この素晴らしい世界にねこですよろしくおねがいします 作:アカツメヒビキ
FGOにハマりすぎました。ティアマトマッマを追い求め、今や6章ですわ…。石が欲しいし排出率バグってる。
FGO×このすばもいいですね、まァ、一番SCP×このすばは諦めませんが!!!
今回は前回に言った通りオマケ話です。
時系列は、最初の話はウィズさんと出会ってすぐら辺で、そしてめぐみんがカズマパーティーに入る前。
次は、カズマたちパーティーが揃ったら辺。ウィズさんと会う前。
次に、カズマたちがバニルを倒した後。
こんな感じの時系列です。ま、読んでたらなんとなく分かります。
□ぼっち、来店□
今日も今日とて赤字である。
ウィズさんの店に勤めてまだ日が浅い。だが、実質自分が店主なのでは? と思い始めてきた。
魔道具店の経営費だけでは暮らしていけない自分達の主な収入源はカエルになりつつある。この世界、何故か野菜が跳ねる。抵抗があるが、それに比べたらまだカエル肉の方がマシである。うん、毎日パンの耳よりは遥かにマシである。
「あ、いらっしゃいませ〜!」
「……!! あ、はい、えとお邪魔します…」
棚を整理していれば、久方ぶりにカランと扉に付けたベルが鳴る。
入ってきたのは、赤い瞳に艶やかな黒い髪をおさげにした自分よりも年下だろう見た目をした少女。人見知りなのか、ウィズさんの挨拶にビクッと小さく体を跳ねさせたので、胸元がたゆんと揺れた。
自分よりも、と、年下……? いや、うん。発育は人それぞれだし。
自分の胸元へと視線を下げると悲しくなるので、上を向いて作業を続ける。その間に、たゆん少女(仮名)は此方を……というか、自分とウィズさんを気にしているのかチラチラと横目で見ながら身を縮みこませて店内を見て回る。
ちょっと不審者っぽい動きだなと思いつつ、作業を続けていた。ワンチャン万引きかもしれないので、ちょっと気にしつつ。
__と、気にしながら暫く経ったのだが……。
「……あ、」
後ろでたゆん少女が小さく声を漏らす。耳が良い自分はぴくりとその声を拾い後ろに向き帰り【どうかなさいましたか? 井戸ですか?】と聞くのだが、たゆん少女は蚊の鳴くような声で「な、なんでも…ない、です」と店の隅へと行ってしまう。
因みに、これでこのやり取りは4度目である。
これはたゆん少女が人見知りなせいだろうか? それとも、自分の顔が悪いのだろうか? 確かに少しジト目気味なので、黙っていれば怒ってるようにも見えなくもない顔と理解はしているが……、嗚呼、もう手っ取り早く済ましてしまおう。
作業を終わらせると、自分はカウンターに立っているウィズさんに指を動かす。
【あそこのお客様、何か探してるみたいねこですから、聞いてきてくださいですよろしくおねがいします】
「え、あ、はい! 分かりました。聞いてきますね」
そうしてたゆん少女の元へと向かうウィズさん。そして、ふんわりスマイルで「何をお探しですか?」と声をかける。
この笑顔で呼び込みをしたら客はどんどん入るだろう。そして商品を見て去って行くのだろうな…。嗚呼、誰かお客様を店内に留まらせるのが得意なバイトとか入らないものか。
うぅんと唸っていれば、ウィズさんが奥の方へと行ってごそごそと箱を漁る。はて、奥にある箱と言えばウィズさんが仕入れた
なんとなく察した自分は、自分も奥に入る。すると丁度「あ、あった!」とまるで宝物を見つけ出したように目を輝かせるウィズさんの姿が。
勿論、手に持っているのは
その高すぎる効能故、魔法を唱えた術者までもが作用するというクソポーションだったはずだ。カエルか何かに使うのだろうか? 幼気な少女にこんな不良品を買わすのは流石に良心が痛む…。
そう考えながらチラッとたゆん少女の方を見てみれば、カウンターには大量のマナタイトやスクロールが置かれていた。今月分の家賃を大幅に超える金額である。ポーションも加えたなら、来月分も…。
……………。……、…。
それを見た自分は、ウィズさんからマジックポーションを貰いカウンターに乗せ、満面の笑みで頭を下げる。
【お会計ですねこですね! ねこがとうございますです! 貴方様はとても素晴らしいお客様です命の恩人ですでした!!】
良心よりも金に心の天秤が傾いた瞬間である。
今後ともご贔屓に…、ええ、本当にそうしていただけると嬉しいです…! と、ニコニコしながらエリスを受け取れば、たゆん少女は顔を少し赤く染めながら謙遜してくる。
「えっ、いや、命の恩人とか…! 商品を買っただけですし。え、えへへ…。そ、そんなに褒められると恥ずかしい…です、よぉ」
【お客様はねこ神様です! 何か足りない魔道具があれば是非当店によろしくおねがいします! また何か買っていただけたら店主がなんでもしますしました!!】
「え、今なんでもって……、なんでも…。………」
おっと、大量のエリスに思わず口ならぬ手を滑らしてしまった。
たゆん少女が嬉々として話さないとは思うが、万が一これが外に漏れると店主であるウィズさんが家賃2ヶ月分を払えば『なんでもしてくれる』という痴女になってしまう…!!
急いで【常識の範囲内で】と付け足すが、たゆん少女は目を紅く光らせ黙ったままだ。
冷や汗を流していれば、暫く経って「…てください」と、小さな声で何か言う。一体何を…と聞き返せば、今度はしっかりはっきりした声で、
「お、お友達になってください!!!」
そう、顔も真っ赤にしながら叫んだのだ。
自分は宇宙猫を背負った。
え、なに? この言葉の裏に何か隠されていたりするのか? もしかして不純な関係なフレンドだったりするのか? それとも、「私たち友達だよね?」を武器にパシリに使ったり…?
「わ、私紅魔族のゆんゆんって言います! お友達になってくれるならもう全財産使います! もっとお金持ってきます!!」
そう考えたのだが、このたゆん少女__改め、ゆんゆんの必死そうな表情から本気で友達が欲しいことが伺える。目が真っ赤で紅くて怖い。
取り敢えず、ウィズさんにいいかどうか聞いてみることにする。
【ねこです、ウィズさんこの少女とお友達、どうですか?】
「はい、断る理由もないですが…。けれど、私でいいんでしょうか? 年の近そうなねこさんの方が私なんかよりもいいと思うのですが…」
【いや、まぁねこも別にいいんですけれども】
「え! あの、ねこちゃ…じゃなくてねこさんもお友達になってくれるんですか?!」
こそっと話していれば、クソデカボイスで興奮気味にゆんゆんが声を上げる。
いや、どんだけ友達が欲しいんだよ。今までずっと友達の一人もできずに、ぼっちだった訳でも無いだろうに…。
そう思いながらも、友達になるという意味を込めて頷けば、ゆんゆんは「やったーー!!」とるんるんでお帰りになった。
数日後、例のポーションで死にそうなほど恥ずかしい思いをしたとかなんとかクレームを言いにきたのだが、そこは「友達だから許して」と魔法の言葉ですぐに許してくれた。
この少女、チョロすぎる。
□ぼっちのご購入品□
・スクロール複数 ・マナタイト複数
・パラライズのマジックポーション(自分まで巻き込む不良品)
□ナルシ勇者、来店□
今日も今日とて赤字である。
折角稼いだ金も湯水のように溶け、幻のように消え去って行く。諸行無常なんかクソ喰らえだ。
先程ウィズさんがまたも金を使って来た。それを返品しに街の外まで走ったので疲れたのなんの。なんでわざわざ旅商人から買うんだ…、もう少しでテレポートされるところだったので焦ったのなんの。てか、うちは魔道具店であっていくら魔力が込もっていても武器なんか…。
カランコロン、とベルを鳴らしながら扉を開けると、丁度店の中に居た青い鎧の男がウィズさんの手を取り、口を開く。
「街の人に聞きました、貴方は凄腕のアークウィザードだったとか。そんな青白い顔になるまで働くのは辞めて、僕の魔王討伐のためにパーティーに入っぼへぇっ?!」
「「キ、キョウヤァァァァァァァ!?」」
不審者には正義の鉄槌ならぬドロップキックを。
仮借なく、加減なく、温情なく。そして、命の価値に区別なく。二枚目なその顔をベコベコに凹ませる気持ちで、自分は躊躇なく攻撃した。
倒れるキョウヤと呼ばれた青年に、取り巻きらしき少女たちが駆け寄って行く。そして此方をキッと睨みつけ「急に何するのよ!」と叫ぶ。
狂わせなかっただけありがたいと思え。そう思いながらトドメの一撃を刺そうとすれば、ウィズさんに止められた。
「ねこさん! ちょっと落ち着いてくださいっ!!!」
「えーっと、その。僕らは魔王討伐が目的で…、この街には魔法使いとプリースト職を求めて来てて……」
【そこでうちのねこ店主を見つけて、しかも凄腕魔法使いだと街の人から聞いていた。きいてますか? から自分のハーレムに加えようと? すぐに店をほっぽり出せる訳でもないのにですか? 貴方の頭は井戸小屋以下ですか? 貴方面白い脳味噌してますねねこです。ちょっと弄って狂わせていいですかね? でした】
「は、はわわ……。ねこさんがキレてる…」
名を、ミツルギキョウヤと言うらしいコイツとその取り巻きたちを、ウィズさんを奥に避難させ、そして自分はカウンターを隔てて睨みつける。
なんだコイツ。なんで着いていくと思ったんだよ。シンプルにキモい。ナルシストかよ、ナルシスト自体が悪い訳じゃないけれどもコイツのナルシニズムは群を抜いて気持ち悪い。ウィズさんの手が汚れたので後で聖水で殺菌消毒しなければ…。あ、いや聖水なら手が溶けるか? ……いや、一度溶かしてしまってそれから…。
【で、ねこでした。勧誘でしたっけ? ウィズさん、どうするんですか? しますか?】
「いえ、行きませんけど…。やるべき事とかあるので…」
【だ、そうです。きいてますか? さっさと立ち去るのですよ。あ、立ち去る前に迷惑料を5万エリスほど置いてってくれますかでしたか?】
「ねこさん!? それもうカツアゲですよ?!」
ゴミを見るような目で睨みながらしっしっと手を払うが、それでもまだ出ていかないナルシ勇者気取り野郎。どうしたのだろうかと思えば、申し訳なさそうにナルシ勇者は口を開く。
「実は、勧誘だけが目的で来たんじゃないんだ。ここには色々な魔道具があると聞いて、僕の魔剣__魔剣グラムを見付ける魔道具がないかとね。だから今すぐ立ち去ることは出来ない。迷惑料(?)はその魔道具代からって事にできないかな…?」
二人の取り巻きが「キョウヤの勧誘が迷惑とかあり得ないけどね!」「むしろ蹴られた分こっちが迷惑してるんだけどね!」とかごちゃごちゃ言ってるのは無視。
自分は、ピンと予感がした。脳が高速で回り、察する。これは金が稼げる予感がする…!!
先程とは打って変わった笑顔(営業スマイル)で、奥から魔道具がたんまりと入った箱を持ってくると、机も引っ張ってきて商品を並べた。
【探し物を探す魔道具は生憎ないのねこですが、それらしき情報を知っています。ついでに役に立つ道具を買ってくださいですよろしくおねがいします。どれもこれも良い井戸小屋の品なんです。でしたか?】
例えば…と、マジックポーションを自分は手に取る。
【このねこポーションは、バインドの効果範囲などを上げるポーションなんです。此方のスティールのと今ならセットですよ。ねこはいいました】
「あ、あぁ。それはとても良い品だね」
【そうでしょう、ねこでしょう! 次に此方は武器に塗ると炎属性が付与されるポーションねこです。剣や槍が炎を纏い、上級魔法ほどの水でもないかぎり消えないので敵ねこを燃やし尽くせるのです!】
「じゃあ、それも買うよ。えっと、情報はまだかな?」
【まだまだ商品はあるので、それを買っていただけたら……ですね。ねこですよろしくおねがいしますよ勇者様?】
にこりと自分は微笑み、奥からもう一箱をドンッとナルシ勇者と取り巻きの前に置いてやった。
見たところ、まだまだ金は持ってるみたいだし…いっそぜーんぶ使ってくれたら嬉しいなぁ…という思いを込めて、自分は魔道具の紹介を小一時間ほどすると、
ナルシ勇者が「あの、本当にもうそろそろ情報をお願いできないかな…?」と随分と軽くなった財布と大量に魔道具が入って重い袋を手に持ち言ってきた。
ふぅむ、ゴミ処理も出来たし金も巻き上げられた。そろそろいいか、と自分は手を動かす。
【確か、魔剣ねこグラムとやらをお探しだったですかね? でしたか?】
「嗚呼、恥ずかしい話、賭に負けて売られてしまって……。この街の武器屋を回っても見つからなかったんだ」
【それって……もしかねこすると、こんな剣でしたか?】
その辺の紙にさらさら〜っと絵を描けば、ナルシ勇者が「それですそれっ!!」と大声を上げる。
「その剣どこで知ったんですか? というか見たんですか?!」
【見たも知ったも……うちの駄目店主が買ってきた剣ですしねこすし】
そう書けば、口をギャグ漫画のようにぽかーんと開けるナルシ。
うちは魔道具店だってのに、特定の人しか効果を発揮しない魔剣__つまり、その人以外にはただのちょっと良く斬れる剣を買ってきた店主の才能にはほとほと呆れる。
「そのっ!! その剣、買います!! 買いますから僕に売ってくださいっ!!」
カウンターという壁を越えようと身を乗り出すナルシに……ふつふつと、笑いが込み上げてくる。
「?何故笑って…」
【いや、ねこが渡せるのは情報だと書きましたよね? きいてましたか? 聞いたねこですよね?】
笑いをなんとか堪えながら、ヒクヒクと反応する口角を片手で隠し、もう片方の手で「まさか…」と顔色が鎧と同じ色になっていくナルシにトドメを刺す。
【生憎、その剣は旅商人に返品しました。その商人はすでに何処かの場所にテレポート済みですよ。ねこです情報と魔道具のお買い上げありがとうございました】
「ちっくしょおおおおおお!!!」
勢いよく店から出て行ったナルシと「キョウヤァァァ!」と、叫びながらその後を追う取り巻き。
不用品が高値で売れてホクホクな自分は、笑顔で勇者様ご一行を見送ったのだった。
□ナルシ勇者+取り巻きのご購入品□
・バインドのマジックポーション(自分まで巻き込む不良品)+スティールのマジックポーション(自分まで巻き込む不良品)
・炎付与のポーション(上級魔法の水魔法以外では"決して"消えない不良品)
・その他諸々(全て不良品) ・オマケで魔剣の情報
□半身猫、来店□
今日も今日とて赤字である。
自分の他に新しいバイト(悪魔)が増えたのは嬉しくもありウザくもある。
ウィズさんが
さて、今の季節は冬である。冬は高レベルな魔物が蔓延る危険な季節だ。そんな季節なので、始まりの街の冒険者がクエストを受ける訳がない。つまりは冒険に出ないので、うちの商品の売れ行きも落ちてしまっている。
【バニル、そういえばねこですがウィズさんはどこですか?】
「我らが雇い主でありながら足を引っ張る貧乏店主は2、3時間ほど前に散歩に行かせたぞ。無一文で雪原の中に放り投げたからな、みっともなく見窄らしい格好である故、商人が魔道具を売り付けようと近づくことはないだろう」
【悪魔か】
「大悪魔である。なに、そこまで褒めるでない。……おっと、『いや褒めてねーし』的な悪感情美味であるな!」
などと喋りながらせっせと商品を整理したり、返品する
時間的にウィズさんが戻って来たのかと、お帰りなさいを伝えるために扉の方向を見ようとすれば、耳に届く小さな声。
素早く扉へと振り返れば、そこには頭に雪が積もったウィズさんと、ウィズさんの上着に包まれた猫。猫は顔だけをだし媚を売るように鳴いている。
【ウィズさん、猫なんて飼う余裕はないですよ。……いやまぁ、ねこが言うと複雑ですが、一応ねこは猫じゃなくてねこですしねこは…】
だがしかし、飼う余裕は本気でない。可哀想だが元の場所……いや、ギルドに頼んで飼い主を探してもらうか書こうとしたが、ウィズさんが猫を上着から出した事でその言葉も引っ込んだ。
その猫は、灰色の波模様を持つ、小柄な普通の猫だった。
__ただ一つ、
猫はにゃぁんと、なんでもないように、また鳴いた。
【な、な、な、なんですかそれ猫なんですかそれともねこなんですか猫ではなく魔物の猫なのかねこなのか…????】
「ね、ねこさん落ち着いてください! この子は普通の猫ですよ、下半身が存在しないだけで普通の猫です!」
【百歩譲って猫だとしても普通じゃないです。でした!!!】
店内をうろうろする半身がない猫をお客様に見せないため、一時的に店を閉めた。(どうせ客は暫く来ないのでノーダメージだ)
そしてウィズさんに一体ナニを拾ってきたのか問い詰めるが、ウィズさんもよく分からないらしい。曰く、気が付いたら目の前に居たのだとか。
「ふむ……、この猫、我輩の見通しによると特に害はないようだな」
「あっ、バニルさん! 落とさないでくださいよ?」
半身がない猫の首根っこをひょいっとバニルは掴むと、ジロジロと見た後でそう告げた。
宙に釣られながら、ぶらぶら揺れる猫。下半身がないのでその揺れが余り伝わらないが…。そうやって摘まれ状態のまま、バニルは見通した内容を話し続ける。
「名前はジョーシー、好奇心旺盛な
【……ねこよりも普通の猫なようですね】
パッと説明し終えたバニルが手を離せば、ウィズさんが小さく悲鳴を上げる。しかし、下半身がまるであるかのように何事も無く着地した。前足、後ろ足の順番で、見えないのにそう着地したと分かった。
自分よりも猫らしい。そして自分よりも普通の猫だ。別にそこはどうでもいいのだが…。
ともかく、この猫をどうするかが問題なのだ。見た目が異常なこの猫が、果たして引き取り手がいるか不安だが……。うちで飼うのは厳しいのでギルドに飼い主募集の張り紙を貼ってもらって…。
「ふふ、可愛いですね〜。よしよしよしよし…って痛い! え、え、撫ですぎましたか…? あぁごめんなさい…」
そう考えていたのだが、猫とウィズさんの戯れる様子を見て少し気持ちが揺らぐ。
ウィズさん楽しそう。ウィズさんと猫の戯れは癒される。猫も可愛いし猫は好きだし自分も触りたい。でも、でもなんだか見てて少しモヤモヤするのも…。
「して、あの猫はどうするのだ? ウィズがあの猫に構いきりにならないかと心配な感情と自分以外の猫を撫でるなという嫉妬の感情が鬩ぎ合っているバイトのねこよ」
【見通すな殺す】
「ふははははは!! その悪感情美味である! 因みに見通していないぞ? 貴様を見通すと流石の我輩も『ねこ』とやらに感染して残機を削られるはめになるのでな」
残機減らしてやろうかと本気で思う。口を大きく開けて豪快に笑う悪魔に殺意を抱いていれば、足元を擽ったい感触が通り抜ける。
下に視線を向けると、自分の足に擦り寄るジョーシーがいた。上目遣いで此方を見上げ、目が合うとにゃあと一鳴き。うーん、あざとい。
「あら、ジョーシーさんはねこさんの事が気に入ったんですね! 流石猫同士です!」
するする、すりすり、足元をぐるぐる回りながらジョーシーは体を擦り付けてくる。正直擽ったいのでやめて欲しい。……いや、なんだか懐かしい気がするから、もうちょっとだけはやってもいい。…やっぱり擽ったい。
足を一歩後ろに下がらせ、そしてしゃがみ込む。そしてジョーシーの額にそぉっと手を伸ばせば、ジョーシーはぐりっと頭を手のひらに擦り付けてくる。
…………。
あざとい、あざといぞ貴様。ハニートラップと言うやつか? こっちは飼う余裕……というか、金が無いんだ。それに、ここには度々リッチーより危険な女神の皮を被った疫病神が襲いに来るから危険なんだ…!!
猫好きな心を振り落とすように自分の頭をポカポカ叩き、一度深呼吸をする。そして意を決した顔つきでウィズさんに文字を書く。
【ウィズさん、どこかでギルドに飼い主募集のお願いを…】
「にゃっ!」
そう空中を滑るように文字を書く自分の指を猫じゃらしのように思ったのだろうか、ジョーシーは書き途中にも関わらずジャンプして指を捕まえる。
……………………。
指を、肉球のついた小さな両手で挟まれる。見ると、無理をして背伸びしているのかぷるぷると足元が(見えないが多分)震えていた。
……………………………。
暫くすると、こてっとやはり倒れてしまった。仰向けに倒れたジョーシーは、へそ天(胸の上部しかない)のポーズで目を細めながら、目の前の自分にトドメを刺した。
かいしんのいちげき!! ねこに529のダメージがはいった!
自分は、ジョーシーを抱き抱えて立ち上がると、外に出るため扉に手をかけた。
「ねこさん、何処に行くんですか? まさか、ギルドにジョーシーさんを……」
くるりと振り返ると、表情を崩さないまま手を動かす。
【ねこは、ジョーシーのためのご飯などを買ってきますです。……この子は、うちの猫ですから】
「! そうですかっ! あ、私も着いて行きますね。外は寒いので暖かくして行きましょう。ジョーシーさんの毛布とかも買いましょうね!」
【そうですね。因みに買えば買うほど断食の期間が長くなるのでよろしくおねがいします】
「え」
こうして、ウィズ魔道具店に看板猫が一匹増えた。
□ジョーシーのための購入品□
・ペット用ミルク ・ペット用の寝床セット
・ペット用のトイレ ・猫用爪研ぎ
・首輪(探知魔法付き) ・その他もろもろ…
断食期間・約二週間
「SCP-529の半身猫のジョーシー」 は《作者不明》の「SCP-529」に基づきます。
http://scp-jp.wikidot.com/scp-529
次はアルカンレティアですねー。
ウィズさんが登場する回についてねこあり…です。書きたいところだけ書いてる感がすごい。実際合ってますが。
好きな猫系SCPは?
-
てるてるネコちゃん
-
弾丸猫
-
お使いのテレビ内の砂嵐の猫は
-
ねこですよろしくおねがいしません
-
ねこですよろしくおねがいします