・・・思考が混濁する。自分のものではない誰かの記憶が頭に雪崩込む。そもそも自分とはなんだろうか?分からない。自己認識の喪失、詰め込まれた知識からこの状態が精神上、生物上よくないことであることは分かる。理解は出来る・・・出来るが普通なら湧くはずの危機感が湧くことは無く、ただ己の魂が肉体に再び定着する刻を待つ。
「ふーん、一週間前の戦闘は良いデータになれましたね!撃破されたデータも有用でした!」
巨大な円柱形のガラスケースの前で狂気的に微笑む。一週間前にとある異界で倒された彼の最高傑作だが、魂をアメリカにある自身の研究所に帰還させていた。その後も予備の身体に魂を定着させメシア教の本拠地であるアメリカで暴れさせデータを取っていた。一週間という期間は傍から見れば短いが、彼に取っては大した違いはないのだろう。
「他には・・・ああ、メシア教の本部への報告書の内容が理解できない?特に製造法の説部分ってこんなことも分からないんですか!?もう仕方ないですね、開発経緯まで超絶簡単に纏めて上げますよ!」
彼は高らかに、自慢する様に笑いながらPCのキーを叩き先程の言葉通り誰にでも分かる内容の報告書・・・というよりは一見すると子供の戯言のようなものを作り上げた。
ある日私は本部のお偉い方にとある無茶ぶりをされました。そのとき頭を悩ませた結果私が以前作製し、本部で採用されたある発明品とターミネーターを組み合わせれば解決できるのでは!と思ったのですが。
「ターミネーターって性能低くね?これだと理論上できるけど実際には無理的な机上の空論になるんですけど!?」という事実に気付いちゃったんですね。という訳でまずはターミネーターの質を上げることにしたんです!本来なら天使や他の悪魔の素材を使うのですが残念ならそれで強化してしまったら本部の無茶ぶりを達成出来ないんですよねもう本当に無茶言ってくれますよ!そんな感じで純人間の素材でどうこうしないといけないんですよね。
とはいえ流石に理論も手探りの状態の研究に自身を捧げてくれる信者は中々いません!この研究に参加するくらいなら天使召喚の生贄になったり天使の子供を孕んだり、MAGを捧げるだけの電池みたいな廃人になる方が良いとか言うんですよ?ドン引きですよ。まぁ今回は異教徒を素材にしないとダメなのであくまで実験の為だけの使い捨てで使うだけなので仕方ないのですが。という訳で適当に異教徒を拉致って来て実験に使用することにしました!
でも手探りなだけあって苦労の連続だったんですよねぇ・・・私の専門である魂の研究の技術を応用しようと数人の魂を混ぜて霊的素養の拡張を目指したのですがこれが中々上手くいかない!魂同士の相性もあるので失敗して崩壊する魂が多いこと多いこと!まぁその残骸も霊的リソースになるので無駄にはないのですが、費用対効果が低いんですよね。
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ただ数をこなして言えば相性の良い魂の見分け方も分かって来たのでどうにか合成すること出来ました!これで万事上手く行く・・・とはならないのが研究というもの。適当に合成にしようした魂の持ち主の身体に宿らせてみたのですがここでも暴走が起こって折角の合成の魂が肉体と共に崩壊しちゃったんです!思わず缶コーヒーをぶん投げちゃいましたよ!
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調べてみたら純粋に肉体の強度が魂に比べて脆弱過ぎたのが原因のようで、今度は肉体も合成していくのですが・・・合成には魂の提供元の肉体を使うのですが如何やら魂は合成に適正があっても肉体はダメ、もしくはその反対もあるようで両方とも適合してくれる確率がめちゃくちゃ低いんですよねこれが。
こうなって来ると本部が確保している異教徒の数も足りなくなるので海外の田舎を襲撃して数を確保します。地元に霊能組織が出張ることもありますが霊能が高い人間はこっちとしてもバッチこいのカモネギなので霊能組織を壊滅させたあとで素材に利用します。
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そしてそんなこんなで半年掛けて両方共適合する合成した魂と肉体を用意することが出来ました!さらに大幅に拡張された霊的素養や容量を使って普通の人間なら確実にぶっ壊れるような肉体改造を施してはい完成!ある程度知性もあって強靭な肉体を持つ戦士、名前は暴力の化身ということでタイラントと呼ぼうか!あとはこれを量産化すればこの研究もお終い!
アホくさ!コストが掛かり過ぎるわボケ!!こんなん量産出来るか!?
当たり前だが本部からもっとコストを抑えなさいと言われたよ!・・・仕方ない少々妥協しよう。量産型はクローン技術でタイラントのオリジナルの肉体を複製して魂の代わりに術式などで制御して動かす兵器にすることにした。名前はタイラントマイルドにでもしようか、ただ単純な命令は兎も角複雑な命令などは理解しない・・・本部な無茶な要望に沿うかは微妙だけどオリジナルに指揮を任せれば行けるかもしれない。でもこれオリジナルを倒されたら全部ご破算じゃないの?という疑問が生まれたので次はこれを如何にかしないといけない。だが幸いにもこれは直ぐ答えが出た。
複製した肉体はオリジナルの肉体に比べてスペックは下がってしまっているがタイラントの魂を宿すことは出来る。弱体化は免れないが例えこの状態で殺されても別の肉体に魂が宿れば復活も出来るという訳だ。まぁ肉体から肉体への魂の転移させる術式の開発に少し手間取ったけどね。まだ肉体の転移後に定着の時間を要するけどデータを蓄積させていけば肉体への転移後すぐに戦えるようになることだろう。
「まぁこんな所かな?」
PCで報告書を書き終えて本部に送った後電源を落として伸びをする男。報告書の内容はふざけた口調で書かれていたが内容は肝を冷やすどころの内容ではない、それを平然と報告書に書いている辺り碌でもない人間なのは確かだろう。
「各種戦場にタイラント、タイラントマイルド達を送っているけどまだまだデータが足りないね。オリジナルの肉体の大幅改修計画はもうちょっと先の話か、本調子が出ない複製の身体を使わせてごめんね。近い将来絶対にオリジナルの肉体を用いた完璧なタイラントを作ってみせますからね!」
狂気に満ちた笑みをガラスケースのようなポットに入って肉体との定着中のタイラントに笑い掛ける。これからの計画も含め彼の狂気的な研究は止まらない。
「果たして我らが主は人間をどこまで人と呼ぶのでしょうね?」
目の前の人物が自分に笑いかけている・・・知識では彼こそが自分を生み出した博士のはずだ。親の様な存在を目の前のしても何か湧き上がるべき感情というものは存在しない・・・ただそう記憶するのみ、ただ彼の存在に呼応して彼の計画を思い出す。その計画の名は・・・
『ネメシス計画』