プロローグ
「それで、第3層から本番ってどういうことだ?」
2層ボス部屋から3層主街区へと続く螺旋階段を昇りながら、カイが尋ねる。
「3層から、本格的に人型mobが出てくるんだよ」
キリトは、後ろのカイとアスナに向けてそう言う。
「コボルトやトーラスも、ソードスキルを使ってきても見た目はモンスターでしょ?でも、ここから先の敵の一部は外見的にはプレイヤーと変わらない、それこそカーソルカラーを見ないと判別できないぐらい見分けがつかないの」
「NPCと同様に喋って、ソードスキルも高度な使い方をする………茅場晶彦が、雑誌のインタビューで言ってたよ。『《ソードアート》とはソードスキルとソードスキルが織りなす光と音、生と死の《
一年前に雑誌を読んだキリトとミトの胸をときめかせたそのフレーズも、今では二重の意味があったと理解している。
「
すると、アスナが突然そんなことを言い出した。
「どういうことだ?」
「
その言葉に、βテストを受けたキリトとミトは、ハッとした。
何故なら、《SAO》に置いて十数体以上のモンスターに囲まれるのは死を意味する。
《SAO》は他のゲームみたいに魔法と言うのは存在せず、広範囲を一撃で殲滅するようなことができない。
範囲技のソードスキルも、武器の間合いしか届かず、おまけに次に使うまでのクールタイムもある。
その為か、《SAO》では基本的にモンスターは単独、複数出て来ても二、三体まで。
意図的に集めるか、トラップやモンスターのスキルでもない限り、一対多の戦闘が起きることはない。
「つまり、協奏曲に例えられる戦闘は起きないってことか?」
「しいて言うなら、ボス戦がそれっぽいけど、それだとボスが主役で、攻略レイドが伴奏みたいよね」
アスナの言葉に、キリトとミトは腕を組んだり、顎に手を当てて考える。
「ま、今考えてもしょうがないだろ。それよりも、3層の扉が見えたぞ」
カイに言われ、キリトとミトはハッとする。
「そうだな。今は考えるのは後にしよう」
「とりあえず、アスナ、カイ」
キリトとミトは笑って、第3層の扉に手を掛ける。
「ようこそ!」「第3層へ!」
《SAO》の先輩として、《SAO》の後輩である2人を、キリトとミトの2人は、笑顔で迎え入れた。