◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい?   作:電脳図書館

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第十九話になります!恐山の攻略が始まります


偵察任務(物理)

恐山、折紙曰く霊脈や地脈、龍脈が嵐の様に暴れているんだそうだ。何それ怖い。そんな日本有数の霊地で俺達は偵察任務として先行して、恐山に入っているが俺と折紙以外のメンバーはほぼ隠密行動が出来ない。必然的に真正面から挑むことになったのだが俺の隠密は狩猟の要領なので勝手も異なり、折紙も結界による隠密の為MPの消耗があるのでこちらも助かるのだけども。あ、ヤタガラスの皆じゃないか!所で命をちょっと借りていい?ありがとうね。それじゃ命、走ろうか?

 

 

 

「オラララーー!!死にたい奴だけ掛かって来いや!!」

 

「ぐわー--!?」

 

「な、何ごとぐふう!?」

 

「いや、掛かって来なくても消し飛ばしてるじゃないのってキャー---!?」

 

俺達は今恐山をまるで槍の様に真っ直ぐにダッシュや飛んだりして文字通りあらゆる敵悪魔を薙ぎ倒して進んでいく。命がスキルで索敵し俺の直感と百太郎で不意打ちを防ぎ折紙のアナライズを挟みながら雑魚は俺、スパルトイ、命が物理でぶっ飛ばし、面倒な相手や数が多い場合は距離がある内に俺、折紙、ロスヴァイセ、バフォメットの範囲攻撃とアズールの狙撃で消し飛ばし、耐性が優秀な奴は俺と折紙の貫通攻撃で無理矢理制圧。生き残ってたら接近した物理組で止めを刺す。

 

「!!この先マガツヒが多く集まっている。龍脈なども異常に活性化を確認」

 

「よし、左方向に転進!」

 

しばらく奥に進むと龍脈の動きが分かる折紙をセンサーにしてボスエリアギリギリの所で避ける様に突き進む方向を変えて、足を止めずに駆け回る。飛べるロスヴァイセとバフォメット、アズールは言うに及ばず俺とクノイチの命は勿論スパルトイも骨だけだがらか意外とスピードはある。唯一ネックは天使化しないと飛べない折紙だが、今回は恐山の状態が悪すぎる為使えず俺の背におんぶする形で太い紐で背中に固定して移動砲台の様に立ち回っている。中には勿論俺達と相性の悪い悪魔も居たが弱点攻撃技と貫通攻撃のオンパレードで何もさせない内に火力で消し炭にする。え?そんなにMP使って大丈夫なのかって?ご安心下さい!俺達のパーティーはこの攻略戦に備えて一番得意な属性のプラーナを全員(・・・・)が獲得しているのだ!!よって戦闘するごとにMPを回復し続けているので問題なかったりする。命はMPを温存しつつ戦ってもらう代わりにマッピングをして地図を作って貰っている。

 

「まぁ最悪命がMP切れたら買い溜めしているチャクラドロップを舐めさせまくればOK!」

 

「OKでは無いですよ狩谷殿!?」

 

「大丈夫、ほんの数時間だから」

 

「あ、あの数時間は流石に無理ですよ!」

 

「大丈夫大丈夫、命はくノ一じゃん」

 

「くノ一なら行ける行ける」

 

「それは忍びへの幻想と同じです!な、仲魔の皆さんは文句言わないのですか?」

 

そう言って命がアズール達の方に顔を向けると全員苦笑をしているがもはや慣れた扱いの様だ。

 

「いつもの事だからな」

 

「我らは最近仲魔になったばかりだが・・・もはや諦めたぞ(疲れた顔)」

 

「あの異界マラソンってこの為の持久力を付ける為だったんですね(死んだ魚の様な目)」

 

「異界マラソン!?」

 

命が愕然としたような顔をする。ただの効率優先の結果なのだが何か不思議な事でもあるのだろうかと折紙と顔を見合わせて首を傾げる。

 

「・・・お似合いの兄妹ですね」

 

「義兄妹とはいえ兄妹か」

 

「そんな呆れんでも・・・ん?」

 

和気藹々と蹂躙していると奥からこちらに駆け寄ってくる…あれはアルケニーか?見たところ中々の強さだから中ボスかな?

 

「すみませーん!って違う違う!!敵じゃありませんから武器を向けないで!?」

 

「お、おう?」

 

「怪しい始末するべき」

 

「折紙殿の言う通りかと」

 

「私が仕留めましょうか?」

 

「いや我が呪殺で一瞬で楽にしてやろう」

 

「全然聞き耳持ってもらってない!?」

 

俺とスパルトイ以外の容赦のない殺る発言で涙目になるアルケニー…どういうことだ?

 

「お、お願いです!お命だけはご勘弁を!!!」

 

下半身が蜘蛛だと言うのに一瞬で小器用に身体を地面に伏せ手と頭も地面に付けるこの姿はまさか土下座か!?この一瞬でここまで綺麗に決めてくるとは

 

「素晴らしいまでの土下座。これは元社会人として話を聞かねば」

 

「それで良いのかお前は」

 

「あ、ありがとうございます!やったことなかったけどドラマやアニメで土下座を見ててよかった!」

 

元とは言え社会人足るもの土下座されて無下にすることは…あれ?今ドラマやアニメって言った?

 

「折紙殿?急に私の耳を塞いでどうしましたか?」

 

「ちょっとね」

 

「え、お前まさか元日本人の転生者?」

 

「え、ということは貴方もですか!?良かった私だけじゃなかったんだ!!」

 

命の耳を閉じさせている間に話を聞くと何と彼女は蜘蛛の悪魔に転生して、生まれてこの方この恐山で生活してきたのだという。洞窟の中で暮らしていて、悪魔変化を繰り返しながらようやっと人の要素があるアルケニーに変わることができ、外に出てみたら悪魔を殴り倒す格上の俺達がいて命乞いをする為に土下座したとのことだ…他人事だが運が無いとしか言えない経歴だ。今世の名前は白織というらしく自分の姿とそっくりな姿のラノベのキャラの主人公の名前から付けたのだそうだ

 

「流石に原作の主人公程チートじゃないですけど、驚きのバックボーンもありませんし」

 

「蜘蛛が主人公なのか・・・うーん記憶にない。年代的には見ててもおかしくないんだけど」

 

「アニメもやってましたけど深夜アニメですからね、知らないのも無理は無いかと」

 

「巫女さん曰く元々メガテンはサブカルチャーだからその知識や記憶を所持している以上他のサブカルチャーの知識や記憶も所持して転生しているはずとは言ってたから他の記憶と違い転生の結果摩耗するという可能性も低いし、知らなかったんだろうな」

 

「巫女さん?」

 

「ああ、皆は脇巫女ネキって呼んでいるけどな・・・俺的には上司のトップをネキ呼びするのは気が引けて巫女さんと呼んでるけども」

 

「インターネット語を現実で、しかも上司に使うには勇気いりますね」

 

白織から同情されつつ次はこちらの事情を話していく。彼女もメガテンの世界だということは認識していたので用語なども通じて楽だったが色々ツッコミをして来た組織の名前は特に。まぁ是非もないのだが、今回の作戦の話になるとえらく動揺して再度命乞いをされた。

 

「お、お願いします!!まだ死にたくありません!確かに前世は根暗オタクボッチ女子高生なので家事とかは掃除とかしか出来てませんでしたし、今世でも精々自分が出す糸での手芸くらいしか家事スキルは持っていませんけど戦闘も出来ますから!ドルミナーやマリンカリンや糸の巻きつきとかデバフも出来ますから!!」

 

「ち、ちょっと落ち着け!後その割とデカい身体ですり寄って来るな潰れる潰れる!?」

 

「何でもしますからお願いします殺さないで下さー---い!!!!!」

 

「分かった、分かったから!俺のCOMPの仲魔の枠はまだ空いているから契約しよ?」

 

「はい!・・・ああ、でも貴重な枠を私に使って貰っていいのでしょうか?」

 

「構わないよ人命救助みたいなものだ」

 

「ありがとうございます・・・あ、悪魔合体の素材にするのも」

 

「やらんわそんなこと!?」

 

【鬼女 アルケニー Lv32】

 

命を離して伝えれる状況だけ伝えたが直ぐ無警戒とは行かない、俺達の顔を立てて同行は認めてくれた。

 

「ただし不信な行動を取りましたら即座に斬りますのでお忘れなきよう」

 

「は、はい!!!」

 

「いや、白織の方がレベル的には上だからな?ビビり過ぎだって」

 

そんなビビりだからここまで生き残れたのかも知れないけど

 

「また変わった新入りが入ったものだ・・・とはいえこれで我が抜けても問題はないか」

 

「ん、どうしたスパルトイ?」

 

「何でもない、少し先の話を考えていただけだ」

 

後半は小声で聞こえなかったが気にするなということで取り敢えず任務を切り上げて報告の為に戻ることにする。その後掲示板などに報告したり白織の転生者登録やCOMPでの契約を無事果たすことが出来た。でもっていざボス戦へ!!・・・という事だったんだけど

 

 

 

 

「ん?・・・あーこれは死んだな。呪殺無効の装備してたが貫通されてクリられて即死とは」

 

走馬灯の様に前世の自分とその家族を見て過去の罪を改めて確かめることとなる。




読了ありがとうございました!という訳で主人公の過去話が入りますが大して需要は無いと思うので1、2話で終わる予定ですのでご安心の程を、そして初登場の白織さんですが見た目はまんま『蜘蛛ですが、何か?』の主人公のアラクネの姿をしています。本家様の最新話でスライムニキ以外人外転生者は見かけなかったとありますが・・・うん、自分が最近買ったスイッチとメガテン5やってて書くのが遅れたせいだね!まぁ多分コミュ症だから話題に出なかったんでしょう(目逸らし)・・・因みに狩谷も前世で良く土下座(部下の尻ぬぐい)でやっていたので割かし同情していました。巫女さんにも折紙の件で速攻で土下座してたのが伏線だったり。

白織
掲示板のコテハンは【根暗オタク蜘蛛女郎ネキ】。前世は本編に出ていた通りのダメダメ女子高生だったが今世の恐山メガテンサバイバルで根性が叩き直され、ビビりヘタレは完全に治っていないがいざ戦闘になると思いっきりが良くなり、毒などのデバフと蜘蛛糸で相手の行動を封じて蜘蛛の俊敏性で這い寄り意外と高い近接戦闘能力で急所を攻撃する暗殺者スタイルで首を取りに行く。真正面戦闘もいけるそうだが回復が難しいサバイバルに置いては如何に自身を傷つけず、消耗せずに相手を仕留めることが重要だったので現在でもその戦闘スタイルを好んでいる。蜘蛛糸は美しく高級なスパイダーシルクとなりそれで防具を作れば軽くて丈夫、しかも彼女の糸は彼女自身が火炎耐性を習得しているからか炎にも強く高確率で装備にもその耐性が付加されるということで高級品だがネオベテル内外でも需要は絶えない。因みに売り上げとスパイダーシルクの反物の一部は神木家に定期的に収められていて、中野区チームの防具の強化をしてくれるなど恐山戦後はかなり重宝されていたりする。

因みに前世の死因は新作ゲームを買いに外に出たら久々の日光の光で目を眩ませ、階段から足を踏み外して頭を強打したことらしい。

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