この素晴らしい世界にねこですよろしくおねがいします 作:アカツメヒビキ
お久しぶりです。ねこです。
Fate extraを3周し、CCCに最近突入しました。
現在のFGOではサムレム未履修ですが宮本伊織に一目惚れしたので120にしてますです。
「源泉が怪しいと思うの」
街中の温泉が汚染された翌朝。昨日は一日中街の温泉を浄化して回っていたアクアがそう言った。
汚染されたお湯が湧き出したのは一時的な事で、すぐに収まったそうだが……これで終わりではないだろう。そう、トラブルメーカーのコイツらがいるのだ、もうひと騒動起こるに決まっている。
アクアはこの件を何としてでも解決しようと意気込んでいるし、ウィズさんもそれを手伝う気満々だ。
自分としては、あまり関わりたく無いがウィズさんが行くならば自分も行くと決めている。
そんな訳で、カズマに「ここ最近アクアよりバカに見えるぞ」と言われ、この旅の中でも影が薄いダクネスはやたらとテンションと声の大きさを上げ、早く行くぞと自分たちを急かしたのだった。
山道をひたすらに歩く。
山に入る前に一悶着(ダクネスが貴族だと判明し、その権力にて無事に山へ入れた)
山に入ってから初心者殺しの死体とご対面(何やら溶かされていた)
まぁ、そんなイベントもこなしつつ、ひたすらに山道を歩いている。
登山に適した格好ではないし随分と歩いたが、自分はステータスとやらがカエルでレベル上げしたお陰でそれほど疲れてはいない。多分、高い方だろう、ねこ語に変換されて一体いくつなのかは分からないが。
そんな中、突如として道案内の印だった源泉が流れているパイプの一本が途切れている場所に出くわした。
源泉の色は真っ黒である。明らかにおかしい、まるでこれは──
「?! 毒なんですけど! これ、思いっきり毒なんですけどっ! あち、あつっ! 熱いぃ!! わあああぁあ、火傷! 火傷する!」
「このバカ、源泉に手を突っ込むヤツがあるか! とっとと手を抜け!」
「だ、だってだって! 熱い熱い熱ーい!!」
【狂わせて熱いと感じる感覚をねこが消し去りましょうか? ねこはここにもいます】
「狂気の発想やめろっ、あーもう『フリーズ』!」
……やっぱり毒かぁ!
源泉に手を突っ込んだバカに一応言葉を
もう確定だ、確定演出だ。魔王軍の奴がこの先にいるのだろう、そしてこの街に恨みを持っていて、今まさにそれを晴らそうと毒を送り込んでいるに違いない。
正直、理解も納得もできる動機だ。自分だって被害者であるし、自分だけがこの事を知っていたら心の中で応援してフルシカトする。
けれど──
前を見ると、カズマの魔力では冷却しきれないのだろう、ウィズさんがフリーズを唱え、アクアの浄化を手伝っている。
自分の信者のために行動し、涙目で嗚咽をしながらも必死に浄化を続けるアクア。
そんなの、見た事もないし、想像もしなかった。
嗚呼、駄目神はこんな一面もあるんだな。そう思っただけだが。
けれど、だ。
ウィズさんが行くならば行く。ここで無理やりウィズさんを連れて帰る事もできるが、もしも、その後でこの温泉騒ぎが解決出来なかったならば……いつものバカみたいなテンションのバカなアクアはどうなるのだろうか。
案外ケロッと立ち直るかもしれないが、ウィズさんの笑顔は確実に減ってしまうだろう。
自分は、それが嫌だ。
だから、あくまでウィズさんを悲しませないためにこのまま進むのだ。そんな訳で魔王軍の奴は手っ取り早くお縄に付いてもらう。
【浄化は完了しましたか? くるしんでますか? では、先に進みましょうです。はい、ねこです、この分ではまだ汚染パイプがありそうなので、途中ねこ途中で浄化を挟みながら】
「……ねこ、貴方意外とやる気あったのね! そうよ、私の可愛い信者のために先に進みましょう!」
【ました。いや、登山でかいた汗を流す温泉がないと困るだけです井戸小屋にはだれもいません】
アクシズ教への怨恨は、大事な人の笑顔のためという、私利私欲に負けてもらおうじゃないか。
「……あれ? やっぱりアイツじゃないか」
山の八合目辺り。息を切らしながらぶつぶつと「もう帰ろうかな…」なんて独り言を漏らしていたカズマが不意に立ち止まる。
カズマが指差す方向には、例の手配書の男がいた。夜目が効くのではっきり見える。浅黒い肌に短髪の、筋肉質な男だ。
ここの温泉の管理人は金髪の老人らしいが、全く違う容姿なので管理人ではないだろう。
「しかし、あんな所で何をしているのだ。あそこから源泉が湧き出しているのか?」
「でしょうね。見てください、あそこでパイプが途切れています」
【………これ、ねこですが現行犯では?】
自分の言葉をきっかけに、慌てて皆が走り出す。
勿論向こうも気付く訳で……男は心底不思議そうに「ここは温泉の管理人以外立ち入り禁止ですよ?」とほざく。
そんな男にアクアが、
「ちょっとあんた何しらばっくれてんの?! よくもこの街の温泉を台無しにしてくれたわね! 成敗してあげるから覚悟なさい!」
と、指を突きつけ叫ぶが、男は“ちょっと何言ってるのか分かんない”ととぼけるばかり。
「とぼけても無駄ですよ? あなたはここで何をしているのですか? 温泉に毒を混ぜるのがまどろっこしくなり、源泉に直接毒を混ぜに来たのでしょう? 大方、昨日の汚染騒ぎは、ここの源泉と街の温泉が繋がっているか、その確認だったのでは?」
「ここに来るまでの源泉が、既に汚染させられていた。めぐみんの言う通り、そこの源泉で何をしていたのか説明してもらおうか。私はダスティネス・フォード・ララティーナ。貴族特権により、あなたには詰め所までの同行を願う」
「はぁ……だから、何を言ってるのかが分かりませんね。何なら、今ここで私の持ち物を調べてもらってもいいですよ。毒薬なんて絶対に出てきません……から……?」
そこでめぐみんとダクネスが詰め寄っても男は平然と首を傾げ──おや、急に声が尻すぼんだ。
男の視線を辿れば「何処かで見覚えが……」と、うんうん唸るウィズさん。それを見て、バッと背を向け顔を隠す男。
……うむ、成程。自分は頷き、ウィズさんに向けて手を動かした。
「と、とにかく、私もこの騒ぎの調査に来ただけなので、その……」
【ウィズさん井戸さん、ほら、前に言ってたアレじゃないですか?ねこなのですね? 魔王軍のポイズンでハから始まるらしいあの…】
「ちょっ?!」
「ああーっ! ハンスさん、ハンスさんです!! そうそう、ハンスさんでした!」
ゴニョゴニョと言い訳を並べて逃げようとした男を指差し、大声でウィズさんが男の名前──ハンスの名前を連呼する。
「ハ、ハンスとは誰の事ですか? 私は、この街の管理人……」
「ハンスさん! お久しぶりです、私ですよ、ウィズです! リッチーのウィズですよ!」
「リ、リッチーとはとびきり危険なアンデットモンスターのリッチーですか? ちょっと何を言ってるのかが分かりませんね。……と、とにかく。私は毒など持ち合わせておりませんので、何の証拠も……」
「あっ、毒と言えば! 確かハンスさんは、デッドリーポイズンスライムの変異種でしたね!」
「…………」
ハンスの言い訳を悉く潰していくウィズさん。流石だ、これで無自覚というのが恐ろしい。
そんなウィズさんは冷や汗ダラダラなハンスの隣に駆け寄り、肩を掴んでユサユサ揺すりながら「なんでさっきから無視するんですか!」と、訴えている。
「私ですよ、ウィズですってば! そう言えば、ハンスさんは擬態ができましたね、温泉の管理人のおじいさんに擬態してここまで来たんですか? ハンスさん、ねぇハンスさんってば! 無視しないでくださいー!! ひょっとして本当に忘れたんですか? ほら、昔魔王軍さんのお城で」
「あああああああーっ! っと、急ぎの用があるんですよ! 実はこの源泉を調べていたらですね、汚染の原因が分かったので! 今から急ぎ、街へと戻りますので、それでは……。……そこを通しては頂けませんか?」
逃げようとするハンスの前に、自分を含めた五人が立ち塞がり、それぞれ口を開く。
「どこへ行こうというのだハンス」
「ここは通さないわよハンス!」
「そんな言い訳が通じると思うのですかハンス」
「悪あがきは止めて、そろそろ正体を現せよハンス」
【ウィズさん涙目じゃねぇかいい加減認めろよハンス。きいてますか? お前ぶっ狂わせて殺すぞ。ました。早くハンスだって認めてウィズさんに土下座しろハンス。ほら、ハンス早くしろとねこがいっていましたいつかのはなしです】
「ハンスハンスと俺の名を気安く呼ぶなクソ共がぁあああああ!!!!」
なんと、ハンスは逆ギレしてしまった!
取り敢えず、はよウィズさんに土下座しやがれマジでぶっ狂わせて殺してやるぞ。
次でアルカンレティアは最後ですね。
それが終われば今のところアンケートで一位(ねこですよろしおねがいします)を除いたよろしくおねがいしませんの番外編ですね。
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