◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい?   作:電脳図書館

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第十七話になります!次回からは新章に入ります


異界行脚

十香の師匠役引き受けて数日。取り敢えず扱う武装は魔剣なので剣術と身体捌きや受け身を取りやすくするために体術の基礎を教え込んだ俺は週末に折紙と共に十香と新しく仲魔となったロスヴァイセとバフォメット、ついでにライネスとルヴィアを連れて小規模の異界に来ていた。修行ついでに二体の悪魔の性能調査も兼ねている

 

「真東と北西より悪魔の小集団接近中。ご注意を」

 

「聞いての通り追加だ!というか、ちょっと増援タイミングが早くなってないか!?」

 

「まだ全滅しきっていませんのに!トリムマウどれくらいの時間で接敵するか分かりますの?」

 

「あと約5分後でございますルヴィア様」

 

「おお、それではこの集団を早く倒さなければ!でも中々にタフだぞ」

 

「レベルが高めなのと物理耐性がある悪魔だからね、他の相手も耐性持ちや弱点の属性がバラけている者ばかりだし手強い敵だ」

 

今現在十香とついでにライネスとルヴィアも修行に巻き込んだ。ライネスの礼装である水銀のゴーレムメイドであるトリムマウが異界の悪魔達に囲まれている。無論これも特訓の一つなのだがいざという時の為に少し離れた所で待機している。

 

「どうだ折紙、この異界の運用は」

 

「乗っ取りは問題ない。根を張る訳ではないから即席の接続でも異界内の悪魔を誘導することくらいは可能」

 

この異界のボスは事前に俺達が討伐済みだ。まぁ適正レベルが十香達よりそこそこ上程度なので余裕でぶっ飛ばせた訳だがそのあと消滅するはずだったこの異界を折紙が乗っ取りMAGのラインを接続することで異界を維持、運営している。本来なら多少の儀式がいるのだが折紙の力をもってすれば短期間であれば即席でつなぎ止められるのだがら器用なものである。

 

「それにしても本当に暴走の気配がないな。ただ出力は今の十香が扱える程度まで落ちてはいるが・・・ペルソナに何らかの制限でも掛かっているのか?まさか俺にビビってる訳でもあるまいし」

 

「やはり狩谷様に発現した固有スキルが関係しているのでしょうか?」

 

「確か"二つ"発現したのだったな、どちらだ?」

 

「恐らく文字化けしている方だろうな。もう片方の内容は分かってるし」

 

俺の疑問に答えたのは同じく待機しているロスヴァイセとバフォメットだ。最初に気づいたのは折紙なのだが片方は名前と効果共に読み取れたのだが、もう片方は文字化けしていて効果も読み取れなかった。折紙曰くまだ完全に発現しておらず特定の条件でなければ発動出来ないからだそうだ。その制限も分からなかったりするのだけど・・・おっと

 

「次に来る一団はちょっと今の乱戦下で相手取るのはちょっと厳しいな。ロスヴァイセ、バフォメット排除してくれ」

 

「お任せを」

 

「良かろう」

 

ロスヴァイセは一礼をし、バフォメットは不敵に笑うと迎撃に向かった。ボス戦のときに力を見せて貰ったが戦闘のデータは多い方がいいしな。

 

「先に我が数を減らすとしよう【呪殺プレロマ】【マハムド】!」

 

「「「「「ぐは!?」」」」」

 

「ふむ、即死も合わせて半数は仕留めたか」

 

呪殺の力で一団の半数を沈めると共に残った敵にもダメージを与えている。残った敵を漸く二体を視認して反撃を加えようとするが

 

「あとはこちらが、すでに準備は終えています!

 

「あとはこちらが!【初段の賢魔】【二段の賢魔】【原初のルーン】【火炎プレロマ】【氷結プレロマ】【電撃プレロマ】【衝撃プレロマ】【マハラギオン】【マハブフーラ】【マハジオンガ】【マハザンマ】!!」

 

「「「ゴオオオオオ!?!?」」」

 

消費MP削減、複数同時詠唱、威力増強など様々に応用が利く【原初のルーン】で複数の広範囲同時攻撃による飽和攻撃を行う。・・・やっぱり火力に特化し過ぎてないか?

 

「悪魔の使役も板に付いて来た」

 

「そうか?ただ仲魔に恵まれただけさ。造魔のアズールは勿論、戦士のスパルトイ、元々主人に仕えるように生み出されたヴァルキリーのロスヴァイセ、バフォメットは・・・何故か俺の身体は竜・龍だけではなく邪神とも親和性が高いから問題無くコミュニケーションが取れたからな」

 

「そう・・・いずれにしても戦力が増えるのは言いこと。特に大きい作戦の前は」

 

「恐山か、探偵組は別組織だから中野区から出撃するとしたら俺達と教会組になるな」

 

「あとは協力関係のヤタガラスも参加する可能性が高い」

 

恐山の状況が等々やばくなって来たので上層部が介入する準備を進めているという話は聞いているので、そう遠くない内に召集が掛かると掲示板で噂されている。

 

「命達がさらに強くなってくれてると助かるな。俺達のレベル上げもやりたいが、何でか格上倒さないとレベルがほぼ上がらんしなー」

 

「・・・でも幸い固有スキルのお陰で多少はマシになるはず」

 

「だといいが、おっと終わったようだな」

 

双方の戦場とも敵を殲滅し終えた様でこちらに戻って来る。十香達は息も絶え絶えだけど

 

「皆ご苦労さん、そんでもって総評だが・・・まず十香だがペルソナのコントロールは問題ないな。その分火力などは落ちてるがそこはレベル相応ってことで。ただ大技を無駄に連発しなかったのはよかったが遠距離攻撃が有効なタイミングでも接近して斬る癖があるな。遠距離攻撃手段があるならそういう戦法の切り替えも頭に入れとけ、そうすれば後半見たく体力や気力不足の息切れも大分抑えられるはずだ」

 

「なるほど・・・切り替えか。節約術みたいなものか?」

 

「そうそう、戦闘も経営も節約が大切だからな。でもってルヴィアはお前達三人の中で総合力はトップだな魔術師は近接戦闘が苦手な者が多いがプロレスを基礎とした格闘術で其処ら辺を克服しているのは素晴らしいし、宝石魔術を用いた遠距離戦との使い分けもいい。強いて言えば多少の狡猾さがあれば文句はないんだが」

 

「一流は正々堂々と敵を打ち破るものですわ!」

 

「そんな奴の家が何で『地上で最も優美なハイエナ』とか言われるんですかねぇ?」

 

「何事も例外はあるものです」

 

「まぁ堂々とそう言えるなら大丈夫そうか」

 

十香とやけに堂々としているルヴィアに指摘する所を指摘した所で・・・三人の中である意味一番問題のライネスの評価に移る。

 

「えっとライネスだけど・・・いや、うん参謀みたく作戦とか立てたり攻防や索敵も出来る優秀なゴーレムのトリムマウの操作は見事だったけど・・・本体が雑魚過ぎるな」

 

「ありがとうございます」

 

「ざ、雑魚とは言ってくれるじゃないか!というかトリムマウ否定してくれ!」

 

「いや雑魚だろ。単純な魔力弾しか撃ててないし、トリムマウと分断されたら普通に死ぬぞ?」

 

「そ、それは・・・そうかも知れないが!」

 

「だが安心しろ。魔術は一朝一夕には行かないがきっちり武術を教え込んでやるからさ」

 

「いや待ってくれ!君の武術の鍛錬は十香が文字通りぶっ飛ばされて気絶させられては回復して起こしてさらにぶっ飛ばして身体と魂に刻み付けるものだったはずだが!?」

 

「え、そうだけど。なぁ十香?」

 

「・・・ら、ライネス、空は青いし地球は丸いぞ(震え声)」

 

「やっぱり怯えてるじゃないか!?思いっきりトラウマになっているぞ!」

 

ぎゃんぎゃん言ってくるライネスを無視しつつ、新しく仲間になった二人に向き直る。

 

「バフォメットはデバフ系のスキルもあるから単純にパッシブスキルを増やして火力の底上げ、ロスヴァイセは・・・ちゃんと補助スキルと防御系のスキルを取れ、種族としての防御力だけに頼るんじゃありません!折紙に教われ」

 

「ふむ、火力か」

 

「はう!?わ、分かりました。折紙さん願いします」

 

「了解」

 

ロスヴァイセが頭を下げて指導を頼むと折紙は真顔でピースという初見では中々威圧感のある返し方をした。俺には可愛く見えるけどな、胸を張ってる感じで

 

「ま、まぁ取り敢えず今日はこの辺りで」

 

「お、通信だ。そっちはどうだ?」

 

『こちらも準備は完了した。いつでもいいぞ』

 

COMPの通信機能でアズールの通信機から連絡が来る。本人はしゃべれないから通話相手はスパルトイとなる

 

「OK!折紙次が準備出来たって」

 

「了解、この異界を消滅させて次の異界に転移する」

 

「「「「「え?」」」」」

 

「ん?ああ、スパルトイとアズールは事前に【トラポート】で飛ばして次に行く異界の攻略をしてもらってたんだ」

 

そういうと何故か新人仲魔と探偵組の顔が凍り付く。あれ?

 

「次・・・ですの?」

 

「そうだぞ?ちょっと大きな仕事がありそうだからそれまでに色々仕込みたいからな。それまで平日は放課後、休日はがっつりやるぞ。幸い小規模な異界なら最近ぽこじゃ出来てるから特性の違う異界や悪魔の対処が出来るぞ!」

 

「「「お、おお・・・」」」

 

「た、大変ですね」

 

「う、うむ精進するといい」

 

探偵組がさらに頭を抱え出した。トリムマウは変わらずすまし顔なのだから見習って欲しいものだ。

 

「あとお前達二人はスパルトイ達と一緒にネオベテルからいくつか依頼された高レベル異界に行くぞ」

 

「「え?」」

 

「折紙が異界に居ればいいからな。俺はフリーだし、それに度々戻って指導するから心配すんな」

 

「私とカリヤは念話での会話と新しく視覚、聴覚の共有が出来るようになったからカリヤの指摘を私経由で伝えられる」

 

「で、ですがそれでは狩谷様の固有スキルの効果が・・・」

 

「大丈夫!事前に試したらちゃんと効果出てたから」

 

「事前に試す・・・あ」

 

『まぁ・・・そういうことだ』

 

「だってこの方法なら俺達全員をレベル上げ出来るだろ?あと効率的だし(効率廚)」

 

「急速に力を付けたいならこれくらいしないと無理、それに異界潰しも出来る。あと効率的だから(天使特有の機械的思考)」

 

「「「「「えぇ・・・」」」」」

 

皆の頭の中にはスパルトイとアズールが疲れた顔をしたように聞こえたらしい。あと何か引かれた

 

「はいはい、小規模の異界だから攻略後は直ぐ崩壊するからさっさと向かうぞー!」

 

「異界とのライン切断。【トラポート】」

 

「了解しました狩谷様」

 

「「「「「え、あちょっま!?」」」」」

 

崩壊が始まった異界から折紙の【トラポート】で転移する。折紙とトリムマウ以外からは文句を言われるが構わずレッツラGO!だ

 

 

 

脇巫女ネキと狩谷の指導方針に明確な違いはない。同じくスパルタ方式な為似通っている部分が多く、レベルと技術を双方鍛えることが大切だとしている。強いて違いを上げるなら脇巫女ネキは相手の限界以上の難題を与えときには死ぬ確率が高い修行を課して、逃げ出さなかった者の限界を確実に大幅に突破する。狩谷は相手が許容出来ないギリギリのギリギリのギリギリのギリギリを見極め試練や修行の難易度をそこに合わせて調節することで脱落者を"一人も出さず"成長を促している。この手法で大幅に限界を突破するのは相手の資質に左右されてしまうが修業を受けた全員の限界の突破することが可能だ。この二つの手法はどちらが優れているという訳でもなく前者は少人数をぶっ飛んで強くする、後者は大人数を大幅に強化して全体の平均値を底上げする。狩谷の指導方針は前世の経験が大部分を占めているので現代社会の教育に置いてなるべく脱落者を出す訳にはいかないという事情が脇巫女ネキの指導方針との差異になっている。どちらも一長一短ということになるだろう

 

「お、今度は携帯の方か・・・え、イリナとゼノヴィア、二亜も一緒に修行したい?おうおう来い来い!」

 

「「「「「『あ(察し)』」」」」」

 

更に被害者を増やした修行を開始して約二週間後、等々恐山攻略作戦がネオベテル内で広く告知されることとなる。




読了ありがとうございました!・・・よ、ようやっと恐山まで来れました。多少カットした話もありますが辿り着くまで長かった!新章の恐山編もよろしくお願いします

【神木狩谷】の固有スキル

【試す者】
スキル保有者が課した試練の突破するときの対象の成長速度、獲得経験値量、スキル発現確率、レアスキル発現確率、レベル上限突破確率を上昇させる。尚スキル保有者が対象に的確に指導や指摘を与えればさらにそれらが上昇する。そして試練を突破した対象の質や人数、課した試練に応じてスキル保有者は経験値を獲得できる。これらの効果は条件さえ満たしていれば距離の制限などはない。

【■■■】
詳細不明


この二つの固有スキル前世では無く今世の【神木狩谷】の本質に由来するスキル。前者だけいち早く発現したのは前世での教育、指導経験があった為。因みに試練を与えることによる経験値は戦闘で獲得する経験値の様に減少する様子はない、これは狩谷が人を導くことは下手なボス戦よりも難易度が高いものと考えていることに起因する。
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