◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい?   作:電脳図書館

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第四十一話となります。まだ異界の入り口付近から全く話が進んでないけど大丈夫かこれ?


彼岸に咲く白き花

意気揚々と異界に挑んだ俺を待っていたのは正しく一神教と仏教の宗教戦争と言える光景だった。

 

「え、ナニコレ」

 

 

「・・・慎次さんや、住職の話と違くないかね?」

 

「・・・その様ですね。ちょっと頭痛くなってきました」

 

 

「先手必勝で広範囲攻撃で纏めて吹き飛ばす?」

 

「いえ、折紙さん流石に行き成りそれは・・・」

 

「「む、何者だ!もしや敵側の新手か・・・返り討ちにしてくれるわ!(天使&僧侶)」」

 

『あ、ダメだこれ話が通じない』

 

そんな感じで俺達もものの見事にこの戦争に巻き込まれることとなる。こういう状況が分からない時は争っている全員を殴るに限る。

 

「仕方ない、まずは出鼻を挫く。折紙!近づいてくる前に一発お見舞いしてやれ!」

 

一神教、仏教勢力の悪魔達がこちらに迫る。ただこちらに突撃しつつ時折殴り合って数を減らしているのだからギャグ漫画に見えてしまう。という訳でギャグらしくまずは敵に吹っ飛んで頂こう。それに折角の折紙の高級造魔のデビュー戦だ。派手にやらせてやろう。

 

「了解【天使式召喚陣】起動、召喚"ホワイト・リコリス"!」

 

 

『マスター折紙の命令受諾。【造魔 ホワイト・リコリス】起動完了』

 

【造魔 ホワイト・リコリス Lv56】

 

「装着完了。攻撃を開始する」

 

折紙が召喚したのは恐山攻略後に作成を頼んでいた武器型の高級造魔だ。しかも機械音声(女性声)だが喋る。武器と言っても折紙の身体に装着して運用しているが、これはアズールの【固有武装】であるファフニールから取れたデータも造魔作成に用いられているからだったりする。とはいえサイズが大きい為俺の家の地下の格納庫から召喚する形を取っているので、折紙はCOMPを持っていない・・・ネオベテルへの配慮なのだろうか?あとこの召喚陣は天界から天使を呼び出すことも出来るが、呼んだ所で大半がイカれた天使なのでそっちの機能は使用しないとのこと。

 

『命令受諾。全兵装起動、安全装置解除、戦闘を開始します』

 

「まずは主砲で風穴を開ける」

 

『了解、50.5cm魔力砲〈ブラスターク〉照準合わせ。対象補足』

 

【コンセンレイト】【霊魔集中】【同時発動(チャージ)】

 

「第一射、発射!討滅せよ〈ブラスターク〉!」

 

【万能ギガプレロマ】【万能サバイバ】【万能エンハンス】【万能プラーマ】【初段の賢魔】【二段の賢魔】【三段の賢魔】【虐殺者】【メギドラ】

 

ホワイト・リコリスのスキル【同時発動(チャージ)】はゲームで言うと1ターンに2つまで同系統のスキル(全く同じスキルは不可)を同時発動することが可能というスキルだ。ホワイト・リコリスの場合は【コンセンレイト】【チャージ】などのチャージ系のスキルに適応される。因みに俺もチャージ系のスキルを組み合わせることが出来るが、それは【武道の素養】の効果(覚醒初期のことは知らなかったが同じスキルを持つ神父ニキは出来ないそうなので元々のスキルから成長、派生している可能性が高い)によるもので発動条件が同一の物理系スキル限定であり、魔法系列のスキルである【コンセンレイト】と別の魔法系列のチャージ系スキルを組み合わせるという事は出来ない上、キッチリとチャージ系スキル分のターンは経過する(二つのチャージ系スキルを使用した場合三ターン目に攻撃を行う)。まぁつまりどういうことかと言うと・・・。

 

「「「「「「グワーーー――!?!?」」」」」

 

「「「「「ば、万能属性ギャーーーーー!?」」」」」

 

『うわー・・・』

 

「お、折紙ちゃん凄いわね・・・正面の敵が吹っ飛んだわ「第二射、発射!」え、それ連射出来るの!?」

 

チャージ系スキルを造魔側が行っているので、折紙側は波動砲の如く敵を薙ぎ払いクレーターを作り出した砲撃を連射することが可能になっている。これはロボチキニキのアイデアで「主砲打つ時は造魔はチャージに集中して、折紙さんが撃って貰えばいいのでは?パッシブスキルと魔力の関係でその方が威力が上がるでしょうし!」とのことだ。そのまま主砲の連射で双方の陣営の勢力を削って行く。

 

「これ主砲の連射で全部終わるんじゃないの?」

 

 

「面白いくらいに敵が吹き飛んでいるが・・・攻撃が止んだ?」

 

「あー一応ホワイト・リコリスにも幾つかの欠点があってな。幾ら連射出来るとはいえやり過ぎると主砲の砲身がオーバーヒートを起こしてしまうから攻撃を辞めて冷却する時間がいるのさ。まぁ他の武装は使えるけど」

 

「ですがこれでは折紙殿に攻撃が集中してしまうのでは!?」

 

「ば、化け物が!?攻撃が止んだうちに反撃を加えよ!デバフもだ!」

 

「やはり!折紙殿!!」

 

斑鳩と伊砂にホワイト・リコリスを解説していると命の懸念通り敵の物理・魔法での遠距離攻撃と【マハタルンダ】【マハデクンダ】が折紙とホワイト・リコリスに集中してしまう。しかし・・・。

 

『障壁展開』

 

「【デクンダ】。デバフの打消しと障壁の強度は問題なし、攻撃を再開する」

 

残念ながら折紙はうちのメイン魔法アタッカー兼メインバッファー兼メインヒーラーである。デバフにも自前や装備などで耐性・無効になっていて掛かりにくく、能力低下系は【デクンダ】一発で解決である。・・・うん、折紙の負担がやっぱデカいな。今度は新たなメインヒーラーを探さないとな。流石に各種状態異常回復までには手が回っていないし、状態異常回復アイテムを多く確保したり、俺と折紙はそういう種類のものを無効する耐性装備(特にアイテムも使えない様になる類のヤバい奴)を異界攻略巡り(周回)で揃えたりして対処しているからな。なおその周回でも俺のレベル上げの効率は相も変わらず糞悪かったと明記して置こう。

 

「【デクンダ】は兎も角あの障壁は・・・折紙様の結界と似ている?」

 

 

「ああ、流石だな春姫気づいたか。あの障壁はホワイト・リコリスの【防性随意領域(テリトリー)】というスキルで発生させているが、折紙の【結界術】のデータを元に作られているから似たような感じになっているんだ」

 

「低い機動力を防御力で補っているってことか・・・機銃っぽいのも見えるし、まるで空中の移動要塞ね。でも敵にまとわりつかれると厄介よ?ある程度は近接武装と障壁でどうにかなると思うけど」

 

 

「そ、そういうときの為に私達がいるんですよ楯無さん!」

 

「千草の言う通りだ!もう少し近づいて遠距離から「はいちょい待ち」グハ!」

 

空の敵に機銃で牽制している折紙の為に接近して、遠距離攻撃で援護しようとした桜花の襟を掴んで向かうのを止める。それは後でね、今行くと巻き込まれるから。

 

「妹さんを助けには行きませんの?」

 

「何言ってんだ輝夜、勿論行くよ?折紙が"ミサイル"撃った後に、だけどな」

 

「おお!ミサイルか!確かにそれなら撃ってから向かった方が安全だな!・・・ミサイル?」

 

 

『ミサイル!?』

 

『〈ルートボックス〉展開、魔弾型誘導ミサイル照準合わせ。全対象補足』

 

「魔弾型?あのミサイルはどういう・・・ああ、私から得たデータを使ってるってそういうこと」

 

「そうそう、装着機構だけじゃなくてアズールの【魔弾作製】も組み込まれている。仕様は違うけどな」

 

十香達がミサイルという物騒な品物に驚愕しているがアズールが気が付いたようにあのミサイルは本物ではなく【魔弾作製】スキルで作られた魔弾である。というか流石に本物ミサイルは自衛隊が黙ってないって!それにアズールのライフル弾型と違いサイズと威力が大きいミサイル型には前者に無かった欠点が存在する。

 

「航空戦力は動きを封じてから叩く」

 

『了解、反転障壁展開』

 

「こ、これは障壁に覆われている?・・・!?いや、これはまさか!」

 

「そう、通常障壁はうちの攻撃は外に逃がし、外からの攻撃は阻む性質を持つ・・・即ちその反転とは」

 

「障壁で敵を閉じ込めた!?これで相手は勿論爆発の威力の逃げ場も無くしている・・・」

 

「全ミサイル一斉射!!」

 

【刹那五月雨撃ち】【銃ギガプレロマ】【トリガーハッピー】

 

「ま、まてーーー!!!」

 

天使共が叫ぶが一切容赦ないミサイルによる爆撃で文字通り跡形も無くなる。

 

「うーん流石我が妹容赦がない」

 

「爆風とか諸々障壁で内に籠るからなのか灰一つないんですけど!怖いなオリリン!」

 

 

「オリリン?」

 

「ああ、最近ニ亜が呼び始めた折紙の渾名。よしでは皆行こうか、残った敵は少数になったけど増援も来るだろうし」

 

「は、はい!・・・狩谷さん、あのミサイルにも欠点があったりするの?」

 

「勿論ある!アズールなら分かるだろう?」

 

「ええ、私の【魔弾作製】は一度の発動でカートリッジ一本分の魔弾を作製出来るけど彼女の場合は魔弾のサイズと威力的に考えて作製は一発ずつ、しかも作製に時間が掛かる感じかしら?」

 

 

千草の疑問をアズールが考察した通り、一発ずつ作製していくのでアズールとの作成速度の差は一発分なら兎も角全弾分となると無視できない差となってしまう。加えて【魔弾作製】はMPを消費して発動するスキルだが、ミサイルの方が消費MPも嵩んでしまう。まぁ同じ造魔でもMP総量はホワイト・リコリスの方がずっと上なのでコストなどは単純に比べられるものではないけどな。因みに機銃は実弾である。制作班では「こっちも魔弾にした方がローコストだろ!?」「機銃は実体弾以外認めぬー!!」という論争があったそうだが、これは蛇足だろう。

 

「ということはずっと使える武装は機銃と近接装備、障壁くらい?意外と制限が多いんだね?」

 

「その近接装備の〈クリーヴリーフ〉も攻撃だけじゃなくて、お前の蜘蛛糸みたいに伸びて敵に巻き付き動きを制限したりと使い勝手が悪い訳じゃないけどな」

 

「それなら妾達も活躍出来そうじゃ「【メギドラ】!」・・・えぇ」

 

「そうですよね、武装が使えなくてもそもそも元からか火力が凄い折紙様自身が魔法使えばいいだけですもんね」

 

仕事があると意気込んでいたカーリーとロスヴァイセが白目を剥いている様にホワイト・リコリスの欠点の一部を自身のスペックで潰せる辺り元高位天使らしく化け物染みている。

 

「というか、各種兵装を個別で運用してそれで連携取って戦うという軍隊スタイルが強いのにそれを一体に盛り込んだとかいう頭おかしい設計をしているからな。あの造魔は」

 

「ですがそれだと身体だけでは無く、頭が追いつかないのでは?」

 

「ご心配は無く、折紙は特別でな」

 

慎次さんが懸念した通り、通常の人間の脳の情報処理速度では脳に負担が掛かり過ぎてシュミレーションでも廃人待った無しな数値を叩き出してしまっているが、ヤタガラス側は知らないが折紙は元高位天使の転生者。人間と比べて脳の情報処理速度が圧倒的と言われるほどの差があるので普通に運用が出来ているのだけなのだ。折紙曰く「ちょっと頭を使う脳トレ」的な感覚らしく、更にメシア側に着いた名のある天使程狂っているように見えるのは無駄に強い情報処理能力による思考がどんどんドツボに嵌って拗らせている場合が多いとのことだ。因みに対処法も幾つかあるそうで、折紙の場合は「日常生活ではメインに思考すること以外にもサブとしてどうでも良いことを無数に思考して、普通の人間との差を出来るだけ埋めている」とのことだ。特に高位天使はどうでもいいことに思考を割く意義と言うのが理解できないらしい。逆に一個人を守護する最下級の天使などは普通の人間より情報処理速度が若干高い程度がデフォルトなので、問題にはならないらしい。分霊としてそれらが人間に遣わされることが多いのも其の為なのだろうか?

 

「さて、主砲とミサイルでごっそり減って増援が来てもすぐに立て直せなくなったな。こっからが前線組の出番だ。後衛組に補助を貰ったら突貫する・・・遅れずに付いて来いよ!!」

 

『了解!』

 

後ろからは頼もしい仲間の声、前方からは敵の増援の鬨の声を聞きながら日光山攻略の本格的なスタートを切るのだった。




読了ありがとうございます!前から話に出ていた高級造魔ことホワイト・リコリス参戦です。
メガテンの設定と合わせる為一部機能などがよりオカルト的な機能に変わっています(例えば【防性随意領域】がバリア的なものになるのは一緒でも原作とは異なり【結界術】の技術が元なので原作で可能だった一部能力が使えなくなっているがその代わり魔術・魔法的な結界としても使えるようになっているなどの違いがある)。
原作では高性能過ぎて元の折紙でさえ使用に時間制限があり、人類側でこいつについて行けるのが姉妹機のスカーレット・リコリスとウィザードのトップ層くらい(魔王の力を取り込むお方は例外枠)という軍隊運用がそもそも考慮に入れられていない欠陥品でしたが、この作品では折紙は基礎スペックからして精霊どころではなく制限時間が無いのと普通に高レベルの者達なら戦闘に付いていけ、ホワイト・リコリスも軍隊運用に平然と組み込めるというパワーインフレ極まる環境なので折紙が使えばちょっとピーキーな仕様の機体程度で収まってますけど。因みに一部仕様変更があるとはいえ、ホワイト・リコリス単体の基礎スペックもこちらの方が本霊がとある"神霊"ということで上だったりします。
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