突如君臨した、第2層フロアボス“アステリオス
「まずいぞ!本隊が!」
エギルの言う通り、アステリオス
対してバラン将軍と戦って居る本隊は、部屋の最奥。
バラン将軍とアステリオス
「どうする!?こっちを二つに分けて、王の方を抑えるか!?」
「いや、まだ王と本隊は距離がある!優先順位を間違えるな!」
エギルの提案に、キリトが素早く却下を出す。
「H隊!G隊!ナト大佐に
「要するにゴリ押しってことだろ!」
「その通り!」
キリトとカイが先に走り出し、エギル達H隊も続く。
ナト大佐と戦っていた、G隊《
全員でほぼ同時に、現時点での最強のソードスキルをなりふり構わず叩き込まれ、ナト大佐の残りのHPは全て吹き飛び、消滅する。
「次だ!このまま王が本隊と接触する前に、将軍を討ち取るぞ!」
そのままHPが残りバー1本の将軍も倒そうと走り出すが、その瞬間、アステリオス
「まずい!」
キリトが叫んだ。
アステリオス
「
キリトが叫ぶと同時に、アステリオス
SAOでは魔法は存在しないが、魔法要素が全て排除されてるわけではない。
装備するとステータスが上がったり、各種
そして、多くのモンスターの特殊攻撃にもある。
その中でも、雷系の特殊攻撃は厄介だ。
放たれた瞬間には、最大射程距離まで届き、高確率で《
そして、アステリオス
「止まるな!」
誰もが固まり動けない中、キリトは動いた。
「H隊!それに、動ける奴は、麻痺者を安全圏へ!パワータイプなら、1人で2人ぐらい搔っ攫え!
「了解!」「応!」
キリトの指示に、カイとオルランドが返事をし、将軍へと攻撃する。
オルランドの仲間たちは返事こそないが、既に武器を構え、バラン将軍へと向かっていた。
だが、ナト大佐よりも高い身長のバラン将軍では、弱点への攻撃が届かない。
「キリト!ブレスが来る!」
キリトの隣で戦っていたカイが、そう叫ぶ。
キリトが背後を振り返ると、アステリオス
(間に合わない……!)
ブレス攻撃が来る。
そう思った瞬間、ボス部屋の扉が開き、そこから2つの人影が飛び込んでくる。
その2つの影は、背を向けてるアステリオス
「ア…アスナ!?」
「ミトも!」
突如現れた2人の攻撃を食らいアステリオス
「アスナ!合わせて!」
「了解!」
そして、2人は同時に左足を前に出し、アステリオス
「今のは!?」
「体術スキルの《弦月》だ!ってことは!」
「クリアしたのか!?あのクエストを!?本当に2日で!?」
《体術》習得クエストを、本当に2日でクリアしてきたミトとアスナに、キリトが驚きの表情をする。
「こっちは私とアスナでタゲ取るから!そっちは将軍を頼むわ!」
ミトが《攻略組》全体に響き渡る様に、大声で叫ぶ。
「た、たった2人で!?」
「そ、そんなの無茶過ぎる……!」
《攻略組》の中から、そんな言葉が漏れる。
「くっ……ミト!」
カイは、自分だけでもミト達の応援に行こうとする。
「来ないで!」
だが、そんなカイの事を察してか、ミトが叫ぶ。
ミトは一目見て、やせ我慢してると分かる笑みをカイへと見せる。
(こっちは何とかする。だから、今するべき事をして)
ミトの目がそう語っているのを、カイは感じた。
《アニールシミター》を持つ手に力が込められる。
そして、助けに行きたい気持ちを振り払う様にミトから目を外す。
「キリト!さっさと将軍倒すぞ!」
「ああ!」
標的をバラン将軍へと戻し、カイは再び攻撃を仕掛ける。
アステリオス
どうやら、ブレス攻撃は一定距離を離れると放ってくるらしく、2人はアステリオス
「アスナ、常に
「分かってる!」
ミトの言葉に返事しながら、アスナはアステリオス
だが、その時、アスナはキリトと目が合った。
キリトはバラン将軍と戦いながらも、意識をアスナへと向けていた。
アスナの事が心配だからだ。
そんなキリトに対し、アスナは僅かに苛立ちを感じた。
そして、キリトへ見せつけるように回避を止め、
キリトへの対抗意識とかではなかった。
(前を見なさい!私は大丈夫!だから、目の前に敵に集中して!足止めぐらい………私にも出来る!)
心の中で、キリトを安心させるかのような言葉を呟き、アスナはアステリオス
「アスナ、ダメ!」
ミトの声が響いた。
その瞬間、アスナは下から何かに弾き飛ばされ、体が上に飛ばされる。
そして、そこを待ち構えていたアステリオス
アスナを攻撃したのは、アステリオス
「ぐっ!?」
地面に叩き落された衝撃で、アスナは一時的に動くことが出来なかった。
「アスナ!」
ミトはアスナを助けようと走り出す。
だが、アステリオス
ミトは、跳躍で回避し、アステリオス
「邪魔よ!」
怯ませようとミトは、アステリオス
アステリオス
だが、ミトは尻尾の攻撃が来る瞬間、体を反転させ、尻尾を払った。
一度見た攻撃の為、ミトは防げた。
そして、そのままソードスキルを放とうと、再度身体を反転させ、構える。
「はああああああああ!」
ソードスキルが放たれ、アステリオス
ミトがソードスキルを放った瞬間、アステリオス
「……嘘」
アステリオス
そこを狙い、アステリオス
「がっ!?」
強烈な衝撃がミトの身体を襲い、ミトは受け身を取ることも出来ず、頭から床に落ちる。
ミトのHPは今の攻撃で半分を切っていた。
その状態で頭から床に落ちれば、HPが全損するのは分かり切ったことだ。
薄れる意識の中、ミトが見たのは自分目掛け、ブレス攻撃をしようとするアステリオス
そして、その直線上にはアスナも居た。
(守れなかった……か。ごめん、アスナ………ごめん、カイ………)
ミトは死を覚悟し、目を閉じた。
「ミトォォォォォォォォォ!!」
「アスナァァァァァァァァ!!」
2人の声が響いた。
カイとキリトは、ミトとアスナ目掛け走り出していた。
少しでも早さを上げる為、武器を放り捨て、全速力で走り、手を伸ばす。
キリトはアスナを抱きかかえ、カイは落ちるミトをキャッチし、あらん限りの力を籠めてブレスの攻撃範囲から逃れる。
そして、4人がブレスの攻撃範囲から出た瞬間、雷ブレスが放たれた。
「ぐっ!」「がっ!」
ブレスが直撃することは免れるも、僅かにカイとキリトの身体を掠め、カイとキリト、そして、ミトとアスナの4人は《麻痺》状態になった。
「どうして……来たの………?」
身体がしびれて動けないミトは、床に倒れたままカイの方へと顔を向け尋ねる。
「死ぬ所だったのよ………」
カイのHPは、バラン将軍との戦いで半分になっており、もしブレスが直撃していたら全損は免れなかった。
それでもカイは、ミトを助けるために動いた。
カイは痺れる身体を無理矢理動かし、ミトへと近寄る。
そして、ミトへと覆い被さり、ミトの身体を隠す。
「死なせたくないんだ………」
カイはミトを見つめて言う。
「これ以上……俺の大切な人を、死なせたくないんだ………だから………」
今にも泣きそうな顔をして言うカイに、ミトは何かを感じ取る。
「………馬鹿」
ミトはそう言い、カイへと手を伸ばし、頬に触れる。
「それで、カイは死んだら意味ないじゃない……でも、ありがとう………」
ミトは優しく笑った。
そんなミトの笑みを見て、カイも自然と笑みを浮かべた。
そうしてる間にも、アステリオス
その姿を見て、カイは無理と分かっていながらも、ミトを守るために、ミトを強く抱きかかえる。
キリトも、無理と分かりながらアスナを守ろうと、庇う。
「離せ!離すのだ!」
その時、オルランドの声が響いた。
「無理ですよ!」
「馬鹿な事は止めてください、オルランドさん!」
「馬鹿で何が悪い!戦友と姫君の盾となって斃れることこそ、騎士の本懐!」
どうやら、オルランドはカイ達を助けようと動こうとして、仲間たちに止められている様だった。
「真の勇者であるならば、今
「はい、オルランドさん」
オルランド達の背後で声が聞こえる。
そして、声と共に何かが一筋の光となって、アステリオス
それは、綺麗な弧を描き、アステリオス
甲高い金属音が鳴り響き、アステリオス
「あ、あれは………チャクラム!?」
飛んで来た物の正体は、チャクラム。
それは、フィールド・ボス《ブルバス・バウ》の
「すみません!遅くなりました!」
その譲ったプレイヤーの名は、“ナーザ”
「誰か!4人を安全圏へ!それ以外の皆さんは将軍へ!《
アステリオス