闇の魔法を使える武偵っておかしいか?   作:トナカイさん

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活動報告にてヒロインに関するアンケートを実施しています。



装填4 《双剣双銃》VS《闇の魔法》使い

武偵高では1限目から4時限目まで普通の高校と同じように一般科目の授業を行い、5時限目以降、それぞれの専門科目に分かれての自習を行うことになっている。

5時限目、俺は超能力捜査研究科(SSR)の超能力実験室で魔法の練習をしていた。

来れ( ケノテートス・ ) 虚空の雷(アストラプサトー ) 薙ぎ払え( デ・テメトー )      雷の斧!!!   ( ディオス・テュコス!!! )

雷鳴が迅り、雷光を纏った斧のように鋭い一撃が標的(ターゲット)の丸太を切り裂く。

 

雷系の上位古代語魔法 (ハイシェント呪文)。中の上程度の威力だが連携技をしやすい。

 

「ちっ…発動まで時間がかかるな。

今練習しているこの魔法は、雷の暴風より強力な上位古代語魔法だ。

その威力は上位古代語魔法とあってかなり高いが、取得は難しい。

取得は難しいが使えればかなり強力な武器になる。

まあ、取得が難しいといっても呪文の詠唱が短い分、まだまだ改良の余地があるな。

練習で慣れるしかないか…。

闇の魔法(マギアエレベア)で装填させることができるようになるのは当面先だな。

次は『闇き夜の型』(闇モード)を起動させて…よし、いける」

 

俺は闇の魔法、術式装填の前の段階である闇のモードを起動させ、自身にこれから《装填》する魔法を発動させた。

来れ 深淵の闇(アギテー・テネプラエ・アビュシィ)

燃え盛る大剣(エンシス・インケンデンス)!!

闇と影と(エト・インケンディウム・)憎悪と破壊(カリギニス・ウンブラエ)

復讐(イニミー・キティアエ・)(デーストルクティオーニス)大焔(・ウルティオーニス)!!

我を焼け 彼を焼け(インケンダント・エト・メー・エト・エウム)

其はただ焼き尽くす者(シント・ソールム・インケンデンテース)

奈落の(インケンディウム)業火(ゲヘナエ)!!!

固定(スタグネット)!!!

掌握(コンプレクシオー)!!

術式兵装(プロ・アルマティオーネ)

魂と肉体を喰わせる狂気の技法。闇の魔法。

獄炎(シム・ファブリカートゥス・)煉我(アブ・インケンディオー)

 

俺の身体は黒く染まり闇の焔を体内に取り込んだ。

身体から黒い炎、いや…オーラのようなものが発生し見るものを萎縮させるような暗黒を纏った姿に変貌した。

 

「獄炎煉我…よし、問題ないな。

出力をもう少し上げられれば…いや、危険か…」

気がつけば6限目が終わり放課後になっていた。

自主練習を1時間くらいやり、今日は朝からいろいろあったせいか疲れ果てた俺はSSR棟を出て自室の第3男子寮に向かおうとした時、SSR棟の出入り口前に立っていたピンク色のツインテールの少女に気づいた。

 

 

 

 

武偵高には、特殊な魔術を使う超偵として武偵登録している。

超偵とは超能力や魔術(魔法)、異能を使う武偵の事を示す。

それぞれの専門科目にはランクがあり、F〜からSまであるが通常はFは格付けされないランクで、Sランクは《超人》といってもいいくらい人間離れしている奴らがなる。

通常のランクはE(落ちこぼれ)からA(優等生)が一般的だと俺は思っている。

Sより上にRランクなんていう世界中に7人しか格付けされてないランクも存在しているがあれは《人外》だと俺は思う。

Aランクですら敵対したくないのに(ランク的にはAランクは束になってもSランクには敵わないが)Sランクみたいな超人との敵対は避けたい。

 

だが、俺をこの世界に送り込んだドSの女神様は甘くなかった。

 

何が言いたいかというと俺の目の前に『超人武偵』(Sランク)の一人。

 

 

 

神崎・H・アリアがいた。

 

 

 

「遅い…淑女(レディ)を待たせるなんて紳士(ジェントルマン)失格ね!」

出会い頭からツンツン口撃をしてくる万年145cm。

「…な、なんでいるんだよ?」

俺は思わず項垂れてしまった。

「ここにアンタがいるからよ」

「答えになってないだろ⁉︎」

会話のキャッチボールができてない。

「アンタがSSRで訓練してるって聞いたからわざわざ放課後まで待ってたのよ」

だ・か・ら・なんで俺を待つんだよ⁇

「俺はお前に用はねぇよ」

「あたしはあるのよ」

アリアは太ももからモロに見えてる(武藤いわくガンちら)銃を抜き放った。

ガガン。

という銃声が鳴り響き俺の右胸へ銃弾が当たった。

 

「…やっぱりね」

いきなり銃弾をぶっ放しやがったアリアは《こうなる事を》確信していたかのように冷静に落ち着いて銃弾の最期を見送った。

俺の右胸に向けて放たれた銃弾は右胸に当たる直前で見えない《壁》に阻まれて地面へ落下した。

 

「いきなり銃弾ぶっ放しといて言うことがそれか⁉︎」

 

嫌だもう、俺は金次みたいなドMじゃないからアリアみたいなツンデレの相手は無理だ。

 

「どうせ効かないんでしょう?」

オイ、効かないなら銃撃してもいいのか?

もう少し常識を持ってくれ‼︎

 

「ここは日本だ。

アメリカみたいに銃撃で挨拶する文化はねぇ!」

 

ほんとこれだから銃撃斬撃依存症(死ね死ね団)の強襲科の奴らは嫌なんだ。

 

「うるさい、うるさい、うるさーい。

アンタ銃撃しても死なない変態でしょー。

愚痴愚痴文句言ってんじゃないわよ!」

ひでぇ、酷すぎる。

何この扱い?

 

「……何しに来たんだよ」

アリアに言いたいことは沢山あるがまずは一番聞きたかった質問をした。

 

 

「わからないの?」

「わかるかよ⁉︎」

いきなり来て銃弾ぶっ放す奴の行動なんかわかるか。

俺は読心術を使える超能力者や魔法使いじゃねぇ…いや、魔法使いだけど。

 

 

アリアはそんな俺の態度が気に入らなかったのか俺に人差し指を向けて聞きたくなかった言葉を言いやがった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「アンタ、私の奴隷になりなさい」

 

 

 

 

 

 

 

 

今なんて言った?

土鈴になりなさい?

どれ胃?

 

 

……聞き間違いだったらいいな…。

 

 

アリアはパートナーを探している。

自分の《母親》を救う為に。

あの組織に挑む為に。

 

たった一人で今まで戦ってきたんだろう。

アリアのパートナーが務まる人間なんてそうそういるもんじゃないからな。

 

世界中のどこかにいるかもしれない未来のパートナー。

いる確約もなしに今までたった一人で戦ってきた。

そして今日、偶然にもパートナーになりそうな候補者が見つかった。

 

 

人付き合いが苦手なコミュニケーション力ほぼ0のアリアはパートナーにする為に無茶苦茶な行動に出た。

 

 

 

そこまでは解る。

だがな…。

 

 

なんで俺が奴隷宣言されてるんだ⁉︎

 

 

 

 

 

 

 

母親の件には同情する。

助けてやりたいとも思う。

だけど…

 

 

 

「だが、断る」

 

「なんでよ⁉︎」

アリアがそのちっこい背を一生懸命伸ばして抗議の威嚇射撃をおこなってきた。

銃弾は上空に乱射される。

 

「いきなり来て銃弾ぶっ放しといて挙句の果てに奴隷になれだ?

アリアお前いくらコミュ力0でもこれはねぇよ!」

 

本当どういう教育されてきたんだ?

 

「なんでよ…嫌だ!ミツルはアタシのもんだ。

あたしの奴隷よ!これは決まり、決まりったら決まりよ!」

 

どんだけ理不尽なんだよ…。

 

「決闘よ!

負けたら《勝った方の言うことをなんでも聞くこと》、決闘しなさい!」

「いいのか?

俺は金次と違って女の子でも容赦しないぜ?」

「望むところよ!

でっーかい風穴空けてやるんだから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

んで、強襲科の施設、黒い体育館へとやって来たが。

 

 

 

「おお、光。死にに強襲科に来たのか?

じゃあさっそく死んでくれ!」

「うるさい、田中。お前こそ先に死ね!」

 

「あれ?八神君じゃない?

自由履修で来たの?

じゃあさっそく死んで」

「嫌だ!君こそ先に死んでくれ!」

 

「死ね死ね死ね死ね…」

「ヤンデレかよ?

あんたこそ死ねー」

 

強襲科の悪しき伝統で何故か挨拶代わりに死ねと言うことが決まっている。

だから俺はこんなところに来たくなかったんだ。

死ね死ね団の魔窟になんか、な。

 

 

 

 

 

「それじゃあ、始めるわよ」

アリアはそう言って両手に大型拳銃、コルトガバメントを持ち銃撃してきた。

銃口から放たれた銃弾は俺の左肩に狙いがつけられている。

俺はあえて避けずにその銃弾を受け止めた。(・・・・・)

 

「どうやってんのよ、それ?」

アリアは俺に銃弾が届かない訳を聞いてきた。

「敵対者に教えるか…って言いたいところだけど特別に教えてやる。

俺は無詠唱で一部の魔法を使える。

んで簡単な防御魔法の一つ、風花 風障壁(フランス バリエース・アエリアーリス)を展開して防いだんだ。

この魔法は10トントラックの衝突にも耐えられるからな」

連続使用できないがそんな弱点まで教えてやる必要はないしな。

それに某白髪の少年のような曼荼羅の障壁は俺にはまだ使えない。

 

 

「銃弾が効かないなんてやりにくいわね」

アリアはそう言って銃をしまい、今度は背に隠している日本刀(小太刀)を二本抜いて切りかかってきた。

「小太刀の二刀流と二丁拳銃の使い手か…〈双剣双銃〉( カドラ)の二つ名は伊達じゃないな」

 

俺は《闇き夜の型》を発動させ、回避すると闇の魔法 術式兵装を展開した。

 

 

来れ 深淵の闇(アギテー・テネプラエ・アビュシィ)

燃え盛る大剣(エンシス・インケンデンス)!!

闇と影と(エト・インケンディウム)憎悪と破壊(・カリギニス・ウンブラエ)

復讐(イニミー・キティアエ・)(デーストルクティオーニス・)大焔(ウルティオーニス)!!

我を焼け 彼を焼け(インケンダント・エト・メー・エト・エウム)

其はただ焼き尽くす者(シント・ソールム・インケンデンテース)

奈落の(インケンディウム)業火(ゲヘナエ)!!!

固定(スタグネット)!!!

掌握(コンプレクシオー)!!

術式兵装(プロ・アルマティオーネ)

闇の炎を体内に取り込んだ。

獄炎(シム・ファブリカートゥス・)煉我(アブ・インケンディオー)

 

 

漆黒の闇に染まった俺を見てビビるアリア。

ガタガタ震えてる。

そういえばアリアはお化け系苦手な方だったな。

 

解放‼︎ (ウンデセクサーギンタ) 炎の精霊 59柱!!(スピリトゥス・イグニス!! ) 集い来りて(コエウンテース・・・)   魔法の射手(サギタ・マギカ) 連弾(セリエス・)火の59矢(・イグニス)

 

俺は震えてるアリアに向けて初心者レベルの魔法を放った。

魔法の射手の威力を示すと、矢一発分はストレートパンチ一発分に相当する。

つまり俺はアリアに対し59発分のストレートパンチを放ったことになる。

それも《破壊属性》の火の魔法でな。

 

「みぎゃぁ…」

モロに俺の魔法をくらいアリアは吹っ飛んでいった。

 

 

 

「そこまで‼︎

勝者、八神。

 

誰か神崎を救護科(アンピュラス)まで連れていってやれや〜」

それまで黙っていた強襲科一の問題教師、蘭豹の号令で決闘はお開きになった。

 

 

「はぁはぁ…」

闇の魔法を使いすぎたせいか、少し息苦しい。

 

「…ん、ぐっ…」

闇の侵食が進み始めたのか痛みもある。

 

 

 

「…こりゃあ、ヤバイな。

あのまま戦ってたら負けてたのは俺の方だな…」

闇の侵食、闇の魔法の副作用。

闇の魔法を長時間使えない理由がこれだ。

使いすぎれば最悪俺は…いやよそう…まだそうなるとは決まってない。

 

何故かアリアの事を、あの組織の事を考えてしまう。

 

さっきの決闘はアリアがビビらなければ俺は負けてた。

アリアの弱点は四つある。

 

桃まん(中毒)、浮き輪(泳げない為)、雷(ビビり)、超常現象系(心霊系)だ。

 

アリアは性格はともかく見た目は悪くない。

性格がキツすぎて俺には無理だが…。

だが同じクラスメイトで武偵…仲間だ!

 

それに…。

 

 

「やっぱり放っておけねぇしな…俺も甘いな」

 

『ある決意』をして、俺は痛む身体を動かし強襲科の体育館から退出した。

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