悪役は敵足りうるか 作:プロポリパレン
意識が浮上する、死んでいない?
「──これは」
「ああ良かったー! 薬の場所も聞かずに倒しちゃって焦ってたんだよね」
近くから男の声、ワタシが選んだヒーロー、広範囲殲滅に長け、蟲を全て倒せるヒーローの中で最も可能性が高かった者
「………………」
「で、薬の場所を教えて貰えると助かるんだけど……どう?」
「6本ある避雷針の中央、地下2m程の位置に埋めてある……落雷が直撃しても問題ないように絶縁体で覆ってあるから安心しろ」
ワタシは、いや、私は、まだ生きていた、身体は炭化していたし感覚も遠くなっていたが、人を摸した物じゃなく、ヴィランとしてじゃあなく、ボロボロになった人として生きていた、なら、
「ここかな……地面掘るのは面倒なんだけど……まあヒーロー因子のおかげで身体能力上がってるからいいか」
「ボルト」
「あったあった、試験管に入ってるのか……何?」
「─────」
「……ヴィランの最期の言葉なんて、覚えてろか悲鳴でいいんだよ、インセクター」
もう、そこにヴィランはいなかった
「……なんか辛気臭くなっちゃったな、とりあえず特効薬は手に入れたし任務完了って事で、晴天の霹靂使って身体中痛いし、帰ろう」
──────────
「……ってな訳でこれが回収してきた特効薬になりまーす」
ヒーロー事務所に帰ってきて回収した特効薬を提出した、多分これを分析して本物かどうかチェックするんだろう
「ありがとう、ヒーロー[ボルト]、これで一つ目回収完了だ、これが有効なら、あとはファーストを、待つだけとなる、休憩していてくれ」
間違ってたら他のところなんだろうから結局僕にできるのは待つことだけでしょ、多分違う気がするしね、インセクターからは破滅願望みたいなのを感じたし、そんな奴にローグの計画(どんなものかは知らないけど)の鍵は渡さないだろうからね
「りょーかい、それじゃ仮眠してマース」
晴天の霹靂はめっちゃ疲れるんだよなぁ、体がまだ痛い……行きは雷と同化して一瞬だったけど帰りは薬を持ち帰らなきゃだったから徒歩だったし
などと考えながら仮眠室へ向かう途中、新人くんを見つけた
「んん? そこに居るのはリトルミダスかな?」
そう僕が呼んだのは最近サイドキックになったミダス君
「俺はリトルミダスじゃなくて黄金王(キングオブゴールド)です! って、げ! ボルトさん……」
げ! とはなんだげ! とは、と言いつつ絡みにいく
「あの人の部屋に向かってるってことは、君も位置情報送られてるの? 大丈夫?」
「大丈夫ですよ! なんたって俺は天才ですから! それに……」
「サンドマンのサイドキックなんだから、って?」
「言葉の先読みしないでくださいよ!」
「ごめんごめん、まあ頑張ってね、そこにいるヴィランは手強いかもしれないからさ」
さすがに助言くらいはしておこうかな、インセクターも、相性が無ければ勝てたか怪しい……まてよ? なんであいつは、あそこに全部集めて……ッ!
「あ、ちょっとごめん、急用思い出した、あの人はまだ部屋いると思うから頑張ってね!」
仮眠室なんて行ってられない、考えをまとよう、インセクターは虫を操作するヴィラン、姿を現す前は虫の生体反応しか無かったってことは虫としてバラけられるって事だ! そして最後にあいつはなんて言った!?
「インセクターの目的は、暴れることなんかじゃない……?」