◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい?   作:電脳図書館

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第三十九話になります!書いている間に色々設定が生えて来ました。そのキャラを初めて出した時そんな設定欠片も考えて無かったんですけどね、何でやろな(白目)?


妄想と考察

『私を忘れて感動的な雰囲気を出すな!』

 

「いやごめんて」

 

うっかり放置してしまい拗ねてしまったナヘマーに謝りつつ話を詰めていく。

 

「それで十香はきちんと背負うと決めた訳だが…まだ不満か?」

 

『確かに前よりはマシになったようだが、ぐぬぬ』

 

「頼む!罪を背負って誰かを助けるには力がいるのだ!もう一人の私よ力を貸してはくれないか?」

 

俺と十香の説得に何かと格闘するかのように悩むシャドウ。正直査定が厳しすぎるような気もするのだが何か理由でもあるのだろうか?

 

『…こちらの試練を突破した以上多少なりとも力を貸してやる。但し!100%お前/私に力をやる訳では無い!私の全てが欲しいならその言葉を実践して貰おう』

 

「「実践?」」

 

『そうだ。確か香川県の近くに大型異界【鬼ヶ島】が確認されたのだったな?ならその攻略作戦にお前/私も参加せよ!…先程の言葉が真実ならトラウマの地であってもその地を守る為に我が魔剣を振るえるはずだ』

 

「…攻略に貢献出来れば認めるのだな?」

 

『無論、契約を違うことはしない』

 

「分かったそれで構わないぞ」

 

「そっか、お前達が決めたのなら俺からは何も言わないよ」

 

二人の契約を俺は黙って見ていた。少し危険ではあるがこれは二人で決めることだ。それにペルソナ絡みの事件は大抵本人にしか根本的解決が出来ない、周りの人間は所詮サポートや助言をする程度しか出来ないのだから。

 

『後ほぼ毎食、おやつなどできな粉パンばかり食いすぎだ!少しは別のも食べろ!』

 

「な!?きな粉パンは至高だぞ!」

 

「おい、色々台無しだぞ!でも確かに十香はもうちょっと色々食べなさい!」

 

「シ、シショーまで!・・・むうそれでは何を食べて欲しいのだもう一人の私!」

 

「あ、確かに好みは聞いて置きたいな」

 

『そ、それは・・・』

 

同じ自分な為十香とある程度感覚を共有しているのかずっときな粉パンを食っているのを抗議するのは当然だが・・・好みの話になるとナへマ―が顔を赤くして恥ずかしそうにこちらを見る。

 

『前にそこの男から貰っていた・・・ツナマヨおにぎりだ!』

 

「え、そんなんでいいの?」

 

「そういえばお弁当にあったものを貰ったことがあったな。確かにあれも美味しかったな!好物になるのも分かるぞ!」

 

「もっと凝ったものを要求されるのかと思ったが・・・分かったなら定期的に作ってやるよ」

 

『いいのか!?ま、まぁどうしてもというなら受け取ろう。これも貢物というものに入るからな!』

 

おにぎり一つが貢物になるのか分からないがナへマ―の機嫌が良くなったので大丈夫だろう。好物への情熱は十香と共通なのは流石もう一人の自分と言った所か、そう思うと大人びた姿も少し背伸びした十香に見えるのだから不思議なものだ。

 

「おう、任せとけ」

 

『な、ちょ頭を撫でるな!流石に馴れ馴れしいぞ!』

 

「む、シショー私も撫でて欲しいぞ!」

 

「はいはい『パキン』・・・ん?」

 

「『え?』」

 

そのまま二人の頭を撫でていたらナへマ―を拘束していた鎖の半数が自壊してしまった。これには俺は勿論十香とナへマ―も想定外のことの様だ。

 

『こちらとしてはようやっと両腕が使えるからいいのだが少し不気味ではあるな。というかまだ鎖は残ってはいるのだが』

 

「シショーのスキルなのか?」

 

「恐らくそうだろうな。ただ完全には発現していないから発動条件とか効果とかが分からないんだよな。多分特定の条件を満たしたから鎖が外れたんだろうけど・・・何か情報とか無い?ずっと拘束されてたナへマ―さん」

 

『一言余計だ・・・これは私見だがこの鎖には悪魔の力を感じたぞ。具体的にこれだ!というのは分からんがな』

 

「悪魔ね。俺に悪魔変身者の素養でもあるのか?」

 

結局俺のもう一つの固有スキルについてはあまり良く分からないが人間由来のものでは無さそうだ。その後はパレスを展開させたのと逆の方法で再度封印を行う。今度訪ねるのは【鬼ヶ島】攻略後となるだろう・・・ただ明らかにパレスに入る前より十香に懐かれたので折紙に冷たい視線を向けたけど。

 

 

【アルケミスト社屋上】

 

ヘリポートのある屋上で携帯に掛かって来た友人からの電話を受け取る。

 

「・・・なるほど、それはそっちの正式な依頼なんだな?OKただパーティーメンバー以外で何人か連れて行くからそのつもりで」

 

向こうが了承すると電話を切る。やれやれまた厄介事を頼まれたもんだ。

 

「受けるの?」

 

「まぁものがものだからな。幸いヤタガラス側からも命達だけじゃなくてもっと手練れも寄こすそうだから前みたく事故で遭遇して俺達だけでやり合うなんてことは無さそうだ」

 

「分かった。幸い今日私の高級造魔を受け取って来た・・・それも使えば格上相手にも十分立ち回れる」

 

「基本狩り以外じゃ格上しか相手にしていないような気もするが。お、来たか」

 

「ご歓談中でしたか?」

 

屋上に来たのはここにある人物を呼び出したからだったりする。その合間に依頼が来たけど。

 

「いや、呼び出したのはこっちだから気にするな朱雀。悪いな忙しいのに」

 

「嬉しい悲鳴という奴なのでご心配なくー。それよりお話とは何でしょうか?」

 

「それなんだが正確には俺達じゃなくて"同僚"からお話があるそうだぞ?」

 

「同僚?・・・ああ、なるほど」

 

朱雀が後ろを振り返ると俺の同僚、同じ幹部である時崎狂三こと周回ネキが朱雀に長銃を向けて立っていた。折紙が本部からこちらに来るときに同意を貰って影の中に潜伏し、この会社の警備システムを掻い潜って来たのだ。

 

「キヒヒ、急な訪問失礼いたします。ネオベテル所属の時崎狂三と申しますわ以後お見知り置きを」

 

「狩谷様と同じ幹部の方ですね、お噂はかねがね。それでお話とは?」

 

「ええ、そちらもお忙しいでしょうから単刀直入にお話しますが・・・アメリカでの御社へのメシア教の襲撃、あれは貴女自身の差し金ではありませんか?」

 

「・・・えー私共かなりの痛手を受けているのですが何故そう思いに?それとも証拠でも?」

 

「物的証拠は残念ながら。しかし状況証拠なら結構ありますわよ?例えばメシア教が粛清に本腰を入れるギリギリのタイミングで何故か御社の情報が匿名でリークされ結果的に被害を抑えられたことや亡くなられた役員、重役が貴女に反抗的だった人物ばかりですとか、処分することを考えていたカタリナさんを餌にすることが前提の様な撤退の仕方ですとかまだまだありますわよ?」

 

「あらあら、日本の霊能組織が良くこんな情報調べられましたね。海外の組織と繋がりがあるので?」

 

実際その通りである。この情報は周回ネキが同じアメリカで活動している鉄人ニキに頼み調べて貰った情報だ。それでも物的証拠を残さない辺りは流石だけど。

 

「それはお答えする必要はありませんわ。それに魔女相手に手の内は明かせませんし」

 

「それって【再誕の魔女】っていう二つ名のことですか?あれ他人が勝手に言ってるだけなので本物の魔女の皆さんに申し訳ないですよねー」

 

「あら、そんなこと無いと思いますわよ?彼女達もあの有名な魔女である"ギザイア・メイスン"なら多少大仰な二つ名でも納得されますわ」

 

「・・・へぇ?」

 

周回ネキが確信を突く一言を告げると明らかに朱雀の雰囲気が変わった。しかし不機嫌になった訳では無く愉快そうに不気味に笑っていた。ギザイア・メイスン・・・魔女裁判により牢に繋がれるが、空間・時空の移動というアグレッシブ過ぎる方法で脱獄することに成功し、さまざまな時代で目撃情報がある有名な魔女だ。

 

「さっきの状況証拠もそうだけど私がそれだと当たりを付けていなければ

分からないことだと思うけど・・・どう絞ったのか気になるわね?」

 

「うわ口調も変わってるじゃないか。まぁ独自の情報源があるんだよ」

 

周回知識なんですけどね。そこから裏付けしたのだろう。

 

「狩谷様、折紙様は知っていたのでしょうか?」

 

「え、全然。今聞いて知ったからな」

 

「何かあるとは思っていた」

 

「その割には反応が薄いような「別に朱雀の過去とかどうでもいいし」・・・それはそれで悲しいわね」

 

「私も貴女と言うより関係しているあの邪神を警戒していますわ」

 

ギザイヤと繋がりのある神となると・・・まぁあの外なる邪神様だろう。様々な迷惑を振りまくあの邪神に周回ネキも過去の周回で色々あったのだろうな。

 

「なるほど、確かに今の状況はあの神なら楽しんでいるでしょうね。でも私が"この時代"で接触したのは一度だけよ。ただどうやら目を付けられた人間はいたようだけど」

 

「それはまたご愁傷様だな。あれでもお前遺伝子的に日本人じゃなかったっけ?それも嘘?」

 

「そうとも限りませんわ。ギザイア・メイスンの姿は各時代ごとに異なります。一説には精神体になって時を渡りその時代の適合者に憑依するなんて考察もされているほどですわ。それに時空移動に関しても言えますが魔術などの類は法則はあれど基本何でもありな分野ですから」

 

「あー確かにロスヴァイセやルフェイ、アックアも色々やれてたな。で、そこどうなん?確か時空移動の方法はある程度調べられてたけど?」

 

「確かに時空移動に関しての考察は大体合っていますね、とはいえその魔術を制御出来るかは別ですが。そしてこの身体についてですが・・・」

 

如何やら時空移動には特殊な図形を描くことなど判明していること以外のプロセスがありそうだ。身体のことについては俺に熱い視線を向けているが・・・対価出せってことなんだろうな。

 

「ぼったくられそうだから聞かないよ。こちらとしてはあの邪神の情報と朱雀がネオベテルに牙を剥くのか聞きたいだけだと思うぞ?」

 

「そうですねある程度ならお教え出来ますよ?後者に関してはそもそも契約がありますので、狩谷様が最大の支援者であり続けて下さる限りこちらも誠心誠意お力添えいたします♪」

 

「笑顔で言ってるが逆に言えば他に一番が出来たら契約の裏をかいて乗り換えるって言ってない?」

 

「そうなりますね、とはいえ何のお知らせも無しに乗り換えることはしませんけど。流石にそれは不義理ですし」

 

「裏切る時点で不義理」

 

呆れるように折紙が呟くと俺の携帯が再び鳴る今度はメールの様だ。ここに来る前に食堂の厨房を借りて大量にツナマヨおにぎりを十香とカナリアに与えて丁度小腹を満たしに来た伊砂に預けたのだが、ツナマヨおにぎりのお代わりを求めて来ているらしい。カナリアはさっき昼飯食べたばかりのはずなんだがな。しかしお代わりを求めているのは三人とあるが斑鳩お前もか。

 

「・・・こいつらもこいつらだな」

 

「ふふ、如何やら狩谷様にはご予定が出来たみたいですね。あの神のお話でしたらいつでもお聞きください、今日は仕事もありますのでお暇させて頂きます。・・・ある意味で私に近しい時崎さん、またお話出来る日をお待ちしていますね」

 

最後に元の口調に戻ると朱雀は正体を見破られたのに機嫌良さそうに屋上から去って行った。

 

「あの様子だと周回ネキの周回のことについて察しているのか?」

 

「曲がりなりにも時空・空間に干渉できる魔女ですからね、実際過去の周回で出会ったときにも見破られたことがありますし」

 

「カリヤ、恐らくスザクはレベルも偽っているはず。手綱はしっかり握って置いて」

 

「私からもお願いしますわ・・・それはそうとまずは受けた依頼からでしょうけど」

 

「おう、ヤタガラスからの依頼で"必殺の霊的国防兵器"の内一体の封印場所が見つかったんだと」

 

今回はその攻略を手助けして欲しいという依頼である。後日ネオベテル側から正式に指名依頼を受けるだろうが、準備は早めにしときたい。・・・しかしこの手の話に縁があるな本当。

 

「必殺の霊的国防兵器か・・・最近急に姿を見せてきたがこれもGPが上がった影響か?それとも第三者の介入か、両方共か・・・それにマヨナカテレビの黒幕も玖番目の女神と同じ・・・そもそも認知異界に黒幕の悪魔が発生したのが原因と発表されたがそれは何時頃なんだ?もし戦後だとしたら・・・というかそんな都合よくあの悪魔が湧くのか?シャドウと悪魔の合体も普通の発想じゃない、もし黒幕本人がその"最初の個体"だったとしたら・・・だがそもそも玖番目は依代そのものに問題が・・・」

 

「・・・狩谷さん?」

 

「・・・」

 

俺は周回ネキの呼びかけと折紙の視線に気づかず思考の海に浸る。今までの傾向から黒幕が現実世界に顕現しようとしていることに疑いの余地はない、だが幾つもの疑問もまた存在している。第一に黒幕は何故十香の正体である精霊、いや神性を産んだのか。そしてそれを人間として生まれ直すように仕向けたのか。そして神性である以上何らかの権能を有しているはず・・・しかしそんな権能は今の所発揮されていないし、俺の考察が正しければ玖番目の依代の問題が解決していない。あの女神の特性上依代は適正のある人間を依代にしなければならないが顕現出来るのはその依代が死んだときだ。だが人間の依代は大抵意志や人格は兎も角生物的に生きている身体で運用されることがほとんどだ。それはつまり生きている依代で無ければ不都合があるからだ。そのことから考えると恐らく原作で顕現した玖番目は本当の意味で万全では無かったのだろう。だが依代が死んでいなければ顕現することも出来ない、この矛盾を解決するにはどうすればいいのか?・・・仮定に仮定を重ねることになるがもし十香に与えられた権能が生と死を"繋げる"、或いは"反転"させる何かだった場合・・・人間として生まれ直させたのは・・・。

 

「まさか、十香が・・・玖番目の・・・?」

 

俺が苦しそうに顔をしかめていると両頬に柔らかな手が触れる。一瞬折紙かと思ったが手の感触が違う。頭を起こすとやはり目の前にいたのは折紙では無く周回ネキだった。

 

「如何やら何か悩んでいるご様子・・・そういうときこそ私達に頼ってくださいまし」

 

「いや、その・・・正直かなり飛躍した考察というか半分以上妄想に近いんだけど」

 

「それでもです。私達は転生者の互助組織ですし、そもそも大半の【俺ら】がオタクですわ。半分以上妄想の考察?そんなものオタクなら幾らでも考えたことはあるはずですわ!」

 

「・・・何だそりゃ」

 

俺の両頬から手を離した周回ネキは自信満々にビシッと俺に指を指しながらそう断言する様子を見て「ああ、周回しててもこの人もやっぱ【俺ら】なんだな」と理解してしまい思わず笑ってしまった。

 

「トオカのことを呟いていた。友人として私も放って置けない」

 

「そうだな・・・分かった。ちょっと今回相手する必殺の霊的国防兵器に聞きたいことを聞いたらレポートに纏めてネオベテルには提出することにするよ」

 

「キヒヒ、そういう所は相変わらず真面目ですわね」

 

「まぁ前世で長い間中間管理職やってた人間の性みたいなもんだから諦めてくれ」

 

「かも知れませんわね」

 

俺がそういうと周回ネキも笑ってくれた。さて、心配掛けないようにちゃっちゃっと依頼をこなしてレポートを提出するとしよう。

 

 

 

 

 

 

「それはそうと食堂の方はいいの?」

 

「あ、やべ忘れてた!?」

 

「キヒヒ、良ければ私もご相伴に預かっても?十香さん達とお話してみたいですし」

 

その後周回ネキも連れて食堂に向かうと遅くなったことで十香達と伊砂に叱られてしまい、ツナマヨおにぎりとついでにきな粉パンを大量に作らされた。皆喜んでくれたからよかっけど・・・でも斑鳩に怒られるのはおかしくない???

 

「というか十香、何でお前周回ネキを警戒してるんだ?俺からも離そうとするし」

 

「良く分からないが狂三は危険だと本能が囁くのだ!」

 

「まぁまぁ・・・青春ですわね♪」

 

「なるほどナへマ―のせいか」

 

『違うのだが!?』という声が何処からか聞こえて来た気がするが無視する俺なのであった。




読了ありがとうございました!朱雀の設定は元ネタとは違いオリジナル要素です。「何かニャルっぽいな」と思ったのが理由ですね。流石にご本人は面倒なことになるので関係者にしましたが。十香については無理言ってんなと自分でも思いますが面白い設定を考え付いたのでついぶち込んでしまいました。本家様ごめんね!
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