ソードアート・オンライン~剣聖に至る道~   作:ほにゃー

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第11話 誰が相棒なのか

ネズハの登場によって、戦況は一気に《攻略組》側へと傾いた。

 

アステリオス(キング)が、ブレスを放とうとすればネズハのチャクラムでデュレイさせ、ブレス以外の攻撃は《伝説の勇者達(レジェンド・ブレイブス)》が防ぐ。

 

これにより、《攻略組》パーティーの回復の時間を稼いでいた。

 

「ブレス来るぞ!頼む、アンタが頼りだ!」

 

レイドリーダーのリンドが、ネズハに向かてそう言う。

 

「は、はい!」

 

ネズハは、ようやくなりたかった伝説の勇者になれた喜びから、涙を流して力強く返事をする。

 

「それにしても、あのクエストを2日でクリアとかどんな方法使ったんだよ?」

 

安全圏にまで避難したキリトが、HP回復ポーションと対麻痺ポーションを飲みながら、ネズハと一緒に来たアルゴに尋ねる。

 

「ああ、これまた凄いんダ」

 

アルゴの説明によると、事の発端はアルゴが《隠しログアウトスポット》の噂を聞いた事だった。

 

その噂は第1層の時も聞き、真偽の程を確かめるために、アルゴはキリトとカイの手を借り調査した。

 

結果は、《隠しログアウトスポット》など存在しなかった。

 

誰かが現実に帰りたい余り流したデマ。

 

そう言う結論だった。

 

だが、第2層でも《隠しログアウトスポット》の噂が出て、それを聞いたアルゴは第1層に続いて同じ噂が出る事に疑問を感じ、再び調査した。

 

そして、第1層と第2層で、《隠しログアウトスポット》の噂が流れたのは、とあるNPCのおつかいクエストで得た情報だったことが判明。

 

内容は異なるが、その情報の最後には《真実の世界への扉が開かれる》とあった。

 

何かあるとアルゴは考え、再び第1層へと戻り、《隠しログアウトスポット》と噂された場所を訪れた。

 

そこで、アルゴが見つけたのは隠し洞窟だった。

 

第1層の頃は、アルゴ自身の《看破(リピール)》の熟練度が低かった為、発見されなかった。

 

そこを調べ、アルゴが見つけたのは驚きの情報だった。

 

洞窟の中には壁画があり、その壁画は曲刀を持ったコボルトロードを倒す、刀を持ったコボルトロードが描かれていた。

 

それを見たアルゴは、《真実の世界》とはボス攻略に必要な情報の開示だと気付き、すぐさま第2層の調査を開始。

 

そして向かったのは、あの《体術》習得クエストの場所だった。

 

《禿山の頂に仙人の住まう《迷子石の森》あり。仙人の座するを打ち砕けば、《真実の世界》への扉が開かれん》

 

つまり、第2層のボス攻略に必要な情報は、《体術》習得クエストのNPCの仙人が座る石を壊すことで得られる。

 

アルゴはこの情報を、アスナとミトに伝えるべく向かったが、その途中で《トレンブリング・オックス》と言う牛型モンスターをトレインしてしまい、どうすることも出来ず、そのままアスナたちの所へと向かう。

 

武器もなく、為す術のないアスナたちではどうしようもなかったが、アスナが咄嗟の機転を利かせ、自身のフーデッドローブをマント代わりに、闘牛を披露。

 

《トレンブリング・オックス》を見事誘導し、仙人の座る石を破壊し、クエストクリアとボス攻略情報を入手した。

 

「あのクエストを開始するト、やたら《トレンブリング・オックス》が湧くのモ、そう言う方法で石を割れって意図もあったんだろうナ」

 

「そう言えば、頭を使っても良いとか言ってたな………」

 

「そう言う事かよ………」

 

真面目に岩を殴り続けて壊したカイとキリトは、楽に壊せる方法があったことに驚愕し、それに気づかなかったことに落ち込む。

 

「ま、ココの差があったみたいだナ」

 

アルゴは自身の頭を指差して言う。

 

「と言う訳デ。ボスに関する情報を得たオイラ達は、この情報を伝えるべく急いでここに来たって訳サ。で、事は一刻を争うから先に、ミーちゃんとアーちゃんの2人に先行して貰っタ。だけど………」

 

そう言い、アルゴは《攻略組》を見渡す。

 

「もうボロボロじゃないカ。戦況がこちらに有利になったとは言え、戦局を支えてるのは彼ら……カ」

 

バラン将軍を倒し、アステリオス(キング)を相手にする、《伝説の勇者達(レジェンド・ブレイブス)》の背中を見て、アルゴが言う。

 

「現時点で望み得る最高級の武器のお陰もあるガ、その腕も《攻略組》では一線級カ………惜しいナ」

 

アルゴは悲しそうにそう呟く。

 

「とにかく、今はボスを倒すのが先決だ」

 

ようやくHPの回復と麻痺が治り、キリトが立ち上がる。

 

「行けるか、アスナ?」

 

キリトは、相棒のカイでもなく、同じβ出身のミトでもなく、アスナにそう声を掛ける。

 

「ええ、行けるわ」

 

アスナも立ち上がり、武器に手を掛ける。

 

「ところで、キリト君。あの時の言葉憶えてる?」

 

「え?あの時の?」

 

「ボス戦でLA(ラストアタック)取るって言ったでしょ?」

 

「………あー、そうだっけ?」

 

キリトは、その場の勢いで言ったことを思い出し、そう言う。

 

「宣言通り、私たちは2日でクエストを終わらせた。それなら、キリト君も有言実行しないと………できるものならね!」

 

そう言って、アスナは我先にと走り出す。

 

「あ!ずるいぞ!」

 

その後を、キリトも急いで追い掛ける。

 

そう言って、競い合う2人は、何処か笑顔だった。

 

「あ~あ、あんな良い笑顔しちゃって………」

 

「全くだな。完全に俺たちの事、眼中になしだな」

 

カイとミトも復活し、立ち上がる。

 

「……ねぇ、カイ。あの2人、ちょっとイラっとしない?」

 

「……言われてみると、そうだな」

 

「こっちがどんな苦労してたかも知らないで、勝手に仲直り」

 

「挙句、俺たちが自分たちの相棒だって事も忘れて、2人っきりの世界に没頭」

 

「「許せないよな(わよね)!」」

 

カイとミトは口を揃えて言い、にやりと笑う。

 

「誰が自分たちの相棒なのか!」

 

「思い知って貰うわよ!」

 

そう叫び、2人も走り出す。

 

前線は、丁度《伝説の勇者達(レジェンド・ブレイブス)》と、エギル達H隊がアステリオス(キング)の攻撃を防ぎ、かち上げた所だった。

 

「今だ!《ブラッキー》殿に《スカーレット》殿、そして、《姫君》達よ!」

 

オルランドが、4人に向かって叫ぶ。

 

「行っけえええええええ!!」

 

エギルは、4人に最後のトリを任せるつもりで叫ぶ。

 

「また持って往かせる気か!?」

 

「させるか!」

 

キバオウとリンドは、LA(ラストアタック)AB(アシストボーナス)を取らせまいと動く。

 

4人は同時に跳躍し、武器を構える。

 

突進系のソードスキルを同時に発動し、4人の攻撃は弱点の王冠に当たる。

 

アステリオス(キング)は、絶叫し、動きを止める。

 

その隙を逃さず、4人はまたしても同時に左脚を振り上げ、体術スキル《弦月》を発動。

 

4人の蹴りは、アステリオス(キング)の顎を蹴り上げ、大きく仰け反り、怯む。

 

「「これで!」」「「終わりよ!」」

 

カイとキリト、ミトとアスナの声が重なり、4人は最後のソードスキルを放つ。

 

片手剣スキル《ソニックリープ》

 

細剣(レイピア)スキル《シューティングスター》

 

両手鎌スキル《カラミティロード》

 

曲刀スキル《トレブル・サイズ》

 

4つの突進技が、アステリオス(キング)の顎に当たり、そのまま貫く。

 

カイ達が地面に居り立ち、それと同時に、アステリオス(キング)は消滅した。

 

そして、《CONGRATULATIONS》の文字がフロア中央の上空に浮かび、全員の目の前に獲得経験値と分配されたコルが表示される。

 

「悪いな、2人ともLA(ラストアタック)と」

 

AB(アシストボーナス)は」

 

「「俺達(私達)が、頂いた(わ)」」

 

《攻略組》全員の歓声が響く中、カイとミトは、キリトとアスナに意地の悪い笑みを浮かべ、笑い掛けた。

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