メタルマン made by ギンギツネ   作:青色好き

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メタルマンと聞いたらロックマンの方じゃなくて映画の方を思い浮かべます。


第1話:メタルマン

「ふふ、遂にプロトタイプが完成したわ……」

 

 暗い空間の中に一か所だけ灯りが点いている。灯りが照らされているテーブルには様々な機材や道具が置いてあり、配線やコード・ネジや基盤が幾つか置かれている。その光景は正に研究室としか言いようがない。

 

 そこに佇んでいるのは白い衣服を被った人物。声色からして女性だ。だがその女性は頭からキツネのような耳を、そして尻尾を生やしている。コスプレなどではなく列記とした体の一部だ。明らかに人間ではない。

 

 それもそのはず。彼女は「サンドスター」という特殊な物質によって動物が人間の少女の姿となった生命体「フレンズ」。

 

 彼女の名でありかつての動物の名前は「ギンギツネ」。

 

 フレンズとして誕生してからは発明家として活躍しているフレンズだ。

 

「誰に試そうかしら…… この大きさからして隊長が良いかしら?」

 

 ギンギツネの手には何やら大きなマスクがある。それは金属で構成されていて、目は薄い青色、やや痩せているような顔つきだ。テーブルの近くには紫色のボディが置かれている。あのマスクとボディは組み合わせて一つの物のようだ。組み合わせてみるとパワードスーツのように見える。

 

「ふふ、この“メタルマン”の素晴らしさをジャパリパークに…… いえ、世界に知らしめる日が明日になったわ! 明日が楽しみだわ!」

 

 メタルマン。

 

 それがギンギツネの開発した発明品の名前だ。

 

 

 

 

 

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「ふぅ……、皆お疲れ様!」

 

 此処はジャパリパーク。草が生い茂り、虹色の立方体であるサンドスターが積み重なる山が美しい場で、5人のフレンズと隊長と呼ばれる人物が車に乗って移動している。隊長の後ろの座席にはドール・ミーアキャット・ハクトウワシ・マイルカ・ライオンのフレンズが座っている。

 

「今日のセルリアン退治、問題無く終わりましたね!」

 

「隊長の指示が的確だったからね! おかげで苦戦しなくて済んだよ~!」

 

「何言ってるんですか、二人共油断しそうだったですわよ!」

 

「そこを改善するべきね」

 

「ゆっくりでも良いから改善しようね~」

 

「ははは、頼むよ二人共」

 

「「は~い!」」

 

 6人は笑顔で会話しており、仲の良さを感じさせる。彼らは探検隊。今まで様々な戦いや出来事を経験しており、その分連携はしっかりと出来る強者チームだ。少し前ではセルリアンの群れと戦ったのだがそれをしっかりと倒した事からも実力の高さが窺える。

 

 車でしばらく移動すると隊長達の拠点に到着する。此処では色んなフレンズが集まる場所だ。様々なフレンズが雑談したり情報交換したりする事が多い。フレンズ達が仲良くしている様子を見るのが隊長の癒しだったりする。

 隊長が拠点に着くと、あるフレンズがやって来た。そのフレンズは黒い耳と尾を生やしており、まるでキツネのような姿のフレンズだ。

 

「隊長!」

 

「あ、ギンギツネ?」

 

 隊長の元にやって来たのはギンギツネだ。ギンギツネは発明を得意とするフレンズで、度々奇妙な発明をしており、それをセルリアン退治に使う事もある。ギンギツネが来たという事は何か発明品の実験をやらせるつもりなのだろうか?

 

「隊長、ちょっと試してみたい事があるんだけど…… 協力してくれないかしら? バイト代を出すから!」

 

「え、もしかして変な薬品を飲ませるとかじゃあ……」

 

「いいえ、ある物を着て欲しいのよ!」

 

「着る……? 服の事?」

 

「そうよ! お願い~!」

 

「う~ん、まぁ、良いけど……」

 

「ありがとう! 報酬はタンマリあるから!」

 

「発明品の服って何ですか? 気になります~」

 

「ふふん、それは ナ イ シ ョ !」

 

(ギンギツネの事だし、何か変な物着せられそう……)

 

 ドール達はどんな服を着せるのか結構気になっているようだが、ギンギツネはその事を話そうとしなかった。その分何を着せるつもりなのか隊長は増々気になった。

 

 

 

 

 

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「さぁ、此処がその発明品を造るために造った地下室よ!」

 

「え、態々別の研究部屋を造ったの!?」

 

「そうよ! 今ある研究室じゃあ装置を置けないから別の研究室を造ったの! 結構大変だったわ~」

 

 まさか拠点の下に地下室を造るとは、一体全体何を造ったんだ? 只の服ではないと察していたが本当にどんな服なんだ? 隊長はどんな服を着せられるのか分からなくなってきた。

 地下室の灯りを灯すと、やや暗かった部屋の全体像が分かった。まるで映画やゲームに出てきそうな、清潔で綺麗な部屋をしている。所々配線や道具が散らばっているがそれを含めても十分綺麗と言って良いだろう。

 

「え~と、その服って……」

 

「ふふ、ズバリあれよ!」

 

 ギンギツネが自信満々の表情で指を指した。その方向には白いテーブル…… の上に珍妙なマスクがあった。マスク前部は金色、後部は紫色の光沢を放っており、頬の部分は瘦せ細ったような凹みがある。瞳の部分はやや鋭いような目つき。何とも奇妙なマスクだ。

 

「え~と、何あれ?」

 

「ふふ、私が造ったパワードスーツ。その名もメタルマンよ!」

 

「メタルマン?」

 

「そうよ! ジャパリパークで支給される予定のパワードスーツの試作品よ!」

 

「え、支給される!?」

 

「えぇ、セルリアン対策やパークにやって来るかもしれない違法ハンターとかへの対策のためにね! 私はそれの製作を任されてたのよ!」

 

「その試作品が、コレ?」

 

「その通り!」

 

 この奇妙なデザインのマスクがパークから支給……? 冗談じゃないのか? と隊長は心の中で呟く。ギンギツネにあまり言いたくないが、微妙なデザインのように感じてしまうからだ。少々安っぽい感じの出来に見えてしまう。まるで低予算映画の着ぐるみのような見た目だ。せめてマスクの頬が凹んでなければ少しはマシなのだが……

 

「凄いでしょ~! この強靭な金属! 鋭い目つき! 正にカッコよさの極み! マスクのデザインはメンフクロウに頼んで描いてもらったんだからカッコイイ筈よ!」

 

「え、メンフクロウのデザインなの!?」

 

 メンフクロウはお面を作る事が得意なフレンズで、テングコウモリや人面魚のフレンズが被っているお面をメンフクロウ製なのだ。このマスクも彼女が関わっていると知って正直驚いている。

 

「ふふ、早速このメタルマンを着てもらうわ! 先ずはボディの方から着てね!」

 

「う、うん……」

 

 と言う訳でさっそくボディの部分を装着する事にした。実際に着てみると意外と動きやすい。硬そうな金属が多数付けられているので動きにくそうなイメージがあったが、むしろ真逆だった。ここまで動かせるとは、流石パーク随一の発明家だけの事はある。

 

「さぁ、お待ちかねのマスクよ!」

 

 そして、遂にメタルマンのマスクを装着する事になった。やや狭いような感じだが、呼吸とかに問題は無い。十分快適だ。近くにある鏡を見ると自分の姿が映るが何だか低予算の特撮ドラマに出てきそうなキャラだなぁと思ってしまう。

 

「う~ん、何か安っぽさを感じるような…… それに何かベルトのサイズが合ってないような……」

 

「そんな事無いわよ! さぁ、起動コードを言って頂戴! 44875よ!」

 

「よ、44875……」

 

「これでメタルマンの性能が本格的に使えるようになったわ! よし、早速実験に入るわ! 外に出てメタルマンの機能テストよ!」

 

「え!? この格好で外に出るの!? 恥ずかしいよ!」

 

「大丈夫! パークで正式採用されて色んな人が着るようになるんだから! 今の内に慣れておきましょう!」

 

「えぇ…………」

 

 この頼みを断るべきだったなぁ。

 隊長は心の中でそう呟いた。




次回の更新は2022年6月24日19時00分の予定です。
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