本当ならこんなの書く暇があったらシンフォギアの方書けって話なんですけど、◯ou◯ubeで家庭版BLAZBLUE全作品のシナリオ見て、気づけば書いちゃってました。
両作品の知識としては、「BLAZBLUE」はシナリオ全般とぶるらじ、「リリカルなのは」は二次創作作品のみで、両方共通しているものとして◯iki◯ediaがあります。
プロローグ
そこは、地面と空の境界すら分からないほど真っ白で──しかし見上げれば、雲の隙間から青い空が見える静かな空間。その空間に唯一存在する物体──複雑な紋様が描かれた巨大な門へと向け、一人の男が歩いていた。
男が門へと近づくと、門の前に誰かが立っていることに気づく。
そこにいたのは、結い上げた青紫の長い髪が目立ち桜色の派手な着物を着崩すように身に纏った、歌舞伎に出てくる女形のような青年。
彼の名は『アマネ=ニシキ』。彼らのいる世界を異なる視点から見守る存在──『傍観者』と呼ばれる者だ。
「あんたか…」
「──見せてもらったよ、『お前さん』の舞。見事だったよ」
「そうかよ…」
話しかけてくるアマネに対し、彼の言葉の意味をいまいち理解できていない男は呆れた様子で答える。そんな男に、アマネはここに来た理由である情報を伝える。
「安心しな。"タカマガハラシステム"に『お前さん』の情報は何も残っていないよ」
「──手間かけさせたな」
「良いってことよ!見事な舞の礼さ」
満足そうな顔で答えるアマネに、男は少しだけ笑みを浮かべ──すぐに真剣な眼差しを向ける。
「──なら後はあんただけだな。『傍観者』」
そう言って男は、見せびらかすようにして自らの右手を持ち上げる。
「まったく残念な話だよ!あれ程の舞を記憶に留めておけないなんてね…『
少し残念そうな表情を浮かべたアマネだったが、すぐに真剣な表情へと変化させると男にそう問いかける。
すると男は、穏やかな顔で答えた。
「みんなの『
男はそう答えながら、自らの右手を見つめる。
男の右手──正確に言えば、右腕を象っている魔道書──には、他者の生命力を吸収し、宿主に無尽蔵の魔力と生命力をもたらす能力を持っているのだが、力を上手く操作することで、他者の『記憶』を喰らうこともできるのだ。
男はその特性を利用し、ここに来るまでに多くの人々の記憶──『
元々この魔道書は男が最初から持っていたものではない。とある理由で右腕を失った男に、後付けで取り付けられたものなのだ。
いくら無尽蔵に魔力や生命力が増やされようとも、器である宿主の
実は服で見えてはいないが、既に男の右半身は魔道書に侵食されて漆黒に染まっており、アマネと話している間にも右目から瘴気が漏れだしている。
「過去、現在、未来に、あまねく広がる『可能性』という名の希望──これ程大規模な世界の再構築は見たことが無いよ…これが真なる蒼──『
呆れたような、感心したような声音でこぼしたアマネの言葉に、男は
「違うよ。俺の力でも、蒼の力でもない──あいつらの『
男が笑みを浮かべながら答えると、巨大な門がゆっくりと開き、まばゆい光が彼らを包み込む。
それから数秒後、門が閉じて光がおさまると、先程までいた男達はすでにおらず、その場に残されたのは一振の大剣のみ。
こうして、蒼の男──『ラグナ=ザ=ブラッドエッジ』は、その世界から
「──ん、んぅ…?」
肌を撫でる優しい風と鳥のさえずりに、1人の少年が目を覚ます。
目を覚ました少年が最初に見たのは、年代を感じさせながらも綺麗に清掃された木製の天井。少年は少しの間、どこか懐かしく感じるその天井を眺めると、ゆっくりと身体を起こす。
彼のいた部屋は、白を基調とした壁に囲まれており、置かれていた家具は木製の勉強机とクローゼット、壁に取り付けられた暖炉に自分が眠っていたベッドだけと、いたってシンプルな備え付けだ。
机の隣には開かれた窓があり、そこから外の風と優しい日の光が差し込み、白いカーテンが風に揺らされている。
「ここは…
目を覚ました少年は、寝惚けた頭で見覚えのあるその景色を眺めて──そして意識を急速に覚醒させていく。
(何がどうなっていやがる!──オレは確かに、あの門を通って"蒼"に接続して、オレの持つ魔道書の中で精錬した皆の『
完全に目を覚ました少年──ラグナは、あまりにも理解しがたい状況に片手で頭を抱え──そこでようやく違和感に気づく。
(なんかオレ、背ぇちっちゃくねぇか?)
一般の男性と比べて高身長であったはずの彼の視点が、妙にベッドと近く感じる。さらには──半袖の先から見えている右腕を見て、ラグナは驚愕する。
(『
今の彼の右腕は、失くなった腕の代わりとなっていた魔道書の漆黒ではなく、白みがかった肌色をしていたのだ。
しかもよくみれば、その右腕はかすり傷一つなく筋肉も未発達な状態。幾度の死線を越えてきた者の腕とは到底思えない。そして何より──大人というにはあまりにも腕の
(もしかしてオレ、縮んじまってる!?)
そう──185
あまりの出来事に理解が追い付かないラグナだったが、そこで突如、彼の頭の中に一つの仮説が浮かぶ。
「今までのことは全部、オレが見てた夢だったってのか…?」
今までのことは全部夢で、今のこの状況こそが現実。それならば説明がつくかもしれない。
しかしラグナは、すぐにその可能性を否定した。
人一人が一夜でみる夢にしてはあまりにも物語が広大すぎるし──なにより彼自身が、あれが夢だと思いたくなかったのだ。
(つっても、このまんまベッドの上で考えてるだけじゃ、なにも分かりはしねぇよな)
ラグナは一度考えるのをやめると、ベッドから降りて部屋の中を散策してみる。
学習机の上を見れば、昔は全く理解することができなかった見覚えのある表紙の本がいくつも立てられており、窓縁から外を眺めれば、木苺採りや水汲みなどでいつも通っていた教会の玄関へと続く土の道が少しだけ見え、その道の両端に生えた草原と奥に見える木々の葉が風で揺れている。
(──ホント、懐かしいっつーか…あの頃と変わらねーていうか)
そんなことを思いながら、最後に残ったクローゼットに手を伸ばし──ギリギリのところで取っ手を掴み、ゆっくり戸を開くと、目の前に何やら四角いものが落ちてきた。
「ぅおっと!」
いきなりのことにラグナは驚きつつも、素早い反射神経で落下してきたものをキャッチする。
ラグナが掴んだ拳大の物体は、クローゼットの内側などに取り付けられている小型の鏡だった。どうやら立て付けが悪かったところを、ラグナが開いたことで外れたらしい。
無事受け止められたことに安堵の息をついたラグナ──だったが、その鏡に映ったものをみた瞬間、時が止まったかのように固まった。
鏡に映ったのは勿論、ラグナ自身。しかしそこには、弟妹と同じ金髪緑眼──ではなく。
まるで色素が抜け落ちたような真っ白な髪に、左目が翠色で右目が緋色のヘテロクロミア──つまり、彼が魔道書を移植された後の外観だったのだ。
誰に認識されることもなく、大切な人達を護るために一人孤独に世界を救った『全世界の敵』ラグナ=ザ=ブラッドエッジ。
新たな生を得た彼は、この世界の『敵』となるか、はたまた『英雄』となるか、それとも──『勇者』となるか。
とりあえず、この作品は筆休めというか気分転換というか、そんな感じで書いたものなので現時点では続けるかどうかは決めてません。
ただ、設定とかは無駄に作り上げちゃってるので、次はキャラ設定をあげるかもしれません。