こうして、魔人を迎撃出来たものの、勝負には負けると結果になった、アルティメット・マジシャンズ。
アールスハイドに戻る事にした。
オーグ「魔人襲撃で予定より1日延びてしまったが、これよりアールスハイドに帰還する。………シン。」
シン「ん?」
オーグ「不遜な言い方だが、お前のお陰で私達は随分力を付けた。だが、まだお前と私達の間には大きな隔たりがある。」
シン(何でちょっと不機嫌そうなんだ?)
オーグ「………だが、何時か必ず………。」
マリア「?」
ユウト「オーグ?」
滅(………シンと比べて、力不足なのが悔しいのだろうな。)
オーグは、そんな風に言う。
マリアとユウトが首を傾げる中、オーグは口を開く。
オーグ「兎も角、お前達はもう少し力の振る舞いを知れ。」
シン「っ!む、麦畑の話か!?」
ユウト「確かに………アレはやりすぎだったな………。」
レックス「本当にやりすぎだ。」
シン「スマン!」
マリア「まあ、気持ちを分かるけどね、シシリーを目の前で狙われたら………私だって黙ってられないし。」
トール「ただ、シン殿とユウト殿の場合、レベルが違い過ぎるんですよね。」
迅「確かに。シンの場合、うっかり間違って、魔法1発で、街を滅ぼしそうだしね。」
オリビア「ウォルフォード君、イーウェル君、うっかり世界を滅ぼさないで下さいね?」
オリビアがそんな風に言うと、シンは大きく突っ込む。
シン「俺は魔王か!?」
ユウト「心外だな。シンはともかく、俺は大丈夫だ。」
タクヤ「確かに。ユウトの方がまだマシだからな。」
シン「何で、俺、そんなに貶されてんの!?」
コハル「自分の胸に聞け。」
すると、周囲の人たちが、ヒソヒソと話していた。
嫌な予感がしたシンは、話しかける。
シン「お、お前ら何ひそひそしてんだ?」
マリア「魔王………。言い得て妙ね………。」
リン「魔法使いの王………。ウォルフォード君にぴったり。」
ユリウス「”魔王”シン殿で御座るか………。」
オーグ「フム、シンの二つ名は決まったな。」
シン「………止めろ!!」
その二つ名に、シンが叫ぶ。
シン「魔王ってもっとあれだろ!?世界を支配したり、悪さの限りを尽くしたり……!イメージ悪過ぎだろ!!え!?まさか魔王の概念無いの!?」
オーグ「何を言ってるんだお前?」
雷「まあ、良いじゃねぇか!魔王さん?」
シン「マジでやめろ!!」
ユーリ「格好良いわよねぇ。魔法使いの王で魔王!寧ろ、これ以上のものは浮かばないよねぇ。」
シン「思い浮かぶってぇぇぇ!!何かあるってぇぇぇぇ!!」
オーグ「それよりそろそろゲートを開いてくれ。騒ぎは避けたいから、今度は詰所以外の場所でな。」
シン「だから俺を無視して話を進めんなって〜〜〜〜!!」
しばらく、シンのツッコミが炸裂していた。
ちなみに、魔王姿のシンの想像をしたユウト、タクヤ、コハルは、必死に笑いを堪えていた。
そして、そんな三人の姿を見て、シンは恨みがましい視線を向ける。
アールスハイドの王都全体で、アルティメット・マジシャンズと仮面ライダーの人気が高まっていた。
それを予想していたレックスは、頭を抱えていた。
何せ、タクヤとコハルも、レックスの家に下宿しているのだから。
そんな中王城では。
ルーパー「お!」
ゲートで帰還したアルティメット・マジシャンズとユウト達を見て驚いた。
ルーパー「おかえり………なさいませ。」
ドミニク「何故こんな場所に………。」
オーグ「む、休憩中だったか。スマンな。」
シン「騒ぎになるから、人の多い場所は避けようって事で、テキトーな所にゲート繋ぎました。」
ルーパー「そ、そうか。賢明だな。」
シンの言葉に、そう頷くルーパー。
オーグは、全員に話しかける。
オーグ「既にクルト防衛の街も広がって街中大騒ぎだ。全員しばらくは街に出ない方が良い。」
アリス「ええ!?私たちも!?」
亡「まあ、大体そうなると、思っていましたが。」
レックス「やめてくれよ………俺の家に人々が更に殺到しそうだ………。」
雷「これは、大変だな。」
タクヤ「おいおい、迂闊に歩けねぇじゃねぇかよ。」
コハル「そうだな。」
ユウト「………下手に歩いてたら、取り囲まれそうだな………。」
ユウト達がそう話していると、ドミニクが話しかける。
ドミニク「そう言えば殿下。殿下が他国を回っている間に、エルスとイースとも連絡が付きました。」
オーグ「っ!」
その報告に、オーグは目を見開く。
ドミニクは、三国会談の予定を伝える。
ドミニク「今の所、調整を経て三国会談を行う予定ですが………。時期は学院が休暇明けになりそうです。」
ユウト「会談は夏休み明けか。」
オーグ「旧帝国に変化は無いか?」
ドミニク「今や帝国領は魔物の巣窟ですからな………。正直他国の力を借りねば諜報活動すらままならん状況です。」
オーグ「結局の所三国会談待ちか………。」
ドミニク「ん?何か気に掛かる事が?」
オーグの言い方に、疑問を持ったドミニクが質問をする。
そして、オーグの言葉に、ドミニクだけでなく、ルーパーも驚愕する。
オーグ「強力な魔人が複数居た。恐らくは個々で国を落とせるレベルの手練れだ。クルトではそいつらを1体足りとも討伐出来ていない。」
ドミニク「っ!何と………!」
ルーパー「くそ………!やっぱ油断ならねぇな、魔人共………。」
ルーパーがそう言う中、ドミニクは、ある事を、オーグに報告する。
ドミニク「殿下、此方でも一つ気掛かりが。推測ですが、ウォルフォード君の調査に来たと思われる賊が1人王城に現れましたが………我々の失態で取り逃がしてしまいました………。申し訳御座いません。」
シン「俺を?」
オーグ「どんな奴だ?」
ドミニク「こう言っては何ですが………。かなりの美形で、少年の様な男です。見た所、魔人共とは関係無いようでしたが………。」
マリア「美形?」
アリス「どんな奴だろう?見てみたいね。」
オーグ「何にせよ、今暫く動くべき時ではなさそうだな。合宿の続きで腕を磨きたいのも山々だが………。人目を避けてとなるとそれも難しいか………。」
合宿の続きを、どこでしようかと頭を悩ませるオーグ達。
そこにユリウスが提案を言った。
ユリウス「それならば全員で、拙者の実家に来ると良いで御座る。今なら魔人討伐や殿下の王太子就任で世間も浮かれている故、リゾート地に言っても何も言われんで御座ろう。」
マリア「ええ!?リッテンハイムリゾートに!?」
アリス「良いの!?やったぁ!!」
シン「ああ、前に言ってた武士のリゾートか。」
ユウト「武士?」
シンの呟きに、ユウトが首を傾げる。
ユリウスは、言葉を紡ぐ。
ユリウス「海でも山でも何でもあるで御座る。皆、特訓やら魔人やらで疲れも溜まっているで御座ろう。」
マリア「夏休みの締めにも丁度良いわね!」
シン「割り切ってバカンスってのは良いと思うけど、俺山育ちだし、山は取り敢えずいいかな………。」
ユリウス「そう言えば、そうで御座ったな。」
シシリー「じゃあ海にしましょう。それならシン君も楽しめますよね?」
マリア「おっと、やるわねシシリー。」
シシリー「何が?」
シシリーの提案に反応するマリア。
シシリーは、何の事かと首を傾げていたが、マリアの言葉に顔を赤く染める。
マリア「海って事は水着よねぇ?シシリーったら、シンに水着を見せてどうするつもりなのかしらぁ?」
シシリー「あぅっ!そ、そんなつもりじゃ!た、ただシン君が楽しめた方が良いと思って!」
シン「分かってるよシシリー。」
シシリー「シン君………。」
シン「水着楽しみにしてる。」
シシリーは、シンに笑顔でそう言われ、顔を赤く染める。
シシリー「もう!もう!」
シシリーは、照れ隠しにシンを叩く。
シン(可愛いなぁ〜。)
ユリウス「そうで御座る。折角だし、都合が合えばご家族も連れてくると良いで御座る。幸か不幸か、魔人騒ぎでキャンセルが多く出たで御座るからな。」
アリス「本当!?ユリウス君太っ腹ぁ!」
そんな風に盛り上がっている中。
ユウト「悪いけど………俺、パス。」
アリス「どうして?」
ユウト「いや………魔人やアークの脅威がまだあるのに、呑気にバカンスなんて………痛っ!?」
ユウトがそう言いかけると、レックスが背中を思い切り叩く。
レックス「ユウト。お前もリッテンハイムリゾートに行ってこい。」
ユウト「え…………?」
レックス「お前だって、シャイニングホッパーの負荷で、そこまで戦闘が出来ないだろう。少しは休め。」
ユウト「でも………!」
迅「そうだよ!」
滅「お前は、少しは休め。」
亡「ええ。休むのもまた、仮面ライダーにとって必要です。」
雷「心配すんな。魔人やアークの動向は、俺たちが見張っとくからよ。」
ユウト「でも………滅達にだけ負担をかけるわけには………!」
ユウトがそう言う中、タクヤとコハルとイズが、ユウトの肩に手を置く。
ユウト「三人とも………。」
タクヤ「お前はさ、ゼロワンとしての使命に縛られすぎだ。たまには羽を伸ばしても、誰も怒りはしねぇよ。」
コハル「ああ。休まずに戦闘をした結果、倒れられても、こちらが困る。英気を養え。」
イズ「ユウト様。シャイニングホッパーの負荷は、まだ残っているはずです。休みましょう。」
ユウト「…………分かった。滅達も、悪いな。」
滅「気にするな。」
レックス「しっかり、羽を伸ばせよ。」
こうして、ユウト、タクヤ、コハル、イズの四人が、リッテンハイムリゾートに向かう事になった。
滅達は、アールスハイド王都に残る事に。
ユウトは、イズと共にライズホッパーに乗り、タクヤは、コハルと共に、ライズウルフというバイクに乗る。
ちなみに、シン達は、家族を連れてきているが、ユウト、タクヤ、コハルに関しては、家族は連れてきていない。
三人とも、アールスハイドの王都からは、離れた場所に実家があるからだ。
馬車に合わせて、二日かけて、リッテンハイムリゾートへと到着した。
シン「おお!海だ!」
ユウト「結構、広いな。」
ユウト達は、ユリウスの父親に挨拶しに行った。
マルコ「皆様、ようこそおいで下さった。拙者ユリウスの父、マルコ=フォン=リッテンハイムで御座る。」
シン(1ミリも武士関係ねぇじゃねーか!!ってツッコんだらマズイかな………。)
マルコ「お久し振りで御座るアウグスト殿下。そして、お目に掛かれて光栄で御座る賢者様、導師様。それに………シン君。君は、ユリウスに出来た対等の友人だ。拙者、そう言った関係は何より大切に思う。皆と共にゆっくりと寛いでいってくれ。」
そうして、ユウト達は水着に着替える事に。
そして、男性陣は、水着に着替えて、先にビーチに来ていた。
シン「おお………白い砂浜!(前世でもこんなリゾート来た事ないなそう言えば………。)」
ユウト「青い空、白い雲。水平線にまで伸びる、海。リゾートだねぇ………。」
タクヤ「まあ、偶には、リゾートで羽を伸ばすのも、ありだな。」
メイ「シンおにーちゃーん!」
シン「ん?」
メイ「お待たせー!」
男性陣がそう話していると、女性陣も到着する。
メイ「エヘヘ、どうですか?」
シン「可愛い可愛い。よく似合ってるよ。」
ユウト「二人は、自重してくれ。露出が激しすぎる。」
ユーリ「そぉ?」
エリザベート「だ………だってアリス達と買い物行ったらコレが良いって………あ………あまり見ないで下さいまし。」
タクヤ「で、お前らは、無難にそれを選んだのか?」
リン「心外。これが私達に1番似合う。」
アリス「そう、お子様水着がね!」
そう言うと、リンとアリスは、泣き出す。
ユウト(盛大な自爆だなぁ………。)
アリス「なあっ!?」
すると、アリスは、オリビアの水着姿を見て、驚愕する。
アリス「お………温泉の時は見落としてた……。こんな所に思わぬ伏兵が………!」
コハル「本当に、元気だな。」
タクヤ「お前は、無難に普通の水着って事か?」
コハル「そうだが?悪いか?」
タクヤ「いや、別に。」
アリス「何か………コハルの胸も普通に大きいよね………。」
リン「確かに………。」
コハル「胸の大きさくらいで僻むな。」
アリスとリンの僻みを、コハルは一刀両断して、その二人は地面に崩折れる。
ユウト「そういや、親御さんは?」
マリア「気にせず友達と遊んで来いってさ。」
イズ「そうですか。」
アリス「ていうか、イズは水着、着ないんだね。」
イズ「私は、ヒューマギアです。水に入るのはダメなので。」
シシリー「あの………シン君、お待たせしました。」
そんな風に話していると、漸く水着に着替えたシシリーが到着した。
シン「………!!」
シシリー「や………やっぱり少し恥ずかしいですね…………。」
シン「……………。」
シンは、シシリーの水着姿に見惚れていた。
そこに、ユウトが背中を叩く。
ユウト「ほら。何か言ってやれ。」
シン「あの…………えと………可愛い………す………凄く似合ってる………。」
シシリー「あ………ありがとうございます………。」
アリス「さあ泳ごう!!」
そう言って、女性陣は、海で遊ぶ。
トニー「いやー眼福眼福。僕らは幸せ者だねぇ。」
マーク「刺激が強いっス………。」
そんな中、リンが海に向かおうとすると、立ち止まる。
リン「今思い出した、泳げない!」
タクヤ「カナヅチか?」
シン「しょうがねーな、ちょっとバンザイしてみ?」
シンが異空間収納から何かを出し、リンがバンザイすると、何かがすぽっとリンに入った。
リン「これ何?」
ユウト(浮き輪?)
シン「こんな事もあろうかと作っといた。それ着けて海入ってみな。」
リンは、シンが出した浮き輪を持ちながら、海に入ると、感激した。
リン「お、お、おお!おおお〜〜〜〜!!!」
タクヤ「テンション高ぇな。」
マリア「ちょっとシン!あれ何!?」
シン「魔物化した大型のカエルの皮って、水を弾くし尚且つ軽いんだ。それでカナヅ………泳げない人用に浮き輪を作ってみたんだよ。」
アリス「凄い何それ画期的!!」
メイ「私も欲しいですシンお兄ちゃん!!」
シンの説明に、アリスとメイが食いつく。
そして、マジカルバレーを再びやる事に。
それを見ていた、ユウト達は。
ユウト「おい、シン。」
シン「ん?」
ユウト「何だ、あれ?」
シン「ああ、マジカルバレーだよ。」
タクヤ「バレーなのか…………!?」
コハル「身体強化に魔法を使っているぞ………!?」
ユウト達は、マジカルバレーにドン引きしていた。
前世で知るバレーのレベルを超えた代物に。
シン「シシリー、暇だしちょっと俺、爺ちゃん達の様子見てくるよ。」
ユウト「俺も行くよ。」
タクヤ「じゃあ、俺たちは、待ってるわ。」
コハル「そうだな。」
そうして、シンとユウトは、マーリン達の様子を見に行く事に。
途中、一人で釣りをするマーリンを見る。
シン「ん?」
ユウト「マーリン様?」
シン(爺ちゃん………見なかった事にしよう…………。)
ユウト(何泣いてんだお前?)
しばらくすると、シシリーの姉のセシリアにシルビア、メリダが居る場所に着く。
セシリア「あらシン君にユウト君。」
シルビア「2人でどうしたの?」
シン「いえ、俺の提案した遊びに皆、すっかりハマっちゃって………。」
ユウト「まあ、暇なんで。」
セシリア「へぇ、そうなんだ。」
シルビア「暇してるって訳ね。」
メリダ「丁度良かった。だったらコレ塗っておくれシン。」
メリダは、そう言って、サンオイルをシンに渡す。
ユウト「サンオイル?」
シン「日焼け止めじゃなくて?若いなー。」
メリダ「海に来て焼かないとか、私の選択肢にはないさね。」
メリダはそう言って、その場で水着を脱いだ。
ちなみに、ユウトはサンオイルと聞いた時点で、目を背けていた。
セシリア「ど、導師様!!そんな大胆な!!」
メリダは水着を脱いで、ビーチチェアの上で俯せになる。
シン(うーん、肩揉みレベルの面倒さ………何が悲しくて婆ちゃんにサンオイルを………。)
シンは、少し泣きながらメリダにサンオイルを塗っていく。
それを見ていたセシリアとシルビアは。
セシリア「………シルビア。」
シルビア「ええ、セシリアお姉様。」
セシリア「シン君、ちょっと良い?私達も日焼け止めまだなの。」
シルビア「塗っていただけない?」
シンがそれを聞くと、顔を赤らめ、慌てる。
シン「え!?………いやでも………そ………それは色々とマズいんじゃ………!!」
セシリア「フフ、大丈夫よ。シシリーには内緒にしておいてあげる。」
シルビア「それにこれはただの医療行為よ。疚しい事なんて何もないわ。」
シン「(何か物凄〜〜〜くダメな気がするけど……。)そ………そう言う事なら………わ………分かりました………。」
シンは、後ろめたさを感じながら、セシリアとシルビアに日焼け止めを塗る事に。
一方、ユウトは、ずっと黙っていた。
ユウト(………シン、それがシシリーにバレたら、怒られるぞ。)
ユウトは、そう思っていた。
すると。
ユウト(あれ………?何か………寒く……!?)
ユウトが寒気を感じると、そこには。
シシリー「何………してるんですか………?」
目から光が消えて、氷を発生させながら歩いてくるシシリーの姿が。
シン「シ………シシ………リー………!?何………でここに…………!?」
シシリー「…………いえ、シン君とユウト君を除け者にしたみたいで………やっぱり申し訳ない気がして………追い掛けて来たんですが………。これは一体………どう言う事でしょうか?」
すると、段々冷気が強まり、ビーチパラソルが凍結された。
ユウト「寒っ………。」
メリダ「…………。」
ユウトが寒さに震え、メリダが無言でいると、セシリアとシルビアが大きく叫ぶ。
「「違うのよシシリー!!」」
シシリー「はっ!!」
シルビア「私達が彼にお願いしたのよ!!」
セシリア「そう!導師様に凄く上手にオイル塗ってたから!!」
((て言うか、シン君に塗って貰ったら何か運を分けて貰えそうな気がして………。))
セシリアとシルビアは、運を分けて貰えそうという理由で、頼んだのだ。
だが、セシリアとシルビアは、日焼け止めをシンに塗ってもらう為に、水着を脱いでいる。
つまり。
シン「ちょ………おね………!」
シシリー「っ!!シン君!!見ちゃダメーーー!!」
シン「ぷわっ!?」
それに気づいたシンが、何かを言おうとするが、シシリーが即座に胸にシンの頭を突っ込ませる。
ユウト「……………。」
ユウトは、無言でいた。
シシリーは、2人の姉に注意をする。
シシリー「もうお姉様!!ちゃんと水着着て下さい!!」
「「え?あ!」」
シシリー「はっ!きゃああああごめんなさい!!」
シン「ぷはっ………。」
シシリーがそう注意するも、シシリー自身も、シンを胸に抱いていた事に気づき、即座に離す。
メリダは、ため息を吐きながら、シシリーに話しかける。
メリダ「やれやれ、騒がしい子達だねぇ。」
シシリー「お婆様………。」
メリダ「心配いらないよシシリー。この娘達の言ってる事は本当さ。寧ろ、シンはアンタの事を気にして躊躇してたしね。」
シシリー「そう………だったんですか………。ごめんなさいシン君………私………早とちりして………。」
シン「いやいや!俺も………誤解されるような事をしてて………ごめん!」
ユウト「やれやれ。シシリー、いきなりそんな事をするんじゃなくて、少しはシンの話を聞いてやれよ。」
シシリー「は、はい………。」
ユウトが、そんな風にアドバイスをする。
その後、シンがシシリーに日焼け止めを塗る事になったのだが。
シルビア「そう言えば。」
セシリア「私達、まだ塗って貰ってないわね………。」
メリダ「安心おし。私が塗ったげるよ。」
セシリア「ひゃああああ!!ど、導師様冷た!」
シルビア「で………出来れば人肌ぐらいに温めてから………。」
メリダ「はあ!?知るかいそんなの。」
セシリアとシルビアは、メリダに日焼け止めを塗って貰った。
一方、ユウトは。
ユウト(ゼロワンとしての使命に縛られすぎか………。そんなに縛られてるのか?)
そんな事を考えていた。
その後、マジカルバレーの激しさを見て、ユウト達は、更にドン引きしていた。
夕方。
シン「はぁ〜〜〜遊んだ遊んだ!くたくただ〜〜〜!」
ユウト「そりゃあ、あんな激しいバレーをしてたらな。」
タクヤ「腹減ったなぁ。」
コハル「丁度、夕食どきだしな。」
そうして、ユウト達は着替える事にした。
その後、バーベキューが始まった。
シン「ひゃ〜〜〜美味そう!!頂きま〜〜す!!」
ユウト「いやぁ〜〜美味いな。」
タクヤ「美味い!」
コハル「もう少し、落ち着いて食え。」
そんな中、シンとユウトが、日焼けしたマーリンに話しかける。
シン「グレたの爺ちゃん?」
ユウト「喧嘩でもしたんですか?」
マーリン「違うわい!1日中、釣りしとったら真っ黒になってしもうた。」
セシル「け、賢者様。何かお悩みでしたら私共が………。」
マーリン「だからグレとらんわい!」
シンとユウト、セシルの言葉に、そう突っ込むマーリン。
そんな事もあるが、盛り上がっている中。
???「皆、楽しんでおるようだな。」
セシル「へ………陛下!?」
ロイス「それに………王妃様まで何故ここに………!?」
そう、オーグのご両親が来ていたのだ。
ディセウム「おや?今日の招待は親子同伴でと聞いたが、私達が来るのは可笑しいかな?」
セシル「いえそんな事は………し…………しかし………。」
いきなり、陛下が現れて、混乱しているセシル達。
マリアは、シンに理由を聞いた。
マリア「お…………お2人は何時からいらしてたの…………!?」
シン「ついさっきだよ。定期連絡にゲートで王城行ったら待ち伏せされてた。」
ユウト「待ち伏せて………。」
そんな風に話している中、メイとオーグが話しかける。
メイ「お母様!!」
オーグ「母上、遅いお着きで。」
ジュリア「余計な事言わなくていいの、アウグスト。」
彼女は、ジュリア=フォン=アールスハイド。
オーグとメイの母親で王妃様。
ジュリア「折角シン君の『ゲート』と言う便利な魔法があるんだから………私達王族の人間まで危険な馬車の旅するする必要はないでしょう?」
そう言うジュリア。
それを聞いたオーグとメイは、尋ねる。
「「………本音は?」」
ジュリア「馬車の旅はシンドい!」
ジュリアがそう言うと、周囲がしーーーんとした。
ジュリア「ぷっ………ほほほほほほ!冗談よ冗談!」
自分の失言に気づいたジュリアは、笑って誤魔化す。
シン「随分砕けた人だよな………。」
タクヤ「確かにな。」
マリア「………まぁ、そこが国民に好かれる所なんだけどね。」
ユウト「オーグの家族って、個性的だよな。」
マリア「でも実際、ジュリア王妃様は福祉なんかにも凄く力を入れていて………。お金を出すだけじゃなくて、自ら養護施設や孤児院に足を運んだりして、国民とのふれあいも大事にする方よ。」
コハル「良き王妃と言うわけだな。」
イズ「そのようですね。」
マリアの言葉に、そう頷くコハルとイズ。
ジュリア「堅苦しいのは抜きにして下さいね皆様。折角のリゾートなんだから、気にせず羽を伸ばしてちょうだい。」
ディセウム「ウム。我々も今だけは休ませて貰うぞ。」
メイ「お母様!お母様!」
ジュリア「あらどうしたのメイ?」
メイ「見て下さいです!マジカルバレーの合間にシンお兄ちゃんとお魚釣ったんです!」
メイはそう言って、異空間収納から、魚を取り出す。
それを見たディセウムとジュリアは呆然とする。
「「……………。」」
メイ「どうしたです?お魚にそんなにビックリしたです?」
ディセウム「い………いやメイ………その前に………い………何時の間に異空間収納の魔法なんて………。」
ジュリア「普通大人だってそうそう使えないのに………。」
メイ「シンお兄ちゃんに教えて貰ったんです!とっても便利です!」
それを聞いたディセウムは、すぐにシンを呼び寄せる。
ディセウム「困るよシン君………。君の非常識を娘にまで植え付けられては………。」
シン「へ?俺5歳で普通に使ってたけど?」
ディセウム「だって君は異常だろ?」
シン「それ、本人に言うセリフか?」
ユウト「確かに、シンって、異常だからな。」
シン「納得するな!」
ディセウム「あまり出鱈目な魔法使いになられても、娘の貰い手がだね………。」
メイ「別にお嫁に行かなくても良いです。シンお兄ちゃん達と魔物狩るです!虎とか獅子の魔物とかいっぱいいっぱい狩るです!!」
ディセウム「シ〜〜〜〜ンく〜〜〜〜ん!!」
ディセウムは、メイがそんな事を言う理由になった元凶に怒鳴る。
それを見ていたユウト達は。
タクヤ「アイツ、何やってんだ………。」
コハル「普通、そんな歳のメイ様に教えるか?」
イズ「やはり、シンさんは、異常ですね。」
ユウト「確かに。」
そんな風に話していた。
そんな中、メリダがジュリアに話しかけていた。
メリダ「久し振りだねぇジュリア。元気にしてたかい?」
ジュリア「あらメリダ様、お久し振りですわ!」
メリダ「お互いこれから大変だねぇ。まさかこの歳になって嫁にあれこれ指南する立場になるとは、思ってもみなかったけどね。」
ジュリア「まだまだお若いのに何仰いますか。私達ですらまだまだ御教授頂きたい位ですのに。」
メリダ「シシリー!エリー!こっち来て話に入りな!」
「「は………はは………はい!!」」
メリダは、シシリーとエリーを呼び、話に入らせる。
しばらくして、ディセウムが、ある事を発表する。
ディセウム「おおそうだそうだ!ここに来た一番の目的を忘れる所だったよ。アルティメット・マジシャンズはこれまでに2度も他国を魔人から救った。その際にかなりの数の魔物を倒しただろう。そこでだ!功績があまりにも大きい為、新しい勲章を作り、全員にそれを授与する事になった。」
オリビアの父「ウチの子が勲章!?そ………そりゃ凄い!!」
トニーの母「トニーが魔法学院行くって言い出した時は絶望を感じたものだけど………。」
トニーの父「ウム。これなら認める他ないな。」
トニー「大袈裟だなぁ。」
ディセウム「近い内に叙勲式を執り行うから、皆そのつもりでいてくれ。」
コハル「分かりました。」
アリス「うわぁ………メッチャキンチョーしそう…………。」
コハルが、ディセウムの問いに答え、アリスが緊張する。
そんな中、シンがメリダに話しかける。
シン「今回は………良いの?」
メリダ「まぁ良いさね。チームとしての功績だから、私らが口出す事でもないし(それに、恐らくこれによって、シンやユウトや殿下以外のメンバーにも、より自覚が生まれるはず。自分達が世界を救う立場にあると言う自覚が………。)」
メリダは、そんな風に考えていた。
そうして、リッテンハイムリゾートでの休暇は終わった。
今回はここまでです。
リッテンハイムリゾートでの休暇を、ユウト達は過ごしました。
冒頭でもあったように、ゼロワンとしての使命に縛られたユウトは、休息をとるという選択肢を失っていました。
現在、アンケートを取っていますが、サウザーは、最初から味方が多いですね。
メタルクラスタホッパーとプログライズホッパーブレードは、どんな風に出したら良いんですかね。
あと、一つ考えているのが、1型の強化です。
使うドライバーが、サイクロンライザーからゼロワンドライバーに変わって、使用するゼツメライズキーも、シャイニングアサルトホッパーベースのゼツメライズキーに変更しようかなと考えています。
ダイアウルフみたいに、アサルトグリップはそのままで、キーがシャイニングホッパーのリデコという感じで。
そして、ユウトにヒロインは必要なのかというのも、最近考え始めています。
一応、これまで投稿した小説の差別化として、ヒロイン無しを考えていたんですが。
まあ、仮にヒロインありに変更するとなると、ユウトは、アルティメット・マジシャンズの女性との仲は、普通なので、厳しいとは思いますが。
感想、リクエスト等、絶賛受け付けています。
サウザーの立ち位置に関して
-
最初から味方
-
最初は第三勢力として