◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい?   作:電脳図書館

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第二十九話となります!細かい戦闘描写は今だに苦手です


神殺しと後方の守護者

「"神殺し"だと?」

 

フィネガンが訝しむ。この世界に置いて神殺しとは安い二つ名ではない。低級の土地神の悪魔を倒して程度自称するのであれば周りからは嘲りと冷笑を返されるのが落ちだ。そう名乗るからにはそれ相応の格の神の悪魔を倒さなければとてもではないが名乗れない。

 

「ああ、とは言っても聖ロンギヌスなどの世間一般的な神殺しとは根本的に異なるがな」

 

「世間一般的な…神殺しなど、あって堪るか!」

 

「トキ!動けるのか?」

 

「かろうじて…っ!?」

 

トキの方は目を覚ましたが腕を中心に骨に罅が入っている為起き上がろうとすると苦痛に顔を歪める。

 

「無理すんな。そんでアックア、何で俺が神殺しということになるんだ?」

 

なぜ俺が神殺しであるかことを知られている?内通者がいるとしても折紙は論外、ネオベテルの者が売ったとも考えられない。ライネスも知っているのは転生者のことまでで神殺しのことについては知らないはずだ。そもそも売ればどうなるか理解出来ない彼女ではない。

 

「・・・どうやら貴様は"神殺し"というものを完全には理解していないようだな。問答無用に叩き潰してもいいが、殺される理由くらいは教えてやる」

 

あ、教えてくれるんだ。問答無用でやられるかと思ったがやっぱそんなことするのはメシア教くらいなんだな。

 

「今から数ヶ月前とある大天使が本霊ごと消滅した。かの大天使はメシア教に着いていたとはいえ元々は同じ教えを受けた宗教組織だその消滅は我々ローマ正教からも観測で来ていた」

 

「そこでわーい敵が減った!・・・とはならないと言うのはまぁ分かる」

 

強力な力を持った悪魔が本霊ごと殺されたのだ。観測出来たのなら調査しない方がバカだと思う。アックアは俺の言葉に頷いて話を進めて行く。

 

「当然原因の調査が開始された。しかしメシア教の施設をネオベテルが襲撃した所までは直ぐに判明したがそちらが上手く隠滅したのかその施設が跡形も無く消失していたのでな。流石に材料が何もない状態では我々と言えどもそれ以後の調査は難航していた」

 

「あーうん、なるほど」

 

折紙がうっかりやっちゃった奴ですね・・・そりゃ何も残らなかったからな調査も難航しますわ。調査班の人達はさぞ頭を抱えたことだろう。

 

「だが調査班の努力により如何にかその襲撃作戦に関わっていたネオベテルメンバーの素性掴むことが出来たのだ」

 

「え、普通に凄い」

 

「ローマ正教の調査能力はメシア教を上回るという噂は本当だったようだな」

 

「・・・それで何故この男が神殺しだと分かる?」

 

俺とフィネガンは純粋に褒めるがトキが話を元に戻して来れる。トキってツッコミ体質なんだな

 

「初めはただの消去方だ。他のメンバーは貴様よりも有名過ぎた」

 

 

なるほど、事前知識のあったネオベテル幹部周回ネキと神父ニキ、テンプルナイトの皆さん、イリナ達聖剣使いを候補から外すと確かに俺と折紙しか候補に残らないか。

 

「そうやって俺と折紙を割り出したのはいいとして良く俺だと分かったな?」

 

「それほど難しい話でもない。神殺しとその加護を与える悪魔・・・貴様の義妹は後者なのだろう?」

 

「な、いやそうかもしかしてメシア教側にもいたようにローマ正教側にもいるのか?」

 

「察しがいいな。我々が曲がりなりにもメシア教に次ぐ規模の一神教組織でいられるのも"大天使"の助力があってこそだ」

 

ローマ正教側に着いた大天使が居たのか・・・まぁ戦力だけなら神の右席だけで十分の様な気もするがただ戦闘力が高いだけでは勢力は維持できないだろうしな。マンセマットの様に大天使クラスなら折紙の隠蔽も看破して真名が分からずとも高位天使の転生体だと見抜けるのだろう。

 

「・・・割り出したのはいい、それが何故狩谷の排除に繋がる?」

 

腕の中のトキが無理矢理上体を起こして睨むように訪ねる。確かにここまでなら利用しようとはしても排除する理由にはなりそうないが。

 

「先ほど言った通りだ。貴様は神殺しの力を真に理解していない・・・かの大天使マンセマットを滅ぼした日。メシア教では御使堕し(エンゼルフォール)と呼ばれている事象として記録されている」

 

「マンセマットを滅ぼしたから御使堕しか」

 

「それだけではない、貴様も知っている様にマンセマットはメシア教側に精力的に協力していた。当然分霊として多数の天使達を生み出しその総数はメシア教が保有する天使の戦力の一割に上る。加えて天界にいる天使達も含めると更に数は増えるだろう」

 

一割というとメシア教の規模からするとそれでも万は行きそうだな。生み出し過ぎだろあいつ・・・あれ?でも本霊が死んだら分霊って・・・あ

 

「まさか・・・!?」

 

フィネガンも気が付いたようで驚愕の表情でこちらを見る。トキはまだ理解出来ていない様で困惑している。

 

「そうだ"御使堕し"とは大天使マンセマットの消滅から端を発したメシア教天使戦力の1割を占めるその分霊の天使達の殆どが地上天界にいた個体問わず消滅した事件を指す呼称だ」

 

「・・・マジか」

 

開いた口が塞がらないとはこのことである。そりゃ殺しに来るわ、危なすぎるもん。

 

「納得したようだな。幸いマンセマットの分霊は皆メシア教に着いていた為今回は被害の大部分は免れた。しかし天界の混乱は一神教全体に波及する問題。加えて貴様は神殺しだ。背後にいる悪魔・・・天使の意向によってその槍の穂先を向ける相手を変えることはあっても納めることは出来ない運命にある」

 

つまり俺か折紙の意志次第でいつでも俺は終末要因になれるということである。他の神話の悪魔達にも有効だからね神殺しは。個人の感情で終末要因になりえて悪魔では無く人間が対処しないと摘むとかなんだこの危ない奴(自己紹介)

 

「あーうん、取り敢えず俺を殺したい理由は分かったよ。信用して欲しいけど付き合いが無い相手を信用しろとか無茶だしな」

 

「理解感謝する。だが大人しくやられるつもりはないようだな?」

 

「当然だ。アンタらが俺を殺す理由はあっても俺が生きることは諦める理由(・・・・・・・・・・)は無いからな!」

 

「なるほど確かにそれは当然なことだな」

 

俺が苦笑するとアックアの顔も僅かに笑みを作る。何となくだが悪い奴ではなさそうだ・・・出会い方によっては友達にも成れたりしてな

 

「御三方、ジャンヌは倒れてるから御二方はどうする?」

 

「戦力的には撤退だが・・・ローマ正教の元に戻ったとしても都市圏でペテロの十字架が使われることに変わりはない。プロというのは辛いものだな」

 

「私はペテロの十字架の奪還もしくは破壊の命令を果たすだけだ!」

 

「お、おう」

 

フィネガンとトキの覚悟ガンギマリ具合にドン引きしてしまう。あいつ相手にも撤退出来ないとかヤバくね?やっぱネオベテルが一番だぜ!

 

「まぁこちらとしてはありがたいがな。そんじゃ折紙頼むぞ!」

 

【回復ギガプレロマ】【魔術の素養】【ディアラハン】【ラスタキャンディ】【テトラジャ】【バリア】

 

俺が妹を呼ぶと俺とフィネガン、トキに回復と補助魔法が掛かる。トキは骨に罅が入っていたがこれで完治したことだろう。

 

「ほれ、こっちも援護してやるから協力頼むぜ?」

 

「いいだろう」

 

「成功率はその方が高いか」

 

2人の了承を確認するといの一番に突撃を開始する。

 

 

 

 

ジャンヌを除いた狩谷、フィネガン、トキ対アックア戦。その経過は当たり前というか一方的なものになっていた。

 

正面はスピードと武器での受け流しに長けている狩谷が抑えている。しかし圧倒的なレベル差にスピードは補助を貰っても如何にか五分五分、受け流しも完璧には出来ておらずダメージが蓄積していく。当然防御に徹している為攻撃などしている暇はない

 

「当たり前の様に【物理貫通】持ちかよ!」

 

「昔ギリメカラと交戦したことがあってなそこで修得した」

 

「ギリメカラを倒したのかよ!?」

 

「残念ながら死闘を終えた後での修得だ。当時は微妙な気分になったものだ」

 

アックアが余裕そうに対処していると俺の防御の邪魔にならないようにフィネガンが隙間から【ショートジャブ】、【電撃裏拳】で細かく攻撃を加えようとするが、フィネガンの拳をアックアは片手で受け止め握り潰そうと力を込める。もう片腕で狩谷に攻撃を加えているのだから文字通り赤子の手を捻っていると言える。

 

「良い拳だ。だがキレはあってもパワーが足りん」

 

「純粋な握力で、これか!」

 

ミシリとフィネガンの拳の骨が軋むが潰される前に両手が塞がっているアックアの背後から首筋に向けてトキが攻撃するがアックアは両手はそのままに片足の回し蹴りでトキを吹き飛ばす。

 

「っあぁ!?」

 

「トキ!?感知能力も高いなおい!」

 

「一瞬とは言え片足だけで私達の攻撃も微動にせずか!」

 

しかしお陰で手が緩んだのかフィネガンの拳が引き戻される。トキも壁に衝突するがすぐに折紙の回復が入り即座に立ち上がる。

 

「すぐさま立て直して来るか」

 

「これがなかったら俺達とっくに倒れてるけどな!」

 

取り回しを重視して狩谷は聖槍を聖剣モードに移行、片手の拳銃を構え銃撃で牽制し斬り掛かろうとするが銃弾はアックアの魔術で公園内の噴水の水を操作し受け止められる。

 

「弾丸一つ一つを水球で受け止めた!?」

 

「霊装である銃も中々侮れん。ただ水の膜を張るだけでは乱射されると破られてしまうからな」

 

「これアサルトライフルとかじゃなくて拳銃何ですけど!!」

 

「弾丸に弾丸をぶつけて加速させて攻撃する芸当をしてくる者もいるのでな。用心というものだ」

 

「いや、そんな奴早々いなギャフン!」

 

ツッコミの途中で急加速してきたアックアに対応出来ず咄嗟に盾にした聖剣ごと打撃と刻まれているルーンの爆発で吹き飛ばされるがこう見えても修行時代は巫女さん、現在は折紙に吹き飛ばされて来たのだ。狩谷は身体が吹き飛ぶことには慣れている為空中で身体を回転させて体勢を立て直して着地するとアックアも着地するタイミングを狙って鉄をも穿つ水の散弾を放つ。

 

「【マカラカーン】!最近相手しているのが主攻撃が大概貫通してくる奴ばっかだったから久々に使ったわ!」

 

「運がないな貴様も」

 

フィネガンは拳で迎撃し、トキもその小さな身体を利用して遊具などを遮蔽にして散弾をやり凄す。因みに跳ね返した魔法は巨大メイスでかき消されている。

 

「にしてもやっぱ真っ向から受けると力負けするなこりゃ」

 

「攻撃力、防御力、スピード。どれも抜きんでている。策が無ければどうにもならんぞ?」

 

「つっても俺の神殺しは人間相手にほぼ意味無いしな」

 

「お前が使っていた【メギドラ】はどうだ?」

 

「銃弾でも反応されるんだ。俺の【メギドラ】じゃ魔力を感知されて回避に徹せられたら簡単に回避されちまう」

 

折紙の様なバカ広い範囲攻撃なら回避しても巻き込めるが狩谷では無理だ。

 

「だが・・・攻めないとやられるのも事実か。少し耳かせ」

 

狩谷がトキとフィネガンに作戦を伝えると驚かれた・・・というか引かれた。

 

「いいのか?」

 

「正気かお前は?」

 

「おいおい何言ってんだよ御二方、デビルサマナーなんてやってる奴が正気な訳ねぇだろ」

 

霊能力者自体正気な人間がどれだけいるのか?というのは聞いてはいけない。




読了ありがとうございました!御使堕しで消滅を免れた個体もいますが神殺しの性質上より本霊であるマンセマットと繋がりが深い、つまり強い個体程逆に消滅を避けることは出来ないので生き残ったのもエンジェルなどの下級天使達です。とはいえ咄嗟に自身が他の大天使も作り出せる量産型の天使であることを逆手に取って本霊を別の大天使の本霊に変更するという機転を働かすことが出来た個体などで普通の下級天使よりは使える個体です。
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