二つ名鬼神   作:ザタキシード

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召集

僕が起きたのは、0856時と言う、まあ言ってしまえば完全にお寝坊さんの時間だった。

 

その時間を表示するデジタル時計の画面を見た瞬間、僕の意識は覚醒した。

 

状況認識して飛び起きる。そして駆け回りながら服を脱ぎプラスチックのコップと歯ブラシと歯磨き粉を取り出して歯磨き。歯磨きしながら脱ぎ散らかした服を畳みつつ、タンスの中から今日着る服を出して着替える。言い感じに歯きが終了して、すぐにうがいと洗顔そして寝癖を整えるて、すぐに部屋を出た。

 

最後に時計を見たとき、まだ0856時のままだった。

 

時計は壊れていない。

 

そんな経緯のもと、僕は今アナグラのエントランス2階にあるソファに腰をかけていた。

 

他の部隊のメンバーも結構戻っていて、変な広さは感じなかった。

 

火傷だらけのタツミさんとブレンダンがエレベーターに乗り込む姿を僕は見た。

 

もの凄い仏頂面だ。・・・・・・こわい。

 

あぁ、またやられちゃったんだ、あの人達。

 

そう思って、あの人達をあんな風に仕立て上げたであろう真犯人を探すとその人は案外早く見かって、そして案の定その人はションボリ顔をしていた。

 

・・・・・・回復弾だけを使ったら怒られないよ、きっと。

 

僕は、キャノ・・・・・・カノンさんを遠目で見ながらそう思った。

 

僕は視線をテーブルに戻した。

 

とりあえず何があってもやるしかない。

 

昨日はグダクダになってて何も出来なかったけど、今日からはしっかりやらなきゃ。

 

じゃないと、僕の肩書きも廃る。

 

肩書きを泣かせるようじゃ全然ダメ、これもまた孤児院にいた頃先生が言っていたことだ。

 

視線を上げて、誰も座っていないソファを静かに睨んだ。

 

「・・・・・・よし」

 

僕は立ち上がって、1階に下りた。

 

「ヒバリさん」

 

昨日よりも明るめの声が出せたことに少し驚きながら、僕は続けた。

 

「今日の僕のスケジュール教えて下さい」

 

はい、と言う返事をしてヒバリさんはPCを操作し始めた。

 

「本日のスケジュールは・・・・・・0930時までに支部長室に集合と緊急即応待機命令が下っています」

 

緊急即応待機!?

 

声にこそ出さずにすんだけど、僕は今凄く変な顔をしていると思う。

 

ほらやっぱり、ヒバリさんも何かビックリしたというか変な目で僕を見てるよぉ・・・・・・

 

えぇい、何でも良いから話繋げちゃえ!

 

「物騒だなぁ・・・・・・何かあったんですか?」

 

上手い、僕上手いよ!

 

・・・・・・よし、ヒバリさんの顔も元に戻った。

 

それにしても、緊急即応待機って・・・・・・マジか。

 

緊急即応待機と言うのは、噛み砕いて説明すると近くにヤバいのいるから気をつけて、と言う意味で。

 

ヤバいの、とは大概接触禁忌種かその枠にすら収まらない規格外的な荒神のことだ。

 

例えば、ハンニバルやデャウス・ピターとか最近出てきた、と言うかこの間も戦ったヴァジュラ種(暫定的にオーガと呼ぶことになった)などだ。

 

「偵察機が立て続けに撃墜されてしまって、周辺の荒神の動向が掴みにくくなったせいかと・・・・・・元々この地域は不自然なほどに新種が出現しますし、ここ最近も接触禁忌種の出現頻度が高まってる傾向がありますし」

 

ヒバリさんは難しそうな顔でそう答えた。

 

「うぅん・・・・・・詳しい報告とかは上がってないんですか?」

 

「それについては榊支部長が説明するという話でした」

 

「! 榊博・・・支部長がですか?」

 

あの人が直々に説明する、と言うことはその件は結構本格的に危ない、と言うことだ。

 

「それで、支部長室に集合ですか?」

 

「はい。ミッションブリーフィングを兼ねて第1部隊メンバーは0930時までに支部長室に出頭しろ、とのことです」

 

「分かりました」

 

僕はそう言ってその場を後にした。

 

出頭は0930時、と言うことは0925時には集まっておいた方が良いよね。

 

今は0915時だから・・・・・・結構ヤバかったりしちゃったよ!

 

急げ、と思って僕は頭の中で「I'm late! I'm late!」と叫びながら駆け足になった。

 

エレベーターの操作盤の前に立って、僕は愕然とした。

 

2機とも今最下層にいる。

 

エレベーターよ、早くきて下さい。僕はそう念じながら操作盤のボタンをガチガチと押しまくった。

 

やっと上ってきたエレベーターの中には、誰も乗っていなかった。

 

僕は勢い良く駆け込んで、入り際に操作盤のベテラン区画のボタンと閉鎖ボタンを連続で押した。

 

普通なら危険行為だと咎められる行動だけど、この時の僕の慌てようの前にはそんな常識など頭の隅にも掠めなかった。

 

って言うか、そんな荒技をやってのけれた僕凄い。

 

僕の体がエレベーターに完全に入った丁度その瞬間、エレベーターの扉が閉まり、静かな機械音を上げながらエレベーターは下の階に下りていった。

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