◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい?   作:電脳図書館

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第五十三話になります!如何にかサバフェス2が始まる前に投稿出来たぜ!


中野区で日常とコミュ4

【アズルニール編】

 

人どころか動物さえいない静寂が支配する町の唯一の住人とも言える女性・・・アズールは、あの式場近くの喫茶店で紅茶を楽しんでいた・・・お茶葉とか無くなったりしないのだろうか?と割と如何でもいいことを考えながらその店のドアを開く。

 

「あらいつでもこっちに来れるようになったのね」

 

 

「まぁな」

 

俺はいつぞやの自分の心象世界に訪れていた。目の前のアズールは現実のアズールが作り出した超劣化分霊だ。本人曰く戦闘力はほぼないらしい。

 

「というかこと細かく作り過ぎだろここ。この喫茶店のチラシまで再現とか俺そこまで覚えてないんだけど」

 

「心象世界は本人の心・・・即ち魂に刻まれた世界。記憶が無くても魂が覚えているものよ」

 

「なるほどね。そういえば思い出せない記憶も別に失われた訳じゃないとかどうとか聞いたことあるな」

 

とはいえ人間や動物は再現されないみたいだ。植物は再現されているが、少し触れればそこに命が無いというのは直ぐに分かる。

 

「折角ここに来たのだからお茶しない?淹れるのは私だけど・・・聴きたいことがあるのでしょう?」

 

 

「そこまで時間は掛けないつもりだが、そうだな折角だし貰うよ」

 

俺の用件は察してくれているようなので話が早い。アズールが淹れてくれた紅茶を飲みながら俺は回りくどいことを抜きに聞いてみることにした。

 

「アズール、お前は何がしたいんだ?」

 

「いきなりストレートに聞いてくるのね。でもマスターらしいわ」

 

「いや、だってお前表立ってはまだ何もしてないけど俺の深層心理の世界に超劣化分霊を送り込んで何か調べているみたいだし、折紙とシュブ=ニグラスが露骨に警戒していたぞ?」

 

「そのようね。シュブ=ニグラスも儀式を行ったのはもしものときに私に対抗する為でもあるでしょうから」

 

「ああ、やっぱりそういうことだったのか・・・お前も造魔のはずなんだけどな?」

 

「勿論私は造魔よ。常にマスターに忠誠を誓っているわ。本霊でもマスターを害するなら対立するでしょうね」

 

「その言い方だと本霊のセトも俺を害する意識はないのか?」

 

「ええ、だからこそ私も乗ったのよ。全てはマスターの為ですもの」

 

うーん造魔の性質上アズールが主人である俺を裏切ることはない、ただ主人を助けるために本霊と協力したり力を分けて貰うことがあるというのはネオベテルに報告が上がっている。それを含めて考えるとアズールとセトは俺を助けるために動いているが折紙とシュブ=ニグラスはそれを止めたがっている感じになるのか?

 

「義妹さんは兎も角流石にシュブ=ニグラスは私がどういうことをしようとするかまでは知らないと思うわ」

 

「でも手を打ってるということは邪神的感性で感づいてるのか?」

 

「私の本霊が同じ邪神だから対抗心を燃やしているだけかも知れないわよ?」

 

「え、そんな理由!?」

 

いや流石にそれは・・・あーでもクトゥルフ神話って親族内ゲバする神格多かったしなーどうなんだろ?準備自体はバフォメット時代からやってたから関係ないのかな?

 

「・・・まぁシュブ=ニグラスのことは一旦置いといて目的をはよ言え」

 

「言ってもいいけど多分意味ないわよ?」

 

「え」

 

アズールの言葉に小首を傾げていると紅茶を飲む手を止めて語ってくれた。

 

「私の目的はマスターを義妹さんからの■■からの解■。その為にはマスターに埋め込まれた■■の■剣を奪取して、マスターの奥底に眠る私の本霊邪神セトの■身である■■■■■■を呼び覚ます必要があるけど」

 

 

「はい?え、所々聞こえなかったんですけど???」

 

「やっぱりもしもの時の為に対策が取られていたか。特定のワードに対する認識阻害のファイアーウォールってところね。マスター、どれほど聞き取れたのかしら?」

 

「何か所々の単語が聞こえなかったな。幾らかは一文字くらいなら聞こえたけど」

 

「一部とはいえ聞こえている・・・ということはそろそろか」

 

俺の聞き取れた範囲を答えるとアズールは何かに気づいたようだ。本来サマナーって仲魔の手綱を握らないといけないのこいつら俺が知らない秘密が多過ぎである。皆白織みたいに素直なら良いんだけどなー!

 

「そろそろって?」

 

「そうね、恐らくあと一回死戦を超えたときにマスターは覚醒者として今より一段階上の存在に至るだろう。そうなれば私の干渉もあってマスターに施された■■と■■に綻びが出て来る」

 

「綻び・・・ダムみたいに一気に崩れたりしないかそれ?」

 

「ダムも一か所の亀裂で致命的なことにはならないわ。幾つかのチェックポイントにも亀裂がいる・・・つまりは分岐点ということよ」

 

「綻びを無視するかそれを広げるかってことか。まぁすぐまた死戦に陥ることはないやろ!まだテンカイの件から一週間経ってないしな!うん、綻びが出来たときに考えよ!」

 

「いいの?私の干渉が無ければ綻びは生じないし、私は造魔だから干渉を止めろと言われれば従うけど」

 

「でも今のままじゃ不味いから色々やってるんだろ?止めさせたら良くて問題の先送り、最悪悪化するじゃねーか」

 

分岐点の決断を先送りにした俺が言える台詞では無いがアズールが俺の為に色々動いてくれているのに邪魔するとかどう考えても将来的にツケを払うことになるのでそれは避けたい。

 

「・・・前も思ったけど良く私を信頼出来るわね。私が裏切ったり失敗したらどうするつもりよ」

 

 

「多少の失敗くらいは今後の成長の糧だろ。それに忘れたのか?前にも言ったがもし取り返しのつかない失敗や裏切りをしたときは」

 

 

 

「どんなことがあってもお前を"殺し"、俺も責任を取ってやることやったら"死んでやる"」

 

「・・・ええ、覚えているわ」

 

一拍置いてアズールは覚えていると頷く。

 

誰かに重要な仕事を割り振るということはその者を信頼するということであり、割り振った以上その責任を果たすのが人の上に立つということ。今世の俺の立場を考えればその責任の取り方が自身の命となるのは当然だろう。ましてや自分の血肉を分け与えた存在が関わるなら尚のことだ。

 

「お前は他の仲魔と違って色んな意味で特別だからな。もしものときは俺と一緒に責任を取って貰うぞ」

 

「勿論。それに特別ね・・・その言葉取り消させないわよ?」

 

 

「お、おう?」

 

割と重いことを言ったつもりなのだが凄く嬉しそうにしている。若干地雷踏んだ予感がしたがその感覚を紅茶で飲み干してその後は普通にアズールとのお茶会を楽しんだ。この世界は外とは時間がズレているのでちょっとした隙間時間に精神的な休憩をするのに便利かも知れない。

 

 

しかしその日以来俺に特別扱いされていることを仲魔内でのマウント取りで主張したり、自慢したりするのでアズールと対峙するときの他の仲魔や折紙含めた一部の仲間からその場に流れる空気が少し・・・それなりにギスってしまうようになってしまったのを見てやっぱ問題の先送りは悪手だなと再確認出来ました(白目)。




読了ありがとうございます!仲魔内で一番の重要キャラだとはいえ一キャラで一話使っちゃうか・・・これは折紙の回も一話使うなこりゃ。
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