◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい?   作:電脳図書館

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第十一話になります!・・・早いとこ原作に追い付きたいがそれまでにやりたいことが多すぎる(白目)


異界攻略とお悩み相談

オニとモムノフの中規模混成部隊が異界内を移動している。当然だが誰一人として油断するものは皆無、異界内の他の悪魔、外から来た霊能者が個人或いは集団で襲って来た時に備え警戒を怠らない。互いの死角を埋める様に注意深く周囲(・・・・)を隈なく索敵の目を光らせる。そう、あくまで彼らが警戒しているのは周囲(・・・・)のみ・・・だからこそ距離が離れた上空から放たれる攻撃には気づけない。上空のアズールは氷の様に冷徹に自らが最も得意とする魔弾を狙撃銃に装填し、発射する【コンセントレイト】【氷結プレロマ】【初段の賢魔】【二段の賢魔】【龍眼】【マハブフダイン】。狙撃銃といえでも魔銃と魔弾にその常識は通用しない。マハ系の魔法を弾に込めればそれは狙撃銃からグレネードランチャー、狙撃から爆撃へと銃撃の種類は変化する。

 

殺気すら感知出来ない遠方からの魔弾が着弾する氷結の冷気が部隊を包み込み、これだけで半壊するほどの被害が出ているが、部隊の混乱を鎮めようとリーダーのモムノフが指示を出し混乱を鎮めようとする。

 

「リーダーみっけ」

 

ニヤリと笑うと俺も仕事をする為に駆けだす。事前に掛けた補助魔法と装備、聖槍でブーストされたスピードに【初段の猛速】【二段の猛速】【物理アクセラ】でさらにスピードを増強させ隠れていた茂みから駆け出す。そのスピードは嘗て今の聖槍の元になった天閃の聖剣を所持していたフリードを優に超えるスピードで混乱している敵部隊の合間を縫い、聖剣モードで敵リーダーに【チャージ】【物理プレロマ】【物理サバイバ】【コロシの愉悦】【武道の素養】【初段の剛力】【物理アクセラ】【貫通撃】 のスキルを発動し、攻撃を加えリーダーとその周囲にいた数人のオニとモムノフの首を斬り飛ばす。

 

「な、貴様!?」

 

「集団の頭から先に落とすのは常道だろ?あと俺だけに注目してていいのか?」

 

「何?」

 

まだ頭が回っていない部隊を笑って注意を引き付けていると彼の背後から命が飛び出してくる。

 

「動きを封じさせて頂きます!【マハグライ】!」

 

魔法で起こした重力でダメージを与えると共に動きを封じてその後をスパルトイ、桜花が千草の弓の援護を受けて春姫の【ウチデノコヅチ】でのレベル上昇で向上した攻撃力で【脳天割り】を発動する。

 

「はぁ!!」

 

それを受けた元々手傷を負っていたオニは倒され、スパルトイもモムノフ二体を【チャージ】【物理プレロマ】【暗夜剣】で仕留める。これでこの部隊は壊滅したが、これで終わらないのがこの異界の厄介な所だ。

 

「っ!皆さん来ました!」

 

高い木の上から弓を放っていた千草が気づき別の部隊が来ていることを知らせる。この異界は特に部隊同士は仲間でもないくせに頻繁に増援が来るのだ。よって速攻が望ましい、次に対処しやすいからだ。

 

「さぁ頼むぜうちの最強戦力」

 

既に俺達の上空にはアズールが戻って来ていた彼女に抱えられていた折紙が補足した敵部隊に向けて魔法を放つ。【コンセントレイト】【万能プレロマ】【万能サバイバ】【初段の賢魔】【二段の賢魔】【三段の賢魔】【メギドラ】

 

「吹き飛べ」

 

一瞬の燐光が光り輝きこちらに向かっていた部隊を文字通り消滅させる。神木家の最大戦力(戦術兵器中学生)は今日も健在のようだ。

 

「やはり何度見ても折紙殿の殲滅力は凄いですね・・・最初は最大戦力と聞いて驚きましたが納得ですね」

 

俺の隣に命が来ると魔法スキルを使うことが出来るからか自身との差を理解出来たのだろう。

 

「中学生が最高戦力とか兄としても情けないけど実際こと殲滅力ならレベル以上だし回復、補助もしてくれてるから足向けて寝られないな」

 

まぁ一緒に同じベッドで寝ているから足向けるも何もないけど。勿論ある程度連戦も行っているが休憩を取る時などは、援軍を一度一気に殲滅して他の部隊に気づかれない様にしている。要するにあれである。

 

「よし皆、夕食だ!!」

 

飯の時間だ!!!

 

 

身を隠しやすい森、その中でも夕方までいくつもの部隊と戦い悪魔達の行動ルートから外れているポイントを選んで今夜の野営を行う。幸いこの異界は動植物共に外と変わらない生態系らしく川辺に拠点を立てれば水と食料は問題ない。今は料理が出来る組である俺、命、千草、春姫で料理を作ることになった。他の者達は食器を並べなどをしてくれている。因みにスパルトイは身体が骨なので飲み食いはしない為周囲を警戒してくれている。

 

「三人共調理が上手いな」

 

「料理は教養で学んでおります」

 

「私はくノ一としての各所に潜入する時など家事が出来た方が便利ですので」

 

「え、えっと私は・・・花嫁修業です。はい」

 

「花嫁修業?・・・お相手はいるのか?」

 

「え!?」

 

相手はいるのかと聞いて見るとめっちゃ動揺している。ふむふむこれは気になる!

 

「で、相手は誰よ」

 

「ええ!?そ、それはその・・・」

 

「「桜花さん(殿)です」」

 

「ふぇ!?命ちゃん、春姫さん!」

 

そっこーでバラされて顔赤くしている千草に俺達は笑ってしまい、同胞である命と春姫にはポカスカと可愛く拳を振るって抗議をしていて俺もちょっと睨まれてる。そんなこんなで比較的和気藹々の空気で調理が終わり夕食の時間となる。因みに今夜のメニューはジビエは任せて置けということで猪のシチューだ。猪は臭みもあるが上手く解体及び肉の処理をしたり、途中で採取したハーブや俺が持ち込んだ香辛料で臭みを消している。前世の祖父こと爺さんに教わった料理だが今世では初めて調理する事になったが中々の出来だ。流石異界で生き残っていた猪、身が引き締まっていたな。お陰でお肉は食いごたえがありながら柔らかく表面を軽く焙ってから煮込んだので肉汁も噛めば溢れて来る上質な肉だ。これ以上となると人が飼育している個体くらいなものだろう。

 

「おお、美味しそうですな!」

 

「・・・ジュルリ」

 

「折紙、涎出てるぞ」

 

アズールが折紙の涎をハンカチで拭いているが好評で何よりだ。

 

「三人の補佐があったお陰さ」

 

「いえいえ、解体から肉の処理や臭み消しまで知らないことが多かったので勉強になりました!」

 

「うんうん!」

 

「狩りになれている様子でしたが誰から教わったのでしょうか?」

 

「昔(前世の)爺さんに少しな」

 

「なるほどお爺様直伝でしたか」

 

少し喋っていたら折紙が限界そうだったので、実食となったが味の方も喜ばれたようで何よりだ・・・モグモグ。うーんやっぱ俺には爺さんが調理したシチューの方が上だと感じるな。隠し味とかないはずなんだけど年季の差かね?

 

食後はスパルトイも戻ってきてローテで見張りを交代しながら就寝となる。まぁ折紙が結界を張っているのでレベル以下の悪魔は近づけないしあのレベル詐欺パラメーターのお陰で折紙以上のレベル(天使の力不使用時のレベル換算)でもある程度までなら全力で攻撃しても尚無傷という理不尽な仕様なので必要かは正直疑問だが訓練ということで納得するか。あ、ちゃんとテントは男女別なのでご心配なく、折紙が俺達のテントに来そうになったがアズールに抑えて貰っている。

 

「それにしても素晴らしい結界ですね・・・まるで機械の様に一部の隙もない」

 

「本人にも言ってやってくれ。自慢の妹だよ」

 

今夜の俺の見張り番は春姫と一緒なのだが結界のお陰もあり互いにお茶を啜りながら雑談に興じている。

 

「はい、勿論です・・・はぁ私は折紙様の様になれるのでしょうか?」

 

「うーん、春姫は【ウチデノコヅチ】から考えて補助魔法の方が得意そうだが?」

 

「それはそうですが・・・攻撃魔法や結界以外にも補助魔法もこなせるではありませんか。私もせめて得意分野くらいはと思っているのですが」

 

なるほど、自分の苦手な所だけでは無く得意な分野までそつなくこなす年下の折紙を見て情けなく思っている様だ。うーん何て言うかな、ぶっちゃけ高位天使の転生体だからと言えば全部解決するんだけど現状折紙の正体はネオベテルの転生者達、あとはイリナ達を含めた所属している一部の現地人しか知らされていない為それを言う訳にも行かんしなー。

 

「そうだな、確かに現状では【ウチデノコヅチ】以外は折紙の方が上だろう」

 

「・・・そうですよね」

 

「でも折紙も完璧って訳じゃない。あいつ範囲火力は凄いけどその範囲がデカすぎて偶に俺達巻き込まれて死に掛けるからな」

 

「え、そうなのですか!?」

 

「ああ、細かい調整が苦手なんだよ」

 

やはり元天使と人間では感覚的に違う所が多いのだろう。折紙曰く幼い頃はコップ持ったら粉砕してたらしいし。

 

「それに春姫にはさっき言った固有スキルがあるじゃないか。その練度を高めたり派生させたりやれることは多いさ。というかちょっと贅沢な悩みだぞ!」

 

「ひや!?すみません!」

 

頭をワシャワシャと撫でてやると暗くなっていた顔も少しはマシになったようだ。ただ恥ずかしがっているだけかも知れんが。

 

「皆自分には何が他人より出来るのかなんて分からない方が普通さ、自分以外に出来ないことがある俺達は恵まれてる方だし更にそれが自分のやりたいことと合致するなら尚のこと幸運だ」

 

「自分の・・・私のやりたいこと」

 

「春姫は誰かを支える方が好きだろ?それくらいは今日初めてあった俺でも見てて分かる」

 

「好きかは分かりませんが、やりがいは感じています」

 

「ならそれを伸ばして行けばいいさ。自分の出来ること、好きなことをな。勿論命のやり取りをする仕事に就いている以上仲間に配慮する場面もあるだろう。でも幼馴染のあいつ等に今更遠慮は失礼ってもんだ。信頼しているならきちんと話せば受け入れてくれるさ。春姫もそうするだろう?」

 

「命ちゃん達が相談して来たらですか。そうですね私なら受け入れると思います・・・私も頼っていいんですね」

 

後半は小声だったが恐らくそこが肝だったのだろう。幼馴染だとはいえ身分差があり実力も一番低い、頼ると迷惑を掛けてしまうという先入観があったわけか。

 

「あ、すみません狩谷様すっかりお悩み相談みたいになってしまいまして」

 

「気にしないの戦友の悩みを聞くくらい普通普通。それに割と慣れてるしな」

 

前世も部下や同僚、上司の悩みを良く聞いたもんだ。俺は話しやすいのかね?

 

「まぁもし何か思うことがあるなら将来さっきまでの春姫みたいに悩んでいる奴が居たら話だけでも聞いてやってくれ。それだけでもそいつは楽になるだろうから」

 

「・・・はい!」

 

笑顔で返事をする春姫に少しだけ手の掛かったかつての厄介な部下達の姿を重ね合わせて、月光に照らされながら再び他愛もない雑談に興じるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「やはりおかしい」

 

同じ月光に照らされている折紙はテントを抜け出して外に出て霊脈、龍脈を調べていた。

 

「一神教・・・いやメシア教の術式のせいで変質している?少なくともただの異界ではない」

 

嫌な予感を感じ取るが今回は放置を選択した。"カリヤ"の成長に繋がると考えたからだ

 

「もっと強くなって貰わないと・・・私の目的の為にもまた(・・・・)飲み込まれない為にも」

 

折紙とて自ら義兄と称する人間を愛していない訳が無い。しかしその愛は人間に寄ったとはいえやはり天使基準の愛なのだった。




読了ありがとうございます!ちょっぴり天使の側面が出た義妹。これから度々こういうことがありますのでご容赦の程を

【ヤタガラス組のレベル】

桜花:Lv11
命:Lv10
千草:Lv8
春姫:Lv4

尚現在は全員レベルアップしていますが異界を攻略完了する頃にはさらにレベルが上がるのでこれは突入時のレベルになります。最終レベルは最後に纏めて表記すると思います。
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