この素晴らしい世界にねこですよろしくおねがいします 作:アカツメヒビキ
FGO、2部7章クリアしました。半年でよくここまで来たなぁと思いますです。7章鯖は全員手に入れたのでうはうはです。ねこでした。
SCP×このすばを絶対に諦めないキャットこと、ねこですよろしくおねがいします。
カランカラン、と久しぶりにドアに取り付けたベルの音が鳴る。
入ってきたのはカズマである。そんなカズマに、元気よく「へいらっしゃい!」の挨拶と共にさらりとウィズさんに『バニル式殺人光線』をした事を伝えた、自分と同じ『ウィズ魔道具店』で働くバニル。
自分も一応ぺこりと会釈をしつつ、特にウィズさんに気を使う様子は見せずに箱に
カズマはそんな様子を見てか、雇い主にそんな事をしていいのか? と聞いてくる。
【雇いねこなら雇いねこらしい事をしてほしいですよろしくおねがいします】
「このねこの言う通りだ。ガラクタを買ってくるガラクタ店主を自由にやらせていたら、我輩が千年働いても赤字のまま。そして、その頃にはねこはぽっくり逝っているだろうから我輩の働く量が増える。折角計上した黒字を使い潰す店主と二人きりなど、我輩は考えたくもない」
心底嫌そうな顔をするバニルに、自分は同情した。何となく、今の話は実現してしまう気がする。その時は悪魔のバニルにすらも同情し、憐れみ、可哀想な物を見る目でぽっくりするだろう。これが現実にならないことを祈るばかりである。
いやまァ、ウィズさんが
遠い目をした自分を見て「お疲れ様です」と憐れみの目を向けてくるカズマ。同情するなら金をくれと言いたい。
「と、いや実はだな。今日はバニルに用があって来たんだよ。ちょっと温泉旅行に行く事になってな。それで例の商売の話なんだが、帰ってくるまで待っててほしいんだよ」
例の商売という言葉に、ぴくりと耳が反応する。
嗚呼、そういえば前にカズマに商品を置かせてくれないかと言われ了承したが、目利きは『見通す悪魔』とやらのバニルが向かった方が良いと思い、向かわせたのだった。
風船やライターなどのサンプルを持って帰ってきたバニルが言うに、カズマには『知的財産権を売れば3億一括』or『生産ルート確立後に月々百万以上』の提案をしてきたらしい。
「何だ、そんな事か。未だ商品の生産ラインは調っておらぬので、ゆっくりと羽を伸ばすなり混浴を期待するなりしてくるが良い」
「ここここ、混浴なんて期待してねーし?! ねこもそんな目で見るな! 首の古傷が痛むから、湯治に行くだけだし!
……それより、箱に詰めてるそれはなんだ? ていうか、何でウィズは焦げてるんだよ」
話を逸らしたな、と思いつつ自分は箱に詰めていた
【これはウィズさんが『絶対に売れるから殺人光線はやめてください!』と遺言を残し置いて行ったものです。
冒ねこ者を悩ませる、旅先での野外におけるトイレ事情を解決する魔道具です。でした。箱を開ければ即完成の、魔法で圧縮された簡易井戸小屋トイレですよろしくおねがいします。用を足す際にねこプライバシーを守るため、音が出る水洗仕様なのです】
「何それ凄い、超便利じゃないか」
【欠点は、消音用の音が大きねこ過ぎてモンスターを呼び寄せる事と、水を生成する機構が強すぎて、辺りが水で大惨事になる事です】
「何それ酷い、超不便じゃないか。……他に、何かオススメとかないのか?」
デスヨネー、と思いつつ、箱にツメツメする作業に戻る自分。カズマの質問には、バニルが答えるようだ。棚からポーションを取り出すと、プレゼンし始める。
「オススメか。ウチの金欠店主が何を考えて仕入れたか分からない、開けると爆発するポーションはどうだ。一本たったの三万エリスだが、これを持って銀行に行き、銀行員の前で開けようとするだけで大金が貰えるお得ポーションだ。お一つどうか?」
それに対し、カズマは一言。
「いらんわい」
そりゃそうだ。箱に詰め終わったので奥に返品するためのスペース(の積み上がった箱の山)に箱を置いて入れば、カズマとバニルの話にぴくりと耳が反応した。
「……そう言えば。小僧、貴様温泉旅行に行くと言ったな。このポンコツ店主も、一緒に持って行ってくれまいか。貴様との商品を量産するために、近々まとまった金がいるのだ。コレが店にいると……言わなくても分かるな? 我輩と実力が拮抗する相手には見通す力も使えなく困っているのだ」
「それってウィズのお守りをしろって事か? いや、俺はいいけどさぁ。アンデッドを毛嫌いしてるアクアが、どんな反応をするかが……」
「……意外と着痩せするタイプのこの店主は、実は大の風呂好きでな。見通す悪魔が宣言しよう。汝はこの旅先にて、混浴風呂に入る機会が」
「俺に任せろ、責任もって連れて行」
【変な事を考えるな、ねこです殺します】
ぬっ、とカズマの背後から音もなく近付き、腰部分にぐりっと例の爆発するポーションを押し付ける。
【ねこです。ねこも付いて行きます。何か嫌な予感がしますので】
「ふむ、まぁいいだろう。元々、厄災店主が旅先で無駄遣いをするのを危惧していたからな。ねこが行くならばその心配はないだろう」
【……という事になりました。カズマ、よろしくおねがいします】
にこり、と笑いながらぐりぐりとポーションを押し付け続ける。
カズマは「此方こそ宜しくお願いします…」と涙目になりながらも了承したのであった。
──馬車の待合所らしい場所に着くと、そこにはカズマのパーティーメンバーが全員揃っていた。
「ちょっと、先に行って席を取っておいてって頼んだのに……って何背負って何を連れてるのよ」
白目を剥いて、焦げて気を失っているウィズさんを背負ったカズマは、皆にバニルとのやり取りを説明する。そして自分はウィズさんのお目付役として宜しくお願いするため、ぺこりと頭を下げた。
「ふーん? まあいいけど。でもこの子、何だか薄くなってるんですけど」
意外にもあっさりと快諾したアクアに驚く。そしてウィズさんを見てみれば、確かに薄い。持ってきた砂糖水をぶっかければいいだろうか?
「おお、おいこれ大丈夫なのかよ! 回復魔法……は、アンデッド相手じゃ逆効果か!」
そんな慌てるカズマに、久方ぶりに見た厨二少女めぐみんが「こんな時はドレインタッチです!」とまともな事を言う。
なるほど、ドレインタッチか。自分は無言で、すっ…とカズマに向かって手を出した。
「え? 何? どうしたんだ、ねこ?」
【会話の文脈から察しろです。ねこからドレインタッチをしてください】
「…いいのか? 俺、ダクネスから取ろうと思ってたんだが」
【いざとなった時の盾が生命力不足で使えない……なんて事があれば大変ですし。ほら、ねこです。早くどうぞ】
パーティーメンバーには躊躇なく使うが、一応他人にはちゃんと許可をする辺り、まァさっきの混浴どうのこうのは水に流してやろうと思う。
カズマに手を取られ、ドレインタッチを発動される。
「『ね""』⁈ っ〜〜?!」
思っていたよりも刺激というか、吸い取られる感覚が強く、危うく言葉を発しそうになったのだが何とか耐える。一文字はセーフだ。多分。
「あら……? カズマさんじゃないですか、ここは……? あら、ねこさんも…、あらら? ねこさんの肩に猫さんが…ジョーシーさんとは違う猫さんですね…?」
目覚めたてのウィズさんが、キョロキョロしながらそんな事を言う。どうやら、自分の生命力をまぁまぁ多く分け与えられた事で『ねこ』が感染しているらしい。存在しないはずの猫が見えるだけで、意識はしっかりしているからほとんど無傷よりの軽症だろう。このくらいなら放って置いてたら治る。
「ジョーシー? てか、ウィズ大丈夫か? ねこの肩に猫なんていな……あれ、待って俺も見えるんだけど。待って俺も感染してんの?! ここから重症化しないよな? ちょ、アクア! アクアーーー!! 俺に『セイクリッド・ハイネス・ヒール』してくれお願いしますー!!」
「え、なんかカズマさん涙目なんですけど。なんか憐れで面白いんですけど。プークスクス!」
「お前にも感染させてやろうかこのクソ駄女神!!」
「なんですって! このクソヒキニート!!」
ぎゃーぎゃーとお互いの首を絞め合う二人。その二人を止めようと、ダクネスとめぐみんがそこに入る。ウィズさんは見えない猫を撫でるのに忙しい。自分は猫(存在しない)に向けるウィズさんの笑顔を金にならないかなぁと思いながら写真を撮る。
「お客さん方ー! 乗らないのなら置いてきますよー!」
そんな自分達に向けられた少し呆れた声は、青い空によく響いた。
今のところ、アンケートだと
「ねこですよろしくおねがいします」が1番。
「ねこですよろしくおねがいしません」が2番ですかね。
ねこですよろしくおねがいしますは、最早オマケなのですが。前回の実質1番は「半身猫のジョーシー」ですね。次の実質1番はどうなるのでしょうか?
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