◯◯◯◯があって今にも死にそうなんだがどうすればいい?   作:電脳図書館

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第六十話になります!今年もよろしくお願いします!今回も作中視点が主人公とは違います。


中野区で日常とコミュ11

【カナリア&ドラグーン部隊編】

 

アルケミスト社の仮初の本部だった日本支部からの移転作業は順調に進み、私こと篁唯依が率いるドラグーン部隊も新たな本部となる場所に建てられた兵舎に移っている・・・まさか将来的にリアルラ◯ュタをするとは思わなかったが。

 

ドラグーンとは一言で言えば覚醒者が使う事を前提とした駆動兵器だ。低レベルのものでも装備した兵装(勿論見た目が質量兵器なだけの中身はオカルト兵器)で、上位の悪魔を倒すことを目標に制作されたが・・・正直後にネオベテルが開発した非覚醒者もある程度戦えて、覚醒者が使っても強いデモニカの方が使いやすく、最終的には強くなる気がする。

 

ではなぜアルケミスト社はドラグーン部隊を維持しているのか?理由の一つに私達を支援している黒札の狩谷様が「人型ロボットで戦うのカッコいい!」と思ってくださっているというかなり個人的なこともあるが、大型悪魔に対して有効なのと巨大な人型ロボットが出て来るアニメや特撮に度々描かれるが大きな人間とも言える機体が役に立つ場面が以外にも多いからだ。特に本国でメシア教過激派に襲撃され私を含めて部隊が僅か五名に減ってしまったので、戦闘よりもそれら工作方面の仕事が多くなっている。

 

それに技術の進歩も無い訳では無く、COMPと接続することでその中にあるアプリがドラグーンでも使える様になり、索敵能力、戦闘補助性能が飛躍的に上がるなど日々性能が上がっている・・・そして性能の向上は当然私達個人個人にも求められる訳で。因みにCOMPも狩谷様から提供頂いた物だ。

 

「お嬢様が狩谷様を引き付けてくれている間に弾幕を集中して浴びせる!分かっていると思うが弾は属性弾を使え!」

【覚醒者 篁唯依 Lv15】

ドラグーン部隊の隊長、私のことだ。ドラグーン自体の研究もしていて武器開発に携わっている。

 

『確か火炎と呪殺は装備で無効化しているんだったわよね?』

【覚醒者 プリンツオイゲン Lv12】

優秀だが調子に乗りやすい面があり、それが今回の模擬戦を行う要因になった。

 

『ああ、もっとも妹様の加護のお陰で万能以外のほぼ全ての属性に元から耐性を持っているがな』

【覚醒者 エンタープライズ Lv14】

元海軍の軍人で副隊長。常に冷静な彼女にはいつも助けられている。

 

『それでも聞かないよりはマシです。少しずつ削りましょう』

【覚醒者 アリサ・イリーニチナ・アミエーラ Lv10】

一番若く未熟だが、才能はあり将来は有望。偶々狩谷様と一緒に彼女の私服を初めて見た時に二人で彼女の情操教育をして行こうと決めた。効果はあまり出ていない。

 

『普通は弾幕は張るものなんですけどね』

【覚醒者 ヴラディレーナ・ミリーゼ Lv14】

エンタープライズと同じ元軍人、しかし彼女と違って陸軍出身。気が付いた時には狩谷様の信者になっていた。狩谷様自身そうなった理由に覚えはないらしい、信者モードのときの彼女はちょっと引く。

 

私の通信による指示に従って部下達が私を中心に扇状に囲み銃火器を構える。なぜ弾幕を集中させるのかというと一発重視だと狩谷様の【テトラカーン】で逆に返されてしまうので弾丸の数で制圧するしかない。

 

「陣形展開完了。お嬢様!」

「っ!!」

 

私の声にお嬢様ことカナリア様が咄嗟に武器を撃ち合っていた狩谷様から離れる。

 

「撃て!!」

それを合図に私が操る機体を含めた五機から放たれたそれぞれ別の属性弾の弾幕が狩谷様に集中する。

これまでの模擬戦ではここまで持って来ることも出来なかったので、以前までならこのまま弾丸を受けて、「ちょっと痛いな。でも合格!」と認めてくれたかも知れない。もっとも

 

「おー、やっぱ壮観だなこれ。前までならこれで合格!で良かったんだけど・・・ギア上げるって言っちゃったからな!」

 

あの方がギアを上げて居なかったらの話だが。

 

聖剣を持つ右手では無く左手を掲げる。ニコニコ笑顔の様子を見て何となくだが作戦の失敗を予測した。

 

「空間ごと薙ぎ払え!【メギドラ】!!」

『はぁ!?』

 

放たれた万能の光は弾幕の五割を吹き飛ばす。そして当然五割も吹き飛ばされたら私達の方向に真っ直ぐ弾幕の無い道が出来てしまう。

 

「【スクカジャ】【スクカジャ】!オイゲン驚いてるだけじゃ駄目だぞ?」

 

『そんなこと言われてもって【スクカジャ】掛けながら凄い速さでこっちに来てる!?』

「っ!再度弾幕を集中!寄せ付けないで!」

『し、しかし咄嗟では弾幕の密度が!』

『いや、やらなければ立て直す時間も捻出出来ん。隊長の言う通り撃て!』

『了解!』

『ああ、分かったわよ!』

再度弾幕を集中させれるがやはり弾丸の密度は先程より低く迎撃される可能性がある。それでもライフルの弾丸の様に突っ込んで来る狩谷様は先程のように【メギドラ】は撃てないはずなので、迎撃されるにしてもこれで如何にか足止めが出来れば・・・!

 

「【スクカジャ】・・・弾幕薄いよ、何やってんの!だったか?スペースが空いてるし、作り出せるぞこれじゃ」

 

『お見事!まるで神話の英雄の様な活躍ぶりです狩谷様!はぁはぁ、アプリのカメラ・・・ああ!?残像しか映らない!!』

『化け物が・・・!』

『『・・・(唖然)』』

 

「・・・黒札ってつくづく理不尽ね」

狩谷様は止まらない。弾幕の中の身体が入り込めるスペースと聖剣である程度弾丸を弾けば身体を入れられるスペースを見つけ、其の中でもこちらへ来るのに最短なルートを見つけ出し変わらぬスピードで進み続けている。皆は悪態をついたり唖然としたりしているが、私も思わず素の口調が漏れてしまう。信者はいつも通りだ。

 

お嬢様は救援に来れない。理由は単純に狩谷様が突っ込んで行った弾幕があるからだ。流石に私達と違い先日レベル20に達したとはいえ、狩谷様と同じ様なことをして追いかけてくれとか口が裂けても言えないし、大回りして駆け付ける時間的余裕はない。と言ってもここで戦線を作らないとマズい!

 

「ここは私が止めるから貴女達は体制を立て直して!」

『本気か隊長!?』

私だって数秒ももつかどうかも怪しいと思うが、部隊の中で一番近接戦が出来て機体もそれ用にチューニングしている私以外では秒単位すらもたせられない。

※篁唯依が乗る隊長機【武御雷】

 

「【スクカジャ】!まぁやっぱそうなるか。でももうこの距離まで来ればあと一歩なんだよ『聖槍に宿りし祝福よ。同じく宿る天閃に力を』」

「あ」

 

狩谷様が持つ聖剣、正確に言うと聖槍には、二振りのエクスカリバーが組み込まれている。その一つである祝福の聖剣は、倍率こそそれぞれで違うものの聖なるものの力を高める効果を持っている。そして実は一つに統合されているもののエクスカリバー的には聖槍とそれぞれの聖剣は独立しているようで、祝福の聖剣自体に祝福の力は使えないが一つとなっている聖槍と天閃の聖剣を対象に祝福の力を行使出来るらしい。

 

つまり今やったのは持っているだけでスピードを大きく底上げする天閃の聖剣の力を更に祝福の聖剣で倍増させたということだ。更に【スクカジャ】を限界まで掛けているし、レベルや速のパラメータも圧倒的に負けている相手の動きに果たして私達が対応出来るだろうか?と何故かそんなことを疑問形で、今にも飛び出そうとした私の機体の目の前にいつの間にか来ている狩谷様を見ながら考える。

 

『・・・あの、すみません、もう調子に乗らないので顔に傷だけは勘弁してください・・・』

この模擬戦はオイゲンが「私達も全員レベル二桁に到達したし、お嬢に至ってはレベル20になったんだから今までの訓練なんて余裕だわ。【物理無効】があっても属性弾で弾幕を浴びせれば問題なしね!」と調子に乗った発言を狩谷様にぶつけて「そんじゃ訓練のギアを上げるか」と判断なさったことが始まりだった。部隊では連帯責任が基本だが個人的に後で締めようと思う。

 

「努力はする【冥界破】!」

全体攻撃の斬撃の衝撃波は容易く五機全機の機体を上下に分割した。努力とは?と一瞬思ったが、幸いコックピットより下で斬ってくれたので私達は五体満足のままだ。

 

「よし、じゃ最後カナリナだな」

 

「先生・・・降参してもいいですか?」

 

「安心しろ。降参って言う前にお前は動けなくなるから」

 

「ワーイ(白目)」

 

その後数秒もしない内に勝敗が決まったのは言うまでも無い。お嬢様のガーディアン?勿論模擬戦後は変わってましたよ、はい。

 

し、しかし幸い今回はオイゲンが調子に乗ったから起こった出来事だ。そうそう同じ目に合う事は無いだろう。

 

「あ、今回動き良かったから定期的にギアを上げた訓練やるからよろしく。今までの訓練の難易度も少し上げるか」

 

「え、あの今回の模擬戦はオイゲンの伸びた鼻を折る的なことでやったのでは?」

「そうだけど別に本気じゃないし、これも訓練に加えようかなって」

 

「本気・・・では無かったのですか?」

本気じゃない、この言葉にエンタープライズが思わず声を上げる。

 

「え、うん。祝福の聖剣の力の出力は本気の半分程度だし、移動も走るというより早歩きのイメージだったし、聖剣同士の力を共鳴させても居なかったからな。共鳴させれば聖槍、祝福の聖剣、天閃の聖剣の力が大幅に強くなった上で倍率が上がった祝福の聖剣の力を使う!とかいう倍々ゲームみたいなことも出来るぞ?」

 

「やっぱ先生って人間止めてない?悪魔になってない?それとも神様?」

 

お嬢様の言葉に私以外の部隊員も内心で同意しているだろう。

 

「いやいや、そんな大したもんじゃないって。さっき言った状態はあんま長時間維持は出来ないし、そもそも本来なら複数人でやることを一人でやるから本来なら分け合う身体に掛かる負担を一人で背負うから出来ればやりたくないくらいなんだけど」

 

「嘘、じゃないんだろうな・・・・・・」

狩谷様信者なヴラディレーナが、信者モードを強制解除され思わず頭抱えて黙るほどの化け物の様な会話にこの業界の強さの果ての無さを痛感する。オイゲン?あいつは彼女の隣で気絶している。

 

「対策・・・出来るのかしらこれ?」

「アドバイスはしてやるから頑張れ!」

 

思わず零した一言に返事をしたのは物凄く良い笑顔でサムズアップしてくる元凶だけだった。




読了ありがとうございます!新しく初めてカオ転三次小説もよろしくお願いします!
必要な予算ならバンバン出してくれるので狩谷に対するドラグーン部隊のメンバーの好感度は意外に高かったりします。レベルも模擬戦後は狩谷の固有スキルの力もあって三レベル、カナリアもニレベルくらい上がってるかと。試練は勝利だけ設定できるという事でも無いので。

Q.何か他にも隊長みたいなキャラ多くね?

A.メシア教過激派の襲撃を生き残れた五人は幸運でしたが、最低限度部隊長クラスの実力がないと幸運を掴むことに挑戦することすらも出来なかっただけです。性格的に向いてない人もいますけど。
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