今回はヒロインのイラスト付きでお送りします!
イラストはハーメルンユーザーのよっしぃ様が描いてくださりました!
よっしぃ様本当にありがとうございます!
では、どうぞ。
「ここか……」
体育館の中を進み辿り着いた先にある部屋の前で一旦立ち止まり、部屋の扉の真上にあるプレートを眺める。
部屋の前に設置されているプレートにはそう刻まれていた。
扉を開き、中に足を踏み入れると中は倉庫や工場を改築したような造りで二階建ての部分は観戦者用に安全柵が施されており、中央部は吹き抜けの造りになっており、一階の模擬戦場を見下ろせるようになっている。
一階部分の床には木箱やゴミ箱などの障害物が至る所に無造作に置かれていた。
俺が今いる二階部分にある鉄製の階段を降り、一階の模擬戦を行う障害物がある場所に行くと、そこには俺を呼び出した桃色ツインテールの鬼武偵様が仁王立ちで立っていた。
「遅い‼︎」
「仕方ねえだろう!
昨夜から
カメリア色の瞳を吊り上げ、あたかも私、怒ってるわ! というような表情を浮かべているアリアにそう告げる。因みに昨夜から今朝にかけて起きた出来事は
雪姫いわく、貴重な遺跡をテロリストに荒された、という事実を公に公表できないという理由が表向きの理由だ。
まあ、こればあくまで表向きの理由で表には当然の如く、裏がある。
裏の理由として、国家機密扱いされている国際犯罪者集団……伊・Uを束ねているのが
だが、この裏の理由は闇に葬られるだろう。
その事実を公に公表できない、という大人の事情があるからな。
何故なら伊・Uは紛れもなく犯罪者の集まりだが、同時に世界中の犯罪者集団や国家を牽制する事が出来る、対抗戦力という側面も持っているからな。
伊・Uが存在する限り、国家間や犯罪者集団の間で世界を巻き込む争いは起きにくくなっている。
何故なら伊・Uは核を保有し、海底を自在に移動出来、個人の能力も飛び抜けて高いという超人の集まりだからな。
そんな相手がいつ介入してくるかわからないのに、誰だって自分から仕掛けて状況を悪化させようなんて思わねえだろ?
「そんなのわかってるわ。だけど遅れたら風穴ってメール出したでしょ?
だから、風穴」
「いやいや、だから……じゃねえ‼︎」
理不尽なアリアの返答に思わず突っ込んじゃったよ!
俺が突っ込んだのが気に入らなかったのか、アリアはムスッとしたまま、両腕を胸の位置で交錯させるように組み、俺を睨みつけてきた。
胸に余裕があるからか楽に腕を組めているな。
「風穴」
ヤベェ……顔に出てたか?
「今、あたしの胸がない、とか思ったわね?」
「ソ、ソンナコトオモッテナイ「棒読みよ!」すみませんですっ!」
アリアの前では胸の話題は避けよう。
まだ撃ち殺されたくないからな。
いや、まだって言ったが……後々撃ち殺されたいとか、そんな願望はないぞ。
俺はドMじゃないから撃ち殺されるのは我らの業界ではご褒美です! とかそんな事はない。
ないったら、ない。銃で撃たれて喜ぶ趣味はない。
……本当だよ?
「あのー」
仁王立ちするアリアの後ろから姿を現したのは、アリアより背丈が低い女の子だった。
髪はオレンジっぽい色をしていてショートツインテール、体型は細め、特に胸元はアリア並み……おっと、殺気が……。
口は災いの元だな。
気をつけよう。
それよりも______
やっぱりコイツが相手か……。
「アリアの後輩……だよな?」
その少女は原作通りの姿形をしていたが、念のために目の前にいる少女にそう問いかけた。
するとその少女は一度アリアの顔をチラッと見てから俺に向かいあうように体の向きを直した。
「はい。アリア先輩の
先輩はえっと……」
「紹介するわ。
ミツル、この子はあたしの
あかり、コイツがさっき言ったあたしの奴……協力者のミツルよ。
今からアンタとミツルで模擬戦してもらうわ」
「え、ええぇぇぇ______⁉︎」
間宮あかりは模擬戦の話しを聞かされていなかったのか、驚いた声を上げた。
そして戸惑いながらもアリアに聞き始めた。
2人は「私、聞いてません」「そうね。今言ったからちなみミツルは
まあ、なんだ。
まず、いろいろアリアに突っ込みたい気分だが、それより情報収集くらいしとけよ、あかりよ。
確かに今はあかりとは接点がない
今はほとんど
主に、中国人の先輩達のせいで。
だけどこんな情報は同じ
そんな風に思っていると______
一通りの会話が終わったのか、アリアはあかりの肩を片手でポンっと軽く叩いて、あかりの耳元でなにやらごにょごにょと耳打ちして会話を始めた。
「え? 嘘……そんな……やります。
見ててください! 私、戦って勝ってみせます!
勝ってアリア先輩を
最初は戸惑いと不安からか顔を青くさせていたあかりだが、アリアの言葉を聞くとすぐに顔を赤くさせ、何故かあかりは物凄く殺る気になった。
アリアがなにやらあかりに吹きこんだようで、あかりから闘志がメラメラと溢れ出した。
出ているのは闘志だけではないようで……なにやら「どうして、この先輩が?」、「私はあんなに苦労したのに」、「アリア先輩のパートナーは私だけでいいのに」などと妬みや恨みの感情をぶつけてきた。
そういう事は自分より目上の相手、先輩とかには聞こえないように言えよ。
……止めろよ、アリアも。
というか、何を吹き込みやがった?
模擬戦という手前、無論実弾は使用禁止で弾は非殺生なゴムスタン弾かペイント弾の使用に限られている。
それも本来なら身体中を完全に防護するC装備の着用が義務付けられている。
いや、あれは決闘方式だけに当てはまることだったか?
いずれにせよ、極力怪我人や死人が出ないように幾重にも安全対策を重ねて取るのが普通だ。
そう……
だが不幸な俺は、たまたま暇だからという理由で現れた蘭豹によって、実弾の使用許可が出されてしまった。
それも実弾の使用許可が下りたのは対戦相手の間宮あかりだけ……。
そう、俺に下りたのはペイント弾のみの使用許可。
流石にこの扱いは酷い!
そう思い、蘭豹に意見したがキレた蘭豹に
……うん、おかしいよな。この学校。
しかも審判役のアリアもそれに賛成しやがった。
法治国家、日本はどこにいった?
アリアはあかりを連れて更衣室に向かった。
先に支度が終わった俺は、
「はあー、しかし……何でこんな事に……」
「八神先輩も大変で御座るな」
溜息を吐いていると俺の背後から聞き覚えがある少女の声が聞こえた。
「……その声……風魔か?」
背後を振り向いてその名を呼んだ俺と、現れた黒髪少女のツンとした目が合う。
その昔、相模国で暗躍していた高名な忍者の末裔で、俺
直立する風魔は両手に籠手を填めて、首に巻いた長いマフラーみたいな赤布を風になびかせている。
俺達というのは、実は彼女、金次と契約を結んだ教務課公認の
紹介料として週に一度、桃まんを提供していたりする関係だ。
風魔の家は大変苦しく、彼女は高1にして赤貧少女と呼ばれているように満足に学費も払えないとか、イヤイヤ、実は他国の忍者みたいな諜報員により兵糧攻めにあっているとかでよく飯をたかられ……提供してやったりしているからな。まあ、前半はともかく、後半は嘘って事は分かっているがあまりにも可哀想だから提供してやっている。
それに、風魔は長瀬先輩に気に入られている。
俺もたまに風魔と一緒に長瀬先輩の修行に付き合ったりしている。
「______風魔陽菜、只今参上つかまつった!」
「いや、呼んでねえよ」
「八神先輩! 長らく修行が忙しくてお会いできず、寂しかったで御座るよー!」
「そうか。会えたな、良かったな。それじゃ、気をつけて帰れよ」
「あ、あ〜う……八神先輩が何時もに増して冷たいで御座るー!
はっ⁉︎ もしや、これも新たな修行で御座るか?」
「……アア、ソウダナ。シュギョウダ。シュギョウ。
セイシンヲキタエルシュギョウダ……」
「おおっ⁉︎ 精神を鍛える修行とかで御座るか。
それならそうと言ってくだされば……全く。
師匠と同じように八神先輩は照れ屋で御座るなー」
……殴っていいかな?
何しに来たんだよ!
「では、拙者は先輩が出された修行をしに行ってくるで御座る!
______ドロン!」
風魔は両腕を組み印を結んでから片手を短パンの中に突っ込んで中からかなり古いタイプの、それこそ時代劇に出てくるような手投げ式の煙幕弾を投げた。
煙幕弾は炸裂し、煙が勢いよく発生する。
辺り一面、発生した濃い煙によって視界は遮られた。
「それでは、八神先輩また会いに来るで御座るよ」
しばらく来なくていいぞー。
来るなら従兄の金次に所に行けよ。
そう思いつつ、手を降ってやった。
嬉しそうに微笑んだ風魔の姿は煙の中に消える。
建物の中に充満した煙により視界が完全に悪くなった頃、風魔の声が彼女が張った煙の中から聞こえてきた。
「八神先輩。何かあれば何時でも拙者は駆けつけるで御座る。
急ぎの際には狼煙を上げてくだされ……それと腹を空かせた時にはまた兵糧をくだされ」
「仕方ねえなあ。
桃まんでいいなら用意してやるよ」
しばらくすると煙は収まったがその場から……風魔の姿は消えていた。
念の為に当たりを捜索したがどこにもいなかった。
……ありえん。
「……そんな、バカな。
風魔の忍術が成功するなんて……」
風魔は色々残念な奴なので武偵ランクは
明日は雨どころか、槍が降ってくるかもな……。
不吉な事が起きる前兆かもな。
そんな事を考えながら
「お待たせ……って、あんた、何疲れた顔をしてんのよ」
「八神先輩……大丈夫ですか?」
C装備を装着し終えた間宮あかりと審判を務めるアリアが
俺の姿を見た途端、2人とも心底驚いた顔や心配そうな顔をして俺を気遣うかのように声をかけてきた。
「いや……何でもない。
さっさと終わらるぞ」
「アリア。ルールはどうする?」
「うーん……シンプルなルールがいいわね。
一撃入れたら勝ちにしましょう。
それでいいですか?
蘭豹先生」
「かまへん。
それとわかってると思うが八神は魔法と銃剣類は禁止や」
「……はい」
「わかりました」
「ならとっとと殺れや!」
「それじゃあ、開始30秒前!」
アリアが開始のコールを始めた。
俺とあかりはアリアのコールを背中越しに聞きながらその場から走りだした。
身体強化してな。
蘭豹やアリアから魔法の使用は禁止されているが、魔力を使う事は禁止されてねえ。
だったら……。
俺は步法の一つである『瞬動術』を使って走る。
そして素早くその身を建物内にある様々な障害物の一つに隠した。
にしても間宮あかりの奴、ってきり背後を狙ってくると思ったが何もしてこなかったなあ。
銃撃されるって思って警戒していたんだが……。
「……静かだな」
俺は身を隠した木箱の陰からこっそり頭を出して間宮あかりに動きがないか当たりを見回す。
あかりの姿はおろか、人っ子1人いない。
「ふむ……どうするか」
相手は1年。だが非殺生の装備とはいえ、武装済み。
対する俺は服装こそ、防弾制服だが武器なし、装備なし。魔法禁止の身。
片や
対する俺は
昨夜からのゴタゴタで肉体的にも精神的にも疲れてる身。
クドイかもしれないが今回、
うん。状況的に……
……詰んでるな。
「よし、逝くか」
俺は覚悟を決めて木箱の陰から飛び出した。
周囲を警戒しつつ、なるべく音をたてないように慎重に、尚且つ素早く移動していく。
直線上には進まず周りこむように遠回りの道を選んで進む。
そして移動していく事、数分で……
「瞬動はルール違反にならねえよな?
さて、あかりを見つけちまったが……どうするかなあ」
俺は標的である間宮あかりの姿を捉える事に成功していた。
あかりは俺から200メートルほど離れたゴミ箱の陰に隠れていた。
片手にはあかりの
さて……どうするか。
あかりの姿は捉えた。
だが姿を捉えても近づかなければ意味がない。
一撃入れたら終わる、というルールはあかりに有利だ。
Sランクが何を言っているんだ、と思われるかもしれないが俺がSランクなのは魔法戦闘や捜査といった限定的な状況での話だ。
餅は餅屋に、ではないが戦闘、それも近接戦闘においては
なので、Eランク評価とはいえ、間宮あかりとはできれば戦りたくなかった。
前世の知識……と言っても漫画の知識だが、あかりは急所狙いで銃を撃てば直接的を目視してなくても、視線を逸らしていても当てられるほどの銃の使い手だと記憶している。
その技量は殺人が禁止されている武偵にとって確かに致命的で、落ちこぼれと呼ばれても仕方ないほどだが、逆に言えば抹殺者としては一流の技量を持っているという事になる。
そう考えるとEランクの1年とはいえ、あかり相手に素手で挑むのは愚弄な行為だよな。
となるとやはり得物がほしいよな。
だけど武器になりそうなもんは……これ使うか。
______ガンッ!
俺は目の前にある木箱を魔力を纏った脚で思いっきり蹴り飛ばした。
そして「アンサートーカー」を発動させる。
この能力はどんな状況、疑問、謎でも瞬時に「答え」が出せる能力で戦闘中に使えば、「どうしたら相手に攻撃を当てられるか」、「どうしたら相手の攻撃を躱せることが出来るか」という答えも瞬時に解ってしまう能力だ。
ただし、出せる「答え」には状況や実力にもよるが限界がある為、あまりに実力差が離れ過ぎていると相手の攻撃を躱すにはどうしたらいいか、などの「答え」を導き出したりする事は出来ない。
それに本人を見ないで答えを導き出したりしても完全な正解を導き出す事は出来ない。
そういった制約がある為、シャーロックには使えなかった。
だがこれから戦う間宮相手なら有効だ。
______ドカアァァァッ!
「きゃあ!」
間一髪で飛ぶ木箱に気づいたあかりが横に飛び退こうとしていた。
俺はあかりが飛び退く地点を予想し、そこへ瞬動で移動して奇襲を仕掛ける。
「とりゃ!」
横に飛び退いたあかりの膝に体重を乗せた蹴りを放つ。
「なっ!
ごほっ……⁉︎」
突然現れた俺に思いっきり蹴り飛ばされたあかりは驚愕した表情を浮かべ、痛みで顔を歪まらせた苦痛の表情を浮かべながら俺が隠れていたのとは別の木箱を薙ぎ倒すように後ろへ吹き飛んでいった。
「……うっ、うっ」
粉々になった木箱を下敷きにしながら苦痛の表情を浮かべるとあかりは立ち上がったが、あかりが行動を起こす前に俺は彼女の側に瞬動で移動してその首に魔力を纏った手刀を当てた。
そして頭上を見上げる。
腕を降ろせばいつでもあかりの首は飛ばせるぞ! と二階部分で見学していたアリアや蘭豹にアピールする為に。
「コラ、間宮! 何やっとんのやー!
接近されるまで気づかんとはどういうわけや!」
「はあー、この前みたいなスリ技が見られると思ったけど……まだあかりには荷が重かったわね」
「確かルールは一撃入れたら勝ちだったよな、もう終わりでいいか?」
「……まだ負けてません」
首に手首を当てられているのにも関わらずあかりは強気な態度で言ってきた。
こいつ状況を解っているのか?
それともまだ何か隠しているのか?
俺が疑問に思ったその時だった。
______ゴト、ゴト。
俺やあかりの近くにある別の木箱が突然揺れた。
「何だ?」
「え? え?」
状況が理解できない俺とあかりはお互いに戸惑いの表情を浮かべた。
木箱は大きな音を鳴らして激しく揺れ……そして。
突然、木箱の一部が粉々に吹き飛んだ。
「……げほげほっ……何だ?」
「なんなんですか⁉︎」
あかりから離れて木箱の側に近寄るとそこには……
黒髪をポニーテールにした忍び装束姿の。
「いやー、拙者とした事が……失敗してしまいました。
面目ないで御座る」
見覚えがありすぎる少女が飛び出してきた。
「なっ……風魔⁉︎」
中から飛び出してきたのは先ほど別れたはずの風魔陽菜だった。
「コラ、風魔! 何邪魔してるんやー! 死ね、死にさらせー!
罰として体罰フルコースしてやる、こっちに来いや」
蘭豹にしょぴかれていく風魔を横目で見送り、あかりに向き直るとあかりは落ち着いたのか、俺の顔を見つめ返してきた。
「八神先輩。もう一度だけお願いします!」
「仕方ねえな。次が最後だぞ」
俺とあかりはお互い向かいあうように
お互いの方向に向かって。
______アンサートーカー発動!
あかりがどういう攻撃を仕掛けてくるか、その答えを出す。
「行きます!」
あかりは俺と交錯した瞬間、その時素早く俺の右手に嵌められている指輪を抜き取ろうと手を出してきた。
俺が右手の指に嵌めている指輪が魔力制御の媒体になっていると気づいたようだ。
______これが鳶穿ち、か。
その鮮やかな手捌きと無駄の無い動きで俺の指輪をスリ盗ろうとするあかりに驚きつつ、あらかじめアンサートーカーによりあかりがどういう行動を取るか答えを出していた俺は、あかりが接触した途端、指輪に大量の魔力を流した。
______バチッ!
「きゃあ⁉︎」
俺の中にある膨大な魔力が指輪に流れたせいか、指輪に手を伸ばそうとしたあかりだが、手に魔力が放出されるのを感じ取ったのか驚き、その場を飛び退いた。
「残念だったな」
瞬動であかりの真後ろに移動し、その小さな体に魔力を纏わした掌打を放つ。
「みぎゃあ……」と言う声をあげてあかりはその場で崩れ堕ちた。
「……コールは?」
アリアに戦闘終了を告げるとアリアはムスッとした表情をしながら戦闘終了の合図を鳴らした。
「そこまで。勝者。八神光!」
「……馬鹿ミツル」
「何でだよ」
間宮を背に背負った俺が
「あんた、手加減してたでしょう。
全然本気でやってなかったじゃない」
バレてた。
確かに間宮相手に俺は全力で戦ったとはいえない。
「あんたが中国人の先輩達と仲良く一緒に稽古しているっていうことは知ってるのよ!
中国拳法を見れると思ったから魔法禁止にしてあかりの相手させたのに」
「いやいやよく考えろよ!
1年相手に、敵に手の内見せるわけないだろ」
「そうね。
なら今度は蘭豹先生に模擬戦の相手をお願いしてみるわ」
「それだけは勘弁してくれ!」
いや、マジで。
蘭豹相手にしたら命いくつあっても足りねえよ!
恐ろしい事をさらりと言うアリアに戦慄しながら歩いているとアリアが足を止めて俺に言ってきた。
「ちょっと、あたしまだ大事な用事あるからあんたはあかりを
アリアの用事?
ああ、そういえば今日は金次とアリアのラブラブゲーセンデートイベントの日だったな。
なら邪魔者はさっさと退散してやるか……。
「そっか。それじゃあ金次によろしくな!
それとUFOキャッチャーは金次に任せとけ!」
そうアリアに声をかけて俺は瞬動でその場を後にした。
「UFOキャッチャーって何よ?
あ、ちょっとミツル……もう、馬鹿なんだから」
間宮あかりを
周りはどれも似たような造りのマンションだ。
そのほとんどが学生寮なんだろう。
この学園島に住むのはほとんどが武偵高の生徒だから当然といえば当然なんだけどな。
今日の夕飯は何にしようか、と道端を考え事をしながら歩いていると突然俺を呼ぶ声が聞こえた。
「ん? 誰だ」
立ち止まり、キョロキョロと辺りを見回してみたが俺を呼んでいる人はどこにもいなかった。
「気のせい……じゃない⁉︎
声が聞こえる……上か?」
顔を上にあげて頭上を見渡すとそこには______
一体の天使がいた。
大きな白い翼を広げて。
頭に光り輝く輪っかを浮かべた……
武偵高の女子制服に身を包んだ天使が______