◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい?   作:電脳図書館

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いよいよ物語が動き出す第四話。新章一発目をお楽しみ下さい。


第二章 転生の魔
三人目の幹部


あっさり折紙の正体と神殺しのことがバレ色々と経緯をぶっちゃけてアズールをつれて帰ってしばらくは教会でのイリナ達との手合わせや小規模な異界を潰したりするくらいで割と平穏なスクールライフを送ってた・・・因みにアズールは俺達がネットで知り合い、日本に留学してきたので家にホームステイすることになった無口な少女と説明している。勿論折紙が多少の暗示を掛けてくれたのだがすぐに馴染む様子を見て両親が心配になったけど。

 

「どうだ、そろそろ高校にも慣れたか"ゼノヴィア"」

 

「ああ、狩谷とイリナのお陰で何とかやれているよ。クラスの皆も色々教えてくれるからな」

 

お昼休み。隣の席に座っているゼノヴィアに最近の様子を聞くと仲良くやれている様でよかった。そう、実はゼノヴィアとイリナが少し前にうちのクラスに転入した来たのだ・・・学校くらいはゆっくり日常を過ごせるだろうと思っていた俺は転校初日にこれからの苦労を想像して胃にダメージに受け保健室に運ばれたけど。

 

「なら良かったよ。そういえばイリナは?」

 

「さぁ?先ほどトイレに行ったっきりだ」

 

俺の後ろの席になったイリナは現在教室にいない。転校して来た日から中等部の折紙を交えて情報交換もしつつ4人でお弁当を食べるのが常だったんだが。

 

「あ、いたいた!!狩谷君、ゼノヴィアさっき枢木神父から連絡があったの!」

 

「神父ニキから?何だろう」

 

ゼノヴィアと共首を傾げるが取り敢えず話を聞こうと途中で中等部によって折紙と合流して屋上に向かった。

 

「ん、これでよしっと」

 

「遮音だけじゃなくて認識阻害の結界も張っている。余程重要な案件と見える」

 

「分かりますか?流石は折紙"様"です!」

 

「・・・」

 

折紙がやりずらそうだな。当然と言えば当然だが折紙の事情は既に教会組に伝わっている。それからというものも味方してくれる高位の天使が貴重と言うこともあって、こうして崇められているという訳だ。まぁ現状知っているのはイリナ達三人と神父ニキの部下であるテンプルナイトあとはメシア教と敵対するキリスト教各宗派の実力があるトップ達になる。因みに俺も同じように崇められそうになったのだが土下座してでもやめて貰った。俺は神殺しではあっても聖人ではないのです。

 

「それでイリナ、神父ニキは何だって?」

 

「あ、ごめんなさい」

 

えへへと笑うイリナだったがすぐに真面目な顔になると

 

「狩谷君!日本でエクスカリバーの一本を強奪した犯人が見つかったって!!」

 

「マジか!」

 

「何!?」

 

「・・・!」

 

俺も含めて三者三様の驚き方をしてしまう。そうか見つかったのか強奪犯

 

「やったじゃないか・・・まぁ多分奪い返すのが大変ってパターンだろうけど」

 

「そうなのよね・・・強奪犯はフリード・セルゼン、嘗て教会を裏切ったはぐれ神父よ」

 

「神父なのにはぐれとはこれ如何に?」

 

「メシア教ですら持て余し、破門された異端だ」

 

「え、マジで?どんだけヤバいんだよ・・・」

 

「剣技に秀でたエクソシストだったのだが何度も高難度の悪魔討伐に乗じて仲間であるエクソシストやシスターを手に掛けていてな。同行していたエクソシストの一人が自身の命と引き換えに教会に情報を送ったことで露見してな。その時は件の聖剣の所有交渉でゴタゴタしているところだったんだ」

 

「それで破門と合わせて強奪か・・・ん、でもおかしくないか?」

 

「私が言うのもあれだけどメシア教だと洗脳などいくらでも従わせる方法はあるはず」

 

「「「確かに」」」

 

詳しい説明は放課後教会でということらしい・・・何かあの教会が東京中野支部的な立ち位置に成ってないか?

 

 

「今回は集まってくれて感謝する」

 

「神父ニキお久しぶりです。横にいるのは前に聞いた造魔のナノハさんかな?」

 

「うん、よろしくね!」

 

「よろしく、でもってここまでは分かるけど・・・」

 

「初めまして狩谷さん、折紙さん。時崎狂三と申しますわ、周回ネキと言われていますわ」

 

「そうか貴女が幹部の・・・でもなぜ?」

 

「勿論説明させて頂きますわ」

 

                 ・・・周回ネキ説明中・・・

 

ふむふむなるほど。周回ネキはその名の通りこの世界と似通っているメガテン世界を周回している幹部である。その周回知識で非合法非人道的な実験を行っているメシア教会の施設を潰して回っている時にそこに出入りしているフリードを発見したと。

 

「分かたれたとはいえエクスカリバー、使い手もゲスとはいえ腕は確かと来れば私といえども万が一がありますので」

 

「特に今回の施設は他の施設よりも規模が大きくて警備レベルの高いということもありこちらにも援軍要請があったのだ」

 

「なるほど・・・お任せ下さい。聖剣は元々こちらの案件、しかもそちら【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】の皆さんには日頃お世話になっていますので喜んでお手伝いしましょう」

 

「そうね【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】の皆さんの中には私達に懐疑的な方もいますし、頑張って実績作らないとね」

 

「あらら、責任者は私なのだけど・・・確かにここで【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】に役に立つことを示すことが大事よね。後々合流してくるはずの同志たちの身の振り方も変わりますでしょうし」

 

「・・・ありがとう」

 

神父ニキの顔が引きつる。【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】・・・こんな合体事故としか言いようがない名前が【俺ら】の組織名である。その三連チャンにまだ慣れていない神父ニキはさぞ言いたいことがあるのだろう。因みにその様子から絶賛目を逸らしている俺と折紙はこの名前付いてとやかく言うつもりも権利もない。なぜって?それはな・・・

 

『お、等々組織名が決めるのか・・・って安価かよ大丈夫か?』

 

『神道的な意味もあるみたい。折角だからコテハンも元の名無しにして参加しない?』

 

『つまり匿名か、いいなやって見よう。俺は・・・【ジャッジメント】にするか』

 

『ふむ、ならば私はこれ』

 

『どれどれ、ぶふ!?お前これって何でだよww』

 

『プロレスは淑女の嗜みとクラスメイトが教えてくれた』

 

『誰だそいつは』

 

『ま、まぁいいか。それじゃタイミングを見て投稿だ』

 

『万が一私のが当たったら軽い祝福が掛かるようにしよう。多分ないとは思うけど』

 

俺達は悪意などなくイベント的なノリで軽い気持ちだったんだ・・・その結果

 

 

97:名無しの転生者

 

ジャッジメント

 

 

 

104:名無しの転生者

 

ウルトラスープレックスホールド

 

 

 

112:★名無しの巫女サマナー

 

はいここまで

 

組織名は【万神連合ネオベテル・ウルトラスープレックスホールド】に決定しました

 

 

『『( ゚Д゚)( ゚Д゚)』』

 

『『(;'∀')(/ω\)』』

 

『『・・・』』

 

『『\(^o^)/\(^o^)/』』

 

 

以上である。このことは兄妹だけの秘密として墓場まで持って行くことになるだろう。祝福の効果でネオベテル(略称)が作る天使型の造魔や浄化系のアイテムの生産効率や性能がちょっとだけ上がるらしいのでそれで如何にかして欲しい・・・。

 

「狩谷君達はどうするって目を逸らしてどうしたの?」

 

「「いや、何でもない。行くのはいつ(だ)?」」

 

我ら神木兄妹、義によって助太刀いたす(白目)!

 

「お、おう乗り気だなお前たち…作戦は次の日曜日だ」

 

真顔で言ったからか神父ニキに引かれたが些細な問題だ。それはそうと気になることもある。

 

「聖剣持ちが出入りしているからやっぱ研究もそれ関係?」

 

「いいえ、どうやらそのフリードという男はその施設を守護する任が与えられているようですわ」

 

「それほど重要なのか?というかフリードって破門されてなかったっけ?」

 

「正確には今回はメシア教の過激派の一部の暴走ですわ。もしかするとそこで繋がりを持ったのかも知れません。あるいは強奪そのものが過激派と示し合わせていたものだった可能性も…研究内容はこれですわ」

 

そう言って周回ネキは懐から何かを取り出した…こいつは

 

「「「「「チェスの駒?」」」」」

 

教会組と俺たち兄妹が揃って首を傾げる。

 

「ええ、これはただのチェスの駒ですわ。しかし本物は恐ろしい能力を持っていますの」

 

「人を悪魔に変える駒。通称悪魔の駒ですわ」

 

 

 

「思ったより人数が多いな。俺達以外にも援軍がいるのか」

 

「恐らく陽動が目的」

 

「なるほど」

 

約束の日。集合場所である施設近郊の森に向かったのだが俺達と神父ニキ達幹部以外のメンバーもどうやら援軍に来ているようだ。ここで今回のこちら側の戦力を確認しよう。流石に詳細は面倒なのでアナライズで見たレベルだけになる。因みに現行のアナライズ機器で図れる上限を超えている幹部達は自己申告の数値だ

 

幹部

【ペルソナ使い 時崎狂三 Lv45】

【神父 枢木朱雀 Lv35】

【造魔 ナノハ Lv33】

この方々が負けたら撤退以外の選択肢が消えるレベルの主力。

 

神父ニキ配下のテンプルナイト

 

騎士団長【覚醒者 ファナティオ・シンセシス・ツー Lv14】

団員は約20名、平均はLv7~9で団長以外にも二桁台は少数いる。団員の中でも戦闘経験が豊富な精鋭達が本作戦に参加する。あと団長さんは神父ニキにほの字だが全然気づかれていないらしい(とある団員からの情報提供)

 

教会組

【聖剣使い 紫藤イリナ Lv14】

【聖剣使い ゼノヴィア・クァルタ Lv15】

 

連携抜群な聖剣コンビでこちらのエクスカリバーの担い手達。因みにシスターワシリーサは俺達の街の守護で留守番だ…イリナ達曰く元凄腕のエクソシストで現在でもエクスカリバーを使ってもタイマンではまず勝てない、2対1で挑んでも勝率は2割から3割らしい…え、強くない?

 

神木家

【神殺し 神木狩谷 Lv19】

【覚醒者 神木折紙 Lv18】

【造魔 アズルニール Lv18】

【?? ????? Lv??】

 

転生者とその血肉から作られた造魔特有の高い成長速度で急速にレベルを上げている。そして実はもう一体仲魔が出来たのだが、見た目の関係上一般人に見られる訳にはいかないので施設強襲後俺が覚えたサバトマで参戦予定。折紙のレベルは真名封印による偽装だが天使の力を使わない人間の力のみだとこのくらい、天使の力を引き出すとレベルが大幅に上昇するが、それでも真名封印と脆い人間の身体な為天使時代の全盛期には遠く及ばない。

 

「いくら規模がデカいとは言えここまでの戦力なら問題なく攻略は可能…まだ不安なのか?」

 

「戦力としては十分なのは私も同意見…ただその施設で行われている研究の目的が不明瞭。悪魔に転生させて戦力に加えることが目的だと仮定しても戦力が欲しければ天使を召喚すればいい話で、上位の悪魔の力が欲しい場合でも暴走のリスクを考えると長時間の儀式の手間暇を考慮にいれても高位の天使召喚の方が確実」

 

「なるほど、リスクとリターンが見合ってないと。周回ネキも本当の目的は知らないみたいだったからな。何でもあの施設を過去の周回で落としたときと現在で研究の進み具合が大分違うらしい。トップと目される人物も違うようだし、最終目的が変化している可能性はあるな」

 

「そしてエクスカリバーもこの件については過去の周回で関わって来なかったと言っていた…前提条件がかなり違って来ている。クルミ本人も言っていたけど彼女の周回知識はあくまで参考に留めて置いて」

 

「何か有ったら臨機応変に対応ってことで行くとしよう」

 

色々懸念事項があるこの作戦に一抹の不安を覚えるが、放置は下策と分かっているので今のうちに処理するしかない。そんな俺達の様子を側に付いているアズールは心配そうに見つめるのだった。




読了ありがとうございます。今回から聖剣が色々絡み始めていきます・・・エクスカリバー争奪戦になりそうな予感・・・。

第四話時点での神木家

【神殺し 神木狩谷 Lv19】
ステータスタイプ:速・魔型
防御相性:破魔無効 呪殺耐性 火炎・氷結・電撃・衝撃耐性(加護により取得) 睡眠・混乱・魅了・幻惑・封技・毒耐性(加護により取得)
能動スキル:【貫通撃】【メギド】【スクカジャ】【???】【冥界破】【サバトマ】【???】【???】【???】
自動スキル:【武道の素養】【猛反撃】【物理無効】【???】【万能プレロマ(加護により取得)】【???】【???】【???】
汎用スキル・その他:【槍術】【格闘技】【剣術】【盾術】【無名天使の加護】【神殺し】【???】【???】【???】

・主人公はまだ劇中で言及されていないスキルなどは非公開で行こうと思っています・・・全部決まっていないからとかじゃないよ(棒)
・因みに容姿は黒髪黒目で長身。イメージとしては真女神転生Ⅱのザインの若くした容姿にしてより日本人風にした感じ。

【覚醒者 神木折紙 Lv18】
ステータスタイプ:魔型
防御相性:破魔無効 呪殺耐性 火炎・氷結・電撃・衝撃耐性
睡眠・混乱・魅了・幻惑・封技・毒耐性
能動スキル:【メギド】【マハンマ】【アナライズ】【ディアラマ】【タルカジャ】【マカカジャ】【コンセントレイト】【パトラ】【トラポート】
自動スキル:【万能プレロマ】【大魔脈】【勝利のチャクラ】
汎用スキル・その他:【格闘技】【剣術】【盾術】【無名の天使】【護符作成】【料理】【結界術】【変装術】

・このステータスは天使の力を引き出していない段階の力。元々持っていたスキルが弱体化して、一部発現している。中には人間となって初めて獲得したケースもある。
•トラポート
最近覚えたトラポートを使えば一定以上の霊地に跳ぶことが出来るので今話で判明した仲魔も一緒に来れるのだが、この施設の近くの霊地は街の真ん中だったりと一緒に転移出来ない。
・無名の天使
本来なら何らかの天使の役職や位の名称が入るのだが真名封印の効果で喪失しているのでこの名称になっている。現状では何の役にも立たないスキル

【造魔 アズルニール Lv18】
ステータスタイプ:魔・速型
防御相性:破魔耐性 呪殺耐性 氷結無効 電撃・衝撃耐性
睡眠・混乱・魅了・幻惑・封技・毒耐性(祝福で獲得)
能動スキル:【ブフ】【マハブフ】【ヤブサメショット】【マハザン】【ジオ】【テンタラフー】【ムド】【絶命剣】【テトラカーン】【ブフーラ】
自動スキル:【氷結プレロマ】【魔脈】【極・物理見切り】【龍眼】
汎用スキル・その他:【魔弾作製】【固有武装】【格闘技】【剣術】【銃技】【無名天使の祝福】【竜の因子】【擬似魂魄保護術式/■■■■の加護】【■■■■】

•まだ会話が出来ないお陰で影が薄い。しかし自我は芽生えて来ている。
・魔弾作製と固有武装
魔弾作製のスキルで魔法を弾として生み出し銃撃を可能にしている。試作機ということもあり様々な魔弾が作製出来るよう、様々な属性の攻撃魔法を獲得するように意図して作成された。固有武装はファフニールのこと。
•竜の因子
竜や蛇関係の悪魔が多く使われていている為に獲得した。竜の力を得やすくなるが竜殺しの力には弱くなる。因みにコアには雪の妖精が使われていて弱点だった氷結属性が無効になっている。
・無名天使の祝福
狩谷の身体の一部から生まれた為祝福にグレードが落ちるが一部状態異常耐性程度の恩恵を付与することが出来た。
・■■■■
現状不明。作成時にすでに獲得していた。条件を満たせば解放可能

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