばせなかった。だが、そのガスの中心から出てきた、正体を露わにすることはできたようだ。
「あれは…ゴース!」
「よし、あそこまで正体が現れたのならガーディの熱風でふきとばせ…」
「…傷つけてごめん!シーちゃん、みずてっぽうでつらぬけ!」
ガスの正体であるゴースをジムリーダーたちが対処に動こうとするも、それよりも早くイエローがシードラを出してその核となっている本体をみずてっぽうで撃ち抜いていく。
核を撃ち抜かれたゴース本体はそのまま地面に伏し、ガスに包まれた彼もそれから開放され意識を失った。
このままではレッドに関しての情報を得られないと思わず舌打ちをするイエローだが、倒れた理科系の男の衣服を分析するカツラによって、レッドがオツキミ山で挑戦状を送った人と戦った可能性があることがわかった。
それが分かって動き出そうとした彼女たちの前に、1人の少年が姿を現した。
「…お前がおじいちゃんたちのところへ来たというイエローか」
「「「「グリーン!」」」」
「おじいちゃん?…オーキド博士のことですか?」
「あぁ…どうやらしびれごなで酷い目にあったと手紙には書いてあったからな。だから俺もお前の実力を測らせてもらおう」
「うぅ…バトルは嫌いですが、あなたもボクの邪魔をするんですか?」
「邪魔などではない。お前がレッド捜索の戦力になるかの見極めだ」
そういうとグリーンは彼女に対してモンスターボールを構える。それを見た彼女は苦い顔をしながらも、先程出していたバタフリーを側に寄せて臨戦態勢を取る。
それを見て多少は戦う意志があると受け取った彼もボールから繰り出し勝負を仕掛けていった。
「いけ、ストライク!でんこうせっかだ!」
「は、はやい!ぴーすけ、ねんりきで…」
繰り出されたストライクは素早くバタフリーの懐まで飛び込み、そのスピードのまま突撃を敢行する。イエローもねんりきを指示して対応しようとするもそのスピードに追いつけず、バタフリーもそれにのまれてワザを使えなかった。
もちろんこれを逃すグリーンではない。彼もポケモンリーグ準優勝者だ。レッドに次いでの実力は伊達ではない。
「その勢いのままつばさでうつ!」
「ぴ、ぴーすけ!!」
「さすがグリーンだ…」
「フン…やはりポケモンバトルの実力はまだまだだな」
「強い…けど、負けない!しびれごな!そしてふきとばし!」
そのまま効果バツグンのワザであるつばさでうつをおみまいして一気に優位にもっていく。その流れるような動きにジムリーダーたちも流石の一言だが、イエローも負けられない。
オーキド博士や先程の理科系の男にも食らわせたしびれごなの拡散コンボを指示する。これなら並のトレーナーは初見で対処することはほぼ不可能だ。
だが目の前のトレーナーはその並の域の実力ではない。カントーではレッドの次に強いと言われた男だ。こうなることを想定してか、彼はすでに別の手を打っていた。
「ポリゴン、俺たちを囲むようにトライアタックを使え!」
「あ、あれはマチスの…!!」
「トライアタックのバリアー!?」
自身が纏っていたマントの内側に潜ませていたポリゴンを出すと、トライアタックによるバリアーを使ってしびれごなを封じていた。
これはロケット団幹部で現クチバシティジムリーダー、マチスがレアコイルに指示して使っていたワザを元に開発した応用だ。グリーンのようなバトルセンスを持つトレーナーが使えば、レアコイルのように分離してトライアタックを発生させることなどせず、ポリゴン1匹で再現可能だ。
これでイエローの策は封じられてしまい、彼女も打つ手はなくなっていった。イエローはあくまでポケモンが傷つくポケモンバトルは好きではない。それを見抜いた彼女の師匠でありイエローをこのような状態にした元凶は、自身が得意とするトレーナーを封じさせるという手を徹底的に叩き込んだ。なので彼女はその手の戦闘スタイルに自身はあったが、ここまで実力差があると、それは上手く発揮されなかった。
「…誰にその戦い方を教わったのか知らないが、その程度の実力では奴らに太刀打ちなど出来ない」
「な…そんなこと…」
「お前の容赦なくトレーナーを仕留めようとする冷徹さは俺でも真似できない…だが、所詮それだけだ。ポケモンバトルの実力、いや、実践経験が少ないからか?」
「う、バトルの回数は…」
「そこまでポケモンを傷つけたくないのならバトルの回数は少ないはずだな…」
グリーンが指摘した実践経験の少なさ―これは彼女の師匠も本人がバトル嫌いなこともあってかそこまで行うことがなかった、イエローに足りないものの1つだった。彼女が極力ポケモンを傷つけたくないという考えを尊重してのことだったが、師匠本人はもう少しバトルの経験も必要だとは考えていたが、そこまで行えるほどの時間が、師匠も彼女にもなかったのが現実だ。
だが、彼らは知らない。彼女の奥底に眠る力を。それが、彼女の師匠がこの四天王たちとの戦いで必ず必要となると踏んだ最後のピースだと。
「それでも…それでもボクは…」
「…今から実力をつけるにしても到底間に合うレベルではないぞ?それを分かっているのか?」
「分かってる…それでも、レッドさんをアイツラから取り戻したいんだ!だからボクは…負けない!!」
「口だけなら…なんだ、このプレッシャーは!?」
そう啖呵を切ると、イエローと彼女のポケモンたちから謎のプレッシャーが放たれる。それはこれまで押されていたバタフリー然り、彼女の手持ちのポケモンであるラッタ、ドードー、シードラたちも、今まで以上の圧を放っていた。
これにはグリーンも顔から冷や汗を垂らしながらも、自身が持つポケモン図鑑を開いて相手の状況を把握しようとする。
「ヤツの手持ちのポケモンのレベルがどんどん上昇していく!?」
「…レッドさんは必ず取り返すんだ。そのためならボクだって負けられない!」
これが彼女が持つ力―トキワシティ出生の者が10年に1人の確率で持つといわれるトキワの森の力の効力だ。本来ならこの時点でここまで覚醒することのなかった彼女の実力は、ここで開花する…が、勝負は意外な形で終わりを迎える。
「ちょーっと待ったぁ!」
対峙する2人の間に現れたのは、イエローと同じくらいの年齢のように見える2人の男女だ。黄色い帽子にゴーグルを付けた少年と、黒髪を赤いゴムでまとめた2つ結びの髪型の少女で、彼女の腕の中には緑色の鳥ポケモンを抱いていた。
急に現れた2人の存在に不意を突かれたのか、バトルを中断してしまった。その僅かな隙をついて、ガラの悪そうな少年と付添の少女は、背中のバッグから何かを取り出してイエローの元へ走り出す。
「悪いっスけど、姉貴から頼まれてるんでちょっと付き合ってくださいッス」
そう少年が告げると同時に、手に取っていた何かを地面に投げつける。それは地面につくと同時に辺り一面に煙幕を発生して視覚を奪うけむりだまだった。
煙幕に覆われたイエローとその手持ちたちを含めた彼らに警戒するよう、グリーンは再びストライクを先頭に立たせる。
合流してきた2人の少年たちが何をしてくるかはわからないが、この状況を黙って待つほど彼は甘くなかった。神経を集中させ、視界を妨害されている目の前の相手に向かって、彼は指示をする。
「……そこだ!見えない敵を切り裂け!ストライク!」
グリーンの指示に応じて目にも留まらぬ早さでストライクは煙幕を切り裂く。グリーンがタンバシティでの修行の末に手にした超感覚は、たとえ姿が見えなかったり、素早く動き続ける相手に対してもワザを当てれるほどで、目の前の煙幕なんかで隠れた相手に当てることなど彼にとっては難もないことだった。だが…
「……逃げられたか」
煙幕が晴れて視界がハッキリとしたその場には、誰一人もいなかった。イエローの手持ちを含めてだ。グリーンはそう呟くと、ジムリーダーたちにあることを告げる。
「…今はヤツとピカのことはしばらく放っておいて大丈夫だ」
「なに?」
「オーキド博士とブルーを攻撃してまでピカを連れ去った子なんですよ!?アナタはそれでよろしいのですか?」
「実力がないやつに渡されるよりはマシだ…それにヤツはレッドを倒した相手に立ち向かうなら、これから俺が向かう場所でもヤツと鉢合わせるだろう」
「え!?それってまさか…グリーンは敵の本拠地を知っているのか!」
そうタケシに言われるグリーンは静かに頷く。彼はこの騒動よりも前に一度、四天王の1人と退治した経験があった。その時から彼らの本拠地を調べていたが、特に攻め込む理由にはならなかった。
だがレッドが行方不明になり、そのレッドに成りすました男についていたゴーストタイプのポケモンからして、彼は今回の首謀者の居場所を以前調べた場所だと判断した。
「だがこれはオレやブルーが向かう」
「え?戦力は多いほうがいいんじゃ…」
「やつらの目的がハッキリしない以上、ジムリーダーたちは自分の町で待機していた方がいいだろう。戦力ならそこにオレンジに声をかけるつもりだから大丈夫だ」
「オレンジ…あの子ですか…」
「あぁ。アイツには
そう伝えると、彼はリザードンを出してその場から飛び去っていく。夜空を移動しながら、彼はポケットに入れていた携帯電話を手にすると、そこに送られていた1つのメールを開く。そこには地図が貼られている簡素なものだったが、彼にはそれだけで把握することが出来た。
(シロガネ山か…)
目的地に記された場所を目指して、彼はリザードンの速度を上げて全速力で向かっていった。
1章が終わりますが…
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はよ2章のトロフィー分を書けや!
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オレンジちゃん時空の2章以降を書けや!