◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい? 作:電脳図書館
※エネミーソナーじゃなくてエネミーサーチでした。既に訂正済みです
「ぐうう!!」
流石に左腕の切断はアックアにしても激痛だったのか顔を歪める。更に追撃を加えたいのだが。
「オオオ!」
更にアックアは体内の魔力をわざと暴走させることで刺さった聖剣を粉砕し、俺も吹き飛ばされる。先ほどとは逆にジャンヌとトキに受け止められるが拘束は全て外されてしまった。とはいえ暴走の影響でアックアもそれなりのダメージを受けているはずだ。
「いてて・・・如何にか片腕は持っていけたな」
「・・・お前は・・・いいや、私が言うべきことではないか」
「少しは自分の身体を考えろ!」
「はは、確かにお姉さんもあれはどうかと思うよ?」
「すまん」
敵であるはずの二人からも叱られてしまった。多分フィネガンも似たようなことを考えていると思う。折紙の回復が即座に入るが傷が深い為か治りが遅い、皮膚がめくれた両手くらいはもう治っているが体内のダメージ回復はまだ掛かるだろう。
「その狂気的な精神・・・なるほど貴様が神殺しになったのは偶然では無く元から素養があったと言うことであるか」
「いや多分それは関係ないから」
原作主人公は真っ当に強いからここまでやんないし・・・ルートによっては仲間を皆殺しにするけど。
「ならば運命がそう導いたか。いずれにせよ私の片腕を切り落としたことは事実、であれば私としてもそれなりの返礼を返さなければな」
「え、えっとお礼だったらそんな魔力を練らずに帰って欲しいんですけど!」
俺の心からの叫びはアックアは届かずアックアは跳躍すると滞空時間を魔術により伸ばし巨大メイスを真下に向けると明らかにヤバい詠唱に入る。
『
「やばいやばい!こっちは迎撃手段もうないんですけど!?」
「流石にあれをさっきの激流と同様に相殺は無理だからな!」
「聖女!聖剣で防御出来るか!」
「無理無理!耐久度が足りないしもう作成する為のMAGが残ってなわよ!!」
『
「MAGが足りない?・・・よしなら俺のMAGを注いでやる!それで禁手化して聖竜を盾にしろ盾に!」
「え、ちょダメダメ!そもそも特殊な儀式とかじゃない限りMAGの譲渡とか変換効率もの凄く悪いわよ?100譲渡しても1になるレベルよ!?」
「なら100になるように10000くらい譲渡してやらぁ!心臓に近い所の方がいいから襟首出せ襟首!」
「流石にそれはお姉さんはずか「トキ、脱がせろ!」え、ちょトキちゃん無言で鎧を脱がせに掛からないで!!ふぎゃん!?」
『
「よしイケイケ!!」
「うう・・・禁手化!!」
『グオーーーン!!』
聖竜を出現させると祝福の聖剣で強化させるとアックアの元に突撃させ、上空から勢いよく落下してくるアックアの攻撃の威力を減退させたが・・・やっぱり足りないか!
「威力減少が良い所か、でも全力回避すれば生き残れそうだが俺もう一歩も動けないな」
「お姉さんも・・・貰ったMAG全部使っちゃったし動けそうにないわね」
「だよな。トキ、フィネガン逃げるなら今の内ってこれは!?」
「結界だと!?」
「ほう、かなり強固な結界を三重に張っているのか」
このMAGの波動は折紙か!流石は俺の妹!サポートが行き届いてるぜ!!まぁ聖竜は巨大メイスと結界の板挟みにあって大分ひどい事になってるけども。
「オオオオオオ!!!」
アックアが結界を破ろうと再度力を込めると一層が突破され、二層も多少は耐えたが突破される。
「よし、これで何とか・・・何とか!・・・な、なりませんねコレ!?」
「最後の結界が一番強固な様だが・・・前二つより保っているが時間の問題か」
「はは、流石にここまでかしらね?威力は大分削がれているから直撃しない以上今の状態でも死なないでしょうけどしばらく動けなくはなるでしょうね」
「しかしアックアはまだ戦闘可能だろうな・・・先ほど私達二人に逃げろと言っていたがこのことを見越していたのか足を負傷させられている。戦闘なら技術で誤魔化せるが逃亡となると今からでは難しいな」
フィネガンが結界越しのアックアを睨み、トキは一矢報いようと短剣を構えジャンヌは祝福の聖剣を杖代わりに如何にか膝を付く。因みに俺はさっきの譲渡でMAGを一度に大量に譲渡したので仰向けに倒れてます。まだMAGの危険域ではないのだが、一度にここまでのMAGを使った事が無かったので思ったよりも消耗してしまっていた。
『カリヤ』
『折紙か、悪い今回はマジでヤバそうだ。せめて相手が同レベルの悪魔だったな・・・』
『問題ない』
「え?」
思わず口に出してしまった。どう見ても問題しかないんだがどういうこと?
『この街にはまだネオベテルの戦力が残っている』
え、誰それ?と疑問に思っているとアックアの横から巨大な魔法陣が浮かび上がる。しかし当然アックアも気づいたのか攻撃を中断せずに霊的防御を固めたようで並みの魔法、魔術では妨害も出来ないぞ?
『【マッスルパンチ】!』
「何!?」
「「「「まさかの物理!?というか拳がデカい!」」」」
如何にもそれっぽい魔法陣から出て来たのは透明な糞デカい拳だった。圧倒的な質量からの物理攻撃は想定していなかったのか、真横から殴られたこともありそのまま公園のすぐ近くにある民家まで吹っ飛ばされた。あれは召喚陣的なものだったようでアックアを殴った巨人が魔法陣を通って姿を現す。
「え、あれゴクマゴクやんけ!?」
【地霊 ゴクマゴク Lv60】
『ボクヲ知ッテルノ?ナラ話ガ早イネ。ヨロシクー!』
「え、お前そんなキャラだっけ?後ネオベテルにゴクマゴク何ていたっけな?」
前世での記憶より幼い口調なゴクマゴクに驚きつつも覚えがなく首を傾げる。
「それはゴッくんは私の使い魔だからです!」
「いや、こんな物騒な使い魔とか普通いない・・・誰!?」
「誰じゃないですよ!言われた通り駅で待ってたのに迎えに来てくれないじゃないですか!仕方ないから戦闘に気づいて自力で飛んで来ましたよ!まぁこの状態じゃ仕方ないと思いますけど」
迎え?駅で待ってる・・・あ
「まさか今日から入って来る新人魔女!?すっかり忘れてた!スーパーに買い出しに行ったのは歓迎会の為だったのに!」
「そうですそうです!元【黄金の夜明け団】、現【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】所属のルフェイ・ペンドラゴンです!相沢梓さんのご紹介に預かり本日より中野支部に着任しました!」
【魔女 ルフェイ・ペンドラゴン Lv37】
「組織の正式名称を言うんじゃない、それは俺に効く。あと助けて貰ったからあまり言いたくないけどあんなペット飼ってるんだったら履歴書に書きなさい履歴書に採用したあとに内容と食い違いがあったら事務処理が大変なんだぞ!?」
「あ、はいすみません」
俺とルフェイがコント地味たやり取りを交わしていると崩れた民家からアックアが姿を表す。
「とんだ隠し球が出てきたようであるな。しかし例え片腕を失おうとも戦力差はまだこちらが上である!」
「それはそうですが防御に徹したゴッ君は厄介ですよ?私も支援しますし、"足止め"には十分です」
「足止めだと?」
アックアが怪訝な表情を浮かべると何かに気付いたのかルフェイが飛んで来た方向を見る。その時俺のCOMPのエネミーサーチに反応があった・・・ここに高速で向かってくる反応が3つ?というか内二つは身を覚えがあるぞ!?
「この反応、二つは寺生まれニキとアーゼウスか!」
「・・・いや、それだけでは無いな。来たかライドウ」
「「「「え、ライドウ来るの?」」」」
アックアの言葉に俺と敵対組織幹部の三人が素になって驚いてしまう。でも確かに東京都圏内で敵対組織四つの幹部が集ってドンパチやるとか今思えばどう見てもライドウ出動案件だったわ!
「万全なら兎も角この状態では厳しいか・・・仕方がないのである」
アックアが再び公園に降り立つと落ちている片腕を回収してすぐに姿を消す。まだそんな余力があったのか、いったいどこから不意を打ってくる気だ?・・・・・・・あれ、全然気配しないしエネミーサーチも反応が消えてる。
「「「「あ、あいつここで逃げやがった!?」」」」
「うわ、決断が早いですね」
流石元傭兵。引き際は間違わないってことなのか?取り敢えず俺は助かりそうだ。
「まぁお前らは分からんけど」
「この状態でネオベテル幹部とライドウは流石に相手出来んな・・・狩谷お前達はあの十字架を使わないのだな?」
「そりゃ使わないけど」
「よし、ならんば実質任務達成だな!この町に来ているファントムソサエティ全構成員につぐ。これより全部隊帰還する!動けるものを退避しろ!私は逃げる!」
「おいプロ!?ガバガバ過ぎるぞ!!!」
「使わないのならこちらは何でもいいからな!では失礼する!」
部下のダークサマナーが公園に寄こした車の荷台に乗り込み悠然と去って行く。こいつ撤退慣れしていやがる!
「あのおじさんもですか、ベテランは判断が早いですね。どうします狩谷さん?」
「どうしますって流石にこの身体じゃ車を追えないしな・・・他二人はどうする?ジャンヌは動けないけど」
「うーんこのまま帰れても率いた部隊は多分全滅、十字架も取り戻せて無いから下手すれば粛清良くて天使の孕み袋って所かしら」
「相変わらずメシア教はそういうのばっかだな!因みに後3分くらいでライドウ達来るけど「投降するわ」ほへ?」
「投降よ投降。純粋な生存率の話よ」
「殺し合いしていた敵側に投降する方が生存率高いってどういうことなの(白目)」
メシアクオリティにドン引きしながら取り敢えず武装を解除させ祝福の聖剣を確保する。拘束するものは持ち合わせがなかったがルフェイが拘束の魔術で捕縛してくれた。
「拘束出来ましたよ」
「ありがとうルフェイ。で、トキはどうするんだ?ジャンヌと同じく仲間全滅してるけど」
「・・・失敗はしている以上唯では済まないだろうがメシア教よりはマシな罰のはずだ。そもそもガイア教は集団より個人の強さに重きを置いている。わざと全滅させたなどと言った場合は別だがあまり重い処分にならないだろう」
「そうかそうか、今回は助かったよ。中野区でドンパチやったのは許さんけど」
「私が中野区で争いを起こした訳ではないのだがな。そもそも所属も違うし」
「あ、そうなの?何処所属なんだ?」
「・・・元々は私を実の両親から引き取った双子の老婆が率いる派閥に所属していたが数年前にミロク菩薩が率いるミロク派に吸収されてしまった」
「え、よく無事だったな?」
「別に相手に殲滅するつもりが無ければ私を含めた強者は自然と生き残るものだ。もっとも吸収した目的は今だに見えないがな」
「復讐はしたくないのか?」
話終えるとここから立ち去る為俺達に背を向けたトキに復讐について問いかける。だからといってこちらとしては復讐はするなとは言うつもりは毛頭ないが。
「ふむ・・・自然とそう言う気持ちは無いな。先ほども言ったがガイア教は弱肉強食、戦いの結果に文句言うつもりはない」
「割り切ってるな。もしミロク派がアレだったらネオベテルに駆けこんでもいいぞ?最初は捕虜待遇で歓迎してやる」
「ふっ、そうか。なら今度私と会うのが戦場では無くお前達の拠点の独房であることをせいぜい祈っているといい」
「敵味方同士が認め合う。いいですね!」
俺が笑みを浮かべるとトキも半分に割れた仮面から見える口元が僅かに笑みを作った。ルフェイの言う通り敵同士だとしても一部くらいなら分かり合うことが出来るという事だな・・・まぁ争いを辞められない以上あくまで一部という部分に止まるのだが。そう思いながら"巨大な影を作り二人の青年を肩に乗せたロボット"のいる上空を眺める。
「「「え?」」」
「お、アーゼウスと寺生まれニキだ。もう一人いるのがあのライドウかな?おーい!」
「ば、バカなまだ多少到着まで猶予があったはずだ!」
トキが慌てている。彼らが来てしまったのなら幹部クラスのトキと言えども手負いの身で逃走など不可能なのだから当然だ。というかそもそもトキとジャンヌは何でまだ到着まで猶予があると思ったのかね(すっとぼけ)?
「あ、もしかして」
「も、もしかして・・・!?」
「・・・ま、まさかお前!?」
三人が何かに気付いた様にこちらを見る。俺はそれを無視してCOMPを再度目の前で開きエネミーサーチを見ながら頭を手で押さえる。
「あ、やっべー!激戦の疲れからか到達時間"一分"くらい遅く見積もってたわ(棒)!」
やってしまったという表情をしながら自らの失敗を二人に伝える。いやーやっちゃったわー、申し訳ないわー(棒)。やっぱ格上との激戦後は疲労がどっと出ちゃうわー(棒)。
「マジですか・・・」
「うわぁ・・・流石にお姉さんも軽く引くわよ?」
「お、おま、き、きさ、貴様、貴様、貴様ーーー!!!」
三人にドン引きされながら、特にトキには詰め寄られるが既にライドウと寺生まれニキはこっちに向かってアーゼウスから飛び降りている。彼女とてこれからのことを考えれば暴力的な行動には移れない。短剣を向けられても刺さなければ気にする必要などないのだ。
「いやーさっき祈ったばかりのことがいきなり"偶然"かなちゃったわー!これも日頃の行いがいいからかな?二人共次はネオベテルの施設の独房で会おう!」
「か、神 木 狩 谷 ーーーー!!!!!」
ジャンヌとルフェイの引き攣った顔を背景にトキの魂の叫びが公園中、いや中野区中に響き渡ったのだった。
読了ありがとうございました!やっぱり逃げる時に脱兎の如く逃げられるのはベテランの証しですよね。次回はこの事件から一週間程経って捕虜となった二人の処分が決まった辺りの話をやります。多分掲示板でも議論になったと思いますが狩谷も人情が無いわけではないのでアックアと共闘してくれたことは話すと思います。
ルフェイ・ペンドラゴン
イリナ達と同じ現地人SR枠の魔女。実の兄であるアーサー・ペンドラゴンも含め概ね原作と同じ経歴だがこの世界では支配の聖剣は兄の手にはない。原作と同じ様に兄を追ったが途中メシア教とひと悶着を起こし、転移魔術で逃亡を図ったがメシア教側が無理に割り込もうとしたので亜空間に飛ばされてしまうがそこは【地霊 ゴグマゴグ】が封じられている亜空間であった為ゴクマゴクを解放し、意気投合。そのまま契約すると協力してどうにか現世の帰還に成功して、元々所属していた【黄金の夜明け団】が魔女ネキと繋がりがあったこともあってメシア教対策で庇護下に入った。因みに履歴書にゴクマゴクが記載されていなかったのはルフェイが魔女ネキに言い忘れてただけだったりする。今回の事件で「あれ、もしかして私の上司ってヤバい?」と早くも気づき始めた。本当はもうちょっと活躍する予定だったが最後のオチが思いついてしまったので結果的に削られてしまった。