アヤベさんと銀河鉄道   作:G.Gou

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第2章 仮想世界におけるゴーストの存在理由

~VRウマレーター制御室~

ミ「タキオンさん。シュミレーション内に未知のデータを確認しました。如何致しましょうか」

タ「ふゥン。これは...いや、このままでいいだろう。きっとカフェくんの影響かな」

ミ「了解しました。進行上は問題ありませんので経過観察と致します」

タ「概ね予想通りといったところだねぇ、さて見せてもらおうか。君達の強さの秘密を...クックック...」

~銀河鉄道列車内~

ア「これが天の川...」

車窓の景色は移り変わり天の川銀河の川沿いを走っているようだ。

暗闇の宇宙に白い粒子が光り川を形成しているものを川沿いから見ているイメージ。

ア「ふふっ...変なの...天の川って横から見たらこんな感じなのかしら」

カ「一説によると円ではなくレコードをS状にした形と聞いたことがあります...」

ト「円状になっていると思ってたけど違うんだな...」

ア「...見えてきたわ。北十字座...はくちょう座ね...」

川沿いの向こうに十字に並んだ星々が一段と輝いている。

カ「速いですね...この列車、何キロいや何光年の速度なのでしょう...」

ト「光子学は自分もちょっと分からないな...」

他の乗客達が立ち上がり北十字座に祈り始めた。

乗客達「ハレルヤ、ハレルヤ」

ア「...北十字座は旅人達の道標だと聞いているわ。昔の人達は星座を見て方角を確認していたのよ...」

カ「まさに祈りを捧げるにふさわしい星々ですね...」

車窓から見えていた北十字座は後ろに抜けてしまった。

「間もなくぅプリシオン浜ぁ、お降りの際はぁお忘れものなどぉ無いようぉ御願い致しますぅ」

車両が駅のホームに着車した。

「当ぅ車両はぁ快速の通過待ちをぉする都合、20分間停車致しまぁす」

ア「......快速なんてあるのね...」

カ「急いでいる人達もいるんだと思います...」

他の乗客達が続々と降りて行く

ト「時間があるし少し降りてみようか」

改札は無人で出入りは自由のようだ。

3人で駅を出ると川沿いに砂浜が広がっていた。

駅を出て左側には先ほどの北十字座が遠く輝いている。

白い粒子が輝く川はどこか神秘的だ。

ア「......きれい...」

カ「ですね...」

カ「少し川に入っても大丈夫でしょうか......」

カフェが打ちつける淡水に近づき掬い上げると透明になってしまった。

アドマイヤベガとトレーナーが覗き込むと手のひらの中には銀河が広がっていた。

ア「すごい...これが全部星だというの...?」

カ「トレーナーさん、せっかくなので少し遊んでいってもいいでしょうか?」

ト「あぁ、構わないよ。自分は向こうのベンチで休んでいるよ」

駅近くのベンチに戻り腰掛けるとはしゃぐ二人の姿があった。

トレセン学園のウマ娘達は実力主義の厳しい世界にいると同時に年頃の女子である事を改めて実感する。

絵になるな...おっとスマホが無いんだった。

腕時計を見るとそろそろ出発時刻だ。

ト「二人ともそろそろ時間だよー!」

戻ってきた二人と列車に乗り込む。

乗客もそれなりに増えてきた。

座っていた座席には勝負服のアドマイヤベガが座っていた。

ト「アヤベさん?」

振り返ると私服のアドマイヤベガもいる。

カ「アヤベさんが二人居る...?」

ア「.......まさか...そんな...もしかして......あなたなの...?」

勝負服ア「えへへっ、お姉ちゃん!来ちゃった!」

ア「......うそ....でしょ......」

「車両発車しますぅ、席にお座りくださぁい」

勝負服ア「とりあえず座って!ほら!お土産のりんごもあるよ!」

ボックスシートにトレーナーとカフェ、私服アドマイヤベガと勝負服アドマイヤベが対面で座る形になった。

カ「トレーナーさんの隣が一番落ち着きます...」

勝負服ア「お姉ちゃん!トレーナーさん取られちゃうよ!」

ア「......ちょっと待って...混乱しているわ...」

ト「君の名は...?」

勝負服ア「あの映画面白かったよね!私のことは...アルタイル。アルでいいよ!」

ト「獣耳が生えた別のゲームに登場しそうな名前だな」

アル「トレーナーさん通ですなぁ」

カ「専門的な話で盛り上がるのは後にしてください...」

ア「......それであなたは...私の妹ということになるの...?」

アル「そうだよ!」

ア「......信じられないけどこの感じは本人ね...」

アドマイヤベガがりんごの皮を剥いて切り分けながら答えた。

カ「私もオトモダチが見えることはありますが現界するのは初めてですね...」

ト「ここは仮想世界だからアヤベさんが見たり感じていることが何かの弾みで反映されたのかもしれないな」

ア「トレーナーさんもタキオンさんみたいな話するのね......」

アル「お姉ちゃん達のことはずっと見てたから分かるよ!」

感動の再会といっても実際に会うと何を話して良いのか分からない感覚に似ている。ましてや霊体として近くに居たのなら尚更だろう。

車窓からはふたご座が輝いていた。

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