この素晴らしい世界にねこですよろしくおねがいします   作:アカツメヒビキ

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ねこです。ろぼとみーすきです。ねこです。うれしいろぼねこです。

このすばファンタスティックデイズの小説を読んで、ウィズさんに借金を返済させるためにアイドルを目指してもらう妄想まではしましたよろしくおねがいします。

例の手記は要約しましたです。ご了承くださいです。


ねこです。機動要塞デストロイヤーです。2

 

 

 

 

二人の魔法使いから放たれた爆裂魔法で、脚を失った機動要塞デストロイヤー。脚を失ってもなお慣性の法則で真っ直ぐ地を滑り、最前線で微動だにしないカズマのパーティーメンバーである女騎士の目と鼻の先で漸く止まった。

 

 

爆裂魔法で粉砕__いや、爆砕した脚の欠片がパラパラと頭上に降ってくる。ウィズさんの方はほぼ跡形もなく爆砕できたのか、頭を軽く手で払うだけで粉のようになった欠片が吹き飛んだ。流石ウィズさんの魔法だ。頭のおかしいと言われるめぐみんよりも、アンデッドの王であるリッチーの魔法が強いのは仕方がないかもしれないが。

 

 

「ふぅ……これで、お店が潰れない…」

 

 

安心からのため息をつくウィズさんを横目に、フラグっぽいなぁと思いつつ自分はデストロイヤーをじっと見詰めていた。

 

 

動かない。もう、終わりなのだろうか? デストロイヤーという大層な名前なのだ。これがゲームの展開ならば、誰かが『やったか?!』とでもテンプレ的フラグを建築して、すぐさまフラグ回収をするというのがお決まりの流れだが……。面倒くさいので、誰も言わないように願おう。

 

 

……あ、こう考えるのもフラグなのか? いや、まさか、まさかぁ…

 

 

と、嫌な予感がしていれば、アクアが安心からか満面の笑みで大きく口を開き、今まさに声を発そうとしている。……冷や汗と嫌な予感が止まらない。

 

 

 

「やったわ! 何よ、機動要塞デストロイヤーなんて大層な名前しておいて、期待外れもいいところだわ。さあ、帰ってお酒でも飲みましょうか!なんたって一国を亡す原因になった賞金首よ、報酬は、一体お幾らかしらね!!」

 

 

 

おま、アクア、アクアてめえぇぇぇぇ!!!

 

 

百点満点のフラグを数秒で建築した一級フラグ建築士アクアの口を、カズマも不味いと思ったのだろう、塞ごうとするが……時すでに遅し。自分は天を仰いだ。

 

 

大地が揺れた。大地が揺れ、天変地異かと思うほどに震える。だが、明らかにこの地響きの原因は、今はもう動かないノイズさんの機動要塞だ。

 

 

「……? な、なんでしょうか、この地響きは……」

 

【デストロイヤーからですねこですアクア死すべしよろしくおねがいします】

 

「な、なによぉ!!」

 

 

不安そうに、地響きの震源であるデストロイヤーを見上げるウィズさんだが、自分はまだまだ現実から目を背けたくて空を見る。おそら、きれい。

 

 

冒険者の皆がデストロイヤーの巨体を見上げる中。それは唐突にこの場の全員の耳に、広く広大な空に響き渡った。

 

 

 

 

『この機体は、機動を停止致しました。この機体は、機動を停止致しました。排熱、及び機動エネルギーの消費ができなくなっています。搭乗員は速やかに、この機体から離れ、避難して下さい。この機体は…』

 

 

 

 

 

取り敢えず、自分は「今回はまだなにもしてない!!」とほざく駄女神に腹パンをお見舞いした。お前はもう、やらかしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「多分だが。このままだとボンッとなるんじゃないかと思うんだ。こういう場合だと」

 

【ボンッではなくドカンだと井戸思いますです。アクアをもう一度ポコっとしていいですかよろしくしません】

 

「ドゴォッとかの間違いだろ。アクアのHPはもう0だ、やめてやってくれ」

 

 

最悪の事態を想像して、皆が顔を引き攣らせ絶望している。デストロイヤーの脚を爆砕したら、今度は自分たちが爆砕されるかもしれないのだ。絶望しても仕方がない。

 

 

そんな中、いつも青い顔をより一層青くさせ、泣きそうになっているウィズさんが「み、店が……。お、お店が、お店がなくなっちゃう…」と震えている。

 

 

そんな震えるウィズさんを落ち着かせようと背中をさすっていれば、誰かがぽつりと呟いた。

 

 

「……やるぞ。俺は」

 

 

誰の呟きか分からなかったが、その声には確かな決意があった。その決意が伝播していくのか、次々に「俺も」という声が聞こえる。……男性冒険者ばかりなのは特に気にする必要はないだろう。

 

 

すぅ、と近くだからか聞こえた空気を吸う音。見れば、カズマが他の冒険者達と同じ、決意に満ちた目をしていた。大きく空気を吸えば、その後の行動は決まっている。自分が何度もしてきた事だ。

 

 

__カズマは拡声器を手に、大声を張り上げる。

 

 

 

『機動要塞デストロイヤーに、乗り込む奴は手を挙げろー!!』

 

 

 

手を挙げる冒険者の雄叫びと共に、フック付きロープのついた矢が、デストロイヤーに向かって飛んで行く。まるで、流星のように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロープを伝ってデストロイヤーに乗り込んだ自分達。いつの日か近所の奥様から「いつ借金取りがきても抵抗できるようにね」と渡された鉈。一応持ってきて置いて正解だったな。

 

 

鉈をバットを振るような動作でゴーレムの足をひしゃげさせ、倒れた所で頭上に振り上げた鉈を脳天目がけて重力に従い振り下ろす。

 

 

汚い金属音と共に火花が散る。中々に硬いな、流石ゴーレム。間髪入れずにもう一撃を叩き込むと、潰れたカエルのような顔になった。おまけに醜い潰れた顔と胴体を分けてやる。

 

 

「ひっ……ちょ、ちょっとウィズ。あんた、飼い猫にどんな教育してるのよ。一体どんな調教をしたらあんな躊躇なく鉈を振り回せるのよ。顔を見なさい、ほら、真顔よ。いっそのこと笑ってる方が良いわ。あんな冷徹な暗殺者みたいに飼い猫を育てた感想はどうなの?」

 

「きょ、教育も調教も育てもしてません……!!」

 

「っぎゃー! 腕が! 腕があああああっ!」

 

「ちょっとそっちで何やってるのよカズマ! 私が目を離してる隙に馬鹿なことしないでちょうだい!!」

 

 

なんともまあ、騒がしい侵略である。潰し終わったゴーレムを地面へと落としている間にも、街を襲った責任者への罵倒やらがそこかしこから聞こえてくる。聴力が人より高い自分には少し……いや、凄く煩すぎるほどだ。

 

 

鳴り響く警報に顔を顰めながら、建物の中へと潜っていく。カズマたちと共に奥へと進むと、ある部屋の前で人だかりができていた。先程までの山賊のようなヒャッハーなテンションではなく、皆が顔を曇らせ俯いている。

 

 

なんだなんだと部屋の中央を見れば__そこには白骨化した人の骨。嗚呼、そうか。この機動要塞を乗っ取った研究者は既に死んでいたのか。

 

 

なんだか気分が重くなった中、アクアが部屋に入ってきた。そして静かに首を振ると「未練の欠片もないぐらいにスッキリさっぱり成仏してるわ」……と。

 

 

……スッキリさっぱり? いかにも孤独に死んでいきましたよと演出されているのに?

 

 

混乱する中。机の上に乱雑に積まれた書類に埋もれた一冊の手記を、アクアは手に取った。空気を察して押し黙る冒険者達の視線を浴びながら、アクアは手記を読み上げ始める。

 

 

 

 

 

「国のお偉いさんが無茶言い出した。低予算で機動兵器作れるかよ。動力源なんて知るか。適当に伝説のコロナタイトでも持って来いと言ってやった。持ってこれるもんなら持ってこい!!」

 

「本当に持ってきちゃった。どうしよう。これで動かなかったら死刑じゃないの? 動いてください、お願いしま……終わった。現在只今暴走中。コロナタイトに根性焼きなんてするんじゃなかった」

 

「国滅んだ。やべー!滅んじゃったよ、やっべー!でも何かスカッとした! よし決めた、もうここで余生を暮らすとしよう。だって降りられないしな。止められないしな。これ作った奴絶対バカだろ」

 

「…おっと、これ作った責任者、俺でした!」

 

 

 

 

 

最後まで読み上げたらしいアクアが、困った顔で手記を閉じて「あの、終わりデス」と口を閉じた。

 

 

瞬間。冒険者達から「なめんな!!」と見事なハモリが!

 

 

……いや、本当に舐めないでほしい。なんだこのクソみたいなのは。生きてたら問答無用で狂わせて臓物を引っ張り出してたぞ。だがまあ、あんなクソな手記からでも収穫はある。デストロイヤーが、コロナタイトという鉱石で動いているということだ。

 

 

机の上にあったデストロイヤー内部の地図によると、コロナタイトは中枢部にあるらしい。大人数で行ってもしょうがないとのことなので、カズマとアクア、そしてウィズさんの三人が行くことになった。

 

 

まあ、元凶の研究者が生きていないなら自分にできることはもうない。自分にできるのは命ある者を狂わせるだけなのだから、これ以上同行するのは危険だ。

 

 

自分でも分かっている。だけれどまあ、それはそれでね。

 

 

【……ねこも分かっていました。理解してました。ですが、ウィズさんに言われると少し落ち込みます。ました。】

 

「え、え! ご、ごめんなさいねこさん!! でも、何かあったら危ないですし、ゴーレムなどで疲れているようですし、これ以上の無理はしてほしくないと言いますか……」

 

【はいはいねこです。分かりましたしますか? ちゃんと戻ってきてくださいです。まだお仕置きの途中なんですからね】

 

 

慌てるウィズさんの姿にくすりと笑うと、自分はいってらっしゃいと手を振った。

 

 

店長(飼い主)が戻ってくるまでのお留守番くらい、バイト(飼い猫)の自分はきちんとこなせるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いやまあ、帰ってきたけどね? テレポートとかいう魔法で爆発寸前のコロナタイトを何処かに転送させてもう安心……と思うじゃん? 結局熱が溜まってて爆発しそうになるデストロイヤーを、頭のおかしいめぐみんが爆裂魔法を撃ったお陰でアクセルの街は無事に済んだけどさ。

 

 

そう、無事に済んだのだ。

 

 

 

「冒険者、サトウカズマ! 貴様には現在、国家転覆罪の容疑が掛けられている! 自分と共に来てもらおうか!」

 

 

 

「あ、あわわわわわっ! じ、実行犯は私ですから、カズマさんを連れて行くなら私も……!!」

 

【せっかく無事に帰ってこれたんですから余計なことはしないでくださいよろしくおねがいします!!!】

 

 

 

だからもう、これ以上巻き込まれるのはやめてくれ!!

 

 

 

 

 

 





ふとねこ思いましたが、ねこは周りが幸せですになればなるほどねこです自分は幸せになれないと闇が深くなるタイプだと思いますました。




ウィズさんとバニルの約束が果たされたらひっそりと居なくなるかなぁ、と。飼い主の見えない所で息を引き取るのがねこですから。

好きな猫系SCPは?

  • 無害な子猫
  • 半身猫のジョーシー
  • お使いのテレビ(以下略)
  • 『ふくろねこ』
  • ねこですよろしくおねがいします
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