「うーん・・・どうしよう。」
私、河城にとりは悩んでいた。
これ以上機会をいじるな!と、天魔様直々に言われてしまったからである
確かに行き詰ってたからいいんだけどさ・・・。
「私が開発しなきゃ誰が開発するのよ」
そろそろ開発の助手が欲しいところではあるので人里に依頼を出してはいるのだが、一向に受け主が来ない。
まず、依頼を受けてくれる人がいないのだ。
妖怪の山に来る人間なんて、滅多にいないだろう。
「やっぱり人里じゃなくて盟友にお願いしたほうがよかったかな?」
私は盟友、霧雨魔理沙を思い浮かべる。
だが盟友が手助けをしてくれるイメージが思い浮かばない。
「はぁ・・・」
そんな感じでため息をついていると、玄関のチャイムが鳴った。
チャイムは幻想郷に広まってないので普通にノックか蹴破って入ってくるやつが多い。
「はーい、今行きまーす・・・・」
そういって、私は玄関に向かって扉を開ける。
「すいません、依頼の内容を教えていただけますか?」
そこにいたのは、人間だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
取り敢えず機械の指導をする。
人間の盟友には機械がわかるのか不安だったが呑み込みが早くて助かった。
盟友はまるで機械を知っていたかのように、作り始めた。
何を作っているのか、聞いてみた所。
「禁則事項です」と言われた。
何が禁則事項なのかはわからないが、そのままにしておいた。
すると、一日かけてできたのは、全自動胡瓜製造機1号だった。
私たち河童の夢であった、全自動胡瓜製造機を作ってしまったのだ。
「どうやって作ったの!?」と、問いただしても「秘密!」としかかえってこなかった。
それからは楽しかった。
胡瓜を食べて、パーティーをして、開発をして、とても充実した生活だった。
あの白狼天狗、犬走椛があんなことを報告しなければ・・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「天魔様、侵入者です。」
私、犬走椛は天魔様に緊急報告をしていた。
「どのようなものか」
「下駄をはいて、黒みのかかった銀髪、白い着物を着た人間のようですが、妖力が滲み出ているのでただ者ではないかと」
その報告をした瞬間、天魔様の顔が真剣になった。
「今すぐそのものを連れてこい。」
私は驚いた。
「いえ、天魔様、その者は河童のにとり殿の住居で開発作業を手伝っております。」
「今すぐひっ捕らえてこい。椛、烏天狗たちにそう命令をだせ。いますぐだ。」
天魔様が、怒っているのが妖力で分かったので、文さんにお願いをしたら驚きと焦りでよく分からないうわ言を呟きながら文字通り飛んでいった。
よく分からないけど大変なことをしてしまったようだ。
ごめんなさい、にとりさん。
後で侵入者さんと一緒にご飯でも奢ります。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「そろそろかな…」
盟友がなにかを呟いていたが、聞き取れなかった。
「どうしたの?盟友?」
「いや、それがな…」
私は何故か嫌な予感がした。
「そろそろ天魔様にバレちゃうからここに来るのは今日で最後にしようと思って…」
嫌な予感が的中した。だが、何故天魔様にバレたらいけないのだろう。
私は疑問に思ったが、今はそんなことを考えている暇はない。
「嫌だよ!盟友とは、もっと一緒にいたいよ!」
私は我が儘を言ってしまった。
これでは嫌われてしまうではないか。
そんなの嫌だ。
でも、言ってしまった言葉は戻ってこない。
無かったことには出来ないのだ。
盟友は困った顔をすると、説明してきた。
「実は、僕は記憶喪失なんだ。覚えているのは自分の名前、能力とその効果、そして知識そのぐらいかな。あと、俺の種族は…いや、言わない方がいいな。兎に角、俺は外の世界から来た。今の所、住む場所がないので博麗神社に御世話になっている。で、そこに住んでいる巫女と式鬼に妖怪の山には行くなって言われてた。でも、依頼状が有ったからには俺は行きたかった。そんな俺の我が儘にあいつらは答えてくれた。で、今に至る。」
…知らなかった。
盟友が住んでいるところ、事情、友人関係、それらが一気に知れた。
だが、私は盟友の名前を教えて貰えていない。
私は、何故か、この人の事を全て知りたくなっていた。
これは…一体何だろう。
胸がドキドキして、彼と離れると胸が苦しくなる。
だから、一緒にいたいと願う。
それは、自然だ。
だが、人間と妖怪で種族は違う。
住む場所も、食べ物も、性質も、全くもって違う。
でも…私…今…この盟友に…
「だから、帰らせてもら…あ…」
扉が開いた。
そこに居たのは沢山の烏天狗達だった。
なぜ?どうしてだ。私は分からなかった。
このとき初めて、天狗社会を恨んだ。
この時初めて・・・・・・・・・・・・・・・・・・天魔様を恨んだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うぉーい、どうしよ
河童の(可愛い)女の子と一緒に機械で遊んでたら、大勢の天狗の気配がしたので帰ろうとしたらその女の子に泣かれそうになって、困ったけど背に腹は変えられないと思い出ていこうとしたら烏天狗に捕まりました。龍輝です。
いや、もう何なの?これ、ルーミアと霊夢に殺される可能性大だぞ?
縄は一応力ずくで外せるぐらいの強度。
天狗は三十人か。
楽々撒けるな。
と、言うわけで、フン!
縄をほどいてにーげるんだよー!
「こら!まて!逃げるな!」
天狗が追いかけてくるが遅くないか?
もう、追われる身にもなってみろ…虐めたくなるだろ…
と、言うわけで遊んでみる。
充分に惹き付けて、避ける!
ゴスッと音がする。
ありゃまぁ、これは痛い。
木の幹に皆々ぶつかる。
あーあ、これ、どうしよう。
「やっと見つけましたよ…龍輝さま…」
え?何々?誰々?
「私との約束を覚えていますか?」
えー?
「いや、すまんが俺は…「そうですか、では、天魔様のところへ連れていきますね。」えー…」
結局のところ、捕まらなければいい話だ。
こいつは俺の事を知っているみたいだが、俺は覚えてない。逆に言うと今は夕方、つまり霊夢とルーミアに怒られてしまう。
ならば…
「バイバイ」
そう伝えると、全速力で妖怪の山から逃げ出した。
「えっ!?は、速っ!?」
遠くから声がしたがお構い無し。
次の瞬間には博麗神社に着いていた。
危ない危ない。
飯抜きにされるところだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「そうか、侵入者を逃がしたか…」
報告を聞くと天魔様はさらに機嫌が悪くなった。
「すいません、天魔様…少し質問よろしいでしょうか?」
射命丸文さんが恐れながらも聞いた。
「質問を許そう。」
「では、失礼して…なぜ、あの方は此処に来たのでしょう。天魔様とも、顔を会わせずに…」
あの方とは…一体誰の事を言っているのか、私には分からなかった。
「あのバカ兄は記憶力も良いし器量もある、寿命ですらないと言っても過言ではない。なぜ、私達の所に来なかったのか。それが問題だ」
うーん…って!ちょっと待った~!
「天魔様!あの侵入者は!天魔様の!兄上様なのですか!?」
「そうだが…知らなかったのか?」
「知るもなにも天魔様はなにも言わなかったではありませんか!さぁ!教えてください!あの侵入者は…あの方は何者なのですか!」
私が怒って尋ねると天魔様は、ふふんと言う風に笑い、教えてくれた。
「椛も聞いたことがあろう。あの鞍馬の山にすむ、あの大天狗様のことを」
勿論だ、その話は母上からも聞いたことがある。
天狗にとっては有名で、珍しい話だ。
曰く、その天狗は人を好く。
曰く、その天狗は陰陽術の祖である。
曰く、その天狗は最強である。
そう伝えられているあの方、鞍馬天狗様。
天魔様と、争い、負けたと言われる天狗の祖でもあり、敗北者だった。
「それがどうかしたんですか?」
私は疑問に思った。何故、今その話が出てくるのか。
「実はその話はウソが混じっている。」
うそ…
「人を好くとか、最強とか…ですか?」
そう聞くと天魔様は首を振った。
「いや、私が勝ったと言うこと事態が、間違っているのだ。」
「というと?」
「私が勝ったんじゃない。私が負けたんだ。兄者に」
天狗に伝わるお伽噺に、嘘が入っていたと言うことになる。
「兄者が、私の部下に陥れられたんだ。勿論、その者はこの山から追放した。」
そう言って一度言葉を切り…
「だから、私は兄者に謝りたい。そう言うことだ。」
そう天魔様は、仰った。
「天魔様、1つだけ方法が有ります。」
文さまがひとつの提案をした。
「にとりさんが外出した時に後を付ければいいのです。にとりさんはあの方の事を慕っております。なので、明日にでも、彼のところに向かうでしょう。」
「全ては明日決まる、と言うことか。よし、分かった。にとりは既に外出届を貰いに来ている。しかも、明日だ。烏天狗達に付けさせよう。」
そう言って、天魔様はにっこりと笑った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
俺が神社の縁側で涼んでいると、河童の(可愛い)女の子が来た。
「盟友…ごめんね。」
何でこの子は謝っているんだ?
「君が僕に何をした?なにもしていないだろうに…」
「盟友が捕まったのは私のせいでしょ…」
あぁ、そう言うことか。
「別に君のせいじゃないよ。僕としてはあいつらは弱かったから遊んであげた、それだけだよ。」
そう言った瞬間、河童の(可愛い)女の子は抱きついてきた。
「本当に?」
おいおい、上目遣いは反則だよ。
「本当だよ」
すると、女の子は泣き出してしまった。
「あんた、何やってんのよ…」
おっと、霊夢が来てしまった。
「いや、抱き付いてこられたからあたま撫でてるだけだよ。」
すると、霊夢はもっと不機嫌になった。
「あっそ、じゃ二人きりで楽しみなさい。」
そう言って行ってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「居ました。博麗神社です。」
私は能力を発動させて彼を探す。
そして見つけた。
「では、河童が帰ってから作戦を実行するぞ。」
「「「はっ!」」」