当日
~トレーナー室~
トレーナー室に入ると二人が先に来ていた。
ア「トレーナーさん、おはようございます」
カ「おはようございます。トレーナーさん」
ト「おはよう、二人とも早いんだな」
アドマイヤベガ、マンハッタンカフェ両方とも今日は私服だ。休日だからだろう。
アドマイヤベガはブルーカラーのセーターにレギンス。シンプルな彼女によく似合っている。
カフェはゴシック傾向のシャツにロングスカート、猫のバングルがチャームポイントだ。
二人とも私服のセンスが良くて可愛いな
ト「二人とも私服のセンスが良くて可愛いな」
ア「......褒めても何も出ないわよ...」
カ「ふふっ、ありがとうございます」
おっと......考えていたことが言葉に出てしまったようだ。
「さ、早速行こうか」
二人を連れて職員用エレベーターに乗り地下3階に向かう。
~職員棟地下3階~
ア「...まるで製薬会社が街の下に作った実験施設みたいね......」
カ「私と同じことを言っていますね」
カ「大丈夫です。感じる限り私達以外に誰もいませんよ」
ア「こ、怖いこと言わないでよ」
ア「さっきのエレベーターといい...ここは大丈夫なの?」
ト「トレセン学園の施設だから大丈夫だよ」
アドマイヤベガがカフェの服をちょっとだけ掴んでいた。こういうところは苦手のようだ。
~VRウマレーター制御室~
タ「やぁやぁみんな、来るのを待っていたよ」
ア「タキオンさんが居るなんて初耳よ...なんだかとても嫌な予感がしてきたわ.....」
タ「ククク...それはそれは心外だねぇ、君のトレーナーの為にこうして頑張ってあげてるというのに」
ア「というよりこの空間は何!?なんでトレ(省略」
カ「アヤベさん、全うな意見をありがとうございます...あなたのおかげで私達の正気が保たれているのです...」
タ「ツッコミ役というのは面白そうだが大変な時もあるのだねぇ」
ア「はぁ...はぁ...はぁ..........」
ト「まぁまぁ、タキオン。早速始めよう」
タ「その言葉を待ち侘びていたよ!!」
今回VRウマレーターに入るのはアドマイヤベガ、マンハッタンカフェ、そして自分ことトレーナー。
タ「私も同行したいが今回はモニターに専念するよ。機器類の監視は完璧にやっておくから存分に楽しんできたまえ」
タ「3人ともVR酔い止め薬は飲んだかい?」
コフィンに入る前にタキオンから酔い止め薬を渡されていた。
ア「本当に大丈夫なのこれ...?」
カ「不安ですが仕方ないですね...」
タ「まーたっくもう!みんなもっと私を信頼しておくれよぉ!!」
タキオンがダダをこね始めたので飲んでおいた。
タ「あぁ、トレーナーくんにはこれを渡しておこう」
タキオンからルービックキューブみたいな玩具を手渡される。
タ「VRウマレーターのマスターキーさ。非常時に使うといい。チートコードも入っているけど使うのはトレーナーくん次第だねぇ」
下手すると二度と取り返しがつかないような危険なアイテムな気がする...
とりあえずポケットに入れておこう。
3人ともコフィンに入り準備は完了。
タ「3人とも準備は良いかな?」
タ「では、良い旅を」
コフィンの中だった視界が急激に切り替わっていく。
WELCOME...
VR UMA REATERver1.01
READY...?
気持ち頷く動作をする。
BOOT......
言語最適化中...日本語に設定しました。
全身スキャン開始......神経伝達認識25%...50%...75%...完了
各要素の最適化...完了
設定が完了しました。場面が切り替わりますのでご注意ください。あと3秒
~トレセン学園校庭~
ア「トレーナーさん、そろそろ起きて...」
目を開けるとアドマイヤベガに起こされていた。
どうやらベンチに座っていたようだ。
ト「アヤベさん...起こしてくれたんだね」
ア「......?えぇ、もう始まっているわよ、VRの世界みたいね」
ア「カフェさんも起きて...」
視界を横に向けるとカフェがこちらにもたれかかって眠っていた。
カ「んんっ...ここは...トレセン学園の校庭......?」
アドマイヤベガに揺さぶられてカフェも目を覚ましたようだ。
ト「ここは...」
周囲を見渡すと夜のようだ。
柱時計は11時を示している。
空には満天の星空が広がっていた。
身体も自由に動く。
ト「これがVR?現実と区別が付かない...」
ト「アヤベさん。ちょっと叩いてくれない?夢かもしれない」
ア「ていっ」
ト「痛っ」
夢じゃない。VRでも痛覚があるのか。
ト「アヤベさん躊躇無かったね...」
ア「......っえ?ご、ごめんなさい」
アドマイヤベガも少し浮かれているのかもしれない。
カ「トレーナーさん...これを見てください...」
離れていた場所にいたカフェが手をかざすとブロックノイズが走る。
どうやらそれ以上先に進めないようだ。
ト「これ以上は行けないってことは...どうやらVRの世界で間違いないらしい」
探索していると突然校庭に赤色灯が並び始めた。
「えぇ間もなくぅ電っ車が参ります。赤色灯の外側にてお待ちぃくださぁいっ」
校庭のスピーカーから駅のホームみたいな音声が鳴り上空から客車を引っ張る蒸気機関車が校庭に降りてきた。
「トレセン学園ー、トレセン学園ー、ご乗車の方はーお急ぎっくだーさーい」
カ「蒸気機関車の見た目なのに煙を吹いていないんですね」
ア「電気式なのよ、きっと」
ト「早速乗ってみよう」
ステップを上がり客車に入る。
~客車内~
ア「内装は古いのに液晶モニタがあるわ...」
カ「リニューアルしたんでしょうね...」
客車内にはまばらに乗客が座っている。
ト「あそこのボックスシートが空いているからそこに座ろう」
片方の席へ先に座る。
ト「二人とも座らないのか?」
アドマイヤベガとカフェが気まずそうにしている。
カ「アヤベさん。ここは一旦休戦とするのはどうでしょうか...」
ア「......えぇ、そうね」
アドマイヤベガとカフェはトレーナーの座っている向かいの席に並んで座った。
窓際のアドマイヤベガは外を見ている。
「お待たせしましたぁ、間もなくの発車ですー」
銀河鉄道が動き出す
ア「...トレーナーさん...ところで......」
ア「シートベルトはしなくていいの?」
えっ
アドマイヤベガもカフェもいつの間にシートベルトを?
カ「そこに注意書きがありますよ」
※星への着車時、発車時は重力装置が働かない場合がありますのでシートベルトまたは手摺をご利用ください。
列車は速度を上げて空に向かい垂直方向に進み始める。
ト「おあぁあ!?」
進行方向側の席に座っていたトレーナーはアドマイヤベガとカフェの座っている席に落ちてしまった。
アドマイヤベガとカフェの間に突っ伏す形となっている。
ト「二人とも本当に申し訳ない...」
カ「ふふっ、トレーナーさんは面白い人ですね」
ア「現実と同じなら成層圏を抜ければ無重力よ。少しの辛抱ね......」
銀河鉄道が成層圏を抜けると車内の重力が元に戻った。
「皆様ぁお待たせしましたぁシートベルトを外してくだぁい、車内はぁ重力装置にぃより安全にぃ動くことができますー、ご迷惑をお掛けしてしまいぃ申し訳ぇございまぁせん」
ト「重力のすばらしさを痛感したよ...」
車両は北十字座に向けて走り続けている。