◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい? 作:電脳図書館
歓迎会とその裏で
「えー先の襲撃で色々ありまして事後処理とか諸々があって遅れましたが新人歓迎会を始めたいと思います!・・・まぁ今日までずっとうちの地下ネオベテル施設にある宿舎に住んでたから皆自己紹介は終えていると思うがここは挨拶して貰おうか」
冒頭の挨拶を終えると隣に立っていた新人であるルフェイにマイクを渡す。今日はうちのリビングで新しく迎え入れたメンバー"達"を向かい入れていた。
「はい!もう自己紹介はしているので細かいことは省略しますね。改めて元【黄金の夜明け団】所属のルフェイ・ペンドラゴンです!魔術の行使や知識、研究で皆さんを助けられればと思っています」
ルフェイの自己紹介に俺も含めた全員が拍手を送る。彼女は一礼をすると隣にいる次の新人にマイクを渡す。
「次は私の番ですね。狩谷先輩のパーティーの皆さんとは面識があると思いますが私はエイナ・チュールです。先日本部の博麗神社から派遣されました。一応覚醒者で造魔もいるので戦闘も出来ますが基本事務を担当させて頂きます」
同じく新人のエイナが挨拶を行い同じように拍手で出迎えられる。彼女は事務処理要員として来てもらった・・・イリナ達は厳密には別部署みたいなもんだし、ライネス達は完全に別組織だしな。仲魔の中にも事務出来る奴はいるんだが人間の組織なのだからそういう部分は人間が管理するべきって言われたからな。しかしそうすると俺と折紙しか事務処理出来る奴がいないので気心知れてるエイナに声を掛けたのだ。正直給料自体はちょっと減るし、設備に関しては本部の方が遥かにいいので俺達が生産しているスパイダーシルクを使った装備や折紙製の護符何かを交渉材料に使ったのだが以外にも割とすんなり了承してくれた。ネオベテル内での昇進にも影響しそうだったが『前世はそれに注力するあまり過労死してしまいましたからね。それにオタクが集うネオベテル内で其処まで出世に拘る理由もないですから・・・それに先輩からいの一番に声を掛けて貰ったのは嬉しかったので』と笑顔で答えてくれた。因みにエイナも地下の宿舎に引っ越して来ている。すんなり行き過ぎて若干拍子抜けだったがまぁこちらとしては文句がある訳がないのでいいのだけど。
「そんでもって後は半分捕虜待遇でジャンヌとトキも来たからよろしく」
『はーい!』
「「あ、扱いが軽い!!」」
「うっさい」
ジャンヌとトキがツッコミを入れて来た。前回の会議で不本意だが預かることになった元メシア教、ガイア教の幹部である。そんなことになった元凶はこの場にいるがニコニコ笑顔でこちらを見ていやがる。
「第一捕虜を身内と同ランクに扱う訳が無い」
「まぁそうなんだけど」
「もう少し何かあるだろう・・・警戒しないのも問題だとは思うが」
「といってもな」
警戒ねと二人の首に巻かれているチョーカーを見る。これは巫女さん、魔女ネキ、ロボキチニキの合作で名前はシンプルに『カースチョーカー』。こちらに敵対行動や正当な理由以外でも命令不履行、チョーカーを許可なしに外そうとするなど違反を犯すとチョーカーから強力な呪詛と致死性の猛毒を流され更に頭部を爆破して物理的にも殺すという殺意の固まりの様な呪物である。一応警告として首が締まったり、致死性はないが身体機能を低下させる毒が流れる様にもなっているのでちょっとしたことで即座に即死という訳ではないけどな。
「幾らチョーカーがあるとはいえ寝首を掛かれないように注意するとかだな」
「鉈でか?」
「・・・そうだ!というか仕込み毒の類は没収するのは分かるが何故鉈の二刀流をしないといけないんだ!ネオベテルめ・・・!」
言うまでもなく前世でトキファンだった者達の犯行だ。性能は良いから頑張って欲しい
「お姉さんの場合は神器の制限ね。あの巫女さんと一部幹部、狩谷君か折紙ちゃんの許可がないと禁手化出来ない様にロックが掛けられちゃったし」
「安心しろ。あれは移動や壁役やら便利だからな多分頻繁に許可出すと思うぞ」
「え、でもそれ便利使いしまくる「そ、そろそろお腹の我慢が限界だぞ!」「OKでは乾杯!」ちょっと!?」
歓迎会という事でご馳走を拵えたせいか我慢できなくった十香の声を受け食事を始める。ジャンヌが何か言ってるけど周りの盛り上がりで聞こえないね(棒)。
「いただきます!おーこのお肉柔らかくて美味しいのだ!きな粉パンもあるようだし最高だな!」
「それはローストビーフだな・・・というか用意してたのかきな粉パン」
「最近ネットの掲示板でうちの学校にきな粉パンを押し付けて来る妖怪がいると書かれてましたわ」
一般の掲示板で最近妖怪と間違えられている十香の食いっぷりっりを呆れて見ているライネスとルヴィア。因みにトリムマゥは配膳を手伝ってくれている。
「魔女とのことですが納められている魔術は何式なのでしょうか?」
「私は黒魔術、白魔術、北欧式、精霊魔術、魔界式魔法ですね。ロスヴァイセさんはやっぱり北欧式やルーン魔術ですか?」
「ええ、原初のルーンと北欧式ですね。ルフェイさんは多彩な魔術を扱えるなんて凄いですね」
「地道な研究の成果ですね。それはそうと原初のルーンですか、よければ詳しく聞かせてくれませんか!」
「勿論、私にも是非ルフェイさんの魔術を聞かせて欲しいです!」
魔術談義に花を咲かせるロスヴァイセとルフェイ。
「聖ジャンヌダルクの魂を受け継いでいるとのことですが本当なのですか!」
「勿論お姉さんはジャンヌダルクの転生した存在なの」
「いつ頃から自覚していたんだ?」
「生まれた時から!って言いたいけど幼い頃からジャンヌの記憶を夢で見ていてね。私がそうだと自覚したのは神器が目覚めてメシア教に所属した頃に調べて分かった感じなのよね。憧れは前からあったけどね」
「ジャンヌちゃんみたく英雄の血縁や末裔とかで魂を継承している人の話は昔から報告されているわよ」
教会独特の会話するイリナ、ゼノヴィア、ワシリーサとジャンヌ。
「所で前から思っていたのだが貴様はカーリーなのだろ?ガイア教でその分霊を自称する悪魔は結構見て来たが大人し過ぎないか?」
「私は悪魔変化してカーリーになったのじゃ。前の悪魔だったときの意識も残っているからの、これでもカーリーに寄って来たのだがやはりそう見えるか。別に困ってる訳じゃないからええじゃろ」
「そうか、大人し過ぎて少し拍子抜けしたのだが「あ、もし主に反旗でもしたら妾が首を斬ってもよいぞ?」・・・あ、うん」
「小さな女の子同士が牽制し合う・・・絵になるね!」
割と物騒な会話を繰り広げるカーリーとトキ。あとそれを漫画のネタに使おうとしている
「折紙氏は元とはいえ悪魔ですから事務はこちらに任せるべきでは?戦闘は兎も角事務処理なら私の方が先輩を支えられますよ」
「・・・今の私は人間でカリヤの義妹。よって義兄を支えるのは当然であって人間だから事務をやっても問題ない。これはカリヤも認めていること」
「まだ身体は中学生なのですから気を付けた方がいいですよ?私達"二人"でも私が来る前よりも効率的に処理出来ますからお気になさらず」
「二年間部下だった"程度"の繋がりよりもこちらは約六年間兄妹として過ごしそれより前から付き合いがある。その分繋がりが強いから効率はこちらが上」
「繋がりの強さって時間だけで決まらないんですよ?十数年人間社会で生活しても"まだ"分からないのですか?」
「「・・・」」
こっちもこっちで段々物騒な言葉の応酬になって来た真顔の折紙と笑顔のエイナ。三人でやった方が効率がいいと思うんだけどな
「早速バチバチやっているわね」
「はは・・・それにしてもものすごく今更ですけど私達全員大体召喚状態にしてて狩谷さんのMAGって尽きたりしないんですか?」
「主曰く『自分も含めて全員全力戦闘でもない限り自然回復量の方が上回っているから問題ない』とのことだ。それにいざとなれば神殺しとしてのパスのある妹君とMAGを融通し合えるらしい。流石にHPとMPの融通は無理な様だがな」
「え、それヤバくないですか?」
「普通だと有り得ないわね。実際格上のネオベテルメンバー幹部のトップ全員の総MAG量よりもかなり多いわよ?ちゃんと計った訳じゃないけど盟主の博麗の巫女の次くらいにはあるんじゃないかしら?腕はまだまだ及ばないけど総MAG量とMAG自然回復量ならそう時間を置かずに抜くでしょうね」
契約主である俺の話で盛り上がるアズール、白織、バフォメット。所でアズール、人より多いとは聞いていたけど幹部のトップ連中の合計より高いだのそう時間を置かずに巫女さんを抜くとかは初耳なんですけど?
「少し懸念材料があるけど盛り上がってるならいいか」
若干現実逃避をしながらもその光景を目に焼き付ける。準備は大変だったが特に記念日じゃない日でも偶に集まって食事するとかはしてもいいかもな。そう思うと俺も話に混ざる為料理を突きに行くのだった。
【とある異界】
「お帰りオーディン。高知はどうだった?」
多神連合が本拠地としている異界にある拠点。その中に帰還したオーディンをクリシュナが出迎える。
「ああ、戻ったぞクリシュナ。北欧の主神故ヴァルキリー達とは違い長期間高知には居られないからな。戦線はこちらに多少優勢という所だが取り敢えず洗脳されている者達は捕らえて来た。洗脳が行きついてしまったものは介錯するしかないがまだ間に合う者達もいる。幸いお前に頼まれて捕縛した元々高知のメシア教の代表だった穏健派の人間は後者だったぞ」
「それは良かった。後々使えそうだからありがたいよ・・・それで君の後任だけどもう決まっているよ」
クリシュナの言葉を待っていたのか彼の後ろからとある悪魔が姿を現す。
「ほう、説得には成功したか。封印を解いてからそれなりに掛かったな」
「・・・まだ完全に飲み込めて無いけどな。だが
悪魔の言葉に頷く二柱の神。そして悪魔も確認したことがあるのか更に口を開く
「そういえば"俺達"の中で目覚めてるのは俺とタケミカヅチの旦那だけなんだな?」
「そうだよ。他の者達の封印場所は特定してるけど僕達の勢力範囲からは遠いからね。まだ監視を付けて要る程度さ。そのタケミカヅチもあの巫女ならもう霊格の修復は終えているだろう。次恐山クラスの大規模作戦があったら投入されると思うよ」
「そうか。まぁ元気そうならいいか」
「やはり仲間意識はあるのか?」
タケミカヅチを気にしてる様子の悪魔にオーディンが質問を返す。悪魔は少し返答を考えたのち答えた。
「そりゃ多少わな。曲がりなりにも昔共に戦った戦友だしな」
「そうか・・・でもそろそろ他の者達にも起きて貰わないとね。ネオベテルに力が集中しないようにヤタガラス側にも1、2体確保させるように流れを作らないとね。噂でも流して見るかな?」
「ヤタガラス側に封印場所を発見させてネオベテルに依頼し、共に攻略する形にするのか」
「うん、それならタケミカヅチの時と違ってヤタガラス側にも依代の所有権を主張出来るしね」
「でもそれだと唯でさえギリギリなヤタガラスの連中の財政が高額の依頼料の支払いで一気に傾きそうな気がするんだが」
「「それは必要経費という奴だ(よ)」」
自分達が払う訳じゃないからバッサリ言い切りやがったと内心でヤタガラスの面々に黙祷をする悪魔。
「取り敢えずそれはそれこれはこれと言う事で私の代わりに高知を頼むぞ」
「タケミカヅチと並ぶこの国の切り札、"必殺の霊的国防兵器"の力を見せて貰うよ」
異教とはいえ二柱の神に期待され悪い気分はしなかったのかその悪魔は笑みを浮かべる。
「おう、封印を解いて貰った恩もあるしな。この"コウガサブロウ"に任せときな!」
【龍神 コウガサブロウ Lv77】
後日高知での多神連合とメシア教の戦線がコウガサブロウの活躍で大きく前進を果たすことになる。だがこれはまだこれから起こる戦乱の始まりに過ぎない。
読了ありがとうございました!今回から多神連合を本格的に動かす予定です。まぁ高知の設定は本家様しか知らないのでそっちの情報待ちになりますけどね!因みに話に出ていた穏健派の人はゆかりさんが話していた人です。