ソードアート・オンライン~剣聖に至る道~   作:ほにゃー

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第1話 キャンペーンクエスト

第3層のデザインテーマは《森》

 

1層や2層にあった森とは比較にならないほどの、巨大な森だ。

 

「わぁ……!」

 

「すげー……!」

 

目の前に広がる大森林を前に、アスナとカイは小さく歓声を上げる。

 

そんな二人を見ながら、キリトはアルゴにメッセージを送る。

 

内容は、下層に第2層攻略と1時間以内の第3層転移門の開通を周知するようとの頼みの文面だ。

 

それを送り終えると、キリトはミトを見る。

 

キリトの視線に気づいたミトは、頷き、カイとアスナに声を掛ける。

 

「二人とも、感動するのはいいけど、そろそろ行くわよ」

 

「あ、ごめん!」

 

「転移門の有効化(アクティベート)だな」

 

「いや、それは後から来るリンドかキバオウに任せよう」

 

キリトはそう言って、北を指差す。

 

「この道を行って、分かれ道の右に行くと主街区。左は森になってる。俺とミトは、主街区に行くより先に、森の方に行きたいんだ」

 

「どうして?」

 

「直接攻略には関係無いんだけど、やっとくと何かと便利なクエストがあるのよ」

 

「どんなクエストだ?」

 

「聞いて驚くぞ?」

 

カイの質問に、キリトはにやりと笑う。

 

「SAO初の層を跨ぐ大型キャンペーンクエストだ!」

 

「終わるのはなんと第9層!」

 

「第!?」「9層!?」

 

9層まで続くキャンペーンクエストと言うことに、カイとアスナは驚く。

 

「章ごとのクリアで経験値が多めに貰える」

 

「おまけに、報酬アイテムもハイスペック」

 

「主街区に行くより、優先度高いだろ?」

 

キリトの言葉に、カイとアスナは頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4人は森へと進み、《トレント・サブリング》を倒しつつ、奥へと進む。

 

「それで、どうやったらそのキャンペーンクエストが受けれるんだ?」

 

「この辺りなんだけど………3人は耳に自信あるか?」

 

「キリト君って、耳フェチ?」

 

「キリト、人の趣味嗜好についてはとやかく言わないけど、今はそんなことしてる場合じゃないだろ」

 

「違わい!」

 

アスナとカイからの反応に、キリトは叫ぶ。

 

なお、ミトはと言うとアスナの「耳フェチ」発言で吹き出し、カイのセリフで爆笑していた。

 

「そうじゃなくて、聴力に自信あるかってこと!」

 

「わかってるわよ」

 

「落ち着けって」

 

アスナとカイに揶揄われ、顔を真っ赤にするキリトだった。

 

「で、そう聞くってことは何か音が聞こえるのか?」

 

「そうよ。剣と剣がぶつかり合う金属音が聞こえるはずだから、注意してね」

 

ミトの言葉に頷き、4人は耳を澄ませる。

 

風鳴り、葉擦れ、背景生物(クリッター)の足音、小鳥の囀り、それらを聞き分けながら、目的の音を探す。

 

暫くそうすると、遠くてキンッ!と言う剣戟音が聞こえた。

 

4人同時に、音がした方を向く。

 

「行こう」

 

全員が頷き合い、音の方向へと向かう。

 

近づくにつれて、音は大きくなり、4人の視界中央にNPC色のカーソルが2つ浮かび、木々に反射するライトエフェクトが届いた。

 

キリトを先頭に近付くと、巨木の所で立ち止まり、右手でジェスチャーしてきた。

 

3人が頷き、太い幹からソッと顔を出すと、開けた空き地で剣を交える2つのシルエットが見えた。

 

煌びやかな金髪、緑色の軽装鎧を装備し、右手にロングソード、左手に円形の盾を装備した長身の男と、黒と紫の鎧、湾曲した形のサーベル、目を見開く程の美貌を併せ持った、ショートヘアーの女性騎士だった。

 

「嘘……あれが本当にNPC!?」

 

「普通の人に見えるぞ」

 

「良くできてるだろ?けど、良く見てみろ」

 

キリトに言われ、よく観察すると、2人の騎士の耳は尖がっていた。

 

「あれって、エルフか?」

 

「ああ。男の方は《(フォレスト)エルフ》で、女の方は《(ダーク)エルフ》だ」

 

「で、ここからなんだけど、このクエストは1度受けたら途中でミスしても受け直し不可、対立ルートへの変更不可。一度選んだルートを最後まで走り抜けないと行けないわ」

 

「「対立?」」

 

「そう。《(フォレスト)エルフ》と《(ダーク)エルフ》、どちらかの陣営を選んで、選ばなかった方の陣営と戦うことになるわ」

 

「それでどちら側に加勢する?」

 

キリトの言葉に、アスナは戦ってるエルフを見る。

 

「《(ダーク)エルフ》側に着きましょう。キリト君とミトがやったことのあるルートの方が安心だし」

 

「俺も賛成だ」

 

「よし、じゃあ早速………あれ?俺、βの時にどっち側に着いたって話したっけ?」

 

「私も言ってないけど………」

 

「分からないとでも?」

 

アスナはふっと笑い、キリトを見る。

 

「いや、確かにあっちを選んだけど!別に女性だから選んだわけじゃなくて、黒色だからで!」

 

キリトがしどろもどろに言い訳するのを他所に、アスナはミトを見る。

 

「ミトは……あの《(ダーク)エルフ》のお姉さん、紫髪だし」

 

「それだけで決めつけたの!?確かにあっち選んだけど!」

 

「とにかく行くぞ」

 

「あ、ちょっと待ってくれ」

 

カイが立ち上がろうとすると、キリトが止める。

 

「行くのはいいけど、最後に最も大事なことがある」

 

「大事な事?」

 

「このまま、《(ダーク)エルフ》側に着くのはいいけど、俺たちは絶対にあの《(フォレスト)エルフ》には勝てないんだ」

 

「「勝てない?」」

 

「あのエルフは、《森エルフの聖騎士(フォレストエルフ・ハロウドナイト)》と《黒エルフの近衛騎士(ダークエルフ・ロイヤルガード)》って名前なんだけど、どちらも第7層のエリートクラスのmobなんだ」

 

「3層に上がったばっかの私たちじゃ、勝てっこないのよ」

 

「じゃあ、どうするんだ?」

 

「こちらのHPが半分以下になると、加勢した側のエルフが奥の手を使って相手を倒してくれるんだ・だから、こちらはガードに専念して」

 

「キリト、奥の手ってことは………出来れば使いたくない理由があるのか?」

 

カイの言葉に、キリトは少し口を閉ざす。

 

「………ああ、奥の手ってのは自爆攻撃。つまり、相打ちに持ち込むんだ」

 

その言葉に、アスナは息を吞む。

 

「イヤかもしれないけど、これから先、NPCの死は何度も目にすることになる。割り切った方が良い」

 

キリトはそう言い、飛び出す。

 

ミトもそれに続いて飛び出す。

 

カイは溜息をつき、飛び出そうとした。

 

「ねぇ、カイ君」

 

すると、そんなカイをアスナが呼び止めた。

 

「どうした?」

 

「奥の手を使うで思ったんだけど………それって、私たちが強ければ、片方は助けれるってことじゃない?」

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