トレセン学園分遣隊活動記録   作:山屋な司令官(改)

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お待たせしました。前回より間隔を詰めて投稿することが出来たので良かったです。

本当はもう少し早く投稿したかったのですが、今月の頭に今年2回目の風邪をひいてしまったため(咳がひどくて大変でした)、このようなタイミングになってしまいました。
そのため、今なお喉が本調子ではありません。皆さんも体には気をつけて下さい。

・・・まあ、昨日の東スポ杯2歳Sと今日の東京8Rで馬券当てて5千円くらい儲かったんですけどね。
(ちなみにマイルCSは絞り切れなかったので買いませんでした。ナミュール凄かったです)

それではどうぞ。
 


第13話 祭支度・その1

 

 

 -二次元越しとは言え、不細工な男の顔を眺めるのはあまり気分が良くねえな。

 

 ビジネス用のゲーミングチェアとでもいうべき外観をした革張りの椅子に腰かけながら、小島はそのような事を思った。

目の前にある27インチ液晶ディスプレイには、直属の上官である醜男-真田忠道の姿が、皺の一本すらくっきりと見えそうなほどの高画質で映し出されている。

 当の本人は防衛省内にある自分の執務室から、トレセン学園内にある分屯基地とを直通する超高速大容量光ファイバー通信回線を通じて、小島とのWEB会議に臨むべく画面越しに、マイク付きワイヤレスイヤホンを身に付けた姿を府中へと顕現させていた。

 その背景には資料の入った段ボール箱がうず高く積み上げられており、真田の執務室が整理整頓の対極と言っていい状態にあることの片鱗を見て取ることが出来る。それを気にも留めずに彼は口を開いた。

 

「分遣隊に新しいメンバーが加わることになった」

 小島の耳に装着されたイヤホンから、中年男性そのものと言っていい声が聞こえてくる。うん、やっぱり有沙の顔を眺めながら彼女の声を聴いている方が余程ましだ。彼は思った。

「思ったより早かったですね」内心をおくびにも出さずに小島は答えた。「12月までには、と言うお話でしたが」

「色々と伝手を頼ってね。あちこち斜めに手を回した甲斐があったものだ」

 まあ、ろくでもないことをしたんだろうな。再び彼は思った。

 

(だがまあ)

 

そのおかげで、こっちは楽に仕事が出来るのだから最低限の感謝はしておくべきだろう。

「人がいるに越したことはありませんから。いくら業務のデジタル化や自動化のおかげで楽が出来ているとはいえ」

 

 行政のデジタル化、IT化が先進国一遅れているこの国の行政組織の中で、自衛隊は行政組織一デジタル化が進んでいると言っても過言ではない。

 なぜならば古今東西、小島や真田の様な仕事に就いているものにとって、職務を遂行するためには新しいことを積極的に取り入れていかなければ、その代償を自分の命で支払うことになるからだ。故にどこの国であっても彼ら彼女らは基本的に、新しい物事やテクノロジーを素早く取り入れる事に躊躇が無い。

 

 そのため自衛隊は近年、大幅に増大された防衛予算の内少なからぬ額を(とはいっても、汎用護衛艦一隻分ほどだが)日常業務のデジタル化・IT化に投じ、それによって大幅な業務の効率化に成功していた。

 更にその副産物として、隊員1人当たりの業務負荷が格段に減ることになった。その結果、自衛隊の労働環境は大幅に改善されることになり、現在の自衛隊、その平時の労働環境は一昔前の対極を-ホワイト企業の遥か先を行くレベルにある。

 そのため、給与の大幅な増額と相まって、自衛隊への志願者は近年増加の一途をたどり続け、それまでの隊員不足も殆ど解消されつつあった。人手不足の解消には何よりも労働環境の改善と給料の増額が有効であることを、自衛隊はこの国の企業や組織に対してはっきりと示したのである。

 

 もちろん24時間365日対応が基本であり、いざ有事となれば命がけで職務にあたらなければならない仕事であることに変わりはないため楽な面ばかりでもないが、小島のように、好きでこの仕事をしているわけでは無い人間にとって、はるかに素晴らしい環境であることに変わりはなかった。

 

「それで、何人来るんでしょうか」

「7人。全員が陸自からだ。詳細な情報と考課表については、今送るから確認してくれ」

 真田が画面越しに手元を動かす。一呼吸置いて、画面上に受信を知らせるアイコンが明滅した。

 そこに入っていたファイルを開くと、画面の右半分に電子化された考課表と顔写真付きの経歴書が表示される。現在は全員、富士教導団の機甲教導連隊で勤務しており、そこでの評価は毀誉褒貶に満ち溢れているが、少なくとも現在の上官はそんな7人を高く買っているようだった。

 そんな()()()の顔写真と経歴にざっくりと目を通し終えた後で小島はふと思う。こいつら、どこかで見たことがあるな。彼が何かを思い出そうとした時、画面越しの真田が口を開いた。

「着任は今月の-10月の終わりごろになる。詳しい日時が決まったらまた連絡するから、今のうちに準備を整えておいてくれ」

「随分急ですね」

「急いで待て、と言うだろう。ともかく、これは上官としての命令だ」

「そういうことでしたら」

 仕方がないですね、とでも言いたげに小島は答えた。

 

「そう言えば」真田が口を開いた。「君の担当しているウマ娘-アグネスタキオンとマンハッタンカフェがG1レースに出るかもしれないそうだな」

 全く、なんで知っていやがるんだ。半ば呆れながらも、感心と畏怖が6:4で入り混じった声で小島は答える。

「数日前に決めたばかりですが」

「俺は良い耳を持っているからな」

「お経を書き忘れないようご注意を」

「安心しろ、すでに書いてある-それで、どんな具合だ」

「タキオンは2連勝して収得賞金を稼いでいますから、余程のことが無い限りほぼ確定で出走できます。カフェについては、未勝利を勝ち上がったばかりなのでおそらく抽選になるでしょう」

「勝てそうか」

 スナックでも注文するような、半ば冗談じみた声で真田は応じた。

「まあ、やれるだけのことはやるつもりですが」

 画面から聞こえてきた言葉と同じような口調で小島は答えた。

「出走メンバーすら確定していない状況では、確固たることは申し上げられません」

「慎重だな」

「運が絡む要素は可能な限り排除するのが戦における鉄則ですので。確かジェリコー提督も同じようなことを述べていたはずですが」

 貴方も同じ提督の筈では、そう言いたげな口調で小島は述べる。それを聞いた真田は、合格だと言わんばかりに口を開いた。

「天祐ヲ確信シ全艦突撃セヨ、とは言わないでおくから安心したまえ。俺は君のそのような所を買っているのだからな-と、どうした」

 画面越しの小島が妙な表情をしていることに気づいた真田は問いかけた。彼は応じた。

「果たして、今の言葉に感謝するべきなのでしょうか」

「相変わらず素直じゃないな、君は」

「自分の性格は」床屋の看板全速(ひねくれ者)のように小島は答えた。「有沙-森宮一尉と家族を除けば、真田海将補が一番ご存知だと思われますが」

「それもそうだ」

 そういえば、とでも言いたげに真田は答えた。

 

「まあ、ただ一つ言えるのは」哲学者のように小島は答えた。「人生を含めた世の中のあらゆる物事に、絶対などと言うのは存在しないという事です。自分はその事を良い面も悪い面も全て、この身で味わってきました」

「それについては、知ってはいるが聞かないでおこう-戦場で後ろから弾丸が飛んでくるような目には遭いたくないからな」

 精神科医のように真田は応じた。画面越しの部下の顔を、物珍しいものを見たような表情で見ている。

「土足で内心に踏み込まないだけ、余程ましですよ」小島は答えた。「世の中にはそれすらできないような人間が、ごまんといますから-たとえ外面が立派でも」

「褒め言葉と受け取っておこう」真田は答える。「ともかく、話は以上だ。仕事に戻りたまえ」 

 彼はそう言って接続を切った。

 

(どこか憎めんな、あのおっさん)

 会議の後、腕と足を組んで天井を仰ぎ見ながら小島は思った。正直、あまり好きにはなれないタイプの人間ではあるが、最近どこか親近感を感じ始めている。ひょっとしたら、あの人と俺は同類なのかもしれんな。

 

 そう思った次の瞬間、彼は自らの考えを否定していた。

 -俺があの人と?冗談じゃない。土井一尉の義理の父親-藤堂一佐からも聞いてはいるが、俺はあのおっさんほど傲岸不遜にはなれんぞ。全く、我ながら傍迷惑な考えが思い浮かんだものだな。

 そう思いながらも彼は心の中で、先程の考えを否定しきれずにいた。

 

「よろしいでしょうか、小島一尉」

 その声で現実に引き戻される。見ると、執務スペースの入り口に遠藤准空尉が立っていた。いつの間にかずれていた眼鏡の位置を修正しながら彼は答える。今朝の出勤時、少しバタバタしていてコンタクトレンズを忘れた事が原因だった。

「ああ、すみません。何でしょう」

「シンボリルドルフさんとエアグルーヴさんが参られました」

 落ち着き払った態度で遠藤は答えた。それを聞いた小島は、冗談でも聞いたような表情を浮かべる。本当です。そう前置きして遠藤は話を続ける。

「小島一尉にお話ししたいことがあるそうです」

「話?」

「なんでも、聖蹄祭とやらの件で話をしたいとか」

 ああ、そう言えば今月末だったか。どうりで最近学園中が騒がしいわけだ。彼は思った。しかし、それと俺たちに何の関係があるんだ?

 小島は疑問を抱きつつも一先ず話を聞いてみようと思い、丁寧な口調で年上の部下に応じた。

「分かりました。こちらに案内して下さい-ああ、それと飲み物とお菓子もお願いできますか。チョイスは一任します」

「了解しました」

 遠藤はそう答え、与えられた命令を実行するべく上官の下を離れる。少しの間を置いて、彼に案内された2人が執務スペースに入ってきた。

 眼鏡をかけている小島の姿を見て、両名は物珍しそうな表情を浮かべる。コンタクトを忘れてね、彼はそう答え、応接用のソファに移った。

 

 -随分と知的に見えるな。

 眼鏡をかけている小島をまじまじと見つめながら、2人はそう思った。彼に促され、目の前の男と向かい合う形で応接スペースのソファに腰かける。同時に遠藤が飲み物とお菓子を持ってきた。ありがとうございます、2人はそう言って受け取り、会釈を返す。どういたしまして、身体能力を感じさせない態度で遠藤はそう答え、自分の仕事机に戻っていった。

 

「それで、話ってのはなんだ」

「すでに遠藤さんからもお聞きの事と思いますが」ルドルフが口を開いた。「今月の末に聖蹄祭-普通の学校では文化祭にあたります-があるのはご存知ですよね」

「聞いてるぞ」

「そこに、皆さんにも何か出し物を出していただきたいのです」

 なるほど、とばかりに小島は何度か首を縦に振る。しかし、出し物か。何をやろう。変に凝ったものも良くないが、平凡過ぎるものもなんだしな。どうしたものか。

 小島は顎の下に手をやり、考え込んだ。迷う彼を見たルドルフは助け舟を出す。

「内容については、公序良俗の範囲内で皆さんに一任します」

「ありがとう」感謝を込めて小島は答えた。「それと、質問がある」

「なんでしょうか」

「出し物の数についてだ。分遣隊全体で1個だけなのか、それとも複数出せるのか、それを聞きたい」

 それを聞いたルドルフは、手元のタブレット端末に目を落とす。その画面には聖蹄祭の規約が映し出されていた。少しの間それを読み込むと、彼女は顔を上げて答えた。

「規約を読む限り、一つのクラスや団体が出せる出し物の数に制限はありません」

「つまりは複数出せるという事でいいな」

「そのとおりです」

 

 ルドルフと小島が事務的な話し合いを続ける一方で、エアグルーヴの視線は、時折生徒会長と小島の方に向きつつも、基本的にはある一点に-執務机の後ろにおかれた花瓶と、そこに刺さる花に向けられていた。

 

 黄色い五枚の花弁を持つ小さな花と、外周部に大きな花弁が広がり、中心付近には雄しべと雌しべを中心に、いくつもの花弁が幾何学模様を描いている紫色の花。オトギリソウとクリスマスローズと言う組み合わせを見た、生来の花好きである彼女はそれについて、主に花言葉的な意味で気になっていた。

 

 そのような彼女の視線から何かを感じ取った小島は、ルドルフとの話を切り上げるとエアグルーヴの方に顔を向け、気になることでもあるのか、そう彼女に話しかけた。

 彼の言葉を聞いたエアグルーヴは、執務机の背後にある花瓶と花を指さしながら口を開いた。

「一つ気になったのですが-あちらの花はどなたがお選びになったのでしょうか」

 

「俺だよ」意味深長に小島は答えた。「花言葉を調べて、それで選んだ。意味はまあ、花が好きなお前さんなら理解できるだろう」

 それを聞いたエアグルーヴは少し考え込む。2種類の花がそれぞれ持つ、決して良い意味を持たない花言葉を思い出すと、納得したような表情を浮かべて返事を返した。

「随分、深い意味がおありなのですね」

「納得いただけたようで光栄だよ」

 我が意を得たりとばかりに小島は答えた。

 

 出し物の内容はメンバー全員で話し合って今週中に決めるから、楽しみにしておいてくれ。彼はそう言って言葉を終えた。

 

 それからしばしの雑談を楽しんだ後で、2人は分屯基地を後にした。

「少々よいかな、エアグルーヴ」

 廊下を歩きながら、ルドルフがエアグルーヴに話しかける。彼女は応じた。

「何でしょうか、会長」

「先ほどの-君と小島トレーナーとの会話だが、あれは一体どういう意味なのだろうか」

「珍しいですね」エアグルーヴは答えた。「てっきり、ご理解頂けているものかと」

「私にも知らないことはあってね」

「でしたら、お教えいたしましょう」

 出来の悪い生徒を指導するようにエアグルーヴは口を開いた。どこか、遠くを見るような目をしている。

「まずはクリスマスローズですが、こちらの花言葉は『我を苦難より解き放ちたまえ』です。これについては小島トレーナーの過去を考えれば、無理からぬことかと」

「成程」

 ルドルフは答えた。彼の過去を思えば、このような場に存在すること自体が苦難のような物だろう。何しろこの学園は、小島トレーナーが心の底から嫌っている者、その巣窟と言ってもいい。

 お金のために仕方なく就いている仕事とはいえ、難儀なものだ。彼女は心の中で小島に同情した。

 

 (いや、ひょっとしたら)

 

 もっとほかの意味があるのではないか。彼の過去を思い出したルドルフは思った。

 私たちのように、スタートラインに立つことすら許されずに断ち切られた夢。今なおそれに縛り付けられながらも、そこからの解放を願っている。森宮トレーナーという最愛の伴侶をもってしても、幼い頃からの夢への執着を断ち切ることが出来ないのだろう。可哀そうと言うべきなのか、それとも哀れと言うべきなのか。

 彼女はいつの間にか、両腕を組みながら複雑な表情を浮かべていた。

 

 エアグルーヴは話を続ける。

「ここまではまだ理解出来るのですが、問題は次です」

「確か、オトギリソウだったね」

 どのような意味を持っているのかな、腕組みを続けながらルドルフは答えた。

「決して良い意味とは言えません。ですが私は、こちらの方がより何かを暗示している様に思えました」

 深淵を覗き込んだような表情を浮かべながらエアグルーヴは答えた。どこか戸惑いを見せている。これから先を口にするべきかで悩んでいるようだった。それを見たルドルフは意を決したように口を開く。

「構わない、エアグルーヴ。君の見解を聞かせてくれ」

 その言葉を聞いた途端、エアグルーヴは吹っ切れたような表情を浮かべた。しばしの静寂の後、彼女は口を開く。

「分かりました。オトギリソウの花言葉は-」

 そこまで述べたところで、エアグルーヴは一度言葉を切った。息を吸い込み、覚悟を決めたような声で彼女は答える。

 

「『敵意』と『恨み』です」

 

 それを聞いたルドルフは息を呑んだ。同時に、小島から資料を見せられたG1レース6勝にして、彼の人生を狂わせた元凶であるウマ娘のことを思い出す。

 

-つまり、そう言う事なのか。彼女は思った。

 

「会長もご存知のはずです。ここに来るまで、彼に何があったのかを」

 何かを込めたようにエアグルーヴは述べた。それを聞いたルドルフは暫し黙りこくって考えると、やがてどこか意味ありげな口調で答えた。

「その辺りは、私たちが関知するべきことでは無いだろうね。小島トレーナーが彼なりに、決着をつけるべきことだ」

「ええ」エアグルーヴもまた、深く頷きながらどこか諦観混じりに答えた。

「何より私たちには、今直ぐやらなくてはならないことが沢山あるのだからな」

「そのとおりですね」

 エアグルーヴは答える。ルドルフはそのまま、ゆったりとした足取りで歩き始めた。エアグルーヴもまた、そんな彼女に続いて歩いて行った。

 

 2人が帰った後、小島は分屯基地のミーティングルームにメンバー全員を招集した。先ほどの話し合いの内容を説明する。

 真っ先に口を開いたのは副司令兼副隊長であった。分屯基地のミーティングルームに澄んだ声が響き渡る。

「防大の文化祭を思い出すわね」

 広瀬と土井は森宮の言葉に同意を示すように、何度か首を軽く縦に振る。小島は思った。うん、やっぱり有沙の声を聴いているのが一番だ。いくら上官でも、醜男の声を聴くのは耳に悪い。特に寝床で彼女の声を聞くのは、何とも言えぬ快感を覚える。

 -彼は自部分でも無意識のうちに、微かな笑みを浮かべていた。

 

(また品の無いことを考えてるわね、こいつ)

 いつの間にか微笑を浮かべる夫の顔を見て森宮は思った。まあそんな男に惚れて子供まで生んじゃって、今なお愛されてるし、私も愛してるからいいんだけれど。彼女はそんな内心を表に出さず、参謀長としての態度で小島に話しかけた

「それで、どうするの」

「取りあえずは」彼は答えた。「自衛隊色を表に出さない方向でやろうと思っている」

「同意します」遠藤が答えた。「何年か公報で仕事をしたことがありますが、無理に押し付けるよりも、自分から馴染みやすい方向に持っていった方が好感を得やすいと思いますね」

 その言葉に、他の5人が一斉に同意を示す。階級こそ一番低いが、苔の生えた石のような隊歴を持つ彼の言葉にはそれだけの重みがあった。

「レース関係者からの好感度は良くないけどね」広瀬が茶々を入れるように答えた。「グラスちゃんからも言われたわ、あの人は大丈夫なんですかって」

「言いたい奴には言わせておけ」突き放すように小島は応じた。「俺や森宮一尉みたいな人間が存在することを想定していなかった連中の責任だ。幻想を切り売りして銭儲けをしている事位、あいつらは理解しているだろうさ。麻薬の売人と何が違うってんだ」

「流石に過激すぎない、それ」窘めるように広瀬は答えた。

「表じゃもう少し()()()言うさ。勿論、意味は変えずに」突き放すように小島は応じた。

「そうしておきなさいな」

 -言葉が丁寧な分、もっとえぐいことになると思うけどね。

 広瀬はその部分を思っても口にはしなかった。目の前のU幹(*自衛隊における、一般大学出身幹部の通称)も同じことを考えていることは明白だったからだ。

「相変わらずね」

 基地副司令兼分遣隊副隊長が答える。基地司令兼分遣隊長はそれに応じた。

「真田海将補は俺のそう言う所を評価しているらしいがね。全く、あのおっさんに評価されるってのは妙なもんだよ」

 

 小島の脳裏に先程の真田との会話の内容が唐突にリフレインされたのはその時だった。機甲教導連隊。今月末に配属。聖蹄祭も同じ時期。途端に彼は一つのアイデアを思いつく。

 うん、我ながら悪くない。この学園の連中を驚かせるには十分だが、それ一つだけと言うのはちとつまらん。彼はそんなことを思い、付け加えるようにいくつかのアイディアを考えると口を開いた。

「それで、何か出し物のアイディアは思いついたか。ちなみに俺は3つほど考えついた」

「1個思いついたわ」

「右に同じ」

 小島の言葉に土井が答え、森宮がそれに続いた。あたしはどうしようかしら、広瀬がそんなことを思った時、ふと小島が彼女の方を向き、口を開いた。

 

「ちょっといいか、広瀬さん」

「何かしら、小島一尉」

「確かあんたが前いた所の上官、今は機甲教導連隊の連隊長をしてたな」 

「ええ、それがどうかしたの」

「協力して欲しいことがあってね-と、丁度いい機会だから皆に言っておこう。来月の終わりに、新しく人員が配属されることになった。階級は何れも曹クラス。全員が陸自からの転属になる」

 その言葉に、全員がどこか感心したような表情を浮かべる。最初に口を開いたのは遠藤だった。

「となると、取りまとめ役は自分という事になりますね」

「お願いします」

 幹部候補生が助教に尋ねるような態度で小島は応じた。それを聞いた遠藤は思った。もう少し、命令するように言ってくれてもいいんですけれど。まあ、この人は自分だけではなく年上年下問わず部下には丁寧に接する人ですし、それでうまく回っているのだから問題は無いでしょう。

 彼はそう結論付けるとそのまま、新しく来る部下のことを考えながら、目の前の話を聞き続けることにした。

 

「全員が陸自(ウチ)から来るのは分かったんだけれど」広瀬は答えた。「その事と今の話になんの関係があるのかしら」

「この学園の連中が驚くような出し物を思いついてね」

 小島はその内容を広瀬を含めた全員に述べる。全てを聞き終えた後、彼女は口を開いた。

「面白そうだとは思うけど-それで、あたしに何をしろって言うの」

「簡単なことだ」小島は述べた。「元の上官に『おねだり』してくれ。得意だろ」

「真田海将補に頼めばいいじゃない、そんなこと」

「何事も確実性を高めておきたくてね」再び彼は答えた。「正面と搦手から同時に攻めることにした」

 それを聞いた広瀬は、面倒くさいわねと呟きながらも応じた。

「わかったわ、やっておくわよ-それ以外はどうすればいいのかしら」

「警察や高速道路会社とか、その辺への申請は俺がやっておく」

「お願いね」

 広瀬がそう言ったとき、新たな声が部屋に響いた。声の主は私生活における小島の細君であった。

「見てくれの割に悪戯好きよね、あんた」

「否定はしないぜ」

 女性教師に注意された男子生徒のような目つきで小島は答えた。森宮もまた、男子生徒を叱りつける女性教師のように応じる。

「あたしにプロポーズした時だってそんな感じだったし。まさか、あんなところで言われるなんて思ってもなかったわ」

「戦術原則に沿ったまでさ」茶目っ気混じりに彼は答えた。「奇襲は最大の効果を発揮するからな。その結果、どうなかったかはお前が一番良く知ってるだろ」

「確かにね-と、ここまでにしましょう。あまり仕事に私生活を持ち込むのは良くないわ」

「そうだな」

 その言葉を合図に、2人は私生活モードに入りかけていた脳を瞬時に仕事モードへと変換する。数十分程の話し合いを経て、小島の提案を含んだいくつかの出し物を出すことで話はまとまった。

 

 一通りの話が済んだ後、広瀬は有沙に話しかけた。

「仲がいいのは分かるんだけど、惚気話は他所でやって頂戴有沙」

「独り者の僻みかしら、彩香」京女らしい態度で有沙は答えた。

「どうとでも言いなさい」再び広瀬は答えた。「さっさとあんたと美咲みたいに、男でも捕まえる事にするわ」

「そんなんだから長続きしないのよ」

 友人の男性歴をよく知る有沙はからかうように答えた。

「ほっときなさいよ」

「はいはい、お喋りはそのくらいでな」教師のように小島が割り込んだ。「とにかく、出し物については今の話で決まった通りだ。後で全員に詳細を書いた書類を送るから、それに沿って準備を進めてくれ。細かい内容は各員に一任する」

 彼のその言葉を合図に、ミーティングは終了した。

 翌日、小島は早速真田との再度のWEB会議に臨み、『提案』の内容について上官からの許可を引き出すと、悪戯っ子のような笑みを浮かべながら、早速準備に取り掛かることにした。

 

 その数日後、富士の裾野-静岡県は御殿場市にある陸上自衛隊駒門駐屯地では、訓練を終えた富士教導団・機甲教導連隊第1戦車中隊の隊員が訓練後の戦車の点検に勤しんでいた。

 月影ひかり一等陸曹もその内の一人であった。戦車長を務める彼女は機甲職種要員としての基礎訓練で教え込まれたことを忠実に守り、自ら率先して愛車の点検に励んでいる。

「転輪周りの点検終わったよ、ひかりちゃん」

 砲手の星(あきら)二等陸曹が月影に話しかけた。彼女は高校の同級生で、月影と同期入隊であったが、階級が上昇する速度が彼女より遅かったことがこのような現状をもたらしている。

「仕事中よ、星二曹」

 上官としての態度で月影は答えた。

「はーい、申し訳ありませんでした、月影一曹」

 星は軽くふざけたようにそう言うと、胴体下の点検と確認をしている操縦手-日向凛三等陸曹の下へと駆けて行った。

 (全く、いつまでたっても高校生気分が抜けてないんだから)

 月影は思った。

 高校を卒業後、戦車乗りに憧れて陸上自衛隊に入隊して早10年ほど。「自分の足で走る事」も嫌いでは無かったが、やはり戦車を動かすことの方が私は好きだ。他の2人もまた、同じような理由で入隊したようなもの。それについて時折聞かれることもあるが、基本的には戦車を動かす方が好きだと答えている。

 (そういえば)

 去年は空自の人にそれを聞かれたっけ。確か上官のお供で見学に来ていた、ちょっと年齢より幼そうな顔をした一等空尉。返答を聞いてどこか納得したような表情を浮かべていたのが印象的だった。あの人は今、どうしているのだろうか。いつの間にか、彼女はそんなことを考えていた。

 

「ちょっといいか、3人とも」

 背後から野太い声が聞こえてきたのはその時だった。月影が振り向いた先には、岩をノミで掘ったような厳つい顔にがっしりとした、上背のある大柄な体格をした連隊最先任-猪口陸曹長の姿があった。

 瞬時に彼女は鉄棒を飲み込んだように背筋を伸ばし、かかとを揃えて不動の姿勢を取る。他の2人も月影の下に駆け寄り、それに倣った。皆、蛇に睨まれた蛙のような表情をしている。

「何でしょうか、陸曹長」

3人を代表して月影が答えた。声が裏返りそうになるのを辛うじてこらえている。再び野太い声で猪口は応じた。

「連隊長からだ。月影一曹並びに星二曹、及び日向三曹は今から15分後-1645に連隊長室に出頭すること」

 それを聞いた3人は顔を見合わせた。ついに話がそこまで行ったか、とでも言いたげな表情を浮かべている。

 それもそのはず、この3人は優れた戦車乗りであると同時に、連隊内で1・2を争うほどの問題児でもあったからだ。彼女達がこれまでに問題行動を起こしたことは1度や2度ではない。これまでに食らった腕立て伏せの合計は優に一人当たり数千回を数えていた。

 故に月影が戦車長に就いた時には

「あんなのを戦車長にするなんて、機甲教導連隊も終わりか」

 とまで噂されたほどだ。

 なぜそのような3人が放り出されずにいるのかと言えば、中隊長である新城三佐-彼もまた毀誉褒貶に満ち溢れた人間であった-が彼女達の事を『有事の人材と言うのはそう言うものだ』として買っているからだった。

 が、彼女達の事を快く思わないものも連隊内にはそれなりに存在する。故に、連隊長の呼び出しを食らう心当たりなら3人に有り余るほどあった。

 

 話は以上だ、解散していい。要件を言い終えた猪口はのっしのっしと、まるで熊が歩くように去っていく。ほぼ同時に、3人は安堵のため息を漏らした。

 兎にも角にも、命令には従わなくてはならない。幸い、自車の点検はほぼ全て終わっており、後は最後の確認を残すだけであったため、5分と掛からずそれを終わらせた3人はそのまま、やや急ぎ気味に連隊長室へと向かうことにした。

 

 連隊長室へ向かう道中、3人は思わぬ人物と出くわす。その姿を見た月影は思わず口を開いた。

(かおる)ちゃんじゃない、どうしたの」

「ひかりちゃんこそ」

 そう言う彼女-嵐山薫一等陸曹は、第4戦車中隊で16式機動戦闘車の車長を務めている人物だった。月影の高校からの友人であり同期入隊でもある彼女もまた、自分以外の乗員3人と共に連隊長室へ向かっている途中らしい。そんな嵐山は、月影の事を疑いの目で見ながら答える。

「貴方達、また何かやったの?こっちまで巻き添えにされるのはご免なんだけれど」

「最近は自重してるわよ」

 月影は反論した。それを聞いた嵐山はどこか呆れたように答えた。

「全く、あんたみたいのが良く一等陸曹になれたわね。高校の頃、先生に怒られてばかりだった頃から何も変わっちゃいないわ」

「余計なお世話。第一、あんた達だって似たようなもんじゃないの」

 月影は突き放すように答える。彼女の言葉が示すように、嵐山以下4名もまた連隊内では問題児として名の知られた人物だった。

「ともかく、さっさと行きましょう」

 このままでは嫌味の言い合いにしかならないことを、長年の付き合いから察知した嵐山は答えた。

「遅れたら連隊長にどんなことを言われるのか、たまったものじゃないわ」

「そうね」

 月影もまた応じる。7人はそのまま、小走り気味に連隊長室へと向かっていった。

 

 「よく来てくれた」

 整列して背筋を伸ばす部下7名の姿を見ながら、執務机に座る中肉中背の男-教導機甲連隊の連隊長を務める浅岡一等陸佐は答えた。若い頃に戦車乗りとしての道を踏み外して以降、情報畑を歩んでいた人間だったが、今年頭に新たな連隊長として着任したという異例の男だった。

「さて、早速本題に入るとしよう」

 その声が響いた瞬間、部屋の空気が瞬時に変化したのを7人全員が感じ取った。皆訝しむと同時に緊張している。

 本来、連隊長が一介の陸曹ごときを直々に呼び出すことは-よほどのことが無い限り-無い。故に皆、これから何を言われるのだという緊張を隠せずにいた。

 そんな彼女たちをよそに、どこか軽薄さすら感じさせるような口調で浅岡は口を開いた。

 

「今回君たちを呼びだしたのは他でもない。君たちに転属の辞令が届いた」

 その言葉に、全員が胸を撫で下ろす。同時に再び訝しんだ。それもそのはず、自衛隊において転属と言うのは辞令一本で済まされる内容に過ぎない。この組織に属する以上、それ一本でこの弧状列島の東西南北どこへでも引っ張られる。それなのに今回に限って連隊長から直々に伝えられるという事は、何か特別な事情があるのではないか。7人ともそのように脳内で予測し-そしてそれは当たっていた。

 

 7人を代表して月影が答える。

「質問してもよろしいでしょうか」

「許可する、月影一等陸曹」

 浅岡のその言葉に月影は礼を述べ、続けた。

「本来、転属なら辞令一本で事足る話です。それなのに今回私たちが連隊長直々に呼び出されたというのは、何か理由がおありなのでは?」

 時折相槌を打ちながら彼女の問いかけを聞き終えた浅岡は、胸ポケットからタバコを取り出して咥える。火はつけない。全面禁煙だからだ。

 そう言えば前任地にいた防大出の女性幹部-一等陸尉だった-は職場の喫煙室で平然と吸っていたな、彼はそんなことを思いながら、吸う真似事だけをして口から離すと月影らに向き直り、答えた。

「通常の転属ならな。だが、今回の場合は話が別なのさ」

「話が別、とは」

「辞令の出所が、統合幕僚監部なんだ」

 それを聞いた瞬間、浅岡の軽さすら感じさせる口調とは裏腹に、7人全員が先程以上の疑心暗鬼に陥る。

 なんでそんな、一介の陸曹から見れば天上にも等しい所から私たちを名指しで辞令が来るんだ?皆そのような事を思った。

 そんな彼女たちの様子を見た浅岡は、まあ君たちが何者であるのかと、転属先がどこであるかを考えれば少しは納得が出来るんだが、そう呟くように言って話を続けた。

「だからこそ、詳細を説明しておく必要があると考えて君たちをここに呼び出した。時期については、急で申し訳ないが今月の末になる」

 時期については皆、何も言わなかった。自衛隊における転属とはそういうものだと全員が理解していたからである。

「それで」嵐山が答えた。「我々の転属先と言うのは、いったいどこになるのでしょうか」

 その言葉を聞いた浅岡は、よくぞ聞いてくれたとでも言わんばかりの表情を浮かべながら、舞台役者のような仰々しさを込めた声で応じた。

 「一言でいえば、君たちとは対極的な者たちばかりが集う、とても面白い所だ。どうだろう。俸給も今までの倍以上に上がるし、労働条件と言う意味でも決して悪くはない所だと思うが」

 彼はそう述べ、続けて転属先の仕事内容や労働条件などについて、詳細に記された書類-後で全員に手渡すことになっている-を見せながら話し始める。

 そして15分ほどかけて話を終えた時には、全員が(主に俸給が倍以上になるという部分に惹かれて)この転属を心待ちするようになっていた。大好きな戦車から離れることになるという点については皆残念がっていたが、転属した後も技量を維持するため、定期的に実車を使用した訓練を行う事が確約されている旨を告げると7人とも納得してくれた。

 

「話がまとまったところで悪いが、君たちにはもう一つやってもらいたいことがある」

 思い出したように浅岡は口を開いた。何事だとでも言うふうに皆が彼を見つめる。

「何でしょうか」

「転属先に、一時的に持っていってほしいものがあるんだよ」

 浅岡はそう言って詳細を説明する。その全てを聞き終えた後、7人は皆コメディ映画を見終えた後のような表情を浮かべていた。

「それは面白そうですね」

「なんでも、先方の部隊長の発案だそうだ。どうだ皆、受けてくれるか」

「勿論です」

 愉快そうな表情で月影は答えた。嵐山もまた同じように答える。それ以外のメンバーも異論はない、とでも言うような表情を浮かべた。

 それを見た浅岡は応じた。

「これについては後日文章で正式な命令を下す。君たちはその準備を-勤務時間の範囲内で-進めておいてくれ。話は以上だ。書類を受け取ったら退出してよろしい」

「了解しました」

 

 (-全く恨むぜ、彩香ちゃんに真田提督)

 7人が書類を受け取って退出した後、静かになった連隊長室を見渡しながら、浅岡は前任地-防衛省情報本部時代の部下と、その時に知り合った不細工極まりない顔をした海将補の事を思い出して独り言ちた。

「7人ともみんな、あんなところに持っていっちまうんだからな」

 

 何もかもが異例ずくめの今回の転属。

 君のところにいる、『とある種族』の隊員を6~7名ほど寄こしてくれないかと真田から聞かれたのが1ヶ月前。あの7人をピックアップして書類をメールで送付したのが3週間ほど前。そして全員分の電子化された転属辞令がメールで届いたのと、『それに付随する追加任務』に就いての連絡があったのが昨日。諸々の準備を整えて7人を呼び出したのがつい先ほどの事になる。

 あの7人を選んだのは、何れも戦車乗組員としての腕は良かったが問題児ぞろいで、直属の上官以外は扱いを持て余していたようなものばかりであったためだ。そのため、転属させるにあたっての障壁は無きに等しかった。

 彼女たちの事を買っていた直属の上官-第1中隊長の新城三佐と第4中隊長の藤森三佐は今回の転属についてあまりいい顔をしなかったが、統合幕僚監部直々の命令という事を聞くと、2人揃って不満気な表情を浮かべながらもどうにか納得してくれた。

 

(全く、あの人は)

 

 滅茶苦茶だ、浅岡は思った。今回の転属の事と言え、昨日頼まれた『それに付随する追加任務』の事と言え、横紙破りもほどほどにして欲しい。

 特に後者については、傲岸不遜極まりない海将補のみならず、7人の転属先に勤務している情報本部時代の部下からも、まるで港区のタワーマンションに住んでいる女性のような声で『おねだり』された。おかげであまり気分が良くない。

 全く、情報本部時代にあの人と知り合いになっちまったのが悪かったのかもしれない。浅岡はため息をついた。

 まあいいさ、彼は再び思った。あの人のおかげで、俺はもう一度戦車隊員になれたんだからな。それに関しては正直感謝している。ならばせいぜい、目の前の職務に励むとしよう。

 浅岡はそう思い直して執務机に置かれた業務用ノートパソコンを開くと、連隊長としての業務に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 




という訳で今回は『皇国の守護者』から3名、『平壌クーデター作戦』から1人、『征途』から名前だけですが1人登場させてみました。
今後もちょくちょく大サトーキャラを登場させて行こうと思っていますので、楽しみにしていてください。

(以下余談)
ジャパンカップですが指定席の抽選に落ちてしまったので、立ち見と混雑覚悟で入場券買って見に行くか、それとも家でテレビで見ようか未だに迷ってます。
(ちなみに去年は入場券買って現地で見ましたが、物凄く疲れました)

ジャパンカップは見るだけにして、毎年荒れる京阪杯で大穴でも狙おうかな・・・






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